今回は、HGUC 1/144 ザクⅡ改 Bタイプ(ユニコーンVer.)のレビューをご紹介します!
HGUC 1/144 ザクⅡ改 Bタイプ(ユニコーンVer.)は、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS「MS-06FZ ザクⅡ改 Bタイプ」の1/144スケールモデルキットです。 劇中に登場したカラーリングを成形色で再現。 Bタイプ特有のフリッツヘルム型頭部の他、劇中で使用したザク・バズーカが新たに付属します。価格は1,540円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
ザクⅡの最終期型で、劇中ではザク・バズーカを装備し、トリントン基地に襲撃をかけたネオ・ジオン残党軍機「MS-06FZ ザクⅡ改 Bタイプ」がHGUCでキット化。
形状自体は2008年5月21日に発売されたHGUC ザクⅡ改(以下、通常版)と同じですが、成型色がUC登場時のカラーリングに変更されています。通常版にフリッツヘルム型頭部も付属していたため、新たに追加されたのはネオ・ジオンマーキングシールとザク・バズーカのみとなります。
成形色はダークグリーンとグリーンを基調としたミリタリー調のザクカラー。その他、動力パイプがくすみのあるイエロー、腹部や腰部ハンドグレネードがレッド、胸部やソール部、内部・関節、武装類などがダークグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールは頭部モノアイ用のみが付属。左肩のスパイクアーマーや腰部装甲のダクト、背部バックパックのバーニアなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
KPSやABSは不使用。殆どのパーツはPS素材となっています。ABSが使用されていないので、塗装・スミ入れする場合も破損をあまり気にする必要がなく、安心して取り組むことができます。
右手は武器持ち手が標準となっています。余剰で握り手が付属していますが、手甲パーツが合わないので使用することはできません。
ポリキャップはPC-123プラスを殆ど使用し、関節各部に組み込みます。肘や膝関節はポリキャップとPS素材構成で関節強度はまずまず高め。特に大柄な装備はないので負荷はかからず、自立は安定しています。
■付属品
ザク・バズーカ、MMP-80 90mmマシンガン、ヒートホーク、ヒートホーク用マウントパーツ、平手(左)が付属。
余剰パーツがいくつか付属。ザクⅡ改用の頭部パーツが付属しているので、組み替えることで通常のザクⅡ改のカラバリとして楽しむことができます。ザク・マシンガン、収納型のヒートホークなどがおまけっぽく付属しているので、せっかくなので使ってみても良いですね。
Bタイプ用のマーキングシールが付属。ジオンのエンブレムとネオ・ジオンのエンブレムを選んで貼り付けることができます。
■各部形状
ザクⅡ改 Bタイプ(ユニコーンVer.)の各部を簡単に見ていきます。
■頭部
頭部。Bタイプの特徴であるフリッツヘルム状のメット部が再現されています。動力パイプはパーツできっちりと色分けされ、口内のモールドも細かくリアルに再現。
フリッツヘルムは上から被せる仕様で合わせ目はなし。強度や防御力の高さを感じさせますし、ドイツ兵をオマージュしたデザインで面白みがありますね。
モノアイは黒いシールを貼り、その上からモノアイピンクのシールを貼っての色分け。特にモールドは造形されていないので、塗装で塗り分けるのは少し手間そう。モノアイの可動はモノアイシールの位置を貼り替えて表現します。
通常版(ザクⅡ改)の頭部と並べて比較。通常版のものはオーソドックスなザクタイプ頭部。なので並べるとフリッツヘルムの独特さがとてもよく感じられます。
頭部を組み換えて通常のザクⅡ改で全身から。
■胴体部
胸部・腹部。ザク系の中でも比較的厚みのある装甲で全体的にボリューム感があります。腹部や腰部動力パイプはパーツできっちりと色分けされています。
首はポリキャップパーツで前後にスイング可能。肩はポリキャップと1軸パーツの組み合わせで前方にスイングします。上下にも少し可動。
腰部も適度に厚みがあり、左右にも幅のある装甲が造形。表面にはメカニカルなモールドもデザインされています。アーマーの裾には横長のダクト口も造形。ダクト内部は赤や黒に塗り分けが必要です。
サイドアーマーは右に90mmマシンガンのマガジン、左に3基のハンド・グレネードを装備。どちらも脱着ギミックはありませんが、ハンドグレネードは個別にダボがあるので切り分けて単体にしておくことはできそうです。
腰アーマー裏は表面のデザイン沿った造りで特にモールドなどはありません。
股間部のボールジョイントにはスライドギミックがあり、前方にスライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。自然にスライドすることもありますが、ポリキャップ接続なので適度な強度があります。
■腕部
