今回は、2013年2月に発売されたHGUC 1/144 RGM-96X ジェスタ・キャノンのレビューをご紹介します!
HGUC ジェスタ・キャノンは、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS『RGM-96X ジェスタ・キャノン』の1/144スケールモデルキットです。ジェスタの重装備仕様となる特徴的な機体形状を新規パーツを交えて再現。肩部や膝部増加装甲の他、上下の可動ギミックを搭載したビーム・キャノン、4連マルチ・ランチャーなどが再現されたキットになっています。グレネード・ランチャー増設のビームライフルやハンド・グレネードといった武装類も付属。価格は2,200円(税込み)です。
ジェスタにオプションパーツを増設した重装仕様機で、ラー・カイラムに配備されたMS部隊「トライスター」の運用機『ジェスタ・キャノン』がHGUCでキット化。2011年9月に発売されたHGUCジェスタをベースに、全身各部の増加装甲、背部ビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャー、グレネード・ランチャーが拡張装備されたビームライフル、ハンド・グレネードが新規造形で再現されています。
成型色はダークブルー、グレー、ブルーグレーの3色をベースに、肩部や膝部、ハンドグレネードなど各部にライトグレーを配色したミリタリー調のカラーリング。関節や内部、武装類にはグレー、頭部バイザーにはクリアオレンジ成型色パーツが使用されています。
シールは胸部装甲や4連マルチ・ランチャー、一部ダクト、武器センサーなどを補いますが多くはありません。足裏のモールドなど一部に塗装が必要なくらいで、殆どの箇所がパーツで色分けされ、素組みで十分な仕上がりになっています。
ABSやKPSは不使用。サーベル刃やポリキャップ以外は全てPS素材で構成されています。
ポリキャップはPC-001Aを全身各部の関節に使用し、関節強度はまずまず。背部にビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャーを持つバックパックを装備していますが、特に負荷はかからず、自立は安定しています。
グレネード・ランチャー付きのビームライフル、ジェスタ用のビームライフル、シールド、サーベルラック付きのサイドアーマー、ジェスタ用バックパックへの換装パーツ(左右)、シールド用アームパーツ2種、平手(左右)、武器持ち手(右)、握り手(左右)、ビームサーベル刃が付属。
HGUCジェスタ用の余剰パーツが付属します。脚部や肩部パーツなどがないので通常のジェスタとして組むことはできません。
ラー・カイラムのMS部隊「トライスター」やロンド・ベル、アナハイム・エレクトロニクス、連邦などのエンブレムが収録されたマーキングシールが付属します。
形状の異なる部分のみ、通常のジェスタ(HGUCジェスタ)と比較しながら各部を見ていきます。
頭部は通常のジェスタと全く同じ。丸みを帯びた装甲や右側頭部のバルカンポッドシステム、左側頭部のアンテナなどが造形されたミリタリー調のデザインになっています。
メット部は前後の組み合わせで頭頂部から側面にかけて合わせ目ができます。額と後頭部のセンサーはオレンジのシールでの色分け。
クリアオレンジのバイザー内部には1つ目センサーモールドが造形。バイザーはブラックライトで照らすと発光しますがやや弱め。
胸部をジェスタと並べて比較。装甲板で塞がれたエアインテークやエッジの効いた装甲など、大部分の形状はジェスタと同じですが、胸元には厚みのある増加装甲が追加されています。増加装甲の中央はダークブルーのシールでの色分け。
腰部も基礎形状は同じですが、フロントアーマーにグレーの増加装甲が追加され、サイドアーマーのハンドグレネードは全体がグレー成型色に変更されています。中央のV字マークはモールドにシールを貼っての色分け。
リアアーマーはジェスタから変わらず。
サイドアーマーのハンドグレネードは一応ハッチ展開状態も再現できますが、固定強度は弱め。ハンドグレネード自体は3本が連結した1個パーツ構成ですが、それぞれがダボ接続なので改修して分断しても個別に取り扱うことはできそうです。腰アーマー裏は特にモールドはありません。
オプションでサーベルラックに変更可能。サーベル柄も脱着可能です。
右腕部はショルダーアーマーが増加装甲になっていますが、二の腕以下の形状は同じ。エッジの効いた装甲で前腕にはビームライフル用のEパックを装備しています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離しないので合わせ目を消す場合は後ハメなど細かい作業が必要です。ハンドパーツは親指や4指などが別パーツ化されたリアルなタイプ。Eパックは脱着可能です。
