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HG ジム サンダーボルト版 レビュー

今回は、2016年5月に発売されたHG 1/144 RGM-79 ジム サンダーボルト版のレビューをご紹介します!

HG ジム サンダーボルト版は、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場するMS『RGM-79 ジム』の1/144スケールモデルキットです。アニメ版をイメージした成型色による新カラーバージョンで再現。サブアームによるシールド展開のほか、頭部やランドセル、シーリングといったサンダーボルト版特有の各部形状が再現されたキットになっています。価格は1,980円(税込み)です。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の世界観に合わせてリデザインされ、連邦ムーア同胞団の所属機としてサンダーボルト宙域を駆け抜けたMS『RGM-79 ジム』がHGでキット化。2013年12月に発売されたHGジム(ガンダムサンダーボルト版)(漫画版)と同形状ですが、アニメの設定に合わせて成形色やパッケージイラストなどが刷新されています。

成型色はくすみのあるホワイトや深みのあるブルーグレーをベースに、胸部や肩部、バックパックのバーニアなどに蛍光タイプのイエローを配色。その他、頭部バイザーがクリアグリーン、関節や内部、武装類などがダークグレー成型色での再現となっています。

シールは頭部センサーや腰部周り、脚部アポジ、ランドセルの一部などを補いますが多くはありません。ランドセルの一部やバーニア周りなどを塗り分ける必要がありますが、成型色とシールによって素組みでも十分な色分けが再現されます。シールは漫画版と同じものが付属しているため、一部のシールはこのキットでは使用しません。

通常のジムとは異なり、全身には増加装甲やアポジが造形。関節やバックパックにはシーリングがデザインされたサンダーボルト版仕様のジムになっています。※シーリング・・・・関節や一部の装甲をデブリやホコリから保護するためのカバー。

ABSやKPSは不使用。各部のシーリング関節にはHGフルアーマーガンダムサンダーボルト版と同じパーツが使用されています。

ポリキャップはPC-001を全身各部に使用します。関節強度はまずまず高め。背部に大型のランドセルを装備していますが、、後方への負荷は少なく、自立は安定しています。

2連装ビーム・ライフル、ビーム・スプレーガン、シールド✕2、サブアーム(左右)、武器持ち手(左右)、シールド用ジョイントパーツ✕2、シールド用グリップパーツ✕2が付属。

専用のマーキングシールが付属します。

頭部はV字アンテナなどのないジムらしいシルエット。ですが額のバルカンが角型口が特徴的に造形されています。メット部は前後のモナカ割で頭頂部から側面にかけて合わせ目ができます。合わせ目を消す場合も後ハメは必要なし。

とさか前後のセンサーはグリーンのシールでの色分け。バイザー内部にはスリットモールドなどがメカニカルに造形されています。クリアグリーンのバイザーは一旦はめ込むと外れにくいので、仮組みなどの場合は注意が必要です。

HGUCジム、HGUCジムⅡの頭部と並べて。どちらかというとやはり通常のジムに近い印象ですが、大きさはこのサンボル版が一番小さく、スタイリッシュさが伺える作りになっています。

胴体部。全体的にエッジの効いた装甲で、フルアーマーガンダムと同様、網状のエアインテークが印象的に造形。襟やエアインテークのふちもパーツで細かく色分けされています。

首はポリキャップにシーリングパーツを被せる構造で細かな配慮がしてあります。肩はポリキャップの引き出しギミックでわずかに展開が可能。腕部の可動域を少し広げることができます。

腰部はふんどしタイプの3分割仕様。各面ともモールドの少ないプレーンな装甲が造形されています。中央のV字や上部モールドは黄色いシールでの色分け。V字は黒いパーツにモールドが造形されていますが、塗装する場合はしっかりと隠蔽するために下地塗装をしたほうが良さそうです。

腰アーマー裏にモールドは全くなし。特に起伏もないので裏打ちパーツを自作する場合はラクそうですね。

腕部。エッジの効いた程よく厚みのある装甲が造形。特に肩部は四方にアポジが展開するなど、デブリ回避のための細かな可動を実現する作りになっています。肩内部や肘はビニールのようなシワが入ったシーリング仕様で個性的。

