今回は、HG ATM-09-STTC スコープドッグターボカスタムのレビューをご紹介します!
HG スコープドッグターボカスタムは、OVA作品『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』に登場するAT「ATM-09-STTC スコープドッグターボカスタム」のHGキットです。スコープドッグの改良版である特徴的な機体形状を再現。脚部ジェットローラーダッシュ・ユニットの展開・収納ギミックにより、躍動感あるポージングが再現可能となっています。価格は4,180円(税込み)です。
グレゴルーがバカラ・シティのガレージにてスクラップから組み上げたレプリカ機体で、劇中では主にキリコ、グレゴルー、ムーザ、バイマンが搭乗。ペールゼンへの復讐のため。激しい戦闘を行った機体「ATM-09-STTC スコープドッグターボカスタム」がHGでキット化。
各部にSMM2連装ミサイルやガトリングガン、7連ミサイルポッドといった武装、脚部にジェットローラーダッシュ機構を持つ特徴的な機体形状が新規パーツを用いて再現されています。
成形色はグリーンとライトグリーンを基調に、頭部バイザーや武装類、バックパックなどにブルーグレーを配色。その他、武装類の弾頭がレッド、ヘヴィマシンガンがライトグレーとダークブルー成形色での再現となっています。他のスコープドッグと同じミリタリー調のカラーリング。
厚みのあるプラスチックシールが付属し、頭部ターレットレンズのグリーンと赤を補います。どちらも3枚ずつ予備が付属。
塗装はほぼ必要ありませんが、部分的に塗り分けたりするとディテールが良くなって見栄えがしそうです。
ABSは不使用。ほぼすべてのパーツがKPSで構成されています。KPSはマットな質感で、組み立てるだけでつや消しを吹いたようなリアルな仕上がりになります。
外装パーツの一部には肉厚成形パーツが使用されています。少ないパーツ数で形成するためのパーツで、組み立てがよりラクになるような配慮がされています。たまにゲートが太い箇所があるので二度切り推奨です。
ポリキャップは不使用。肘膝関節はKPSパーツ構造で関節強度はまずまず高め。背部にミッションパックや7連ミサイルポッドなどを装備していますが、さほど負荷はかからず自立は安定しています。
■付属品
ヘヴィマシンガン、平手(左)、ディスプレイ用ジョイントパーツ、カスタマイズ用外装パーツ各種が付属。
HGスコープドッグやHGバーグラリードッグ、拡張パーツセットなどの余剰パーツが多数付属。説明書に✕印はなく、「余ったパーツはお好みでご自由にお使いください」とのことでした。
■各部形状
HGスコープドッグと比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部はスコープドッグと全く同じなので比較はなし。ドーム状の装甲にバイザーとターレットレンズを持つスコープドッグ特有のデザインで造形されています。左側面のアンテナもパーツできっちりと色分けされています。
メット部は上下2個パーツ構成ですが合わせ目は段差モールド化されています。バイザーの展開ギミックはなし。再現したい場合は別売りの拡張パーツセット1が必要です。
ターレットレンズは左右へのスライドやロールが可能。ただしやや外れやすいので注意です。
■胴体部
胴体部。エッジの効いた重厚な機体形状が再現されています。こちらもコックピット内部は再現されていないので、開閉機能を再現したい場合は別売りの拡張パーツセット1を組み込みます。
首はボールジョイント式で付け根の可動ギミックはありません。肩は2個パーツ構成で前方への展開や上下への可動が可能。右脇にはSMM2連装ミサイルを装備。筒型パーツ構成で合わせ目はなく、弾頭もパーツできっちりと色分けされています。
左脇にはガトリングガンを装備。こちらは砲身部分が左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。先端部は多数の砲口が開口されたタイプ。側面にはシンプルなスリットダクトも備わっています。
左右脇には武装をマウントするためのハードポイントが造形。
腰部をスコープドッグと並べて比較。形状自体は殆ど同じ。ただしターボカスタムは重装備仕様なため、サイドアーマーにヘヴィマシンガンのマガジンを装備しています。フロントアーマー右には搭乗時の足掛けが造形。
マガジンは脱着が可能。ただしダボ形状が異なるため、ヘヴィマシンガン側面のものと組み替えることはできません。2個パーツのモナカ割で中央に合わせ目ができます。腰アーマー裏は各部ともメカニカルなモールドが造形。部分的に塗り分けたりするとメカニカル感が強調されて良さそうです。
股間部はHGバーグラリードッグで新造されたフォーマットで股間軸が上下にスライドするタイプになっています。スライドさせることで脚部の可動域が広がります。
■腕部
