今回は、2016年4月に発売されたHG 1/144 グレイズアインのレビューをご紹介します!
HGグレイズアインは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『グレイズアイン』の1/144スケールモデルキットです。グレイズをベースにした大型な機体形状を新規パーツを用いて再現。スクリューパンチやドリルキック、格納式機関銃といった武装各種の組み換えギミックが再現されたキットになっています。バックパックに懸架可能な専用大型アックスも付属。価格は1,540円(税込み)です。
アイン・ダルトンの肉体と一体化させることで性能を向上させた阿頼耶識システム搭載型モビルスーツ『グレイズアイン』がHGでキット化。2015年10月に発売されたHGグレイズ(一般機/指揮官機)(以下、グレイズ)の内部フレーム(グレイズフレーム)や動力パイプパーツなどを流用しつつ、特有の禍々しく巨大な機体形状が新規造形で再現されています。
成型色はダークブルーをベースに、全身各部にブラックを、腹部動力パイプやリアクターにライトグレーを配色。ヒール感の強いカラーリングになっています。
シールは頭部や胸部、リアクターの一部くらいで少なめ。塗装も付属の専用大型アックス刃を塗り分けるくらいで、素組みで十分な色分けが再現されています。
関節や内部フレームにはグレー成型色のKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-002を使用しますが、首や腰部、肩、足の付根くらいで少なめ。関節強度はまずまず高めで、大型ですが負荷のかかる装備はなく、ソールも固定式の4指での接地で自立は安定しています。
専用大型アックス×2、ドリルキック再現用のソール部パーツ、肩部の格納式機関銃(左右)、スクリューパンチ再現用のハンドパーツ(左右)が付属。
グレイズ用の余剰パーツがいくつか付属します。
内部フレームを全身から。
大型のグレイズアインに見合った内部フレームが造形されています。
頭部と胴体部の内部フレーム。大部分はグレイズからの流用ですが、頭部と腹部パーツはグレイズアイン用に新造されています。
腕部内部フレームはグレイズアイン用にすべて新造。厚みのあるフレームが再現されています。前腕の手首側は外装パーツのみで構成されています。
脚部は大腿部と膝関節がグレイズからの流用で、膝から下がグレイズアイン用に新造。グレイズからかなり延長された形になっています。
グレイズフレームの構造により、肩が前方に広くスイング可能。
腕は肘と前腕を深く曲げることが可能。脚部は2重関節の膝がコの字に曲がる他、スネを前方に曲げることができます。可動が独特。
頭部は奥から覗く禍々しい1つ目や鬼の角のようなアンテナが印象的に造形されています。どことなくヤバそうな雰囲気が感じられますね。
頭部は細かいパーツ構成で合わせ目はありません。メット内部には1つ目型の球状センサーが造形。表面は赤いシールを貼っての色分けです。
手前のセンサーを組み換え、アンテナを後方に向けることでベーシックなグレイズの表情になります。中央のセンサーは黄色いシールでの色分け。
胴体部は動力パイプを含む内部フレームがグレイズからの流用ですが、腹部や外装各部装甲が新造。
腰部。派手さはないですが、まとまりのある機械的な装甲が造形されています。
フロントアーマー裏にモールドはなし。リアアーマーは簡易的なパネルラインがモールド化されています。
腕部。メカニカル且つ強靭そうな大型腕部が新造されています。
フレームに外装を組み付けていく構造で殆ど合わせ目はありません。前腕の黒い装甲がパーツの2枚重ねで合わせ目ができるくらいです。ハンドパーツは内側全体が肉抜き穴。
前腕の黒い装甲部分にはパイルバンカーを装備。パイルバンカーの基部は黒く塗り分けが必要です。
内部のパイルバンカーは引き出しが可能。
前方に引き出すことでパイルバンカーの射出状態を再現することができます。ストッパーなどはかからないので、抜けてしまわないように注意します。
ショルダーアーマー。大柄な装甲が造形されています。各部とも合わせ目ができないパーツ構成。
側面の装甲は少し上下させることができます。
下部の黒い装甲が展開可能。
付属の格納式機関銃をマウントさせることができます。固定強度はまずまず。格納式機関銃は1個パーツ構成で裏面は肉抜き穴です。
脚部。細身でグレイズに似た装甲を纏っていますが、より長く、強靭さを感じる作りになっています。
内部フレームにも合わせ目はなく、それに外装を被せていく仕様で全体的に合わせ目はありません。部分的に内部フレームが露出。
後部のスラスターは展開可能。一部に内部フレームの肉抜き穴っぽいところが露出するのが気にはなりますね。バーニアは2重モールドが造形。別パーツ化されているので塗り分けがしやすいかと。
ソールは4指で接地するタイプで機械的。固定式で可動ギミックはありません。足裏は中央のスラスターが造形されていますが、4指裏は肉抜き穴です。
ドリルキック再現用のパーツが付属。
組み替えることでドリルキック時の脚部形状を再現することができます。ドリルキックはモビルスーツとの一体化が可能にする格闘戦闘に加え、脚部先端部を閉じることで鋭利な円錐(えんすい)形状を取る。回転機構も併せ持ち、装甲を鋭く抉る(えぐる)とのこと。
背部には専用大型アックス用のホルダーが造形。2本のフレキシブルアームが設置されています。
背部はグレイズと同じエイハブ・リアクターが1基造形。表面は黄色いシールでの色分けです。専用大型アックスのホルダーは簡易的な作りで裏面全体が肉抜き穴。消すのが少し手間そうです。HG鉄血のオルフェンズシリーズ共通の2ダボ接続。
