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MG シャア専用ザク Ver.2.0 レビュー

今回は、2007年5月に発売されたMG 1/100 MS-06S シャア専用ザク Ver.2.0のレビューをご紹介します!

MG シャア専用ザク Ver.2.0は、『機動戦士ガンダム』に登場するMS『MS-06S シャア専用ザク』の1/100スケールモデルキットです。S型ザクの特徴的な機体形状を再現。ねじれや各部のリンク可動により、前屈みポーズなどそれまで取る事のできなかった新たな可動領域が再現されたキットになっています。ザク・マシンガン、ザク・バズーカといった武装類、搭乗シーンが再現可能なリフト車両が付属。価格は3,850円(税込み)です。

V作戦の偵察・破壊やホワイトベース追撃の任を受け、RX-78-2ガンダム等ホワイトベース隊と戦闘を繰り広げた機体で、赤い彗星の異名を持つ「シャア・アズナブル」搭乗のザクⅡS型『シャア専用ザク』がMGのVer.2.0でキット化。

2007年4月に発売されたMG MS-06J 量産型ザク Ver.2.0(以下、量産型ザク)をベースに、シャア専用機特有のカラーリングや背部ランドセル、脚部スラスターといったS型特有の各部形状、リフト車輌が新規造形で再現されています。

成型色はサーモンピンクとワインレッドがベース。その他、胸部や膝部、ソール部などがダークグレー、内部・関節、武装類がグレー成型色での再現となっています。ホイルシールは付属せず。ヒート・ホークやフィギュア、リフト車両の一部などを塗り分ける必要がありますが、シャアザク本体は素組みでも十分な色分けが再現されています。

大部分の内部・関節パーツにはABSが使用されています。KPSは不使用。

ポリキャップはPC-200を全身各部に使用します。肘・膝関節はABSパーツの組み合わせで関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかるような装備はなく、バックパックも軽装。脚底も広めで接地性が良く、自立は安定しています。

ザク・バズーカ、ザク・マシンガン、ヒート・ホーク、ヒート・ホーク用ジョイントパーツ、ディスプレイ用ジョイントパーツ、リフト車輌、組み替え用ブレードアンテナ、シャア・アズナブルフィギュアが付属。フィギュアとリフト車輌以外は量産型ザクからの流用です。

一般機用のメット部パーツが余剰で付属。組み替えて一般機と同じ頭部形状を再現することもできます。

ガンダムデカールとマーキングシールが付属。ガンダムデカールにはシャアのパーソナルマークやナンバーデカールなどが収録されています。

全身各部にメカニカルな内部フレームが造形。内部フレームは、頭部や胴体部、肘膝関節など強度が必要な箇所がABSで構成されています。量産型ザクとはふくらはぎ、足底、バックパックの部分が違っています。

頭部内部フレーム。頭頂部などはかなり細かなモールドが造形されています。

胴体内部フレーム。形状に沿った網状の内部フレームが再現されています。フレーム状態だとコックピットがそのまま露出したかたち。

腕部内部フレーム。節ごとに形状に沿った内部フレームが造形されています。スパイクアーマーにもフレームが造形。

脚部内部フレーム。量産型ザクの内部フレームをベースに、ふくらはぎの部分はS型特有のスラスター付きのフレームが新造されています。

ソール部は可動ようのシリンダーシャフトがメカニカルに造形されています。それぞれに可動ギミックがあって表情が豊かに変化。シャフトを塗り分けたりするとかなりメカメカしい雰囲気になりそうです。

バックパックもS型用の内部フレームが新造。外装で隠れる部分もモールドが抜かりなくデザインされています。

外装の内側にもフレーム状のモールドが造形。外装を外して飾っておくにも良いですし、その精密さが十分に楽しめるキットになっています。

各部動力パイプは既にランナーに組み付けられた状態で、ランナーごと切り離してパーツに直接通すことで、手間なく取り付けられるようになっています。ただしそこそこ力がいるので、指を痛めないように注意です。

