HG メイレスレイキ改 レビュー

今回は、HG 1/72 YM-03C メイレスレイキ改のレビューをご紹介します!

HG メイレスレイキ改は、アニメ『境界戦機』第二部に登場するAMAIM(アメイン)「YM-03C メイレスレイキ改」の1/72スケールキットです。レイキ改の特徴的な機体形状を再現。リアスカートに装備するウイングの展開ギミック、超熱振式薙刀改、ミサイルコンテナにより、印象的なポージングが可能となっています。価格は2,750円(税込)です。

推進器と機体全高を上回る全幅まで展開する大型「リアスカートウィングユニット」を採用したレイキの強化改造機で、劇中では紫々部シオンが搭乗。滑空性能が向上し、外装部の材質変更によって重量が軽減された機体「YM-03C メイレスレイキ改」がHGでキット化。

2021年12月に発売されたHG メイレスレイキ(以下、レイキ)のパーツを各部に流用しつつ、レイキ改の特徴的な頭部や肩部、前腕部、リアスカートウイングユニット、脚部装甲、超熱振式薙刀改や背部の多連装小型誘導弾発射機といった武装が新規造形で再現されています。

成形色はレイキと同じ。ライトイエローをベースに、全身各部にホワイトを配色。その他、頭部センサーがクリアブルー、内部・関節や武装類がダークグレー成型色での再現となっています。成形色は全体的にマットな質感で、塗装せずとも塗装したようなリアルな仕上がりになります。

ホイルシールが付属し、胸部シャフトや脚部モールド、背部ダクトなどを補いますが多くはありません。両肩のスラスター口や超熱振式薙刀改の刃などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。

外装のライトイエロー、ホワイト共にKPS素材で軽量。内部・関節や武装類のダークグレー成型色パーツもやや固めのKPSが使用されています。ABSは使用されていません。ほぼPS素材で塗装に対応しています。

ポリキャップも不使用。肘・膝共にPS素材パーツ構成で関節強度はまずまず高めです。背部に多連装小型誘導弾発射機やリアスカートウイングユニットを装備していますが、大した負荷はかからず、脚底も前後に長く、接地性が高いので自立は安定します。

■付属品

超熱振式薙刀改、ハンドパーツ(平手:左右、武器持ち手:右)が付属。

HG メイレスレイキ用の余剰パーツがいくつか付属。頭部や前腕、脚部パーツなどがないので、通常のメイレスレイキとして組むことはできません。

■各部形状

HG メイレスレイキと比較しながら各部を見ていきます。

■頭部

頭部をレイキと比較して。全体的なシルエットはそれほど変わらず。蝶の頭部のような独特のデザインですが、レイキ改用に新造され、額周りが白基調で大型化。全体的にデザインが洗練されたのと、角のようなアンテナが存在感を醸し出しています。

後頭部は白い装甲裏が肉抜き状態。そのまま見えてしまうため、ややチープさが感じられるのが残念なところです。

多数のパーツ構成で合わせ目は各部ともモールド化されています。

首はHG 境界戦機シリーズのメイレス系と共通。2箇所が可動し、幅広く前後させることができます。首の太い部分は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。

■胴体部

胸部・腹部をレイキと並べて比較。大部分の形状は同じですが、胸板の装甲が新造。上部に2枚のフィン状装甲が追加され、華やかさや威厳が感じられるデザインに進化しています。

胸部には他のメイレス系と同様、ゴールドのシャフトが造形。シャフトはシールでの色分けで伸縮ギミックを収録。ただしゲート処理を怠ると、伸縮時に干渉でシールが剥がれてしまうので注意です。丁寧にゲート処理を行うようにします。