アームは基部と先端の2箇所が可動します。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。劇中ではバルバトス第6形態が見上げるほどの大型機。HGでも頭2つ3つ抜けています。グレイズアインの全高は22.2mです。
HGグレイズ(一般機/指揮官機)と並べて。内外とも部分的に近いところがありますが、サイズ感、細部形状などが違っていてグレイズの強化型であることが良くわかります。
劇中で戦闘を繰り広げたHGガンダムバルバトス第6形態とも並べて。
頭部はわずかに上下する程度。左右へも顎と襟が干渉しやすいですが、浮かせるようにすれば水平にまでスイングが可能です。
腕は水平程度まで上げることができます。肘はV字程度まで曲げることが可能。
肩は広めに前後させることができます。前方は肩が引き出せるのでより広くスイングさせることが可能です。
グレイズフレームの可動により、上半身を前方に広めにスイングさせることができます。
腰は360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は前後共に水平程度まで展開可能。前方は腰部と大腿部が干渉しやすいです。
膝は深くまで曲げることが可能。フレーム状態だとスネも曲げられましたが、外装を組み付けると干渉して可動が制限されます。
足首の可動は前後左右ともそれなり。前後は数カ所の可動で大味にスイングします。
リアアーマー(サイドアーマー)と大腿部が干渉するため、左右への開脚はハの字程度まで。
大腿部と股間部が干渉するため、内股はわずか。がに股もサイドアーマーと大腿部が干渉するので45度程度までです。
大腿部と膝下の長さに差があるため、立膝をきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
大柄な装甲が干渉するため全体的に可動がやや制限されますが、それでもグレイズフレームによってまずまず可動します。なので躍動感あるポーズもある程度は取れますし、大型機らしいサイズを活かしたポージングをするのも良さそうですね。
専用大型アックス。グレイズアインの出力や長い腕部の形状に合わせて大型化された専用のアックスになります。凄まじい破壊力を有するとのこと。刃や後部をシルバーに塗り分ける必要があります。
モナカ割の簡易的な2枚パーツ構成で各面に合わせ目ができます。
グレイズのバトルアックスと並べて。圧倒的なサイズ感がありますね。
専用大型アックスは背部のアームにマウント可能。しっかりと固定されるのでポロリなどのストレスはありません。
専用大型アックスをアームに組み付けた状態で展開することで、肩からアックスを掴むポーズを再現することができます。
スクリューパンチ用のハンドパーツ。内側はごっそり肉抜き穴なので、埋めて造形するのは少し手間そうです。
背部に専用大型アックスを装備して。あおり視点だと他のキット以上に巨大に見えますね。
スクリューパンチ用のハンドパーツを組み付けて。前腕に可動箇所が追加されているので、拳で構えるポーズや振りかぶるポーズも自然な形で表現することができます。
ポーズを取っていると足首後部の装甲がポロリしやすかったのと、腰部ボールジョイントの強度が弱く、上半身が傾きやすかったです。この2箇所は頻繁にポロリやヘタリがあるので、予め強度アップしておいたほうが良さそうです。
パイルバンカーを展開して。特徴的な攻撃シーンが再現可能。劇中のように殴った後にパイルバンカーを突き刺すようなシーン演出も楽しむことができます。
肩に格納式機関銃を組み付けて。
専用大型アックスは付属の平手にダボ固定させて保持します。固定強度はそれほど高くはないですが、振り下ろすポーズなどは問題なく可能です。
シンプルに構えて四肢を可動させることで躍動感あるポーズが取れますし、パケ絵のように低い位置で引きずるように保持させることで、全体や大型アックスなどに重量感が感じられるようになります。
脚部に閉じた状態のソール部パーツを組み付けてドリルキックを再現。一方の4脚ソールがしっかりと接地してバランスが取れるので、ドリルキック時の片脚立ちも再現可能です。
ただ、腰部が干渉しやすいので、あまり派手に蹴り上げるポーズを再現するのは難しいようでした。無理に開脚したりすると腰部前後のアーマーが外れたりするので注意です。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。グレイズベースながらも独特の容姿で禍々しさがありますし、頭部の赤い1つ目もインパクトは十分。カラーリングや巨体さも相まって、よりヒール感、存在感の強いキットになっています。あおり視点で見るグレイズアインはとにかく圧巻で、強靭さやラスボス感が十二分に感じられますね。
気になる点は、腰部や前腕のパイルバンカー、脚部後部の装甲など、部分的にポロリやヘタレなどがあるので注意です。ポージングでストレスを感じることもあるので、予め補強しておいたほうがいいかもですね。
専用大型アックス、パイルバンカー、格納式機関銃、スクリューパンチ、ドリルキックと何気に武装類が豊富。バリエーションに富んだ攻撃シーンを再現することができます。なのでその分ポージングに面白さ、楽しさがありますし、可動に柔軟性があるので躍動感あるポーズも再現可能。第1期ラストバトルのように、バルバトス第6形態と組み合わせることで迫力あるシーン演出が楽しめるのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら