今回は、2017年1月に発売されたHGUC 1/144 RGM-79[G] 陸戦型ジムのレビューをご紹介します!
HGUC 陸戦型ジムは、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場するMS『RGM-79[G] 陸戦型ジム』の1/144スケールモデルキットです。最新フォーマットによるスタイリッシュなプロポーションを実現。肩部に前後可動ギミックを備えるなど、迫力ある射撃ポーズが再現可能なキットになっています。初立体化のネット・ガンをはじめ、ロケット・ランチャー、100mmマシンガンといった豊富な武装が付属。価格は税込み1,650円です。
陸戦型ガンダムと生産ラインを共有して開発され、主に陸軍の拠点であったマドラスや北京等の重要拠点、東南アジアの密林地帯を拠点とする「コジマ大隊」などに配備された先行量産型MS『RGM-79[G] 陸戦型ジム』がHGUCでキット化。他キットからの流用はなく、陸戦型機らしい重厚感ある機体形状やネット・ガン、ロケット・ランチャー、100mmマシンガンといった武装が新規造形で再現されています。
成型色はライトブラウンをベースに、胸部やソールなどにオレンジを配色。その他、頭部バイザーがクリアグリーン、胸部エアインテークや各部関節、武装類などがグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部センサーや胸部のダクト枠、各部の三角モールド、スネのモールドなどを補いますが多くはありません。バックパックの一部やネットガンなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも全く違和感がないくらいの色分けが再現されています。貼り付けたあとのシール画像で申し訳ないですm(_ _)m
関節や武装類のグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。旧HGが発売されたのが1996年なので、それから21年後のリニューアル化となります。
ポリキャップはPC-002を肩部や腰部、足首などに使用します。関節はKPSパーツ構成で関節強度は高め。特に負荷のかかるような装備はなく、足底も適度に幅があるので自立は安定します。
ロケット・ランチャー、ネット・ガン、100mmマシンガン、シールド、ビームサーベル刃✕2、平手(左)、ロケット・ランチャー用マウントパーツが付属。
小隊を再現するためのナンバーが収録されたマーキングシールが付属します。
各部を見ていきます。
頭部。ジムらしいシルエットを残しつつも、頬の厚みのあるダクト装甲などが造形。陸戦型仕様らしさを感じさせる作りになっています。旧HGなどに比べるとバイザーが細身になり、一回りほど小型でスタイリッシュになっています。とさか前後のセンサーはグリーンのシールでの色分け。
メット部は前後の組み合わせ。頭頂部から側面にできる合わせ目は段差モールド化されています。バイザー内部にはメカニカルなモールドが造形。クリアグリーンのバイザーはブラックライトで照らしても発光はしませんでした。
HGUC陸戦型ジム(スレイヴ・レイス隊仕様)の頭部とHGUC陸戦型ガンダム(パラシュートパック仕様)に付属しているジムヘッドと並べて。通常の陸ジムの頭部は一回りほど小型。スレイヴ・レイス隊仕様とパラシュートパックの形状は全く同じです。通常の陸ジム頭部が気に入らない場合はスレイヴ・レイス隊仕様を塗装すると良さそうですね。
胸部・腹部。左右のダクトやエッジの効いた装甲、三角モールドなど、各部に重機的な雰囲気が感じられるデザインになっています。胸部ダクトはパーツで色分けされていますが、ふちはライトブラウンのシールで色分けします。中央の三角モールドもシールでの色分け。
首はパーツでの再現で、裏面は肉抜き穴。肩はポリキャップで引出しが可能です。
胸部はボールジョイント接続で適度に反らすことができます。
腰部は厚みのある装甲が造形。表面には簡単なモールドが造形されています。サイドアーマーには100mmマシンガン用のマガジンを装備。説明書に記載はないですが、100mmマシンガンのマガジンと交換することができます。
腰アーマー裏は各部とも全くモールドがなくプレーンな作り。そのぶん裏打ちパーツの自作はしやすそうですね。
腕部。こちらも肩部のフックやエッジの効いた装甲など、全体的に重機的な雰囲気を感じさせるデザインになっています。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。
手首は2箇所のボールジョイントで幅広くスイングさせることができます。細かい部分ですが、武器保持に配慮した構造になっているのがいいですね。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせですが、合わせ目は内側に少し出来る程度。合わせ目消しはほぼ必要なさそうです。
