今回は、2001年12月に発売されたHGUC 1/144 RX-78GP03S ガンダムGP03S ステイメンのレビューをご紹介します!
HGUC ガンダムGP03S ステイメンは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するMS「RX-78GP03S ガンダムGP03S ステイメン」の1/144スケールモデルキットです。ステイメンの特徴的な機体形状を再現。差し替え無しで伸縮が可能なフォールディング・アームのほか、フォールディング・バズーカやフォールディングシールドといった特徴的な武装が付属するキットになっています、価格は1,760円(税込み)です。
デンドロビウム(オーキス+ステイメンの総称)のコア・ユニット(コックピット兼脱出システム)となるMSで、劇中第12話ではオーキス補給中に出撃。第13話では大破したオーキスから離脱し、連邦に向けてライフルを撃ちまくるなど印象的だった機体「RX-78GP03S ガンダムGP03S ステイメン」がHGUCでキット化。
背部に可動式のバックパックや大柄な腰部テールバインダーといった特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。「ステイメン」とは「花のおしべ」という意味。後に一般発売のHGUC RX-78 GP03 ガンダム試作3号機 (デンドロビウム)にも流用されました。
成型色はホワイトをメインに、部分的にブルーやレッドを配色。シンプルさとガンダムタイプ特有のヒロイックさを併せ持つカラーリングになっています。
ホイルシールは頭部ツインアイや各部センサー、一部モールドを補うくらいでわずか。ダクトやバーニア内部、ビーム・ライフルのセンサーなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されています。
肩関節やフォールディング・アーム、ハンドパーツといった一部のグレー成型色パーツにはABSが使用されています。なので塗装・スミ入れする場合は破損に注意が必要。その他のパーツはPS素材となっています。
ポリキャップはPC-123プラスを使用し、肩や膝、足首など各部に組み込みます。肘はABS、膝はポリキャップとPSパーツの組み合わせで関節強度はまずまず高め。腰に大柄なテールバインダーを装備していますが、若干後方に負荷がかかるくらいで自立は安定します。
■付属品
フォールディング・シールド、フォールディング・バズーカ、ビームライフル、ビーム・サーベル(柄と刃一体型)、平手(左右)、武器用握り手(左右)が付属。
コア・ファイターが付属します。
■各部形状
HGUC ガンダムGP03S ステイメンの各部を見ていきます。
■頭部
頭部。渋めながらも全体的にシンプルで整った顔立ち。前後挟み込みタイプですが、頭頂部から側面にできる合わせ目は段落ちモールド化されています。ツインアイやとさか前後のセンサーはシールでの色分けです。ラインモールドが多めなので、スミ入れすると締まった感じになりそう。
■胴体部
胴体部。胸部やコックピット周りはブルー、その他はホワイトに配色されています。エアインテークやコックピットハッチはイエロー、レッドパーツでの色分け。胸元や腰部中央のセンサー、モールド類はグリーンやレッドシールでの色分けです。フロントアーマーやサイドアーマー下部のダクト内はグレーに塗り分けが必要。
腰アーマー裏は特にモールドなどは造形されていません。股間部はボールジョイント接続。
■腕部
腕部。レトロ感のある角型タイプに造形されています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕にはフォールディング・アームが格納されており、複数パーツの組み合わせで構成されているので合わせ目はできない構造になっています。前腕前側の合わせ目も段落ちモールド化されています。接続はしっかりとしていますが、二の腕の内部パーツに若干遊びを感じるので、取り扱い時には注意したほうがいいかもです。
前腕のハッチは展開可能。
内部に折りたたみ収納されているフォールディング・アームは展開可能です。
フォールディング・アームはフレキシブルに可動し、先端のアームも展開が可能。
ショルダーアーマー。前後挟み込みタイプで合わせ目は端にくるようになっています。外側に合わせ目ができるので、後ハメ加工などをして処理する必要がありそうです。側面のダクトはグレーに塗り分けが必要。
■脚部
脚部。中肉タイプのシンプルなフォルム。適度にラインモールドが入っています。スネのセンサーはグリーンのシールでの色分け。
大腿部、膝から下共に左右挟み込みタイプ。大腿部前面の合わせ目は段落ちモールド化されていますが、大腿部後面、膝から下の前後にはがっつり合わせ目ができます。膝から分離可能ですが、膝のマルイチモールドなどがパーツで色分けされているため、合わせ目を消す場合は後ハメ加工なども必要かと。