肩部は前方に幅広くスイング可能。肩のスイング可動に合わせて胸部のシャフトが伸縮します。

更に肩部は上下にも幅広くスイングしますし、肩上部のカバーパーツもヒンジ接続で上下します。肩の可動に追従するような表現が可能です。

腹部装甲は1軸接続でロールが可能。この動きによって上半身を深く反らすことができます。

腰部フロントアーマーをレイキと比較して。レイキがコンパクトな装甲のみなのに対し、レイキ改は縦長装甲が新造。スタイリッシュですが、白い装甲が追加されたことで全体的に存在感が増しています。

背面装甲もレイキと比較して。レイキは六角形で丸みがあり、どことなく女官的な雰囲気がありますが、レイキ改は裾広がりのスカートアーマーによって女帝のような雰囲気に変化しています。また、レイキでは「リアスカート」のみとされていた名称も、レイキ改では「リアスカートウイングユニット」へと変更されています。

リアスカートウイングユニット裏面。

リアスカートウイングユニットはレイキと同様、上方に広く展開可能。ヒンジ接続ではないため適度な強度があり、展開した状態でもしっかりと形態を維持してくれます。フロントアーマー裏がガッツリ肉抜きなのは気になるところ。

リアスカートウイングユニットは屏風型で、左右に幅広く展開させることができます。レイキも左右に展開しますが、ウイングの展開幅に圧倒的な差があります。

ウイングの中央に配されている翼部機動爆弾倉は前後の弾倉が個別にロール可能。

射出口?のスリットダクトもしっかりと開口されていて造りに深みがあります。ただし内側の肉抜きが見えてしまうのはちょっと残念ですね。

リアスカートウイングユニットの基部もロール可能。ウイングユニットの角度を調整することができます。こちらも硬めKPSパーツの1軸で強度が高いです。中央の黄色い装甲が縦長に造形されているあたり、蝶の尻尾のような雰囲気があって面白いですね。

■腕部

腕部をレイキと並べて比較。レイキは肩部の白いスラスターが横向きに配置されており、前腕には小翼がデザインされていましたが、レイキ改は肩部スラスターが縦配置に変更。前腕も白い装甲で幅が持たせてあります。シルエット的にも上位機らしい風格が感じられますね。

上腕と前腕内側の装甲はレイキからの流用。上腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。ダークグレーのジョイントパーツを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要です。前腕のモールドは黒いシールでの色分け。

前腕のカバーパーツは取り外しが可能。拡張パーツセットの武装などがマウントできるジョイント穴があります。

前腕装甲には2連装機関砲が造形。レイキにはない攻撃パターンを演出することができます。銃身や基部はダークグレーに塗り分けが必要。銃口は開口されていませんが、2重モールドで程よくデザインされています。

肩部装甲は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。側面のスラスターは合わせ目ができないパーツ構成。ダークグレーのスラスター用ジョイントがヒンジ接続なため、経年劣化が心配ではありますね。

スラスターは基部のロールの他、上方への展開や前後へのスイングなど、多彩な可動によって向きを変えられるようになっています。

■脚部

脚部をレイキと並べて比較。シルエットに大きな差異はありませんが、大腿部がレイキ改用に新造されています。膝のスラスターは六角形のタイプに変更され、配置も上方へと移動。大腿部も白い装甲を交えつつ、重厚かつデザイン性の高い造形へと進化しています。

大腿部は左右の組み合わせで一部に合わせ目ができます。足の付け根部分を挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。下腿部も左右の組み合わせ箇所が多く、中央に合わせ目ができる箇所もあります。下腿部左右の突き出た装甲はレイキと同様、黒いシールでの色分けです。

足の付け根はロールや上下など柔軟に可動。

膝のスラスターは2枚パーツ構成。スラスター口はしっかりと開口されています。基部のシリンダーシャフトこそ1個パーツ構成ですが、可動ギミックによってスラスターを上下、左右にスイングさせることができます。