上腕、肘、前腕各部とも左右の組み合わせで合わせ目ができます。前腕側は分離できますが、上腕と肘関節は分離しないので一部に後ハメなどの加工が必要です。ハンドパーツが穴なしなのは自然な感じでいいですね。

ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上部に合わせ目ができます。内部のシーリングを挟むので、合わせ目を消す場合は後ハメが必要。前後下部の装甲が取り外せるので、後ハメはし易いかも。アポジ内部の中央は黒く塗り分けが必要です。

脚部。こちらも腕部と同様、エッジの効いた中太装甲が造形されています。

足の付根はシーリング仕様。膝から下の装甲にあるアポジはモールドに黄色いシールを貼っての再現。シールだとチープな感じになってしまうので塗装したほうが良さそうですね。

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝のシーリングは左右の組み合わせで合わせ目ができます。膝から下は前面と左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。膝から分離するので合わせ目消しはラクかと。

ソール。シンプルな作りですが、足底は凹凸のある装甲で印象的にデザインされています。アンクルアーマーは左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。

アンクルアーマーは可動式。足首のシーリングはモナカ割で合わせ目ができます。足裏は重機的なモールドの入った足底パーツが造形。肉抜き穴などもありません。

背部ランドセルはサブアームや3機の交換用エネルギーパック、5基のスラスターを持つ複合ユニット。背部全体を覆うような幅のある装備になっています。表面にはビニールや布風の細かなシーリングモールドが造形。5基スラスターの外側はグレーに、内部中央は黒に塗り分けが必要です。

ランドセルは角型ダボ接続でそこそこの固定強度があります。取り外す際は表面のスラスターに手が当たって外れることがあるので注意です。他キットとは異なる構造なので、無改造でのバックパック交換はできません。

バックパック前面にはサブアーム(収納型)を装備。レールに沿って45度程度可動させることができます。漫画版ではサブアームの可動レールを黄色いシールで色分けしますが、このアニメ版ではグレーに塗り分ける必要があります。バックパック中央には3基のビーム・スプレーガン用エネルギーパックを装備していますが、特に交換ギミックはありません。

下部のスラスター可動用レールはグレーのシールで色分けします。特に可動ギミックはなし。

サブアームの展開は、サブアーム(収納型)を取り外し、付属の展開型サブアームを組み付けます。

展開型のサブアームはフルアーマーガンダムと同様、裏面が肉抜き穴。そんなに目立たないですが、気になる場合は細く埋めていく必要があります。アームの形状もフルアーマーガンダムとは異なります。

展開型のサブアームは収納型よりも幅広く前後させることができます。

サブアームの基部がロールするので、後方に向けることもできますし、レールの前後可動との兼ね合いで前方に展開することも出来ます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムよりも少し大きい程度でHGとしては標準かやや小型サイズ。ですが背部ランドセルが少し大柄なのでその分大きく見えますね。ジム サンダーボルト版の全高は不詳です。

同シリーズのHGフルアーマーガンダム サンダーボルト版と並べて。さすがに量産機であるジムとワンオフのフルアーマーガンダムとでは装備にかなりの差があります。

HGUCジムと並べて。頭部はジムらしくデザインされていますが、重装備仕様になっているため、それ以外の全身各部はかなり形状が違っています。

頭部の可動は、首が短いので顎引きはわずか。見上げる動きもあまり広くはありません。左右へは顎が干渉し易いですが、問題なく真横にまでスイングさせることができます。

腕は水平以上に上げることができます。肘は2重関節でV字程度まで曲げることが可能。

肩はボールジョイント接続で適度に前後スイングが可能。前方へは肩が若干引き出せるので、そのぶん広めにスイングします。

腹部がボールジョイント接続ですが、上半身の前後スイングはわずかなので画像は省きました。

腰は干渉なく360度回転が可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。

前後開脚は、フロントアーマーが可動するので前方へは広く展開できますが、後方はリアアーマーが可動しないので制限されます。

膝は2重関節ですが、外装が干渉するのでくの字程度までしか曲げることができません。装甲裏は裏打ちパーツがきっちりと造形されています。

足首は前後に広めに可動させることができます。左右へはそれなり。

左右への開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。開きすぎるとサイドアーマーが外れるので後方に向けています。