ソール部。ソール自体はシンプルですが、足首のマルイチモールドやアンクルアーマーなどの形状が特徴的。アンクルアーマーは左右挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。後ハメなどで対応する必要がありそうですね。アンクルアーマーの各部ダクトはグレーに塗り分けが必要。足裏はモールド入りの蓋パーツを被せるので、肉抜き穴などはありません。
■バックパック
バックパック。2列に並んだ小型ユニットが造形されています。派手さはないものの、複数パーツの組み合わせによって特徴的な形状が再現されています。
バックパックは縦型の2ダボ接続。固定強度はまずまず高めです。独自の組み合わせ構造なので、他キットのバックパックで適合するものは少なそうです。
左右に造形されたサーベルホルダーは左右挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。サーベルホルダーは手前のハッチを開くことで、サーベル柄が露出。この柄は一部のみ造形されているため、サーベルとして使用することはできません。
左右の小型ユニットは連結しており、合わせて少し角度変更が可能です。
さらにサーベルホルダー、ウイング、バーニア共に可動させることができます。
■テールバインダー
後部のテールバインダー。装甲パーツ自体はシンプルですが、バーニアなどが別パーツで色分け、造形されています。
尾翼は大きく跳ね上げることができます。リアアーマーはシンプルな形状で、下部のダクトはグレーに塗り分けが必要です。
リアアーマーも少し可動します。
テールバインダーの接続部はボールジョイントによるポリキャップ接続でフレキシブルに可動します。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。大きさは陸戦型ジムなどどほぼ同じ大きさになります。ステイメンの全高は18.0m。
HGUCゼフィランサス、HGUCサイサリスと並べて。ステイメンは比較的小柄な印象。どれもガンダム開発計画の機体ですが、それぞれ特徴があって個性的。ただその中でも、サイサリスの存在感は一つ抜けています。
■各部可動域
頭部は顎引きは殆どできず。見上げる動きもわずかです。これでオーキスに格納したとき、動きが表現できるのかちょっと疑問ではあります;左右へは干渉なくスムーズに可動します。
腕はショルダーアーマーが干渉するため、水平にまで上げることはできないようです。肘は90度以上に曲げることができます。胴体から軸が伸びるタイプで固定式なため、肩の前後スイング可動はありません。画像も省きました。
上半身の前後スイングは、腰を少し引き抜くことでポリキャップによる可動が広がるため、多少前後スイングさせることができます。
腰は後部が干渉するため、わずかにねじる程度。アクションベースへのディスプレイが考慮されておらず、コの字パーツもどれもサイズが合わなかったので、浮かせたディスプレイをさせたい場合はアームなどで挟み込んでのディスプレイとなりそうです。
幸いテールバインダーなどが特徴的なので、うまくアームを引っ掛けることができました。(アームはTHE シンプルスタンド×3【フィギュア&模型用】を使用しています。)
フロントアーマーがあまり広くは展開しないので、前後開脚はそれなりな感じに。
膝もほとんど曲がらず、気休め程度。
足首は前後へは程よく可動しますが、左右へはわずかに傾ける程度になります。
股間部がボールジョイント接続なため、左右への開脚はハの字程度となります。
内股、がに股もあまり広く展開することはできません。
立膝もほぼできませんでした。
可動域の総括としては、現代のキットに比べるとかなり可動域が狭いですし、ディスプレイが考慮されていないこともあり、あまりポージングを意識した作りにはなっていないような印象です。OP以外、劇中ではそれほど動いているシーンはないですが、ポージングもそれに合わせたものになりそうですね。
■コアファイター
GP03専用のコア・ファイター。GP03SにはGP01と同様のコア・ブロック・システムの採用が検討されており、採用予定のジェネレーターの素性から、大気圏内の飛行が可能、ステルス性も盛り込まれていたとのこと。後部に幅のある重厚なコア・ファイターになっています。
本体部分は上下の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。
比較的大味なパーツ構成なため、キャノピーをグレー、左右のインテークをイエロー、後部ダクトをグレーに塗り分ける必要があります。裏面の3基ランディングギアは別パーツによってきっちりと色分けされています。
機首部分は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。先端に組み合わせダボがないため、少し隙間ができてしまうのは気になるところ。
後部のバーニアは別パーツでの色分けです。説明書の塗装見本ではコア・ファイターの後部まではわかりませんが、バーニア内部を赤く塗り分けると映えそうですね。