脚部。こちらもエッジの効いた装甲や膝のスパイクなどが重機感を醸し出しています。厚みのある装甲でどっしりとした雰囲気も感じさせますね。膝のスパイクはパーツできっちりと色分けされています。スネの台形モールドはグレーのシールでの色分け。
大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下も前面と左右の組み合わせで各部の合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。ふくらはぎの三角モールドはシールでの色分け。
ふくらはぎの装甲は展開可能。内部はサーベルホルダーになっていてサーベル柄を収納することができます。内部はメカニカルに造形。サーベル柄は取り出してビーム刃を組み合わせ、ビームサーベルとして使用することも可能です。
ソール部。こちらもエッジが効いていて重機的。アンクルアーマーは左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されています。
足裏はつま先側のふちが肉抜き穴ですが、全体的にしっかりとしたモールドが造形されていて作りが細かいです。つま先は少し反らすことが可能。アンクルアーマーも上下に可動します。つま先の可動はヘタれると自立にふらつきが出てくるので注意です。
バックパックはボックスタイプですが、表面には深いマルイチや角型のモールドがメカニカルに造形。バーニアも別パーツでの色分けが再現されています。
バーニアに可動ギミックはなし。内部もシンプルな1重モールドが造形されているのみです。
バックパックはシンプルな2ダボ接続。なので最新のHG水星の魔女シリーズのバックパックが装備できますし、HGUC陸戦型ガンダムのバックパックも装備可能です。
なのでウェポンコンテナやパラシュートパックも装備させることができます。うまく組み合わせることで戦場の臨場感が感じられるような装備を再現できるのがいいですね。
HGUC RX-78-2ガンダム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGとしては若干小柄な程度で大きくもなく小さくもなくといった感じ。陸戦型ジムの全高は18.0mです。
同シリーズの機体としてHGUCガンダムEz-8、HGUC陸戦型ガンダムと並べて。Ez-8はフォーマットが異なりますが、どれも発売時期が近いので並べても全く違和感はないですね。
別画像にはなりますが、ほぼカラバリであるHGUCジム・スナイパー、HGUC陸戦型ジム(スレイヴ・レイス隊仕様)と並べて。ただしスレイヴ・レイス隊仕様は頭部とバックパックの形状が少し違っています。
スレイヴ・レイス隊のバックパックを並べて比較。赤◯の部分がカバーになっていて、カバーを外すことで3.0mm穴が露出します。パラシュートパックを装備させたい場合はスレイヴ・レイス隊仕様のバックパックと組み替えてもいいですね。(要塗装。)
頭部の可動は、顎引きは干渉して制限されますが、見上げる動きは広く、45度程度まで可動します。左右への可動は、首が短いため顎と襟が干渉しやすいですが、水平までスイングさせることができます。
腕は水平程度まで上げることができます。肘は2重関節で完全に曲げることが可能。
肩はボールジョイントで適度に前後させることが可能。前方へはポリキャップが引き出せるのでその分広めにスイングします。
上半身の前後スイングは、胸部や腰部のボールジョイント可動で適度に前後させることができます。
腰は干渉しますが、少し浮かせることで306度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するので前方へは幅広く展開させることができます。後方はリアアーマーが可動しないぶん少し制限されます。
膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。膝装甲裏も一応内部パーツとの兼ね合いで埋められています。
足首は2箇所が可動するため、幅広く前後させることができます。広くはありませんが、左右へも適度にスイングさせることができます。
左右への開脚は幅広く展開させることができます。サイドアーマーは干渉しないように後方に向けています。
脚の付け根がロールしますが、内股は大腿部と股間部が干渉するため制限されます。がに股は水平程度まで展開可能。
立膝はきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、多少制限される箇所はあるものの、全体的に可動域は広め。適度に躍動感を感じるようなポーズが再現できそうです。陸戦型機は接地状態でのポージングがメインになってくるので、そういった部分で脚部が広く可動するのはいいですし、立膝がきれいに再現できるのもいいですね。
100mmマシンガン。ヤシマ重工が開発した、連邦軍の汎用装備であるMS用のマシンガンになります。表面には適度にモールドが造形されるなど、小型ながらもディテールがしっかりとしています。
本体部分は簡単な最中割で上下に合わせ目が出来ます。
