今回は、HG 1/144 CEK-077 ベギルペンデのレビューをご紹介します!
HG ベギルペンデは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『CEK-077 ベギルペンデ』の1/144スケールモデルキットです。ベギルベウ後継機の特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。展開可能なノンキネティックシールドの他、特徴的なアンチドートユニットを備えたバックパック、ビームライフルといった武装を持つキットになっています。価格は1,760円(税込み)です。
新型機ミカエリスと連携し、対GUND-ARM集団戦術によって地球寮との決闘を繰り広げたグラスレー社製MS『ベギルペンデ』がHGでキット化。2022年8月に発売されたHGベギルベウのパーツを各部に流用しつつ、インパクトのあるカラーリングや頭部、2基のメインスラスターを持つバックパック、十字型のノンキネティックシールド、ビームライフルなどが新規造形で再現されています。
成型色はパープルとレッドをベースにした一癖あるカラーリング。その他、関節や内部パーツはブルーグレー、武装類はグレー、肩や大腿部の円形モールド部分はクリアパープル成型色パーツでの再現となっています。
シールは頭部や肩部と大腿部の楕円状モールド、バックパックのアンチドートユニットとノンキネティックシールドの一部、ビームライフルのセンサーを補います。まずまずの量。バックパックとノンキネティックシールドはグリーンのシールを貼ることでアンチドート発動状態が再現可能です。
関節や内部パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。外装パーツのゲートがやや太めなので、ランナーから切り離す際は2度切りしたほうが良さそうです。
ポリキャップも不使用。ソールがベギルベウと同型のハイヒールタイプですが、片足3点で接地するため、自立は安定しています。背部にバックパックを装備していますがそれほど負荷はかかりません。
十字型のノンキネティックシールド、ビームライフル、ビームサーベル刃✕2、ノンキネティックシールド用のワイヤーケーブルとスタンドが付属。ビームサーベル刃は1本予備です。
スタンド用のジョイントパーツが余剰で付属します。
胴体部と脚部には簡単な内部フレームが造形。
ベギルベウと異なる部分のみ比較しながら各部を見ていきます。
頭部をベギルベウと並べて。三角型のシルエットなのは同じですが、ベギルペンデはフロントの形状が異なり、上部も十字ではなくクリアパーツによるドーム型で造形されています。後頭部にも縦長の特徴的なアンテナを装備。
上下でパーツによる色分けが再現されていますし、合わせ目もきっちりと段落ちモールド化されていて見た目に落ち度はありません。
上部のクリアパーツ内部はモールドにシールを貼っての再現。
側頭部のクリアパーツ内部は内側にくるパーツにシールを貼って色分けします。ベギルベウではクリアパーツに直接シールを貼るようになっていましたが、ベギルペンデでは改善されてより良い見た目になっているようです。
胸部・腹部はベギルベウと全く同じ。エッジの効いた装甲や胸元のドーム状クリアパーツ、細身の腹部や腰部が印象的に造形されています。
胴体部には簡単な内部フレームが造形されています。ドーム状クリアパーツの内部には簡単なモールドが造形。
肩はボールジョイント接続で幅広く展開させることができます。
腰部もベギルベウと同じ形状。軽装の前後アーマーと脚の付け根の楕円状モールドが個性的に造形されています。楕円状モールドはシールの上にクリアパーツを組み付けての再現。
フロントアーマーは上下にスイングが可能。少しでも脚部と干渉しないように配慮されているようです。
フロント・リアアーマー共に裏面には簡単なモールドが造形。腕部や脚部のジョイント穴は他のHG水星の魔女シリーズと共通。組み替えてお好みのカスタマイズを施すことができます。
腕部もベギルベウと全くの同型。ただしカラーリングが個性的で妖艶な雰囲気も感じさせるデザインになっています。ショルダーアーマーには幅がありますが、二の腕以下は細身。
二の腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は端にくるので目立ちません。消す場合は後ハメが必要。前腕は前後の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。
肘関節はヒンジ接続。ですが前腕パーツとの兼ね合いで抜けない構造になっています。耐久性も考慮された構造なので安心して取り扱うことができます。
ショルダーアーマーはパープルの装甲が前後の組み合わせですが、上部の合わせ目は端でモールド化。その他も合わせ目が出来ないパーツ構成で全く落ち度はありません。
