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HG グリムゲルデ レビュー

今回は、2016年2月に発売されたHG 1/144 グリムゲルデのレビューをご紹介します!

HG グリムゲルデは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS「V08-1228 グリムゲルデ」の1/144スケールモデルキットです。各所に露出したヴァルキュリア・フレームを精密に再現。上半身の大胆な可動構造を中心に、ねじる動きといった躍動感が演出可能なキットになっています。ヴァルキュリア系のライフルやシールド、ブレードも付属。価格は1,320円(税込み)です。

厄祭戦末期に開発されたヴァルキュリア・フレーム採用機で、劇中では仮面の男「モンターク(マクギリス・ファリド)」が搭乗。エドモントンの戦いにおける鉄華団の援護や、ガエリオのキマリス・トルーパーと戦闘を繰り広げた機体「V08-1228 グリムゲルデ」がHGでキット化。

深紅のカラーリングと機動性を重視した特徴的な機体形状に加え、メカニカルなヴァルキュリア・フレームが新規造形で再現されています。「グリムゲルデ」は『ニーベルングの指環』に登場する戦乙女の1人に由来し、「仮面の守護」という意味を持つとのこと。

成型色は外装が深みのあるレッド、内部のヴァルキュリア・フレームがダークグレーでの再現。その他は動力パイプや脚甲などがホワイト成型色での再現ですが、全体的に色種はあまり多くありません。ヴァルキュリアブレードの刀身はイエロー(ゴールド)成型色で再現。

ホイルシールは頭部センサーとヴァルキュリアシールド中央の円形モールドを補うくらいで少なめ。前腕や脹脛の動力パイプなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されています。

ダークグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。塗装やスミ入れ時の破損を気にする必要がないので比較的取り組みやすいかと思います。

ポリキャップは定番のPC-002を使用。使用箇所は肩や足の付根、足首くらいと少なめです。脚細で足裏の接地面が小さいですが、関節強度が高く、負荷のかかるような装備もないので自立は問題なく可能です。

■付属品

ヴァルキュリアライフル、ヴァルキュリアシールド(左右)、ヴァルキュリアブレード✕2が付属。

■ヴァルキュリア・フレーム

内部のヴァルキュリア・フレームを全身から。このフレームはグレイズ・フレームやゲイレール・フレームの原型になっているため、それらに似た部分があるようです。

フレーム頭部。グレイズ系で見られるヒトツメの高感度センサーが印象的に造形。高感度センサーと口元のセンサーはシールでの色分けです。ヒトツメはモールドが造形されているので、シールを貼らず塗装で塗り分けても良さそうですね。

フレーム上半身(腰部含む)。前腕にはフレームがないので外装パーツを組み付けています。腹部にはグレイズに似た動力パイプ、背部には1基のエイハブ・リアクターが印象的に造形されています。

フレーム脚部。ガンダムフレームとはまた一味違ったデザインで、大腿部から裾にかけて徐々に細身になっています。後部の動力パイプは白く塗り分けが必要です。

■各部形状

続いて外装を組み合わせた状態で各部を見ていきます。

■頭部

頭部。どことなくグレイズに似たデザインではありますが、顎が長く、左右に羽のようなアンテナを持つなど特徴的なシルエットで造形されています。西洋騎士のような雰囲気もありますね。

合わせ目ができないパーツ構成で完成度は高めです。

顎の装甲を組み換えることで開閉状態が再現可能。内部から高感度センサーが露出します。ちょっとした表情の変化が楽しめるのも嬉しいところ。

■胴体部

胴体部は軽装で動きやすさを感じさせるデザイン。ほぼヴァルキュリア・フレームがむき出しの状態で、胸部や腰部など部分的に外部装甲を纏った状態になっています。

サイドアーマーはなく、腰回りを守るための大柄な装甲は大腿部に装備しています。リアアーマーは縦長な装甲でこちらも西洋騎士味がありますね。

腰アーマー裏は肉抜き穴ですが、一応フレームっぽくデザインされています。フレームを残して内部を塗り分けると見栄えがしそうです。

■腕部

腕部。肩は厚みのある装甲でボリューム感がありますが、上腕以下は細身で軽快さを感じさせるデザインになっています。

上腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は端にくるようになっています。前腕に内部フレームはないですが、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。前腕の動力パイプは白く塗り分けが必要です。

