HGUC スタークジェガン(CCA-MSV Ver.) レビュー

今回は、HGUC 1/144 RGM-89S スタークジェガン(CCA-MSV Ver.)のレビューをご紹介します!

HGUC スタークジェガン(CCA-MSV Ver.)は、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア MSV』より、MS「RGM-89S スタークジェガン(CCA-MSV Ver.)」の1/144スケールモデルキットです。CCA-MSV版の特徴的なカラーリングと機体形状を再現。頭部や胸部アーマー、両肩に大型ミサイルを装備し重厚なポージングが可能となっています。価格は2,750円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア MSV」で知られる地球連邦軍 量産型MSで、『機動戦士ガンダムUC』に登場するスタークジェガンのもとになったとされるCCA-MSV設定の遠距離武装強化タイプ「RGM-89S スタークジェガン(CCA-MSV Ver.)」がHGUCでキット化。

HGUC スタークジェガンをベースに、頭部や胸部中央アーマー、両肩の大型ミサイル、腰部ライフル携行用パーツが新規造形で再現されています。

成形色はくすみのあるライトグリーンを基調に、襟や腰部、脚甲などにダークグリーン、胸部エアインテークにイエロー、頭部バイザーにクリアブルー、肩部ミサイルポッドにレッドを配色。その他、内部や関節、バックパック、武装類がグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールが付属し、頭部のマスクやアンテナ基部、センサー、腹部や腰部装甲の一部を補いますが少なめ。大型ミサイルの一部や各部ダクト、バーニア内部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されています。

腕の接続部や肘、膝関節など、強度が必要な部分のパーツにはABSが使用されています。KPSは不使用。ABSは塗装やスミ入れ時に破損、ひび割れを起こす可能性があるので少し注意が必要です。

ポリキャップはPC-132Aの殆どを使用します。ABSパーツによる関節強度は高め。肩に3連装ミサイルポッドや大型ミサイル、背部にスタビライザー付きのバックパックを装備していますが、装備による負荷は少なく、自立は安定しています。

■付属品

ハイパー・バズーカ、ビーム・ライフル、武器持ち手(右)が付属。通常のスタークジェガンにはビーム・サーベルが付属していましたがこちらにはありません。

HGUCスタークジェガンや通常のHGUCジェガン(逆シャア版)のパーツが余剰で付属。スタークジェガンのパーツが一通り付属するので、通常のスタークジェガンとして組むことができます。それとビーム・ライフルが丸々付属するのはおまけ感があって嬉しいですね。

専用のマーキングシールが付属。アナハイムや連邦のマーク、ナンバーマーキングが収録されています。

■各部形状

HGUCスタークジェガンなどと比較しながら、HGUC スタークジェガン(CCA-MSV Ver.)の各部を見ていきます。

■頭部

頭部をジェガン系各種と比較して。頭部は全体がCCA-MSV版用に新造。触覚のようなアンテナを持つCCA-MSV版特有の形状が再現されています。アンテナの付け根やマスク部分、とさか前後のセンサーは全てシールでの色分けなので、塗装で塗り分ける場合は少し手間そうではありますね。

メット部は前後の組み合わせで上部から側頭部にかけて合わせ目ができます。簡単な組み合わせなので合わせ目消しはラクそう。

バイザー内部はジェガン系と同じ1つ目センサーが造形。クリアパーツ越しでもディテールが確認できるようになっています。アンテナはメット部と一体成型。

■胴体部

胸部、腹部を通常版(ノーマルのスタークジェガン)と比較。大部分の形状は同じですが、中央の装甲がCCA-MSV版用に新造。コックピットハッチは赤いシールで色分けしますが、左右エアインテークは通常版と同様、パーツでの色分けとなっています。胸部のダミー弾発射口はグレーに塗り分けが必要。

首は前後にスイング可能。肩はジェガンフォーマットですが前後へのスイングのみ。D型などで見られた上下スイングはスタークジェガン系ではオミットされています。

腰部はポリキャップとボールジョイント接続で柔軟に可動。

腰部はスタークジェガンと殆ど同じですが、サイドアーマーは左にD型などと同じハンドグレネードを装備。右はCCA-MSV版で新造されたビーム・ライフル用のジョイントになっています。裾のダクトはイエローやグレーに塗り分けが必要。