続いて外装を組み付けた状態で各部を見ていきます。

ひとつめのモノアイや左右の動力パイプが印象的なザク定番のシルエット。額には指揮官機用のブレードアンテナも印象的に造形されています。動力パイプはそれぞれが別パーツ化され、モールドも造形されるなどリアル。口元のスリットダクトも別パーツで細かく色分けされています。

モノアイスリットのバイザーはクリアパーツでの再現。部分ごとにパーツ分割されているので合わせ目はありません。

付属の凹凸のあるブレードアンテナに組み替えることで、メカニカルな頭部に変更することができます。

モノアイはクリアパーツにピンクのシールを貼っての色分けで、塗装によってクリアパーツを活かすこともできます。

モノアイはギア構造で首の可動と連動。頭部を左右に可動させると、その動きに合わせてモノアイも外側に移動します。HGにはない実機的な動きが表現されているのがいいですね。

胸部・腹部。背広をイメージしたデザインですが、重機的な雰囲気も併せ持つ特有の形状が再現されています。腹部には動力パイプが造形。こちらもパイプ一つ一つが細かく分割されています。

胴体側の首は簡単なボールジョイントで可動ギミックは頭部側のみ。肩には可動ギミックがあり、前方に広く展開させることができます。

胸部コックピットハッチは左右両側が展開可能。個体差かもですが、片側が少し垂れやすかったです。コックピット内部にはシャア・アズナブルフィギュアを格納。シートも簡単に造形されています。シャア・アズナブルフィギュアは定番の軍服姿での再現です。

背部バックパックを外すことでレバーが露出。このレバーを左右に可動させることで、コックピットの位置を左右入れ替えることができます。物によっては可動が硬い場合もあるので、無理にスライドさせて破損させないように注意します。

腰部各部には背広の裾のような腰アーマーが造形。フロント、サイド、リアアーマーそれぞれが分割され、脚部の可動を妨げないようになっています。

フロントとサイドアーマーはボールジョイント、リアアーマーはヒンジ型で広く展開可能。各裏ともメカニカルなモールドが造形され、サイドとリアアーマーの内側にはフレームも造形されるなど作りが細かいです。塗り分けるともっと良くなりそう。

右腕部。エッジの効いた上腕や丸みのある前腕など、ザク特有の腕部形状が再現されています。肩には特有のL字シールドを装備。

上腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールド化。前腕も細かいパーツ構成で合わせ目はありません。各部丸モールドは塗り分けて見ても面白そうですね。

ハンドパーツは各指とも個別に可動します。親指以外の4指は第2関節まで細かく可動。手首は上下にスイングさせることができます。

L字シールド。自体は簡単な2枚パーツ構成ですが、合わせ目は内側でモールド化されています。ジョイントパーツはポリキャップを交えた構造でフレキシブルに可動。こちらもL字シールド内側を塗り分けると雰囲気が変わりそうです。

左肩のスパイクアーマー。曲状部は1個パーツ構成で合わせ目はありません。スパイクは別パーツ化されているので、メタルパーツなどに組み替えてみても面白そうですね。

こちらもポリキャップ構造のジョイントパーツで幅広く展開させることができます。肩側もヒンジパーツで上下に可動。

脚部。細身ですが、丸みのあるザク特有のシルエット。大腿部からふくらはぎにかけて定番の動力パイプも造形されています。S型なので、量産型ザクとは異なり、ふくらはぎ下部の多数小型スラスターが新造されています。外装パーツもS型用のものが新造。

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下もモールドに沿って分割された外装パーツを組み合わせて行く構造で合わせ目はありません。

裾の小型スラスターは別パーツ化。内外で別パーツ化されているので塗り分けると映えそうです。側面の動力パイプはスプリングにパイプパーツを通す構造。膝曲げ時に突っ張ることがないので、膝を深くまで曲げることができます。

足の付根はロールや上下などフレキシブルに可動。外装が簡単に外せるので、内部フレームが露出した状態でディスプレイさせておくこともできます。

ソール部もザク特有の丸みのあるデザイン。足底にやや厚みがあります。

足裏は適度なモールドがデザインされています。中央は量産型ザクからS型用に円形スラスター口が造形されたものが新造。つま先は適度に角度変更することができます。

バックパックもS型用に新造。ボックスタイプですが、下部にはメカニカルなバーニアスラスターが造形されています。

バーニア上下に可動。各部がかなり細かくパーツ分割されているので、パーツごとに塗り分けたりするとかなり映えそうです。

MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。大きさはジムコマンドと同サイズ程度。シャア専用ザクの全高は17.5mです。