スラスター裏は肉抜き穴。可動させると見えやすいので、可能であれば埋めるなどして手を加えてもよいかと。

膝の可動をジョウガン改、ケンブ斬と比較して。レイキ改はケンブ斬と同様、割と深くまで曲げることができ、しっかりと腰を落とすことができます。

ソール部はレイキと同じ。つま先の長い特徴的なシルエットで造形されています。各部側面の金具のような丸モールドも特徴的に造形。

裏面はやや簡素で、黄色い装甲やつま先裏は肉抜きが目立つ仕様です。

つま先は2箇所が可動し、広い範囲で反らせることができます。ヒンジ接続ですが、ある程度の強度があるため、自立させた際も接地のバランスが崩れる心配はなさそうでした。

足首は360度回転可能。可動域は十分です。

■バックパック(多連装小型誘導弾発射機)

レイキは背部に装備はありませんでしたが、レイキ改では背部に多連装小型誘導弾発射機を装備。多連装小型誘導弾発射機は1ユニットにつき18発の小型誘導弾を搭載、発射可能な武装です。表面にはハッチのモールドがデザインされていますが、特にハッチの展開、弾頭露出などのギミックはありません。

バックパック基部はケンブ系やビャクチ系に付属しているものと同じ。簡単な1個パーツ構成で、ボックスタイプのシンプルな装備になっています。

多連装小型誘導弾発射機(片側ユニット)は3個パーツ構成。黄色い装甲は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されています。

多連装小型誘導弾発射機(片側ユニット)は1軸接続で上方に展開可能。展開することで誘導弾射出時のシーンを演出することができます。

レイキ改の背部はコンセントのような2ダボ接続で、レイキやケンブ斬、ジョウガン改などと共通。なのでケンブ斬やビャクチのウェポンラックなどを装備することができます。

■他キットとの比較


HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。νガンダムと同程度の大きさでHGとしてはやや大柄。1/144と1/72でスケールが異なりますが、比較的ボリューミーで存在感あるキットになっています。

ベースのHG メイレスレイキと並べて。改は各部が細かく違っているため、通常のレイキに比べておしゃれな感じがありますし、肩部や前腕部、背部ウイングユニットのサイズアップによって全体的にボリューム感が増しています。

HG メイレスケンブ斬、HG メイレスジョウガン改と並べて。各種とも八咫烏に所属し、劇中で共闘した機体。各種ともキットとしてのクォリティが高く、組み合わせて飾るにも十分です。レッド、ブルー、イエローの戦隊ものカラーなのも良いですね。

所属の異なるHG ジョーハウンド、HG バンイップブーメラン、HG ニュウレンとも並べて。機体ごとに異なるコンセプトでデザインされているため、それぞれ所属によってデザインの方向性が大きく異なっています。こうして並べてみると、それぞれの個性が際立っていて面白いですね。

■各部可動域

上半身の可動域はレイキと殆ど同じですが、頭部は適度に上下可能。腰のボールジョイントによって上半身を少し反らすことができます。腕の可動については、肩部形状の違いによって若干腕が上げられるようになっています。肘は1重関節ですが、独特の形状で干渉がなく、深く曲げることができます。

腰は干渉なく360度回転可能。膝も1重関節ですが、形状が特殊なため、深くまで曲げることができます。腰アーマーによる干渉がないので、うまく調整すれば立膝も綺麗に決まります。

左右への開脚は水平まで幅広く展開可能。足首も深くまでロールさせることができます。

■武装類

超熱振式薙刀改。新型の白兵戦用兵器です。説明書には「使用時には刃の部分が伸長して、より遠くの敵を攻撃可能」と記載。太刀のような厚みのあるデザインで造形されています。刃の部分はメタリックブルーに塗り分けが必要。

刃の基部が左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。

刃の部分はスライド可能。展開することで、長尺のナギナタ状の武装に変化します。

レイキの超熱振式薙刀と並べて比較。刃が若干太く強化されているのと、展開方法がスライド式に変更されたことで、より扱いやすい武装に変化しています。

■ポージング

超熱振式薙刀改を装備して。

シンプルに顎を上げ、腕とつま先を反らすだけで飛行ポーズが演出できます。元々飛行を意識したデザインになっているのか、フライトシーンの演出がしやすいのが良いですね。

超熱振式薙刀改はグリップをハンドパーツ穴に差し込むだけで保持が可能。ダボ固定ではないですが、柄と穴の大きさが合っているので、スルッと抜けたりすることなく保持できます。