前面の楕円状モールドはパープルの輪型シールを貼り、その上からクリアパーツを被せる構造で鮮やかに表現。
脚部もベギルベウと全く同じです。ただし腕部と同様、パープルとレッドのカラーリングで妖艶な雰囲気に仕上がっています。形状も起伏が大きく個性的。
脚部内部フレーム。ベギルベウと同じ構造で、膝関節のみ円形。それ以外の部分は縦一直線の特徴的な形状をしています。
大腿部、膝から下共に内部フレームに外装パーツを前後から組み合わせる構造。大腿部の合わせ目は段落ちモールド化されますが、膝から下は裾の部分に少し合わせ目ができます。後ハメ処理が難しいので、合わせ目を消す場合は段落ちモールド化したほうが無難です。
ソール部もベギルベウと同じ。3又のハイヒール型となっています。足首関節の肉抜き穴が少し気になるところではありますね。
足裏はつま先、踵共に肉抜き穴で軽装。説明書に記載はありませんが、それぞれヒンジ接続で可動するので、ベギルベウと同様、フットユニットとしてクロー展開することができます。
背部をベギルベウと並べて比較。ベギルベウは球状のノンキネティックポッドやフライトユニットを持つ大柄なバックパックを装備していますが、ベギルペンデは比較的軽装。バーニアと左右のメインスラスターで構成された軽装バックパックになっています。
中央のバーニアと下部装甲はヒンジ接続で上下に可動。背部の表情を変化させることができます。
メインスラスターはタンクやロケットを想起させる縦長タイプ。グレーの装甲部分は左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。
レッドの装甲部分を引き伸ばすことで内部のアンチドートシステムが露出します。
アンチドートのユニットはクリアパープルパーツにシールを貼っての色分け。クリアパーツなのでモールドが分かりにくいですが、形状に合わせてきれいに貼り付けます。グリーンのシールを貼る、貼らないでアンチドート発動状態の発光と非発光がチョイス可能。まずはグリーンのシールを貼らず通常状態にしています。
メインスラスターは1ダボ接続で上下にスイングが可能。
バックパックは2ダボ接続で他のHG水星の魔女シリーズや一部のHGUCキットのバックパックと組み替え可能。(画像ではガンダム6号機マドロックのバックパックと組み合わせてみました。)
ベギルベウの改良機なので、ベギルベウのバックパックを装備しても全く違和感はありません。デザイン的にもよく合っています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。特別大きくはありません。HGとしては中間サイズ。ベギルペンデの全高(頭頂高)は18.2m。
ベースのHGベギルベウと並べて。後継機なので部分的な形状は同じですが個性的なカラーリングに変化。ベギルベウがワンオフ機っぽいのに対し、ベギルペンデは量産機らしいカラーリング、造形となっています。
HGミカエリスと並べて。ミカエリスよりも小型で共通パーツはなし。ベギルペンデを5体揃えればグラスレー寮のチーム戦の雰囲気を味わうことができます。
頭部はベギルベウと形状が少し異なりますが可動域はほぼ同じ。幅広く上下させることができますし、左右へも干渉なくスムーズに可動します。
その他の胴体や四肢はベギルベウと全く同じ形状なので可動域も同じ。腕はY字程度まで上げられますし、肘は1重関節ながらもV字程度まで曲がります。
胸部が可動し、干渉なく360度回転可能。膝は1重関節ですがV字程度まで深く曲げることができます。立膝もきれいな姿勢で再現可能。
左右への開脚は水平以上に幅広く展開可能。
各部ともかなり幅広く可動するため、どんなポーズにでも柔軟に対応してくれます。関節強度も高く、グリグリと動かしてもポロリなどがほぼありません。ポーズを取らせるとしっかりと固定されるので、ラクにポージングが進められるのがいいですね。
可動域の詳細は以下のリンクからHGベギルベウのレビューをご参考くださいm(_ _)m
ノンキネティックシールド。GUNDフォーマット妨害装置(通称:アンチドート)を搭載した大型シールドになります。グリップは別ユニット化されており、射出したシールドを有線式で遠隔操作させること可能とのこと。中央六角形の黒枠はシールでの色分けです。
裏面に若干簡易的なところはありますが、各部ともパーツ分割されていて作りが細かいです。裏面にはメカニカルなモールドも造形。
先端の赤い装甲やパープルの装甲はそれぞれ引き伸ばしが可能。内部からグリーンのシールで色分けされたアンチドートシステムが露出します。
十字の各部とも展開が可能。アンチドート発動状態を再現する場合は中央の黒枠もグリーンのシールを貼るようになります。
裏面のアームは2箇所が展開可能で基部もロール可能。アームはヒンジ接続なので経年でヘタれる可能性も。