Eパックは1個パーツ構成で簡易的。付属のビームライフルとのマガジン交換はできません。
ショルダーアーマーは作りは簡易的ですが、大柄で存在感のある増加装甲になっています。前後の組み合わせで中央に合わせ目ができます。側面のダクトはグレーのシールでの色分けですが、前後の六角モールドは別パーツによる色分けを再現。
左腕部をジェスタと並べて比較。通常のジェスタは前腕にサーベルラックを装備していますが、ジェスタ・キャノンでは分厚い増加装甲に変わっています。前腕、増加装甲共に左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。
脚部をジェスタと並べて。こちらも基礎の形状は全く同じですが、膝やスネ周りには増加装甲、側面にはハンド・グレネードを装備。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドっぽく造形。膝から下は各面から組み合わせる構造で裾に少し合わせ目ができますが、モールドとしておいても良さそうです。
脚部のハンド・グレネードも簡単にですがハッチが展開可能。弾頭は個別にダボ接続されていないのと、一部装甲と一体化しているので分解はオススメできません。
ソールはジェスタと同じ。シャープなデザインになっています。細かいパーツ構成で足裏もモールド入りの裏打ちパーツが造形。肉抜き穴などはありません。脚部後部のスラスターは別パーツ化されています。
バックパックをジェスタと並べて。バックパック本体の形状は同じですが、上部にビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャーを持つユニットを装備しています。
右側のビーム・キャノンは砲身がくり抜かれたフレーム構造で特徴的。砲身部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。砲口は別パーツ化されていますが、中間部の砲口は挟み込みなので合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要。
左側の4連マルチ・ランチャーも基部が左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。こちらは先端が脱着できるので合わせ目消しはラク。砲身の一部はグレーのシールでの色分けです。
ビーム・キャノンは砲口が別パーツ化され、後からパーツをはめ込みます。4連マルチ・ランチャーの砲口には4門のランチャー口が造形。
ビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャーは90度ほど角度変更が可能。肩の増加装甲と干渉し易いですが、肩を少し下げればいいので自由な射撃体勢を取ることができます。
バックパックはジェガン系と同じ角型ダボ接続。なのでジェガン系のバックパックと交換することができます。このあたりはジェガン系の名残を感じるところです。バックパック裏は肉抜き穴。
下部バーニアはボールジョイント型のポリキャップ接続ですが、あまり自由には可動しないようです。
上部のビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャーはポリキャップ接続で脱着可能。付属のカバーパーツを組み付けて蓋をすることで、通常のジェスタバックパックを再現することも可能です。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。1/144サイズのキットとしてはやや大きめで、陸ジムとは頭一つ分程度大きくなっています。ジェスタ・キャノンの全高は19.3m。
HGUCジェスタと並べて。脚長でバランスの良いプロポーションは変わらずですが、全身各部に増加装甲やハンドグレネードなどを装備したことでガラッと雰囲気が変わり、ミリタリー感の強い重武装仕様へと変化しています。同形状の部分の成型色は同じ。
可動域に関しては、各部に増加装甲が追加されていますが、大部分の可動はジェスタと同じ。頭部はジェスタと同じ可動域です。腕部は肩の増加装甲が若干干渉するため、腕を上げる角度が少しだけジェスタよりも制限されます。肘は1重関節でV字程度まで角度変更が可能。
肩は広めに前後スイング可能。前方へはポリキャップが引き出せるので幅広くスイングさせることができます。
腰は多少干渉しますが、腹部と腰部の2箇所がロールするので360度幅広く回転させることができます。膝は装甲が干渉するため、90度程度とやや制限されます。
左右への開脚は水平まではいきませんが、広く展開させることができます。足首はあまり深くまで曲げることはできず。全体的に可動域がまずまずあるので、特に不自由なくポージングを楽しむことができそうです。
