今回は、2017年1月に発売されたHG 1/144 V08Re-0526 ヘルムヴィーゲ・リンカーのレビューをご紹介します!
HGヘルムヴィーゲ・リンカーは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS「V08Re-0526 ヘルムヴィーゲ・リンカー」の1/144スケールモデルキットです。グリム・ゲルデ改修機である特徴的な機体形状を再現。本体高を超える大型武装「ヴァルキュリアバスターソード」の付属により、迫力のポージングが演出可能となっています。価格は1,540円(税込み)です。
厄祭戦で活躍したヘルムヴィーゲのデータをもとに、グリムゲルデの偽装を兼ねて再現した機体で、劇中では石動(いするぎ)・カミーチェが搭乗。ギャラルホルン革命軍に参加し、バエルを庇ってキマリスヴィダールに撃破された「V08Re-0526 ヘルムヴィーゲ・リンカー」がHGでキット化。
2016年2月に発売されたHGグリムゲルデの内部フレーム(ヴァルキュリア・フレーム)を流用しつつ、闘牛をイメージしたような重厚な機体外装、ヴァルキュリアバスターソードが新規造形で再現されています。
ホイルシールが付属しますが、頭部1つ目センサーと胸部、手首を補うくらいでわずか。一部モールドや脚後部の動力パイプなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
成形色はブルーとダークイエローを基調に、頭部アンテナや腹部動力パイプ、脚甲などにライトグレーを配色。その他、内部や関節、ヴァルキュリアバスターソードなどはダークグレー成形色での再現となっています。
ダークグレーの内部・関節パーツ、武装類パーツはKPS素材。ABSは使用されていないので、塗装する場合も割れや破損を気にする必要はなさそうです。
ポリキャップはHG鉄血のオルフェンズシリーズ定番のPC-002を使用しますが、肩部や足の付根に組み込むぐらいで少なめ。肘や膝関節はKPS素材で関節強度はまずまず高めです。容姿がトップヘビーですが特に負荷のかかるような装備もないため、自立は安定しています。
■付属品
ヴァルキュリアバスターソード、ヴァルキュリアバスターソード用ジョイントパーツ、展開状態のソール部パーツ✕2が付属。
HGグリムゲルデ用のパーツがいくつか余剰で付属します。
■内部フレーム
内部フレーム。頭部、前腕部、ソール部以外はグリムゲルデからの流用パーツで構成されています。フレームとしては簡易的ですが、HGでもヴァルキュリア・フレーム仕様の内部フレームが再現されているのは良いですね。
頭部内部フレームは簡単な1個パーツ構成。ヘルムヴィーゲ・リンカー用の新規パーツにより、1つ目センサーが印象的に造形されています。センサー中央はシールでの色分け。
胴体内部フレームはグリムゲルデと全く同じ。グレイズに似た胸部周りや背部の1基リアクター、腹部動力パイプなどがメカニカルに造形されています。
腕部内部フレーム。前腕は外装のみで構成されていますが、肩、上腕、肘関節各部には細身のフレームが造形されています。
脚部内部フレーム。こちらもソール部以外はグリムゲルデと同型。細身でメカニカルなフレームが再現されています。
■各部形状
HGグリムゲルデと比較しながら、HGヘルムヴィーゲ・リンカーの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。左右には特徴的な大型ツノを装備。重騎士らしいフォルムに加え、禍々しい1つ目センサーが印象的に造形されています。アイガードはなく、1つ目がそのまま露出した状態。大型ツノは敵機に突き刺し、機体内部構造を焼き切れるほどの電撃角という設定です。
ツノの内側はグレーに塗り分けが必要。
多数パーツを組み合わせる構造で合わせ目はありません。
アンテナは前方にスイング可能。後方へはストッパーがかかるためスイングしません。
胴体部。胸部、腰部共にフレーム表面を覆うだけのシンプルなものですが、程よく厚みが感じられる装甲が造形。胸部中央のダークイエローはシールでの色分け。フロントアーマー下部のアポジはグレーに塗り分けが必要です。
リアアーマーは簡単な1個パーツ構成ですが幅があり、ヘルムヴィーゲ・リンカーの重厚感を表現しています。
首はダブルボールジョイントポリキャップ仕様でフレキシブルに可動。肩はグリムゲルデと同じフォーマットで、少し引き出すことで前方にスイングします。円状の襟装甲も特徴的。
接続基部のポリキャップ部分も上下に可動します。
胸部装甲は取り外すことで頭部に組み付け可能。フェイスガードとして使用することができます。表面のスリットモールドはグレーに塗り分けが必要。
ヴァルキュリア・フレームの胸部可動ギミックにより、上半身を広く前後させることができます。
フロントアーマーは肉抜きのような窪みこそありますが、側面には簡単なモールドが造形。リアアーマーもパネルラインがきっちりと造形されるなど、見えてもチープさを感じないような造りになっています。
