今回は、2016年5月に発売されたHG 1/144 ASW-G-29 ガンダムアスタロトのレビューをご紹介します!
HG ガンダムアスタロトは、公式外伝『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場するMS『ASW-G-29 ガンダムアスタロト』の1/144スケールモデルキットです。左右非対称の機体形状を新規パーツを用いて再現。折りたたみが可能なデモリッション・ナイフや可動式のサブナックルといったな特徴的な武装が再現されたキットになっています。ライフルやナイフといった武装も付属。価格は1,100円(税込み)です。
厄祭戦末期に72機のみが開発されたガンダムフレーム仕様機の1機で、欠損した各部外装を他の機体のもので代用した左右非対称な機体『ASW-G-29 ガンダムアスタロト』がHGでキット化。2015年10月に発売されたHGガンダムバルバトスの内部フレームを流用しつつ、左右非対称の外装や武装各種が新規造形で再現されています。
成型色はホワイトとコバルトブルーをベースに、頭部や腹部、脚部後部などにレッドを配色。その他、関節や内部フレーム、武装類はダークグレー成型色パーツでの再現となっています。
シールは額モールドや胸部モールド、ふくらはぎ、ソールなどを補いますが多くはありません。肩部や脚部ダクト、腰のブーストアーマーの一部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されています。
ABSは不使用。関節や内部、武装類に使用しているダークグレー成型色パーツにはKPS素材が使用されています。
ポリキャップはPC-002を使用しますが、半分使用するくらいで少なめ。肘や膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高めです。特別負荷のかかる装備はなく、脚底も広めで自立は安定しています。
デモリッション・ナイフ、デモリッション・ナイフ用ジョイントパーツ、ライフル、コンバットナイフが付属。
余剰パーツが1個付属します。
内部フレームを全身から。大部分はHGガンダムバルバトスと同じ内部フレーム(HG 1/144 IBO ガンダムフレーム1)ですが、頭部と腰部はガンダムアスタロト用に新造されています。
新造された頭部内部フレーム。形状は自体はバルバトスと似ていますが、表情はバルバトスよりも柔らかくなっています。
胴体部、腕部内部フレーム。ガンダムバルバトスと同じで、胸部には2基のエイハブ・リアクター、腹部にはシリンダーシャフトが造形。腕部も動力パイプなどが適度に造形されています。
脚部は外装形状が左右で違っていますが、フレーム自体は同じ。バルバトスのフレームと外装で足首のポリキャップを挟む構造なので、フレームのみでグリグリ動かすのは難しいようです。ソールもフレームは簡単なもののみが造形されています。
左右の色分けされた装甲やV字型のアンテナが造形されるなど、全体的にヒロイックさのあるデザイン。額の赤いモールドはシールでの色分けです。
メット部は左右の組み合わせで後頭部に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどの処理が必要。
胴体部はエッジの効いた装甲が造形され、エアインテークは黒成型色で落ち着いた雰囲気に。
腰部も派手さはなく軽装。尖った前面装甲が印象的に造形されています。
腰アーマー裏にモールドはなし。首、肩ともにポリキャップ接続で、肩は上下にスイングする構造です。
サイドには特徴的な縦長のブーストアーマーを装備しています。可動域の広さを活かして、左右非対称で重心バランスの悪いアスタロトの姿勢制御を担うとのこと。
白一色なので、前後の六角形モールドやスラスターなどは塗り分けが必要です。
ブーストアーマーは左右の組み合わせで各面に合わせ目ができます。前面のダクトはシールでの色分け。
後部のスラスターカバーは可動式。表情を変化させることができます。
ブーストアーマーはジョイント部分が可動するので、前後や左右など広く展開することができます。腰へはパーツ同士の組み合わせなのでしっかりとした強度があります。なかなかいい感じに仕上がっていますね。
右腕部の外装は白で統一。部分的にフレームが露出しますが、比較的軽装で派手さのないデザインになっています。