脚の付け根がロールするので、内股、がに股は幅広く可動させることができます。

大腿部と膝から下の部分の長さに差がないので、立膝はバランスよくきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、特別広く可動するわけではないですが、肘膝は広めに可動しますし、腹部も干渉なくロールしてくれるのでポーズは付けやすそうです。頭部や肩部などもそんなに不自由さはないですし、量産機としては十分な可動域を持っているのではないかと。

ビーム・スプレーガン。サンダーボルト版ジムの手兵装で、銃身下部にはエネルギーパックが造形されています。特に交換ギミックはありません。

本体部分は簡単なモナカ割で上下の一部に合わせ目ができます。特に上部センサーの色分けシールはなく、塗装も必要ないようです。

2連装ビーム・ライフル。左腕に装備するビーム兵器になります。フルアーマー・ガンダムと同様の武装ですが、ジムでは小型化され、構造もエネルギーパック方式とのこと。ちなみにアニメ版では2連装ビーム・ライフルではなくビーム・スプレーガンを両手に装備しています。

トリガーパーツはポリキャップ接続の1個パーツ構成で、砲身部から取り外しが可能です。2連装ビーム・ライフルを持たせる場合は武器持ち手でグリップを握らせます。前腕に筒状で支えるので安定した保持が可能。

砲身部分はパーツの2枚重ねで上下に合わせ目ができます。砲口が別パーツ化されているので塗り分けると雰囲気が変わってきそうですね。

シールド。表面に十字のある連邦仕様のシールドになります。ポリキャップを挟んでの2枚(十字とポリキャップを含め4個パーツ構成。)でシンプルな作り。裏面にはメカニカルなモールドが造形されています。裏面はグレーに塗り分けが必要。

一通り武装して。

ビーム・スプレーガンは付属の武器持ち手で保持。持ち手がややバラけやすいですが、スプレーガンが軽装なので特に不自由なく構えさせることができます。手首が少し抜けやすいかなという程度。

2連装ビーム・ライフルも砲身部が前腕にダボ固定できるので安定した保持が可能。肩や腕の関節強度が高いので垂れ下がったりということは全くありません。

シールドは付属のジョイントパーツを使用することで前腕に装備させることができます。シールドを組み替えることで側面と後面への配置変更が可能。

ジョイントパーツが前腕にしっかりと組み付いていますし、腕を動かしても干渉が殆どないので取り回しはラクです。

付属のグリップパーツを組み付けることで、シールドをサブアームで保持することが可能。サブアームにカチッとはまり込むので、向きが変わることなく保持させることができます。

サブアームにシールドを保持させた状態で。シールドは左右に配置しておくことで、腕と干渉することなく装備させることができます。

サブアームにシールドを装備させるだけでかなりの重武装感が出てきます。ポーズの迫力が増してよりダイナミックでかっこよく演出できるのがいいですね。

劇中のようなデブリを避けながら目標に向かって飛行するシーンもリアルに再現可能。

シールドを前方に展開したままだと干渉して射撃ポーズが取らせにくいので、射撃シーンを演出する場合はシールドを後方に配置しておいたほうが良さそうです。サブアームがもっとフレキシブルに可動するといいですが、強度も必要になってくるので難しいですね。

ちなみにアニメではシールドの表面に十字がなく、連邦のエンブレムだけがプリントされています。このキットはアニメ版として発売されたものなので、できればそういった部分も忠実に再現されていると良かったですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。サンボル版仕様の増加装甲によってボリューミーな姿に変化。重機的な装甲が印象的にデザインされていますし、シーリングや全身各部のアポジも現実味があっていいですね。適度な可動域で派手な射撃ポーズも問題なく再現できますし、関節強度が高いのでポーズを取らせるのもラク。

気になる点は、キットを掴んで弄っているとき、背部ランドセルのバーニアに手が当たりやすく、うっかりバーニアを外してしまうことがあるので注意です。それとシールドなど部分的にアニメ版とは違う仕様になっているので、そのあたりがもっと忠実に再現されていると良かったですね。

サブアームにシールドを持たせると雰囲気が変化して重武装感が強調されますし、適度に可動するので表情も付けやすいです。ビームスプレーガンと2連装ビーム・ライフルで射撃ポーズを取ればダイナミックに演出可能。一般的なジムとは異なる仕様でメカニカルさがありますし、ガンダムシリーズの中でも一二を争うような格好良さを持つジムになっているのがいいですね。

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