腕部。側面に2基のスラスターを持つ大型ショルダーアーマーが特徴的に造形。前腕にも厚みがあり、力強い雰囲気を醸し出しています。スラスターは内部パーツと一体なので、塗り分ける場合はマスキングなどが必要そう。
ハンドパーツ(マニピュレーター)は通常のキットよりも一回りほど大きめ。設定ではグレイズ・アインのものを流用しているとのことでした。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで後部中央に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。前面の動力パイプは白く塗り分けが必要です。手首の黄色い装甲はシールでの色分け。
ショルダーアーマー。グリムゲルデ改修機を思わせるドーム状の装甲が特徴的に造形されています。簡単なパーツ構成ながらも合わせ目ができない仕様になっています。
ショルダーアーマー基部はヒンジ接続で適度に展開可能。ただしやや外れやすいので注意です。側面の装甲も個別に展開が可能。装甲裏には適度にモールドが造形されているため、見えても様になります。
■脚部
脚部。全体的に細身に造形されています。後面はヴァルキュリア・フレームがそのまま残されていてメカニカル。一方の前面は多数装甲の組み合わせで、動きやすさと重厚感を併せ持つスタイルになっています。どことなくグリムゲルデに似た雰囲気もありますね。
各部ともフレームに外装を被せていく構造。外装、フレームともに合わせ目はできないパーツ構成です。後部動力パイプは白く塗り分けが必要。
足の付根やスネの装甲はボールジョイント接続で柔軟に可動。足の付根もポリキャップを交えた構造でフレキシブルに可動します。
ソール部。牛の蹄のような円形装甲が特徴的に造形されています。脚底は付属のパーツと組み替えることで展開状態が再現可能。脚甲と内部のジョイントパーツは左右で形状や向きが違っているため、組み間違えないように注意します。
足裏はどちらも完全な肉抜き状態。埋める場合は足裏のモールドをデザインするなど少し手を凝らす必要がありそうです。
■バックパック
背部には装甲を兼ねたスラスターが造形。ショルダーアーマーと相まってヘルムヴィーゲ・リンカーのマッシブ感をより高めています。表面にはメカニカルなモールドも造形。
青い装甲は簡単な前後の組み合わせで合わせ目ができます。消す場合は内部に挟むスラスター口パーツの後ハメが必要。スラスター口は開口こそされていませんが、モールドや色分けでHGとしては十分な造り。
後部装甲は上下に可動。表情を変化させることができます。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。頭頂高自体はRX-78-2とさほど差が無いですが、角のようなアンテナや肩部装甲によってボリューム感が増しています。ヘルムヴィーゲ・リンカーの全高は21.1m。
同じヴァルキュリア・フレームであるHGグリムゲルデと並べて比較。前腕や脚部後部など、フレームが露出する部分は形状が近いですが、外装が全く別物なので原型機とは思えないくらい、別機体のような容姿になっています。
同作品に登場するHGガンダムバルバトスルプス、HGガンダムヴィダールと並べて。ガンダムタイプとは違ったヒール感、禍々しさがあって良いですね。
■各部可動域
首周りに余裕があるため、頭部は干渉が少なく広めに上下します。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。
腕はY字程度まで上げることができます。肘は2重関節で深くまで曲げることが可能。ショルダーアーマーが干渉するので制限されますが、なければもっと深くまで曲げることができます。
肩はボールジョイントで適度に前後します。前方へは肩の可動ギミックによって少し広めにスイング可能。
胸部可動ギミックと腰部ボールジョイントにより、上半身は広めに前後します。
腰は干渉なく360度回転可能。浮かせてディスプレイさせる場合は、一般的なHGと同じく、股間部にアクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。
フロントアーマーが軽装なため、前方への開脚は幅広く展開します。後方はリアアーマーがやや干渉するので少し可動が制限されますが、それでも広めに展開します。
膝は2重関節で深くまで曲げることができます。
足首はボールジョイント接続部で少し前後する程度。左右へは1軸接続部とボールジョイントの2箇所で広めにスイングします。
脚の付け根のアーマーが干渉するため、左右への開脚はハの字程度までとなります。ですが可動は十分。
脚の付け根がロールするので、内股、ガニ股共に広く展開することができます。