腕部をスコープドッグと比較して。形状自体は同じに見えますが、スコープドッグは肩内部が1個パーツ構成で造りが簡易的なのに対し、このターボカスタムでは複数パーツ構成で可動ギミックが追加されるなどアップデートが施されています。
上腕は2個パーツ構成で合わせ目は内側でモールド化。前腕は多数パーツの組み合わせで合わせ目はありません。側面の排莢口は塗り分けたりすると良さそうです。
肘はヒンジ接続の簡単組み立て仕様。
前腕は伸縮が可能。展開することでアームパンチを再現することができます。アームカバーはヒンジ接続の可動式。肉厚成形パーツで裏面にもメカニカルなモールドが造形されています。
肩部がアップデートされたことで腕がY字程度まで上げられるようになっています。固定強度も高まり、簡単に抜けることがなくなりました。
左肩にはスモークディスチャージャーを装備。
■脚部
脚部をスコープドッグと比較して。大腿部形状は同じですが、内部にローラーダッシュユニット、冷却装置、燃料タンクを内蔵しているという設定なため、膝から下の装甲が通常のスコープドッグに比べて少し大型化しています。
ただし大腿部から膝にかけてはHGバーグラリードッグで新造されたアップデート版。脚の付け根内部がロールする構造になっていたり、膝が降着状態時に深く曲がるようになっていたりと、より優れた構造に進化しています。
大腿部は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。膝から下も左右の組み合わせですが合わせ目はできないパーツ構成になっています。
脚部内部構造。
ふくらはぎの後部装甲を開くことでローラーダッシュユニットが展開可能。
ローラーダッシュユニットは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。バーニアは別パーツ化されているので、メタリック調に塗り分けるとより良く見えそう。基部はロールや上下と柔軟に可動します。
ソール部。通常のスコープドッグに比べてやや細身のターボカスタム用ソールが新造。側面には特徴的なターンピックも造形されています。足首はヒンジとボールジョイントで柔軟に可動。
足裏はメカニカルなモールドが造形。肉抜き穴はありません。後部ローラーはパーツで色分けされていますが、前側のローラーは脚底パーツと一体式。塗り分けたほうが良さそうですね。側面のターンピックは一応別パーツ化されていますが、ピックの射出ギミックなどはありません。
膝とスネを展開し、膠着状態でスコープドッグと比較して。構造は拡張パーツセット3に付属しているものと同じ。可動部パーツが1箇所追加されたことで、スコープドッグよりも深くまで曲げられるようになっています。
■バックパック
背部をスコープドッグと比較して。ターボカスタムでは右側の7連ミサイルポッド、左脇のガトリングガンと連結したミッションパックを装備。下部にはヘヴィマシンガン用のマガジンもマウントされています。
7連ミサイルポッドも筒型パーツ構成で合わせ目はなし。弾頭もパーツできっちりと色分けされています。
後部マガジンを取り外す場合はミッションパックを分解する必要があります。サイドアーマーのマガジンとは同形状なので交換が可能。
ミッションパックは本体背部のフックに引っ掛けて固定。組み付けて下げ、カチッとロックさせます。通常のスコープドッグと同仕様なのでそちらにも装備可能。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)と並べて大きさを確認。HGのガンプラと同サイズ程度ですが、スコープドッグは装甲が肉厚でミリタリー感がかなり強いです。
HGスコープドッグと並べて。スコープドッグは武装も少なく素体そのままの容姿ですが、ターボカスタムは各部に多数の武装が施されているため重厚感が高まっています。
HGバーグラリードッグと並べて。素体は同じですが各部装備が異なります。膝装甲の形状が異なるからか、全高に若干の差が出ています。拡張パーツセットを含め、バリエーション機が充実していくのはファンとしては嬉しいですね。
waveのスコープドッグターボカスタム(PS版)と並べて。同機体でも製造メーカーによって成形色やプロポーションがだいぶ違っています。バンダイのほうが武装類がやや大きめ。
■各部可動域
各部可動域を通常のスコープドッグと並べて比較。頭部は首のボールジョイントによって少し上下します。腕は肩のアップデートによって高くまで上げられるようになっています。肘は1重関節で90度ほど曲がります。
ただ、左脇のガトリングガンがバックパックと連結固定されているため、胸部を反らす動きができなくなっています。
腰は干渉なく360度回転可能。股間部のスライドギミックや膝関節の構造が異なるため、立膝はよりきれいな姿勢で再現できるようになっています。