右上腕はコの字型で合わせ目はなし。右前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。
右のショルダーアーマーは簡単な1個パーツ構成で中央に合わせ目ができます。側面のダクトはグレーに塗り分けが必要。
左腕部の外装はブルーで統一。右腕部とは形状が異なり、スピナ・ロディの腕部を流用したものという設定になっています。前腕には特徴的なサブナックルを装備。
左前腕も構造は右腕部と同じ。上腕がコの字型で合わせ目がなく、前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。
前腕に装備するサブナックル。こちらは表面装甲が百錬のサイドアーマーを流用したものという設定になってます。
3指はそれぞれ独立可動します。手首も適度にスイングが可能。可動が細かいので色んな表情を付けることができます。
外側の装甲部分を組み換えて配置を変更することで、サブナックルを伸ばしたようなスタイルになります。
左のショルダーアーマーは2個パーツ構成ですが、重なるように組み合わせるため合わせ目はありません。
右脚部。膝のグレー装甲やシールで色分けされたふくらはぎなど、部分的に欠損して補ったような跡が見られます。スネのダクトモールドや後部スラスター口はグレーに塗り分けが必要。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は細かなパーツの組み合わせで合わせ目はありません。
内側のふくらはぎはメカニカルなモールドが造形され、その上からグレーのシールを貼って色分けします。
左脚部。シルエットは右脚部と殆ど同じですが、膝は破損していない装甲がそのまま残されています。大腿部のモールドは左右脚部で対称にデザインされているので組み間違えないように注意。膝のモールドはシールでの色分けですが、スネのダクトは塗り分けが必要です。
ソール部は左右とも同形状。つま先が長くシャープに造形されています。つま先の表面と脚甲部分はシールでの色分け。
足裏はつま先側にメカニカルなモールド入りの裏打ちパーツが造形されています。つま先は45度ほど角度変更が可能。
背部には簡単な1個パーツ構成のバックパックを装備。表面には2箇所の3.0mm穴が造形されるなど、他キットの装備を組み合わせる事ができるようになっています。ただしHG鉄血のオルフェンズシリーズやHGUCなどのバックパックは、ダボ幅が違うので組み付けることはできないようでした。
フレームへも2ダボ接続ですが、バックパックを外せばHG鉄血のオルフェンズシリーズキットのバックパックとは交換することができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。特別大きくも小さくもなく、HGとしては中間サイズ。ガンダムアスタロトの全高は18.2mです。
ガンダムアスタロトを再改修した姿であるHGガンダムアスタロトリナシメントと並べて。似た箇所は多いですが、全身各部の形状はかなり変化しています。
首周りに余裕があるので、頭部は広めに上下させることができます。左右へも干渉なくスムーズにスイングが可能。
ショルダーアーマーが左右で形状が違っていますが、どちらもY字程度まで上げることができます。
肘は1重関節でどちらもV字程度まで曲げることが可能。左のほうが深くまで曲がります。
肩はボールジョイント接続で前後とも幅広くスイングします。
内部フレームの可動や腰部ボールジョイントによって上半身を広めに前後させることが可能。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
腰アーマーが軽装なので、前後開脚は広く展開させることができます。
膝は2重関節で、装甲が干渉するまで深く曲げることができます。左右どちらの脚部も可動域は同じ。膝装甲裏は一応裏打ちパーツが造形されています。
足首の可動は、前後は特別広くはないですが、左右へは180度角度を変更することができます。
左右への開脚は水平まで幅広く展開可能。腰のブーストアーマーも干渉しません。
大腿部と股間部が干渉するため、内股は制限されます。がに股は水平まで幅広く展開可能。
大腿部と膝から下の長さに差があるため、立膝は少し崩れた感じになります。