ショルダーアーマーは円状の装甲で存在感があります。赤い装甲の表面にはメカニカルなモールドが造形。こちらも合わせ目ができないパーツ構成で完成度が高めです。

■脚部

脚部はヴァルキュリア・フレームを基部に、各部に西洋騎士風の外装を組み合わせたデザイン。フレームと同様、大腿部から裾にかけて細くなり、強度と機動性の高さを感じさせる造りになっています。

ほとんどの箇所はパーツが細かく組み合わさっているため、合わせ目などはありません。後部動力パイプの間に少し合わせ目ができるくらいです。大腿部の中央にあるのはパーティングライン。

ソール部は小型で機動性を重視したようなデザインで造形されています。エッジが効いていてどことなくメカらしい雰囲気も。脚底は1個パーツ構成で、足裏はつま先側に肉抜き穴があります。

■背部

背部にバックパックのようなものはないですが、リアクターの左右には3枚フィンのスラスターが造形されています。スラスター内部にはスリットモールドが造形。

スラスターは少し上下に可動。表情を変化させることができます。

■他キットとの比較

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。HGとしては特別大きくも小さくもなく、中間くらいの大きさになっています。グリムゲルデの全高は18.5m。

HGグレイズ(アリアンロッド所属機)と並べて。だいぶ印象は違いますが、胸部のフレームなど部分的に似たところはあるようです。

同フレーム機であるHGオルトリンデと並べて。雰囲気はかなり似ていますが、成形色や外装形状が異なるのでだいぶ違って見えますね。ソールがハイヒール状なのでその分オルトリンデのほうが大きめ。

■各部可動域

続いてHGグリムゲルデの各部可動域を見ていきます。

頭部の可動は、顎が長いのであまり深く引くことはできませんが、見上げる動きは広めに可動します。首周りに余裕があるので柔軟性がありますね。ただ、顎と襟が干渉するので、左右へは広く向けることはできないようでした。

腕は水平以上に上げることができます。これ以上に上げることもできますが、干渉によってショルダーアーマーが外れてしまうので注意です。肘は二重関節で完全に折り曲げることができます。

肩は引出しギミックなどはなく、付け根ボールジョイントによる可動のみなので少し前後スイングする程度です。

ヴァルキュリア・フレームの胸部可動により、上半身を反らせたりすることができます。

違った角度から。

腰はまったく干渉することなく360度回転が可能。アクションベースなどへのディスプレイは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。他のキットに比べて差し込みがゆるく感じたので、ディスプレイ時にクルッと回転してしまうことがあるかも。(個体差があるかもです。)

腰に干渉物がないので、前後開脚は幅広く展開させることができます。

ちょっとわかりにくいかもですが、膝も深くまで折り曲げることができます。膝周りの作りも悪くないですね。

足首は前後へは広く可動しませんが、左右へは広めに可動してくれます。

左右への開脚はハの字より少し広いくらいまで。

大腿部がロールするので、内股、がに股は幅広く可動させることができます。ロールする部分の強度が高いので、動かしているときに破損させないよう注意です。

立膝もきれいな姿勢にすることができました。

全体的な可動域としては、各部ともよく動くキットになっていると思います。軽快なポーズが再現できそうですね。動かしていると破損しそうなくらいに関節強度が高いので、ポーズを付けるときは慎重に行ったほうがいいかもです。