もちろん動きのあるポーズも再現可能。HG境界戦機シリーズのフォーマットで可動が柔軟。躍動感あるポーズを演出することができます。デザインは個性的ですが、取らせるポーズがいちいち格好良いです。どことなく蝶のような雰囲気があるのも良いですね。

どことなくダンバイン味もあるかも。浮かせてディスプレイさせる場合は、一般的なHGと同様、股間部にアクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。

超熱振式薙刀改の両手持ちも難なく再現可能。腕が柔軟に動くので、ナギナタを柔らかく構えたり、振り抜くような動きもラクに再現できます。足首が深くまで曲がるので、接地状態で股を開いてのポーズも安定しますね。

リアスカートウイングユニットを展開して。展開することでかなり横幅が広くなり、ダイナミックなフライトシーンが演出できます。肩や膝のスラスターユニットも合わせて可動させれば、高速移動シーンも再現出来そうです。

リアスカートウイングユニットは基部強度が少し弱く、ややふらつく感じがあります。ですが、外れたりウイングの角度が変わったりすることはあまりなく、ストレスを感じるほどではないですね。

その他、背部の多連装小型誘導弾発射機や前腕の2連装機関砲など、レイキにはない武装が各種に備わっているため、ポージングバリエーションが多彩に演出できるのもレイキ改の魅力の一つです。

前腕のジョイントを使用すれば、HG メイレスレイキ(別売り)に付属している捕縛用電撃網発射機も装備可能。3.0mm軸なので、オプションパーツセットの武装などをマウントして自分好みのカスタマイズを施すこともできます。

■武器持ち手

付属の武器持ち手はメイレスケンブやメイレスジョウガンと共通。なのでケンブ系やジョウガン系(別売り)の射撃武装を装備することができます。

レイキ系はナギナタを使った一撃離脱攻撃を得意とするようですが、この武器持ち手を使えば遠距離攻撃も演出可能。ポージングをより幅広く演出してくれるアイテムになっています。

■HG 特大型装甲特殊運搬車への積載

上半身を反転させ、腕と脚を折りたたんでコンパクトにすることで、HG 特大型装甲特殊運搬車(別売り)の荷台に積載することができます。

レイキ改は肩や膝、後部にリアスカートウイングユニットなどがあるため、格納しづらく感じますが、説明書の通りに全身を折りたたむことで上手く2台に収納することができます。

リアスカートウイングユニットが上部に突き出た形ですが、それがまたレイキ改の積載による個性が出ていてなんか良いですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。レイキからの流用パーツは多いですが、新造された武装や各部形状によってレイキ以上に上品かつ風格を感じさせるキットになっています。今回はリアスカートウイングユニットや超熱振式薙刀改だけでなく、前腕の2連装機関砲や背部の多連装小型誘導弾発射機といった武装によってポージングがより豊かに演出できるようになっています。武器持ち手の付属で、ライフル射撃ポーズも再現できるのも嬉しいところ。

気になる点は、フロントアーマー裏や膝のスラスター裏、ウイングユニット中央の翼部機動爆弾倉裏など、各部に肉抜きがあって見えやすいのはちょっと残念ですね。値段がそこそこするので、この辺りはもう少し裏打ちするなど造りが丁寧だと良かったかなと。それとつま先がヒンジ接続で外れやすいのと、経年でヘタれそうではありますね。

本当に「いっぺん買ってポーズを取らせてみっ!」とオススメしたくなるくらい、ポーズが決まりやすく繰り出しやすいですし、格好良く魅力的なキットになっています。また、HG境界戦機シリーズはやや過小評価されている気もしますし、手元で見るからこそその良さが分かる、潜在能力を持ったキットなのが良いですね。

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執筆者:nori
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