右腕部。ジオン系機らしい丸みのあるデザイン。右肩にはザク系特有のL字型シールドを装備しています。L字シールドにはミリタリー調のモールドが造形。前腕の小さい丸モールドはグレーに塗り分けが必要です。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目消しは楽そう。
L字シールド裏面には簡単なモールドが造形。
右肩もザク系特有のスパイクアーマーを装備。アーマーは前後の組み合わせで上部と側面に合わせ目ができます。外側にある丸型の小型アポジは赤に塗り分けが必要です。
スパイクアーマーは肩の1軸とポリキャップ接続で適度に可動。スパイクアーマーは簡単に取り外せるので合わせ目消しはラクです。スパイクは外側の1本だけですが別パーツ化されているので、塗り分けてみても面白そうですね。
■脚部
脚部。こちらもジオン系機らしい丸みのあるデザイン。大腿部側面から脹脛にかけても特有の動力パイプが接続されています。組んだ後で穴に差し込む仕様ですが、しっかりと固定されるわけではないのでキットを振るとカチャカチャと音がします。
大腿部と膝から下、どちらも前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。膝から分離するので合わせ目消しはラクそう。後部のスラスターは内部パーツとの兼ね合いで色分けされていますが、内部を赤く塗り分けが必要です。その他の小型丸スラスターも赤く塗り分けが必要。
ソール部も重厚な造り。特につま先の角型モールドが重機的且つリアルに造形されています。足首のパーツは上部に展開可能。アキレスを伸ばすような動きを表現することができます。
足裏はメカニカルなモールドが造形。きっちりと裏打ちパーツで蓋がされているため、肉抜き穴などもありません。公式ホームページの塗装見本では確認できませんでしたが、中央のスラスター口は赤く塗り分けても良さそうですね。
■バックパック
背部には程よく厚みのあるバックパックを装備。表面には物足りなくない程度のモールドがデザインされています。簡単な上下2個パーツ構成ですが、合わせ目はモールドっぽくなっているので目立ちません。
本体とは1軸とポリキャップによる接続。なのでHGBFなどで見られる1軸接続のバックパックであれば、組み合わせることが可能です。
下部にはシンプルなデザインの3基の円形バーニアを装備。内部は赤く塗り分けが必要です。特に可動ギミックはありません。
■他キットとの比較
ベースキットであるHGUCザクⅡ改と並べて。フリッツヘルムはベースのHGUCザクⅡ改にも付属しているので組み換えができますが、Bタイプはグリーン系の成形色が濃くなったことで更にミリタリー感が増しています。
同じザク系のHGUCザクⅡ(リメイク)、HGザクⅡ C型/C-5型(オリジン版)と並べて。カラーリングは同じグリーンのザクカラーですが、各部が細かく違っています。ザクⅡ改が一番実機感があるかも。
劇中でジオン残党軍として戦闘に加わったHGUCイフリート・シュナイド、カークス機ではないですがHGUCザクⅠ(スナイパータイプ)と並べて。発売時期は異なりますが、どれも泥臭く、戦場の臨場感が感じられるキットになっています。
■各部可動域
各部可動域はベースのHGUCザクⅡ改とほぼ同じ。頭部は少し上下する程度。腕は水平まで上げることができます。肘は1重関節で90度程度まで曲げることが可能。腰部のポリキャップによって上半身を少し反らすことができます。
腰は動力パイプなどが干渉するため、わずかにひねる程度です。膝は2重関節で90度程度まで曲げることが可能。立膝はあまりきれいな姿勢で再現することはできないようでした。
股間部がボールジョイントなので、左右への開脚はハの字程度と制限されます。足首は適度に曲げることが可能。多少自立した状態でのポージングにも対応しているようです。
可動域の総括としては、頭部や肩部、腰部など、多少干渉でぎこちないところはありますが、全体的にまずまず可動します。なので躍動感あるポーズは制限されますが、重機的で泥臭いポーズは再現できそうですね。
■武装類
ザク・バズーカ。240mmの弾頭を射出する携行用のキャノン砲になります。劇中ではトリントン基地襲撃の際に支援用として使用されました。通常版には付属しておらず、このBタイプで付属している武装になります。HG黒い三連星ザクII(2013年発売)などに付属しているものと同じ。
本体部分はグリップを挟んでの左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
上部センサーや側面のフォアグリップは上下に可動。センサーは赤く塗り分ける必要があります。
グリップも前後にスイング可能。
砲口や後部の4口穴も適度に開口されています。
MMP-80 90mmマシンガン。90mm口径で、従来のザク・マシンガンに代わる主力武装になります。サブマシンガン系のシルエットで、表面にはメカニカルなモールドが造形。ミリタリー感漂う武装になっています。
本体部分は簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。下部のマガジンは脱着が可能。ただし交換用のマガジンはありません。