■武装類

ヴァルキュリアライフル。ヴァルキュリア・フレーム専用の110mm口径ライフルです。機体特性に合わせて綿密に調整され、最適な重量バランスで設計されているとのこと。デザイン性が高くモールドも緻密。実物感がしっかりと再現されています。

本体部分はモナカ割なので上下に合わせ目ができます。上部のドラムマガジンは簡易的な造りで裏面は肉抜き状態。あっさりしすぎているので、もう少し手が加えてあると良かったですね。

フォアグリップは左右に少し可動。ドラムマガジンは取り外しが可能です。

ドラムマガジンはライフルの側面に組み替えが可能。

組み替えることで干渉なくリアアーマーにマウントできるようになっています。

ヴァルキュリアブレード。グリムゲルデ専用の剣になります。フレームに用いられている「高硬度レアアロイ」よりも硬く軽量な希少金属が用いられているとのこと。柄と刃の簡単な2個パーツ構成です。刃の部分はゴールド成形色で見栄えがします。

ヴァルキュリアブレードはヴァルキュリアシールドの裏にマウント可能。ヴァルキュリアシールドは簡単な1個パーツ構成。裏面は肉抜きですが、一応フレーム状にデザインされています。中央の丸モールドはグレーのシールでの色分け。シールドは先端の爪(白◯)と裏面をグレーに塗り分けが必要です。

■ポージング

ヴァルキュリアシールドは前腕にマウント可能。先端部分にヴァルキュリアブレードを組み付けることで、攻撃的な武装として使用することができます。

ヴァルキュリア・フレームが柔軟に可動するので、そのフレームの可動を生かして軽快なポーズを再現することができます。どことなく忍者っぽい雰囲気があって格好良いですね。

背部は脚部のフレームがそのまま見える状態でメカニカルさが強調されます。

ブレードは組み合わせパーツも少なく、軽量で取り扱いやすい武装ですが、グリップが細めでハンドパーツとの間に隙間ができるため、角度によってはスルッと抜け落ちることがあるので注意です。

ライフルは後部ストックが長いですが、腕部が細身で柔軟に可動するため、特に干渉なくポーズを取らせることができます。

肩が適度に可動するので、両手持ちも余裕で再現することができました。

適当に何枚かどうぞ。

ガエリオのキマリストルーパーとのバトルシーンを再現。

ポーズを付けていると、干渉でショルダーアーマーが外れやすかったりするので、その点は少し注意が必要です。

以上です。忍者っぽさだけでなく僅かなヒロイックさも併せ持つなど、仮面の男の印象そのままの機体形状が再現されている感じですね。可動も柔軟でポーズが取りやすいですし、武装類も軽量なので取り扱いがラクです。

欠点的な部分は殆ど無いですが、干渉でショルダーアーマーが外れやすいのが気になりました。あと、贅沢な悩みですが、二の腕と大腿部の付け根強度が高いので、動かすときに破損しないような慎重さが必要だったり、そのため他の弱い箇所に負荷がかかったりというのがありました。

全体的にはまとまりもよく、ガンダムフレームで目立った関節強度の弱さも改良されているようです。キマリストルーパーと合わせて劇中シーンを演出するにも最適。脇役ながらも、シリーズ前期の後半に登場した印象深い機体がキットとして楽しめるのがいいですね。

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2 件のコメントがあります。

  1. 匿名

    on 2020年3月9日 at 22:19 - 返信

    コメント失礼します
    ヴァルキュリアフレームにグレイズ、ゲイレールのフレームから進化したのでは無くヴァルキュリアフレームを元にグレイズフレームへと進化を遂げたのが公式設定であったはずです。

    • nori

      on 2020年3月9日 at 23:02 - 返信

      コメントありがとうございます!
      ご指摘感謝ですm(_ _)m
      確かに、グリムゲルデ等のWikiを見ると、こちらがグレイズのフレームなどの基礎になっているようですね;
      記事を修正しておきましたm(_ _)m

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