今回は、HG 1/144 RX-77-02 ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)のレビューをご紹介します!
HG ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)は、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場するMS『RX-77-02 ガンキャノン』の1/144スケールモデルキットです。差し替え可能なバックパックを新規造形で再現。HGフォーマットの高い可動性能により、地面に寝そべっての砲撃や中腰の発艦シーンといった印象的なポーズが再現可能なキットになっています。価格は2,530円(税込み)です。
音信不通のガンダム捜索のために上陸したアレグランサ島にて、サザンクロス隊の高機動型ザク(地上用)と戦闘を繰り広げた地球連邦軍所属MS『RX-77-02 ガンキャノン』がHGでキット化。
2016年11月に発売されたHGガンキャノン 最初期型(鉄騎兵中隊機)などのオリジン版ガンキャノンをベースに、特有の赤いカラーリングと頭部や各部外装、バックパック、キャノン砲、スプレーミサイル・ランチャーといった武装類が新規造形で再現されています。
キャノン砲とスプレーミサイル・ランチャーは組み替えることでカイ機とハヤト機が再現可能。こちらはキャノン砲を装備したカイ機になります。
成型色は赤を基調としたガンキャノンカラー。その他、頭部バイザーはクリアブルー、胸部エアインテークや腰部丸モールドはイエロー、武装類はダークグレー成型色パーツでの再現となっています。関節や内部パーツ、ハンドパーツなどはグレー成型色での再現。
ホイルシールは付属せず。一部モールドを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分な色分けが再現されています。
武装類のダークグレーや内部・関節などのグレーパーツにはKPS素材が使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-001を肩部や足の付根、足首などに使用します。肘・膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。カイ機、ハヤト機共に形状の異なるバックパックを装備していますが、どちらも後方への負荷は少なく、接地面も適度にあるので自立は安定します。
ビームライフル(後期型)、ハヤト機用のバックパック、平手(左右)、武器持ち手(右)が付属。
HGオリジン版ガンキャノン用の余剰パーツがいくつか付属。
専用のマーキングシールが付属。カイ機の104とハヤト機の109それぞれの識別ナンバーも収録されています。
バックパックを組み替えてハヤト機に。劇中と同様、ハヤト機はスプレーミサイル・ランチャーを装備したガンキャノンになります。
ベースのHG ガンキャノン 最初期型(鉄騎兵中隊機)(以下、最初期型)と比較しながら各部を見ていきます。
頭部はこめかみのバルカンや頬の3本モールドなど、最初期型と似た部分が多いですが、ククルス・ドアン版用に新造。額のセンサーはオミットされ、赤い顎が追加されています。その他、アンテナが後方に配置されてRX-77-02らしい形状に変化。こめかみのバルカンはグレーに塗り分けが必要です。
メット部は前後の組み合わせで。上部から側頭部にかけて合わせ目ができます。顎パーツを後ハメする必要がありますが、基部は簡単な前後2個パーツ構成なので合わせ目消しはラクそう。
バイザー内部にはメカニカルなモールドが造形。クリアブルーのバイザーはブラックライトで照らしても発光はしませんでした。
胸部・腹部を最初期型と並べて。両肩のフレームやエッジの効いたエアインテークなど、形状はよく似ていますが、左胸にバルカン砲のあるものが新造。肩部やバルカン砲口は内部パーツとの兼ね合いできっちりと色分けされています。
首はパーツによる構造で裏面は肉抜き穴ですが、頭部を組み付ければほぼ見えません。肩は前方にポリキャップが引き出し可能。
腹部は広く展開します。
腰部を比較して。腰部も形状はよく似ていますが、左右モールドが2本ラインのフロントアーマーが新造。
それ以外の部分は、新造されてはいますが、形状は最初期型と同じです。ゲート位置が変えてあるため、ゲート跡が露出しにくくなっているのはいいですね。
フロントアーマーは幅広く展開可能。腰アーマー裏にモールドはなく簡単な作りです。
股間部にはスライドギミックがあり、スライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。
腕部は大部分が最初期型と同じですが、最初期型は前腕に段落ちモールドがあるのに対し、ククルス・ドアン版はただのラインモールド(合わせ目?)に変更されています。ハンドパーツも3指の作業マシン的なものから穴なしの握り手に変更されるなど進化しています。