立膝は少し股を開きますが、割ときれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、装甲が肉厚ながら、ヴァルキュリア・フレームの各部可動ギミックによって各部とも幅広く可動します。容姿の関係で多少干渉する箇所もありますが、それでも躍動感あるポーズは十分に再現できそうです。
■武装類(ヴァルキュリアバスターソード)
ヴァルキュリアバスターソード。元々は対MA用に設計された大型武装で、モンターク商会が入手した設計データから復元された武装になります。大型で切るというよりは叩き潰すといった重厚感ある太剣になっています。
太剣部分、後部ショートクラブ共にグリップを挟んで左右から組み合わせる仕様。共に側面に合わせ目ができますが、細身部分にできるのであまり目立ちません。
太剣とショートクラブは分離可能。分割して個別武装として使用することができます。
接続部の片面が肉抜きなのは少し気になるかも。
太剣側、ショートクラブ側共にグリップを引き伸ばすことができます。
グリップを伸ばすとかなりの長大型剣に変化。ヘルムヴィーゲ・リンカーを並べても突き抜けた状態で、構えるだけで圧巻のポーズを再現することができます。
付属のジョイントパーツを腰部に組み付けることで、ヴァルキュリアバスターソードを腰部に懸架することができます。ある程度しっかりと固定されるため、ポーズをつけても外れるようなことはありませんでした。
前腕とリアアーマーに3.0mm穴があるので、グリムゲルデの武装も各部にマウントすることができます。
■ポージング
ヴァルキュリアバスターソードを装備して。
ヴァルキュリアバスターソードは手甲パーツを外し、グリップをハンドパーツで握らせて保持します。
ハンドパーツ内側のダボをグリップの溝に組み付けられるため、ある程度しっかりとした保持が可能。上下にスライドさせて位置をずらすこともできるのでポーズが付けやすいです。
ただ、肩が重量に負けて少しずつ垂れてくるので、あらかじめボールジョイント部分を補強しておいたほうが、片手保持する場合は安心かなと。肘は関節強度が高いので垂れることはありませんでした。
両手持ちも問題なく可能でした。グリップに上下幅があるので、握らせる位置を細かく調整できるのが良いですね。やや干渉でショルダーアーマーが外れやすいのでその点だけ注意です。
ヴァルキュリアバスターソードが大型で重量があるため、保持すると負荷がかかって自立が難しくなります。ですが展開状態のソールに組み替えれば多少接地状態が良くなりますし、画像のTHE シンプルスタンドなどを使えば自立した状態でもヴァルキュリアバスターソードを構えることができます。
劇中で再現しているかは確認できていませんが、展開状態のソールで蹴りを繰り出すポーズ再現しても面白いかと。
胸部装甲を頭部に組み付けてフェイスガードに。角を前方に展開することで、闘牛が敵機に突っ込むような独特の攻撃ポーズを再現することができます。
ヴァルキュリアバスターソードを腰部にマウントした状態で。
ヴァルキュリアバスターソードをバルバトスルプスに保持させて。グリップが太いため、バルバトスルプスの手甲パーツをしっかりとはめ込むことはできませんが、ポロリしながらも一応握らせることはできました。
ヴァルキュリアバスターソードを分解して両手で保持。太剣側は重量があるため、やや腕が垂れる傾向にありますが、ショートクラブ側は軽量なのでラクに保持できます。どちらもハンドパーツ内側のダボをグリップ溝に組み付けられるので保持しやすいです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。このマッシブ感ある容姿が個性的で面白いですし、このようなガンダムタイプ、グレイズタイプとは一味違ったデザインの機体があるのは、劇中登場機の幅が広がって良いですね。グリムゲルデのフレームを流用しつつも別物機体くらいに形状が変わっていますし、接近戦仕様の機体で強戦士感、獣戦士感もあって頼もしいです。
気になる点は、ショルダーアーマーがヒンジ接続で簡易的なため、過度のポージングをさせると干渉で外れることがあります。HG鉄血のオルフェンズシリーズは関節や接続部がヒンジやボールジョイントで外れる頻度が高いので、取扱時は少し注意が必要です。ポージングを色々変えたい場合は補強しておくのもありですね。
ヴァルキュリアバスターソードはえげつないほどに大きく、ポーズを取らせると大迫力の演出ができますし、分離することで個別武装としても楽しめるようになっています。そのためポージングの幅が広がりますし、片手持ち、両手持ち、連結した薙刀状態など多彩な演出が可能。鉄血のオルフェンズシリーズを彩る一体として、クセを持った個性的なキットが楽しめるのが良いですね。
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1件のコメントがあります。
匿名
on 2025年10月19日 at 13:32 -
劇中の活躍からバルバトスルプスのヴァルキュリアバスターソード用の手首が欲しかったですね