砲口部分は一番上(画像では一番下)がセンサーでピンクに塗り分けが必要。2段目が90mmマシンガン、3段目がグレネード・ランチャーになります。後部ストックに展開ギミックはありません。
通常版の90mmマシンガンと並べて比較。成形色が異なるだけですが、ダークグレーの方が実機感があって良いですね。
ヒートホーク。近接戦闘用の斬撃装備になります。ブレード部分が赤熱化し、敵の装甲などを溶断するとのこと。簡単な1個パーツ構成、1成形色の仕様なので、柄をグリーンに、刃の基部はグレーに、刃の部分をシルバー、もしくはイエローなどに塗り分けが必要です。
余剰のヒートホーク(画像上)と並べて。余剰の方は柄が短い収納型。一部に腰部へのマウント用ダボがありますが、ザクⅡ改の腰部にマウントすることはできないようでした。
ヒートホークは付属のマウントパーツを使用することでリアアーマーにマウントさせることができます。カチッとしっかり固定できてポロリなどは殆どありません。
■ポージング
ザク・バズーカとヒートホークを装備して。
ザク・バズーカは標準手である武器持ち手でグリップを挟んで保持します。グリップのダボを手のひらに差し込めるのでしっかりと固定した状態で保持することが可能。
グリップが可動するので、肩との干渉もなくラクに保持することができます。
肩に担ぐポーズも容易に再現可能。肘が90度しか曲がらないので少しポーズが物足りない感じにはなりますが、まぁ悪くはないかと。
平手が付属するので、砲身に手を添えるようなポーズも柔らかい表情で表現することができます。余剰で握り手と武器持ち手が付属しますが、どちらも無改造で手甲パーツを取り付けることができず、使用することができませんでした。
浮かせてディスプレイさせる場合は通常のキットと同様、股間部にアクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。股間部穴がポリキャップ仕様なので、キットがクルッと反転することなくしっかりとディスプレイさせることができます。全キットがこの仕様だったらどれだけ良いか・・・・;
両手持ちも少しぎこちないかなというくらいで問題なく再現可能。
脇に構えるポーズも問題なく再現できます。こちらも平手を添えるとポーズが様になりますね。
MMP-80 90mmマシンガンもザク・バズーカと同様、武器持ち手で保持します。グリップのダボを手のひらに差し込んで固定するため、しっかりとした保持が可能。トリガーに指を添えるタイプで見栄えにも配慮がされています。
特に後部ストックと前腕との干渉もなく、銃口をまっすぐ前方に向けて構えることができます。平手は画像のように上に添えても良いですし、ポンプアクション用に砲身下部のハンドガードを持たせても良いですね。
ヒートホークはハンドパーツ穴と柄の太い部分がギリギリ合うくらいなので、スルッと移動することなく保持できます。ただしハンドパーツの組み合わせが浅かったりすると抜けたりクルッと反転したりすることもあるので注意です。
余剰のザク・マシンガンが完全な形で付属しているのはお得感があって良いですね。ザクマシンガンは後部ストックが前腕と干渉しやすいので、うまく干渉を避けるように保持します。
こちらの両手持ちも少しぎこちないくらいで、自然な表情で保持が可能でした。
頭部を組み換えて通用のザクⅡ改でポージング。こちらの成形色のほうが0080に登場したものに近い気も。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。レトロ感漂う容姿で、ポーズを取らせるとなんとも言えない良さや味を感じることができます。通常版でも付属していたフリッツヘルムですが、このBタイプ仕様のカラーリングとよく合っていて格好良いですし、大戦中のドイツ兵のような渋い姿がとても魅力的に映ります。
気になる点は、通常版もそうですが、右手が武器持ち手しかないのでできれば通常の握り手、そして平手も付属していると良かったですね。余剰に使えない握り手と武器持ち手(左用)があるので、それに合う手甲パーツでも付属していると良かったかなと。
ザク・バズーカもザクⅡ改の容姿ととてもマッチしていますし、構える姿は「あ~、やっぱりザクだな~♪」と思えるくらいに魅力的。外装のモールドもしっかりとしていますし、ボリューム感ある胴体部も重機的で格好良いです。大部分は通常版からの流用ですが、遊んでいるとじわじわとザクの魅力を感じさせてくれる、良キットになっているのが良いですね。
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3 件のコメントがあります。
バナナ猫
on 2024年8月16日 at 10:48 -
ザク2よりかなりボリュームありますね
nori
on 2024年8月16日 at 11:10 -
コメントありがとうございます!
胴体部のマッシブ感が凄いんですよね♪
レトロで重厚感があってかっこよい!
Mr.8
on 2024年8月16日 at 16:35 -
HGのザクII改はポケ戦よりUC版に近いプロポーションなので、ポケ戦ファンにはなんか悲しい(REだとポケ戦のほうに近いけどレアすぎて買えない😭)