グレネード・ランチャー付きのビームライフル。ジェスタのビーム・ライフルに拡張装備を追加された仕様のビームライフルで、砲身下部にグレネード・ランチャーを装備しています。表面に細かなモールドが造形されるなど、ミリタリー調の重厚感ある武装になっています。
本体部分は簡易的な左右の組み合わせで上下などに合わせ目ができます。
銃口部分はライフル口やグレネード・ランチャー口、センサーなどがメカニカルに造形。センサーはオレンジのシールでの色分けです。
後部は装甲を組み替えることで形態を変化させることができます。
ジェスタ用のビームライフル。ジェスタの主兵装で、ジェガンの物をベースに加速/偏向装置を追加し、銃身を延長したタイプになります。通常射撃モードの他に、ビーム・マシンガンのような連射モードへの切り替えも可能とのこと。ジェスタに付属しているものと全く同じもので、ジェスタ・キャノンではオプション武装として用意されています。
本体部分は左右のモナカ割で上下に合わせ目ができます。エネルギーパックの脱着ギミックはなし。
センサーは表裏共にオレンジのシールでの色分けです。
シールド。バックパックに着脱式のフレキシブルアームユニットを介して接続する、ジェスタ専用のシールドになります。こちらもジェスタ・キャノンではオプション武装の一つとなっています。
アームを介してバックパックにマウント可能。アームは展開状態と収納状態の2タイプが付属し、展開状態ではシールドを可動させて腕部側面に配置することができます。シールドを装備する場合はビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャーを外します。アームの裏面は肉抜き穴。
グレネード・ランチャー付きのビームライフルを装備して。
ビームライフルは武器持ち手で保持します。指をトリガーに添えるタイプで自然に保持できるのと、グリップがダボ固定なので不自由なく持たせることができます。手首に角度が付いているので、ライフル後部が前腕と干渉することもなくラクに保持できています。
平手が付属するので、ビームライフルを支えて安定させるようなポーズや砲口を支えてのグレネード・ランチャー射撃ポーズなどが再現可能。自然なポーズで演出することができます。
グレネード・ランチャー付きのビームライフルは簡易的な構造なのでそれほど重量はなく、腕も垂れることなく保持させることができます。ただし手首がやや緩く、ハンドパーツがポロリすることがあるので注意です。
ビーム・キャノンや4連マルチ・ランチャーは上下にしか動かないのでやや表情が付けにくいですが、砲身に平手を添えるようにしてやるだけでも射撃体勢のような雰囲気が出ます。
ビームサーベルはダボ固定などはないですが、ハンドパーツとの隙間が小さいのでずれ落ち頻度は少なめ。腕の角度を変えても簡単には抜け落ちないようになっています。
バックパックのユニットをシールドのみに組み換え、ジェスタ用のビームライフルを装備して形態を変化。キャノン系は省かれましたが、全身に増加装甲を纏っているぶん、この形態でも特殊部隊のようなスタイルを楽しむことができます。
シールドが付属するので、ディフェンスシーンなどが再現できるようになるのはいいですね。
ジェスタ用のビームライフルも武器持ち手で保持します。グリップがダボ固定でハンドパーツがバラけることもありません。安定した保持が可能です。
腕の可動が柔軟なので両手持ちでもゆったりと保持させることができますが、フォアグリップが可動しないので保持スタイルはやや制限されます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。全身各部の増加装甲によってSATのような特殊部隊感のあるスタイルになっているのがいいですね。ジェスタをもとにしたスタイリッシュ且つ機動性に優れた構造なのでポージングも捗りますし、ミリタリー調の容姿でとても魅力的なキットになっています。
気になる点はあまりないですが、手首など部分的に関節強度が弱めな箇所があります。特に手首は弄っていると抜けやすいので注意です。その他はポージングに影響が出るほどではないですが、気になる場合は予め補強しておいてもよいかと。
新造されたビーム・キャノンと4連マルチ・ランチャーは可動が制限されますが存在感がありますし、グレネードランチャー装備のビームライフルと共に特殊でメカニカルに造形されていて面白みがあります。シールドや通常のビームライフルなどジェスタ標準の装備も付属し、組み換えも楽しめるという幅広く遊べるキットになっているのがいいですね。
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