後部ストックは展開可能。下部のマガジンは腰部の予備マガジンと交換することができます。
ロケット・ランチャー。密林戦での取り回しを考慮して短砲身となっているほか、陸戦型ガンダムと共用のため、肩当ての部分がスライドするとのこと。このキットにスライドギミックはありませんが、それらしいデザインで造形されています。
こちらも本体部分は最中割で上下に合わせ目ができます。
グリップは可動式。
センサーは赤いシールで色分けします。砲口は塞がっているので、気になる場合はくり抜くなどすると見た目が良くなりそうですね。
上部のマガジンは脱着が可能。マガジンは簡単なモナカ割ですが、側面の丸モールドに合わせ目ができるので合わせ目消しが手間そうです。合わせ目を塞いでメタルパーツなどを埋め込んでみても良さそう。
リアアーマーに付属のジョイントパーツを組み付けることで、ロケット・ランチャーを背部に懸架することができます。パチンとはまり込むのでしっかりとした保持が可能。
ネット・ガン。発射後にクモの巣状のネットを展開し、敵機を捕縛する特殊兵装です。劇中では陸戦型ガンダムがアプサラスの鹵獲を試みる際に使用されました。センサーの内側の肉抜き穴が少し気になりますが、全体的にはしっかりとしていて作りは良好です。
グレー単色なので先端部以外はライトグレーに塗り分けが必要。
フォアグリップ、グリップともに前後にスイングさせることができます。
センサーは赤とグリーンのシールで色分けします。
シールド。取り回しに長けた小型のシールドになります。白兵戦時の打突用装備としても使用可能。グリップが造形されているので、握らせて保持させることも出来ます。
裏面のジョイントはヒンジ接続で展開可能。作りは簡易的ですが、打突攻撃用に幅広く展開させることができます。バイポッドも展開可能。展開することでシールドを自立させることができます。
一通り武装して。
100mmマシンガンはハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持が可能。トリガーに指をかけるタイプではないので見た目は物足りない感じもありますが、手甲を分解することなく持たせられるので取り扱いはラクです。
ロケット・ランチャーはグリップが可動するので担ぐポーズも干渉なくラクに再現することができます。グリップはダボ固定ではないですが、ハンドパーツに隙間なく収まるので遊びなどもなく、構えるポーズも安定しています。
シールドは前腕に縦長ダボ固定します。特に不自由なく装備できていますし、小型なので取り回しがラク。少しダボが浅めなので、ヘタれるとたまに外れるようになってくるので注意です。
平手が付属するので、武装に手を添えるなど表情が付きますし、100mmマシンガンの両手持ちも問題なく可能。シールドもバイポットや打突系の武装として使用できるなど、武器の機能性が高いのでポージングバリエーションも多彩に演出することができます。
背部にロケット・ランチャーをマウントしていると腕部と干渉しやすく、シールドの取り回しなどが少し難しくなってくるので注意です。
ネット・ガンもグリップが可動するのでラクに担がせることができます。ハンドパーツにグリップを差し込むだけなので保持もラク。
両手持ちもフォアグリップが前後に可動するので特に難しさはないですね。可動が柔軟なので、大地を駆けるような泥臭いポーズもラクに再現することができます。
ビームサーベルはダボ固定ではないですが、柄に適度な太さがあってハンドパーツに隙間なく収まるので、抜け落ちることなく保持させることができます。柄が短いので、手甲パーツが浮いて隙間ができると抜けやすくなるのでその点だけ注意です。
HGUC陸戦型ガンダム(パラシュートパック仕様)に付属しているジムヘッドと組み替えて。全く違和感なく組み付いてくれますし、こちらの頭部に変えることでIGLOO(イグルー)に登場する陸ジムっぽい雰囲気になります。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。陸戦型機らしいゴツゴツとした機体形状がリアルに再現されていますし、胸部のダクトや膝のスパイクなどもパーツで細かく色分けされるなど作りがしっかりとしています。装甲が肉厚でありながらよく動きますし、柔らかく自然なポーズが再現できるのも魅力の一つ。各部とも合わせ目が出来ないパーツ構成で完成度も高いですね。
気になる点は、頭部が小型なぶん、旧HGなどに比べると違和感を感じるところもあるかもですが、気に入らない場合は後発された陸ガンのパラシュートパック仕様などに付属しているものと交換するなどして対応すると良さそうです。
ミサイル・ランチャーは付属しないものの、初立体化のネット・ガンなど武装類が豊富に付属しますし、シールドなども機能性が高くポージングバリエーションが多彩。立膝がしっかりとできるので射撃スタイルも色々と楽しめますし、泥臭いシーン演出が十二分に楽しめるキットになっているのがいいですね。
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