フライトシーンを演出。コア・ファイターが薄型なので、うまくコの字パーツで挟めば浮かせた状態でのディスプレイが可能です。
劇中では全く登場していませんが、GP01などとは一味違ったスタイルのコア・ファイターとして楽しむことができます。シャープなデザインなのでスピード感がありますし、ディスプレイさせるだけで十分に格好良いですね。
■武装類
フォールディング・シールド。左右対称のシンプルなデザインで造形されています。それほど複雑な形状ではありませんが、裏面にはジョイント基部やグリップ、ビームライフル用のエネルギーパックが4基配置。シールド裏にも細かいモールドが造形されています。表面装甲左右の凸部は青く塗り分けが必要です。
左右のシールドは展開が可能。表情を変化させることができます。
フォールディング・バズーカ。こちらはオーキス内に格納されているバズーカになります。モールドは少なめですが、強度を感じさせる造りでチープさは全くありません。
砲身、本体部分ともに左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
センサーは上下に幅広くスイング可能。センサーの表面は赤く塗り分けが必要です。
砲身はコンパクトに折りたたむ事が可能。設定ではオーキスのウェポン・コンテナへの収納が考慮されており、HGUCデンドロビウムのコンテナ内にも収納することができます。
ビーム・ライフル。GP01と同じ形状のものですが、HGUC GP01 ゼフィランサスのものに比べて一回り小型になっています。ビームジュッテ用のビームエフェクトなどは付属していません。
HGUC GP01 ゼフィランサス(画像下)のものと並べて。
本体部分は左右挟み込みタイプで、上下に合わせ目ができます。
フォアグリップやセンサーは可動式。センサーの表面は赤く塗り分ける必要があります。
■ポージング
ビームライフルとシールドを装備して。ビームライフルはグリップ付け根の少し太い部分をしっかりと差し込めば、遊びもなく、安定した保持が可能になります。
シールドは前腕に基部を差し込みますが、それだけでなく、肘のフォールディング・アームにグリップを掴ませて保持させます。
造形がいいので、何気ないポーズでも様になります。やっぱり浮かせた状態だとこの機体のかっこよさが引き立ちます。
ビームライフルの両手持ちは、そこまできれいな姿勢にはなりませんが、ある程度形にすることはできました。
ビーム・サーベルはグリップにうまく挟めるので、スルッと抜けることなく保持が可能です。ビーム刃はピンクに塗り分ける必要があります。
フォールディング・アームを展開し、オーキスからバズーカを引っ張り出すシーンを演出。
バズーカはグリップが可動しないので、肩に担ぐポーズはやや難しめ。干渉によってぎこちないポーズになりがちなので注意です。腕をグリグリ動かすと二の腕が外れることがあるので、その点も注意が必要です。
脇に抱えたほうが持たせやすいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。やや脚部などの合わせ目が目立ちますが、腕部の展開式フォールディング・アームや後部のテールバインダーなど、作りとしてはなかなかしっかりとしていると思います。造形も良く、細かい部分の再現性も高いですね。プロポーションも良く、劇中の機体形状がうまく再現されているのではないでしょうか。
欠点的には合わせ目と可動域かなと。脚部は左右挟み込みタイプで膝から下に合わせ目がガッツリと入ってしまっているので、その点はちょっともったいない感じも。合わせ目を消すのもちょっと手間がかかりそうです。可動域については、劇中でそれほど派手なポーズをしていないので、あまり気にする必要ないかなとも思います。
コア・ファイターも付属していますし、このキット単体としての質も高いですが、やはりオーキスとドッキングしたデンドロビウムとして楽しみたいところです。HGUCのデンドロビウムはやや高価ではありますが、一つの夢として、HGサイズの大ボリュームキットを入手して迫力あるシーンを演出するのもありですね。
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4 件のコメントがあります。
匿名
on 2020年2月11日 at 11:34 -
ROBOT魂でデンドロビウムが発売されたら価格は20万円で収まりますか。
不安で眠れません。
匿名
on 2020年2月11日 at 16:48 -
多分出んだろうビウム
ですね(^^)
RGステイメンはよだせやバンダイさんや
on 2020年6月6日 at 18:40 -
肩にBZを担ぎずらいGP03は、GP03じゃねぇw。おねがいします、リファインしてくだしゃい。BZを、きちんと担ぎたいんです、、、手首改造したほうがいいかな?そして、ビームサーベルを、別パーツに、、、、
あと、レビュー見やすかったす。
nori
on 2020年6月11日 at 10:44 -
コメントありがとうございます!
レビューをお褒めいただき感謝ですm(_ _)m
GPシリーズのリファインはぜひですね!