腰アーマー裏は各部とも造りが簡易的。股間部は他のジェガン系と同様ロールします。

ハンドグレネードの中央ハッチは一応展開が可能。ビーム・ライフル用のジョイントは1個パーツ構成です。

ハンドグレネードは3本が一体成型ですが、個別にダボがあるので一応切り離して分割できます。

■腕部

腕部をスタークジェガンと並べて。3連装ミサイルポッドを含め大部分の形状は同じですが、側面には2基の大型ミサイルが新造。前腕に増加装甲はありません。このあたりはプロトタイプ機らしい雰囲気が強く表現されています。

上腕以下は他のジェガン系と同形状。上腕は筒型パーツにポリキャップを組み込む構造で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。

肩上部に装備する3連装ミサイルポッドと大型ミサイル。大型ミサイルは太く重厚感あるデザインで造形。先端部分はライトグリーンのパーツで色分けされていますが、深いグリーンで塗装したほうが設定に近く引き締まった印象になります。前面の丸モールドは黄色く塗り分けが必要。丸が上にくるように組み付けます。

各部が筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。後部は円形スラスター内部をイエローやグレーに塗り分けが必要。

側面の大型ミサイルは新規のジョイントパーツを介してミサイル・ランチャーに組み付けるようになっています。固定強度はあまり高くないので、弄っているとたまに外れるかも。ジョイントパーツの裏面は肉抜き穴です。

ショルダーアーマーは通常版と同じ、D型のラッチ付きアーマーですが、ミサイルランチャーへのジョイント(グレーのパーツ)はCCA-MSV版用に新造。ややコンパクトなジョイントに変化しています。ジョイントパーツを外すとD型と同じショルダーアーマーになります。側面のダクトなどはイエローやグレーに塗り分けが必要。

■脚部

脚部はスタークジェガンと同じ。通常のジェガン脚部に、膝から下の部分には厚みのある増加装甲を装備。ミリタリー感の強い容姿になっています。

大腿部にはスタークジェガンと同型の増加装甲を装備。これらは各部とも合わせ目ができないパーツ構成です。各部バーニアは別パーツ化。特に可動ギミックはありません。バーニア内部や増加装甲のダクトはイエローなどに塗り分けが必要。

増加装甲を外すと通常のジェガン脚部が露出。大腿部のみ簡単な内部フレームが造形されています。

増加装甲の内側にモールドなどはなく簡易的な造り。

ソール部は通常版(通常のスタークジェガン)と同様、つま先と踵に厚みのある仕様でボリューム感があります。

足裏にはメカニカルなモールドが造形。モールドはD型などと同じですが、形状的にジェガン脚部のつま先と踵に継ぎ足されたようなデザインになっていますね。

■バックパック

バックパックは通常版(通常のスタークジェガン)と同じ。上部スタビライザー、下部に2枚のスラスターを持つ特徴的なスラスターユニットになっています。

スタビライザーは上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。先端上下のダクトはイエローなどに塗り分けが必要。

下部のスラスターも上下の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。基部の円形パーツを挟みますが、左右のスラスターで基部の向きが違っているので組み間違えないように注意します。

バックパック基部は前後2枚パーツ構成の簡易的な作りで側面に合わせ目ができます。下部大型バーニアは内部を黄色く塗り分けが必要。

スタビライザー、スラスター共に上下に可動させることができます。

バックパックは通常のジェガンと同じ角型2ダボ接続。なのでHGUCジェガン系各種のバックパックが装備可能です。固定強度は高め。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。RX-78-2よりも若干大きい程度ですが、肩に大型ミサイル等を装備しているため、横幅が少し広め。

HGUCスタークジェガンと並べて。CCA-MSVはスタークジェガンの元になったという設定なので、各部にプロトタイプ機のような試行錯誤している感じが見て取れます。

HGUC ジェガンD型HGUC ジェガンエコーズ仕様と並べて。どれもD型ですが、それぞれが特殊任務用にカスタマイズされています。その中でもCCA-MSV版スタークジェガンは特に重厚。

HGUCジェガン(逆シャア版)とも並べて。逆シャア版はA型なので、D型ベースのスタークジェガンとは装甲や装備だけでなく胸部や肩部など細部も細かく違っています。

■各部可動域

頭部は他のジェガン系と比べて比較的広めに上下します。左右へは両肩のミサイルポッドが干渉しやすいですが、一応水平までスイング可能。ポージングではミサイルポッドとの干渉を避けるように可動させる必要がありそうです。

