HG ザクIIF型チャブス機＆ケイル機＋無識別型ザクII ソラリ機再現パーツセット（復讐のレクイエム）レビューvol.2

今回は、 HG 1/144 ザクIIF型チャブス機＆ケイル機＋無識別型ザクII ソラリ機再現パーツセット（復讐のレクイエム）のレビューvol.2をご紹介します！

今回はVol.2として「無識別型ザクII ソラリ機再現パーツ」をレビューしていきます。
ザクIIF型チャブス機、ケイル機や付属品一式、武装類、余剰パーツなどのレビューは以下のリンクからVol.1の記事をご参考くださいm(_ _)m

⇒HG ザクIIF型チャブス機＆ケイル機＋無識別型ザクII ソラリ機再現パーツセット（復讐のレクイエム）レビューvol.1

■無識別型ザクII ソラリ機再現パーツ

無識別型ザクII ソラリ機を再現するためのパーツ一式です。
未組立のHG ザクⅡF型ソラリ機（別売り）（以下、通常版）を用意し、これらパーツを交えつつ組み立てることで無識別型ザクII ソラリ機を再現することができます。

以下、組み合わせた状態でレビューをしていきます。

■無識別型ザクII ソラリ機

無識別型ザクII ソラリ機を全身から。乗機を失ったソラリのために、アルフィーがリサイクル・センター内のジャンクパーツを組み合わせて作成した機体になります。

寄せ集めパーツの機体でありながらも通常機（通常版）と同等の性能を持つ他、ビーム兵器を少しでも防ぐための措置として、戦車用履帯などから流用した素材が各部に張り付けられているのが特徴。

成形色は通常版とほぼ同じ。
ライトブラウンを基調としたカラーリングで、各部装甲や武装類にダークグレーが配色されています。
その他、左肩スパイクアーマーはレッド、胸部やソール部がホワイト、内部・関節がダークグレー成形色での再現。
新規の二重装甲シールドはグリーン成形色での再現となっています。

ホイルシールは付属せず。
塗装はヒートホーク刃を塗り分けるくらいで、各部とも素組みで十分な色分けが再現されます。
内部や関節、動力パイプなどのダークブルー成形色パーツはKPS素材。

■付属品

HG ザクⅡF型ソラリ機（別売り）の付属品として、ザク・マシンガン、ヒート・ホーク、武器持ち手（右）、平手（左）、武器用ジョイントパーツ、フットミサイル、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属しています。

無識別型ザクⅡのパーツに組み替えた部分のパーツが余剰となっています。
履帯パーツも2個ほど予備があります。

専用のマーキングシールが付属。

■各部形状

無識別型ザクIIソラリ機の各部をHGザクⅡF型ソラリ機（通常機）と比較しながら見ていきます。

■頭部

頭部を通常版と比較して。形状はほぼ同じですが、無識別型ザクⅡはモノアイスリットの表面に格子状のモノアイカバーが追加されています。

モノアイカバーは接着剤で固定するようになっていますが、パーツを充てがって流し込み接着剤で固定するときれいに接着できて良いかも。

頭部は合わせ目ができないパーツ構成。
動力パイプや右側のアンテナもパーツできっちりと色分けされています。

下部のレバーを動かすことでモノアイを左右に可動させることができます。
モノアイにはシールを貼っていますが、モノアイカバーがあるのであまり目立たない（見えない）ですね；

■胴体部

胸部・腹部を通常版と比較して。
こちらも形状はほぼ同じですが、表面にはマゼラ・アタックの履帯が多数装着されています。

この履帯も接着剤での固定となりますが、ゼリー状の接着剤を使ったほうがズレにくいので接着はしやすいかと。
ちなみに無識別型ザクⅡルショーン機の大型シールドとは履帯が表裏逆。

首は前後にスイング可能。肩は前方にスイングさせることができます。
肩のボールジョイントはしっかりとした強度がありますが、割と腕部可動時に負荷がかかりやすいです。
いじっていると白化していくのがわかりますし、折れてしまったので頻繁にいじる場合は少し気にしてやったほうが良いかもです；