内部には最初期型と同じ内部フレームが造形。
上腕、前腕共に筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。
肩部は最初期型と同じ。前後の組み合わせで中央に合わせ目ができます。単体化できるので合わせ目消しはラクそう。
脚部は程よい肉厚さでバランスよく造形。最初期型とよく似ていますが、外装は同じディテールのものが新造されています。内部パーツもククルス・ドアン版用に一部が新造。各部にスリットモールドが造形されるなど、デザイン的にもチープな感じはありません。
膝から下には簡単な内部フレームが造形。左右の2枚パーツ構成で、片側のみククルス・ドアン用に新造されています。膝装甲の裏打ちパーツや後部装甲など、色分けなどによって異なる箇所が再造形されています。一部に合わせ目あり。
大腿部と膝から下の外装は共に左右の組み合わせですが、どちらも合わせ目は段落ちモールド化。最初期型は組み合わせが硬かったですが、こちらはサクッとパーツが組み合わさりました。
膝装甲裏は最初期型は外装パーツとの兼ね合いでしたが、ククルス・ドアン版では内部フレームとの兼ね合いになってディテールがしっかりとしています。
ソール部も形状は最初期型と似ていますがククルス・ドアン版用に新造。脚甲も別パーツ化されておらず一体成型になります。足首のパーツは適度に可動。左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。
足裏は裏打ちパーツでフタがされているため、肉抜き穴はありません。しっかりとしたモールドも造形されています。
ソールの内側にもモールドが造形。
カイ機用のキャノン砲を装備したバックパック。上部には2基のキャノン砲を装備しています。キャノン砲は両肩に装備する主武装で、高い火力と連射性能を誇り、中距離支援で効果を発揮するとのこと。
背面のバックパックも最初期型と並べて比較。流用パーツはなく、ククルス・ドアン版用に新造されています。メカニカルに造形されていてリアル。
下部のスラスターも1基から3基に追加されるなど、機動性が向上しているような部分も見られます。
胸部キャノン砲を最初期型のものと並べて比較。下部のシリンダーシャフトは似ていますが、全体がククルス・ドアン版用に新造されています。
キャノンの砲身部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。砲口部分は筒型パーツで合わせ目はなし。
下部のシリンダーシャフトは可動式で、キャノンの上下可動に合わせてシャフト部分が伸縮します。こちらも細かなパーツ構成でディテールは十分。
最初期型と同様、砲口は浅めに造形。
キャノン砲は45度程度、角度を変更することができます。左右への可動ギミックはありません。
背部は最初期型と同じ2ダボ接続で、ハヤト機用のスプレーミサイル・ランチャーを持つバックパックと交換が可能。
その他、2ダボ幅が同じ他キットのバックパックを装備することもできます。カスタマイズの自由度が高いのも魅力。(画像はREVIVE版のバックパックとHGハインドリーのバックパック。)
ハヤト機用のスプレーミサイル・ランチャーを持つバックパック。HGUCなどと似たデザインで親しみがあります。スプレーミサイル・ランチャーは18連装のミサイル・ランチャーで、主に近接支援を目的としているとのこと。側面のダクトは別パーツ化されていませんが、分かれているかのように造りが細かいです。
下部のスラスター周りが別パーツで色分けされていて少しお洒落な感じがありますね。噴射口も別パーツ化されているので、塗り分けると違った雰囲気になりそうです。
スプレーミサイル・ランチャーもククルス・ドアン版用に新造。基部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。ミサイル発射口も細かく造形。
最初期型のものと並べて比較。側面のアームの形状は少し違っていますが、ランチャー本体の形状はそんなに違いはないですね。
塗装済みですが、HGUCガンキャノン(001)のミサイル・ランチャーとも並べて。こちらとはだいぶ形状が違っています。
スプレーミサイル・ランチャーは適度に上下させることが可能。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムと同サイズ程度の中間サイズです。ガンキャノンの頭頂高は17.5m。
ベースのHG ガンキャノン 最初期型(鉄騎兵中隊機)と並べて。フォーマットは殆ど同じですが、外装が新造されているからか、ククルス・ドアン版のほうがムチッとした感じがありますね。
エコプラを塗装したものですが、HGガンキャノン(001)、HGガンキャノン(REVIVE)と並べて。REVIVEは細身でスタイリッシュに造形されていますが、ククルス・ドアン版は適度にマッシブ感があってバランスがよく見えます。HG初期のガンキャノン(001)には古いですが、独特の良さがありますね。