裏面のサーベルホルダーは展開可能。サーベル柄を取り外し、ビーム刃を組み付けることで武器として使用することができます。
ビームライフル。大型エネルギータンクを備え、継戦能力が高められたベギルペンデ専用の携行火器になります。ツインセンサー方式で命中精度にも優れているとのこと。特殊な形状ですが重厚感ある武装になっています。
グリップと銃口以外はモナカ割。ですが上下の合わせ目は各部とも段落ちモールド化されています。
上部と銃口下部のセンサーはグリーンのシールでの色分け。
グリップは前後にスイングさせることができます。劇中のようなリアアーマーにマウントさせるギミックはないようですね。
一通り武装して。
ビームライフルはグリップが可動するので干渉することなくラクに保持させることができます。グリップもハンドパーツに差し込むだけで保持ができるので持たせるのがラク。隙間なく差し込めるので外れにくく、ふらつきもありません。
ノンキネティックシールドはまずジョイントパーツだけを前腕に保持させます。グリップで握らせ、手首にしっかりと固定させることができます。そして組み付けたジョイントパーツにノンキネティックシールド本体を組み付けます。
ノンキネティックシールドはアームが展開するので、前方に向けてディフェンスするシーンもラクに再現可能。アームがヒンジ接続ですが、今のところ特にヘタれる様子はないようでした。
背面の形状も特徴的。背面ユニット自体は小柄ながらも、メインスラスターには独特の存在感があります。
ベギルベウと同様、フットユニットをクロー展開して攻撃的なポーズを再現することも可能です。
着陸時はつま先を折りたたみます。
サーベル柄は細身なので、ハンドパーツとの間に隙間ができます。保持する場合、引っかかるような凸凹がなく、ビーム刃のところまで通ってしまいますが、うまく角度を付けることで引っかかるので問題なく保持できます。
ビーム・サーベル刃はブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。
アンチドートを発動させる場合はノンキネティックシールド中央の黒枠部分をグリーンのシールに貼り替えて四方の装甲を展開。
背部メインスラスターは赤い装甲を展開して内部アンチドートシステムにグリーンのシールを貼り付けます。
そして展開した武装類を組み付け、背部メインスラスターを上向きにすることで、劇中のようなアンチドート発動シーンを再現することができます。展開したユニットのグリーン発光が印象的。
ノンキネティックシールドは付属のワイヤーケーブルを接続することで射出状態が再現可能。展開したノンキネティックシールドは付属のスタンドを使ってディスプレイさせることができます。
シールド側には3.0mm軸があり、付属のスタンドに組み付けます。ベギルペンデの本体側は前腕に組み付けているジョイントパーツに接続。どちらも適度な固定強度があるので抜けないですし、リード線が抜けてしまうこともありません。
付属のスタンドは2軸の支柱と円形底板の簡易的なタイプで、ベギルベウやミカエリスに付属しているものと同じ。
ノンキネティックシールド射出状態を再現するとベギルペンデ本体との遠近感が出るため、ポージングにも臨場感が出てきます。説明書にも記載がありますが、リード線が長いと感じる場合はお好みの長さにカットして調整すると良さそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。個性的な頭部や背部形状、カラーリングによってどこか妖艶な雰囲気を持ったキットになっています。ベギルベウからの流用箇所は多いですが、それを感じさせないくらいにしっかりとした個性を持っているのがいいですね。ベースキットの完成度が高いのでこのベギルペンデもかなり取り扱いやすいですし、関節強度が高いのでグリグリ弄れてポージングもサクサク進みます。
気になる点は殆どないですが、肩のボールジョイントが少し抜けやすいのとサーベル柄が細身なので少し保持でズレたりします。それとアンチドート発動と非発動はシールの貼り替えが面倒なので、どちらかを表現するかもしくは2体で両方を再現すると良さそうです。
ノンキネティックシールドなど新造された武装にも存在感がありますし、ワイヤーケーブルによる射出状態も臨場感が感じられるなど格好良いシーン演出が楽しめます。そして何より、5体揃えてミカエリスやエアリアルなどと組み合わせ、グラスレー寮VS地球寮の激しいバトルシーンを演出するのもこのキットの醍醐味の一つですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
1件のコメントがあります。
ysg
on 2024年10月13日 at 20:01 -
「大盾を前に突き出して防御に構えても、大鎌の上からの軌道は防げない」「剣なら防げても大鎌だからアウト」という構図で、デスサイズに対して恰好のやられ役になります。