股間部がボールジョイントなので、左右への開脚はハの字程度と制限されます。足首は装甲との干渉を避けるようにすれば、ある程度深くまで曲がるようになっています。どちらかというと足首はスコープドッグのほうが柔軟そう。
■武装類
ヘヴィマシンガン。ATM-09系の標準火器です。HGスコープドッグなどに付属しているものと同じ。上部のグレネード発射機もパーツできっちりと色分けされています。
本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。側面のマガジンは肉厚成形の1個パーツ構成で合わせ目はなし。この厚みで1個パーツなのはなかなか見ないですね。
フォアグリップは左右にスイング可能。グレネード口は開口されていません。
■ポージング
ヘヴィマシンガンを装備して。
ヘヴィマシンガンは通常の握り手にグリップを差し込むだけで保持が可能。特にハンドパーツをバラす必要がないのでサクッと保持することができます。グリップが太くハンドパーツ穴にしっかりとあっているため、安定した保持が可能です。
ヘヴィマシンガンは多少後部が長く干渉しやすいですが、脇に抱えたり手首をロールさせたりすれば干渉を避けることができます。平手が付属するので、銃身を支えて滑走するようなポーズも自然な形で表現できます。
ローラーダッシュユニットを展開して。拡張パーツセット1のエフェクトパーツを使用することで、地表を滑走するようなポーズもリアルに演出することができます。この重厚なフォルムがたまらないですね。
キットを浮かせたり斜めに傾けた状態で支える場合は股間部に付属のジョイントパーツを組み付けます。下からスライドして組み付けるため、しっかりと固定することができます。
アームパンチを展開して。レッドショルダーと同じく、右肩を赤く塗ってみるのもありかと。「・・・貴様・・・塗りたいのかっ?」
足首はスコープドッグほど柔軟ではないですが、膝は可動が柔軟なので滑るような姿勢も問題なく再現することができます。
拡張パーツセット2(別売り)のヘヴィマシンガン ショートバレルタイプを装備してムーザ機仕様に。
今のところハンディロケットガンがHG化されていないので、グレゴリー機を再現することはできないようでした。
アームガンが無いので完全な形態ではないですが、拡張パーツセット2(別売り)のソリッドシューターを装備してバイマン機っぽく。
■降着状態
脚部を折りたたんで降着状態に。膝から下がターボカスタム仕様で肉厚ですが、膠着状態も問題なく再現することができます。ちなみにこのターボカスタムは脇に武装類をマウントしているため、胴体部は拡張パーツセット2のコックピット付きへの交換はできないようでした。
拡張パーツセット2に付属しているパイロットフィギュアと組み合わせて。
■カスタマイズ用パーツ
HGスコープドッグ(別売り)にカスタマイズ用パーツを組み付けることで、一部形状を変化させたり、前腕、リアアーマー、脚部にカスタマイズ用の3.0mm穴を配置することができます。バーグラリードッグにも付属していますが、こちらのほうがカスタマイズできる箇所が多いです。
胸の左側面は厚みのあるダクトに変化。
フロントアーマーはより長方形に近いフラットな装甲に変化します。
リアアーマーは左右に3.0mm穴が追加され、中央の装甲形状が変わっています。
ショルダアーマーのフックは基部が筒型のものに変化。
左前腕には3.0mmジョイント穴が追加されています。
脚部はふくらはぎに3.0mm穴が追加され、後部アンクルアーマーがオミットされています。
3.0mm軸のある武装であれば、ある程度のものは組み付けることができます。HGBCの武装類を組み付けて自分なりにスコープドッグをカスタマイズしてみました。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。HGのボトムズシリーズはどれもプロポーションが良く、ミリタリー調のグリーンカラーも相まって格好良さがにじみ出ているのが良いですね。それはこのターボカスタムも同様で、新造された肉厚脚部やローラーダッシュユニットがいい味を出していますし、各部の装備品もスコープドッグのバランスを崩すことなく配されています。
気になる点は殆どないですが、多少足首が干渉して動きにぎこちなさがあるので、もう少し干渉が避けられる構造であれば滑走するポーズももっと自然な姿勢で再現できたかなと。劇中でも崖を滑り降りるようなシーンが見られましたが、それさえも再現できたらなお良かったですね。
それでも膝回りなどの可動には柔軟性があるため、斜めに傾けて滑るシーンも十分に再現できますし、カスタマイズ用パーツや別売りの拡張パーツセットを使えば更にターボカスタムの幅を広げることができます。即席レプリカ機体であることを感じさせないくらいに秀逸なキットになっているのが良いですね。
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