頭部の可動は、顎が追加されているため、干渉で顎引きは殆どできませんが、見上げる動きは幅広く可動することができます。左右へは襟が干渉するため、45度程度まで。
腕は水平まで上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩はボールジョイント接続で適度に前後させることができます。前方へはポリキャップが引き出せるのでそのぶん広くスイングします。
腹部の可動により、上半身は広く前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
フロントアーマーが可動するので、前方へは水平程度まで展開可能。後方はリアアーマーが可動しないのでやや制限されます。
膝は2重関節で、装甲が干渉するまで深く曲げることができます。
足首の可動は、つま先を伸ばす動きは殆どできず。反らす動きは広めに可動します。左右へは少し斜めになりますが、広めにスイングすることができます。
左右への開脚はハの字程度まで展開可能。
内股、がに股ともに幅広くロールします。
立膝もまずまずきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、大部分の可動はオリジン版ガンキャノンと同じ。各部とも適度に可動するので、躍動感あるポーズもまずまず再現できそうです。首や腹部が広く可動するので、寝そべっての射撃ポーズも柔軟に対応してくれそうですね。
ビームライフル(後期型)。ガンダムが装備するタイプよりも連射性能は劣るものの、射程が長く高い威力を持ち、センサーも強化されているとのこと。オリジン版準拠のデザインで、厚みがあり、適度にモールドが造形されるなどメカニカル。
砲身部や基部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
側面のセンサーは展開可能。センサーは黄色いパーツでの色分けです。
RVIVE版、HG(001)ガンキャノンのビームライフルと並べて比較。大まかな形状は同じですが、ククルス・ドアン版は銃身などが太くなっているためそのぶん重厚感がありますね。
カイ機でビームライフルを装備して。
ビームライフルは付属の武器持ち手で保持します。トリガーに指を添えるタイプで見栄え良く造形。グリップ側のダボで手のひらに固定させるため、ふらつくことなくしっかりと保持させることができます。
表情豊かな平手が付属するので、ビームライフルを支えるようなポーズも自然に表現することができます。
キャノン砲に手を添えるポーズももちろん再現可能。
頭部や腹部が広めに展開するので、ガンキャノン特有の寝そべって射撃するポーズも再現度が高いです。手首にスイング機構があるともっとしっかりと接地できて質の高い表現ができたかも。
登場作品は違いますが、HGUCガンタンクと並べてもそんなに違和感はないですね。
バックパックをスプレーミサイル・ランチャーのものに組み替えてハヤト機でポージング。スプレーミサイル・ランチャーには、キャノン砲とは違った存在感があります。
立膝での射撃ポーズもきれいに決まりますし、関節強度もしっかりとしているのでポージングが捗ります。ハンドパーツがバラけたりすることもないので取り扱いがラク。ストレスなくポーズを取らせることができます。
これまでに発売されたHG機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島シリーズのキットをまとめて。作品登場機がだいぶ揃ってきました。コアブースターなどもキット化されると嬉しいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。適度なマッシブ感があり、プロポーションもバランスよく仕上がっています。モールドも多くも少なくもなく、程よいディテールが再現されているのがいいですね。肩のキャノン砲もスプレーミサイル・ランチャーも部分的に合わせ目こそできますが、チープさのないしっかりとした作りでメカニカル。胴体部とバランスよく造形されています。
気になる点も特には無いですが、あえて言うなら合わせ目箇所が段落ちなどでモールド化されていると良かったですね。配慮されている箇所もありますが、オリジン版からの流用箇所などもあるので少し合わせ目が目につくかなと。
劇中ではそんなに活躍がなかったですが、各部とも可動が柔軟なのでポージングの表現には困らないですし、立膝や寝そべっての射撃ポーズも問題なくかっこよく再現できます。ハンドパーツも穴なしのものが付属していますし、平手も表情豊か。ビームライフルも重厚感あるものが新造されるなど注力されている部分の多いキットで、HGUCを通じて決定版とも言えるガンキャノンが楽しめるのが嬉しいですね。
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