その他の可動域はスタークジェガンと同じ。腕は肩の上下可動がオミットされているため、腕の上げる角度は水平までとなります。肘は1重関節で90度程度まで曲がります。

腰は45度程度までロール可能。膝は2重関節ですが、装甲の干渉によって90度程度までの可動となります。立膝は少し崩れた姿勢での再現です。

股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度までとなります。足首の可動もそれなり。ジェガン各種とも同じ可動です。

■武装類

ハイパー・バズーカ。スタークジェガン専用として設計された大型携行武装で、380mm通常弾の他、散弾にも対応し、直撃時の破壊力はビーム兵器を遥かに凌ぐとのこと。通常版からの流用です。

砲身部は砲口から後部まで左右の簡易的な組み合わせで上下に合わせ目ができます。末端部のフレームは別パーツ化。

砲身側面には特殊なスコープ(センサー)が造形。2個パーツ構成で合わせ目はモールドっぽく造形されています。

後部マガジンも合わせ目が出来ないパーツ構成。

砲身下部のグリップは広めに前後します。

ビーム・ライフル。宇宙世紀0087年からジム系MSの使用していた旧式モデルを小改造したものになります。表面は細かなモールドで見栄え良く造形されています。こちらも通常版からの流用。

本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。砲口部分は別パーツ化。マガジンの脱着ギミックはありません。

砲口上部のセンサーは塗り分けが必要です。腰部のジョイントに組み付けることで、携行状態が再現可能。固定強度が適度にあり、簡単に外れるようなことはありません。ジョイントパーツはロールするので、ビーム・ライフルを斜めに配置するなども可能。

■ポージング

一通り武装して。

ハイパー・バズーカは付属の武器持ち手で保持します。持ち手にグリップのダボを組み付けるため、しっかりと保持させることができます。持ち手自体も組み合わせ強度があるので簡単にはバラけません。

肩に3連装ミサイルポッドなどを装備しているため、ハイパー・バズーカは基本的には脇に抱えるように装備するようになります。多少ぎこちないですが、肘を曲げてしっかりと脇に抱えるようにすれば問題なく保持できます。

浮かせてディスプレイさせる場合は通常のHGと同じく、股間部にアクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。そこまで重量はないので、細身の支柱でも問題なく耐えられました。

容姿が重厚なのでどうしても干渉はしやすいですが、それでも前後開脚や腰のひねりなど動きを工夫すれば、躍動感あるポーズも十分に再現できますね。

肩のミサイルポッドを交わすようにすれば、ハイパー・バズーカを肩に担ぐようなポーズも再現可能。

大型ミサイルは弾頭部分が分離しないため、発射シーンの再現はできず。再現する場合は改修などする必要があり、それなりの技術力が求められそうです。

ビーム・ライフルもハイパー・バズーカと同様、付属の武器持ち手で保持します。グリップのダボで固定しますし、薄型軽量の武装なので取り回しもラク。

他のジェガン系よりも肩可動が制限されますが、それでも十分な射撃ポーズを取らせることができました。

余剰のビーム・ライフルも装備可能。こちらもダボ固定で安定した保持が可能です。左手持ち手がないので両手持ちはできず。(二丁拳銃を再現する場合はピコアルティドール専用機から持ち手とビーム・ライフルを拝借する必要があります。)

適当に何枚かどうぞ。

以上です。スタークジェガンからそこまで大きな変化があるわけでは無いですが、新造された頭部のマスクなど各部の赤がワンポイントで印象的。どことなく逆シャア版の機体である雰囲気が感じられるようになっています。武装も特別多いわけではないですが、重厚な容姿でポーズが決まりやすいですし、十分な魅力を持ったキットになっていますね。

気になる点はそんなにないですが、できれば頭部の色分けがシールではなく、パーツで再現されていると良かったかと。ただ、アンテナがメット部と一体成型なのは製造技術の高さを感じますし、強度面ではかなり良いと思います。

ビーム・ライフルも腰部にしっかりとホールドできますし、可動域があるため、重厚な容姿でも躍動感あるポージングが楽しめます。おそらく後出し設定と思いますが、劇中での活躍シーンが見たいくらい、スタークジェガンの幅を広げた存在感あるキットなのが良いですね。

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執筆者:nori
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