一番くじのソリッドクリアですがMGガンダムVer.2.0、塗装済みですが、MGガンダムVer.3.0と並べて。Ver.3.0は装甲が細かくパーツ分割されていてメカニカル感が強いので、組み合わせるならやはりプレーンなデザインのVer.2.0のほうが良さそうですね。

HGUCシャア専用ザクⅡ(リメイク版)とサイズを合わせて比較。MGのVer.2.0のほうが胴体部がコンパクトで脚長。プロポーションもスタイリッシュに造形されています。S型としてデザインされているので脚部スラスターも目立ちますね。

頭部は少し上下する程度。左右へはモノアイのギア可動で少し制限されますが、真横程度にまでスイングさせることができます。

腕は水平程度まで上げることができます。L字シールドやスパイクアーマーはアームで展開するので干渉はありません。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。

肩は後方へは少しスイングする程度。前方へは、肩が引き出せるのでそのぶん広めにスイングします。

胸部可動ギミックや腰部ボールジョイントによって上半身を適度に前後させることができます。

腰は干渉で殆どひねる(回す)ことはできません。アクションベースやスタンドへは、付属のジョイントパーツを股間部に組み付けてのディスプレイです。

腰アーマーが前後とも広めに可動するので、前後開脚は幅広く展開させることができます。

膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。膝周りはスライドギミック構造になっています。

足首は前後左右とも適度に可動します。

左右への開脚はサイドアーマーが干渉するのでハの字程度まで。ですが十分に幅広く展開させることができます。

内股は干渉して殆ど動かせませんが、がに股は幅広く展開させることができます。

立膝は深くきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、腰部が殆ど回転しないのは残念ですが、それ以外の箇所はかなり幅広く可動します。肩周りはシールドなどが干渉しないようになっていますし、足回りも可動域は十分。アクションポーズは適度に取れそうですし、このキットの売りのような立膝を付いたポーズも美しく表現できるのがいいですね。

ザク・バズーカ。元々対艦用に開発された280mm口径のバズーカになります。作中ではガンダムにザク・マシンガンが通用しないという事もあり多用されたとのこと。

各部が筒型パーツの組み合わせで合わせ目ができない構造になっています。

フォアグリップ、センサー共に上下に可動。センサーはハッチの開閉ギミックがあり、使用時と待機状態で表情を変化させることができます。センサーはクリアパーツを組み付ける構造。クリアパーツは一旦はめ込むと抜きにくいので仮組み時は注意が必要です。

リアアーマー中央のウェポンラッチを展開することで、ザク・バズーカを背部にマウントすることができます。センサーを収納しておけば、バックパックのバーニアも特に干渉はしません。

ザク・マシンガン。ザクが使用する定番のMS用マシンガンで、単発と連射の切り替えが可能な接近戦用の装備になります。弾薬は主にドラムマガジンから供給。状況に応じて破壊力を重視した榴弾や徹甲榴弾を使用するとのこと。

こちらも筒型パーツなどの組み合わせで各部がパーツ分割されているため、合わせ目はできない構造になっています。

ドラムマガジン内部には薬莢のモールドが細かくデザインされています。見えない箇所ですがこだわりが感じられますね。

センサーは上下に、フォアグリップは左右にスイング可能。センサーはクリアパーツを組み付ける構造なので、ザク・バズーカと同様、仮組みする場合は注意が必要です。

ザク・マシンガンのドラムマガジンはサイドとリアアーマーにマウントさせることができます。

ヒート・ホーク。ザクI用ヒートホークの発展型で、刃の部分を赤熱化させて敵を切り裂く兵装になります。簡単な1個パーツ構成ですが、動力パイプなどがリアルに造形されています。柄はパープルに、刃はイエローに塗り分けが必要です。