可動域の総括としては、HG鉄血のオルフェンズシリーズのキットなので全体的な可動機はかなり広め。なので躍動感あるポーズも十分に再現することができそうです。不安なのは、広い可動域による関節強度の弱さで、組み立て直後は適度な可動強度がありますが、経年などでヘタれる場合があるので注意です。
デモリッション・ナイフ。折り畳み式の大型剣で、使用時の刃渡りはMSの全高を超える長さを誇る。振り下ろしながら刀身を伸長することで、敵の予想を上回る間合いからの攻撃が可能とのこと。折りたたんだ状態だと盾代わりに使用することもあるようです。
刃とグリップは展開可能。展開部分は開いて押し込むことでロックがかかる構造になっています。
刃の部分は各部とも左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
フォアグリップも展開することが可能。
付属のジョイントパーツを使用することで背部にマウント可能。ジョイントパーツは2個パーツ構成でフレキシブルに可動します。肉抜き穴がちょっと気になる感じ。
ライフル。ウォーレン家で管理していた時代から、アスタロト用に装備していたライフルになります。表面には適度にモールドが造形。
シンプルなモナカ割で上下には合わせ目ができます。
コンバットナイフ。アスタロトの腰ブーストアーマーに収納されている武装で、小型で取り回しが良い武装になっています。簡単な1個パーツ構成ですが、各部がリアルに造形。
一通り武装して。
ライフルはハンドパーツを一旦バラしてグリップを握らせます。特にトリガーに指を添えるようなタイプではありません。
ダボ固定ではないですが、ハンドパーツとグリップに隙間がないのでふらつくことなく保持させることができます。
サブナックルは特殊な武装で、各指が可動することで他のキットでは表現できない動きが付くのがいいですね。多少青い装甲パーツが外れやすいので注意です。
コンバットナイフはハンドパーツの穴に対してグリップが若干細身ですが、スルッと抜けるほどではないので保持がラクです。
可動域が広いのでポージングがダイナミック。各部ともしっかりと動きが付くので躍動感あるポーズを再現することができます。
デモリッション・ナイフに重量があるため、片手のみでの保持では手首に負担がかかります。ですがサブナックルでハンドパーツを包み込めるので、そのぶん保持をサポートできるのがいいですね。
巨大な武装なので、刃を折りたたんだ状態と展開した状態、どちらの形態でもダイナミックに斬りかかるポーズを再現することができます。フォアグリップはハンドパーツから抜けやすいですが、軽く差し込むだけでも十分表情が付きます。
適当に何枚かどうぞ。
左右非対称という特徴的な機体形状ではありますが、カラーリングや形状的にもヒロイックさが強く表現されていて格好いいですね。非対称でもバランス良く造形されていますし、各部ともモールドが細かく入っていてディテールも十分。可動が柔軟なので躍動感あるポーズも再現しやすいです。
気になる点は、コバルトブルーの成型色が少し軽めでおもちゃっぽい雰囲気があるので、技術があれば塗装して少し深みのある色味にしてみてもいいかも。それと腰部ブーストアーマーが白一色で色分けされていないので、もう少し値段を上げてパーツやシールで色分けするなど、クォリティを高めても良かった気がします。
デモリッションナイフは巨大な刀剣でポージングに迫力が出ますし、ライフル、コンバットナイフなど武装が充実しています。サブナックルも他ではあまり見ない武装で表情が付きやすいのも魅力。質の高いガンダムタイプが手軽で安価に楽しめるという部分でも、ぜひ入手しておきたいキットの一つですね。
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2 件のコメントがあります。
774
on 2023年5月18日 at 05:23 -
関節の弛みはもうKPSを使っているキット全般の宿命みたいなものですね
MGフリーダムVer2.0のフレームを使っているキットなんかも中々酷いです
個人的には、必要に応じてABSは今後も使ってもいいんじゃないかなと思います
nori
on 2023年5月27日 at 08:23 -
コメントありがとうございます!
KPSは経年で関節が緩くなってくるのは欠点ですよね;
ただ、水星の魔女シリーズなどは割りと強度があるので、バンダイも何かしら考えているのかもしれません。
将来に期待ですかね・・・。