付属のジョイントパーツを使用することで、サイドアーマーにヒート・ホークをマウントさせることができます。

説明書に記載はないですが、リアアーマーにもマウントさせることができました。どちらも固定強度が高めで簡単には外れません。

リフト車輌。パイロットをコックピットに搭乗させるためのリフトを要した専用の車両になります。タイヤは別パーツ化され、各部にアウトリガーを備えるなどなかなか味のある作りになっています。

グレー成型色のみの再現なので、アウトリガーの一部をシルバーに、車輪をダークグレーに塗り分けが必要です。

搭乗部は手すりが別パーツ化。手すりはゲートを説明書の指示通りに切り取らないと、欠けたり折れたりする場合があるので注意です。

リフトは3個パーツ構成で高くまで展開させることができます。固定強度があまり高くないので、経年などでヘタれてしまう可能性も。

シャア・アズナブルフィギュア。軍服姿での再現となっています。各部に塗装が必要。台座が造形されていないため、単体で自立させてのディスプレイは難しいようです。

リフト車輌によって搭乗シーンなどが再現できるのはいいですね。リフトはコックピットの高さまで展開できるようにきっちりと設計されているようです。フィギュアは両面テープで自立させてみました。

一通り武装して。

ザク・マシンガンは手のひらのだぼをグリップに組み付けて保持します。ダボが浅めで外れやすいですが、指で握らせることである程度は安定した保持が可能です。背部にマウントしているバズーカは手が当たるなどすると外れやすいので注意。

肩が広くスイングしますし、腕も柔軟に可動するので、ザク・マシンガンを両手で構えるポーズはかなりラク。ゆったりと構えることができるのでポージングでの表現自由度も高いです。

指が自由に動くので、手のひらにも自然表情を付けることができます。股間部に組み付けるディスプレイ用ジョイントパーツが少し外れやすいですが、無理な態勢をとらなければキットが落下したりすることはありません。

ザク・バズーカはグリップを可動させることはできませんが、グリップ側のダボ穴が縦と斜めの2箇所にあり、グリップを斜めに握らせられるので肩との干渉を避けるように保持することができます。

各指が柔軟に可動するので、バズーカに手を添えるポーズもかなり自然な形で再現することが可能。フォアグリップを握らせての射撃ポーズもかなり格好良く演出することができます。今回は再現していませんが、バズーカを脇に抱えて射撃するポーズも再現可能です。

ヒート・ホークも手のひらのダボを柄に差し込んで固定します。ダボは浅めですが、軽量の武装なので特に取り扱いに不自由さはありません。軽快にポーズを取らせることができます。

深くまで立膝が付けるので、ヒート・ホークで斬りつけるポーズもより自然なかたちで表現することができます。深い立膝だと干渉でサイドアーマーが少し外れやすくなるので注意です。

リフトを使わない搭乗シーンもリアルに再現可能。だいぶ前に発売されたキットですが、当時の技術でより良いキットを開発しようとした姿勢が感じられるのがいいですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。外装はモールドが少なくアレンジも少ないですが、そのシンプルな姿こそが最良と思わせてくれる完成度の高いキットになっています。プロポーションバランスもかなり良いですし、内部フレームを用いた構造で可動ギミックも充実。ヌルヌル動くABS関節ですが特にストレスもなく自由にポージングを楽しむことができます。

気になる点は、手のひらのダボが浅いので、武器を固定しても少しの干渉で簡単に外れてしまいます。なのでザク・マシンガンなど軽量な武装はダボ固定を諦め、指で握るように保持したほうが無駄なストレスを感じずに済むかも。股間部に組み付けるディスプレイ用ジョイントパーツも、無理な態勢を取らせると若干外れやすいようでした。

S型特有の脚部スラスターやリフト車輌などはリアルに造形されていて表現力が高いですし、深い立膝が付けるので他では再現しにくいパイロットの搭乗シーンが再現できるのも魅力。武装類はシンプルながらも、構えるポーズはかなり様になりますし、指の可動が多くより自然な表情が付けられるなど、ガンプラ開発における製造技術の高さを感じさせるキットになっているのが良いですね。

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