腹部にはボールジョイントによる可動ギミックがあり、上半身を適度に前後させることができます。
ふんどし部分には展開ギミックがあり、フロントアーマーを広く展開させることが可能。
履帯があってもうまく干渉が避けられるようになっているのは良いですね。

腰部を通常版と並べて比較。こちらも形状自体は通常版と同じですが、表面各部にはマゼラ・アタックの履帯が多数装着されています。こちらも接着剤での固定。

腰アーマー裏の造りは簡易的。

股間部にはスライドギミックがあり、スライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。

■腕部

右腕を通常版と比較して。大部分の形状は同じですが、肩には大柄の二重装甲シールドを装備。
その他、肩前後には履帯と動力パイプのようなメカモールドが追加され、前腕も動力パイプモールド入りの装甲に変わっています。前腕にはミサイル・ポッドを装備。

上腕は通常版と同じ筒型パーツで合わせ目はありません。
前腕のミサイル・ポッドは接着剤で固定しますが、ダボピンなどがなく、干渉に弱いので接着後のポロリに注意です。
前腕装甲の一部は黒く塗り分けが必要。

上部の動力パイプモールドや前後の履帯は接着剤で固定。
動力パイプは流し込み接着剤、前後の履帯はゼリー状接着剤を使うと良いのかなと思います。

二重装甲シールド。通常版の起伏が激しく荒々しいシールドとは異なり、シルエットにまとまりのある落ち着いたシールドになっています。

裏面は裏打ちパーツを交えた構造でスリット状のモールドやグリップが造形。
しっかりとしたメカニカルなディテールが再現されています。グリップは可動式。
肩の動力パイプパーツとは、溝を組み合わせて固定するようになっています。

二重装甲のシールドは表面のシールドを外すことで2層目のシールド表面が露出。
2層目には4基のミサイル・ポッドが設置されています。
ミサイル・ポッドパーツは特にダボ接続ではないため、接着剤で固定する必要があります。

左腕を通常版と比較して。
通常版が角型スパイクのアーマーを装備しているのに対し、この無識別型ザクⅡは円錐状のスパイクアーマーを装備。
更に表面は網状のネットで覆われています。
その他、前腕の一部は新規パーツに変更され、ミサイル・ポッドも装備。
ミサイル・ポッドは接着剤での固定となっています。上腕の装甲はオレンジに塗り分けが必要。

左肩のスパイクアーマー。形状自体は無識別型ザクⅡルショーン機と同じです。合わせ目ができないパーツ構成。
ネットはメッシュパーツでの再現です。

メッシュパーツは説明書の通りにすれば問題なく取り付けられました。
ある程度強度があるので引っ張っても壊れないですし、予備も用意されているので気兼ねなく取り付けられるかと。

新造された前腕装甲は表面の装甲が剥がれ落ちたようなデザイン。
露出した内部メカはグレーなどに塗り分けが必要です。

■脚部

右足は通常版とほぼ同じ。ただし裾にはミサイル・ポッドを装備しています。
脚部のミサイル・ポッドはダボ固定で脱着が可能。

左脚の大腿部前面は新規パーツにより、表面が剥がれたような装甲に形状が変化しています。
内部はグレーなどに塗り分けるとより雰囲気が出そうですね。

両ソール部には爪状の装甲が造形。獣脚のような特徴的なデザインになっています。
爪状の装甲パーツは接着剤で組み付けますが、パーツを充てがって流し込み接着剤で固定するとうまくいきました。

■他キットとの比較

元キットであるHGザクⅡF型ソラリ機と並べて比較。
各部に無識別型ザクⅡのパーツを組み付けることでより泥臭く、即席感のある機体に変化しています。
モノアイカバーやスパイクアーマーのネットも個性的で良いですね。

HG 無識別型ザクⅡ ルショーン機と並べて。
どちらも各部の履帯や丸太、チェーンなどによってその場しのぎのような雰囲気が強く表現されています。
すべて接着固定させるにはそれ相応の時間がかかりますが、その分他にはないディテール、雰囲気が味わえるのが良いですね。

■各部可動域

各部可動域は元のHGザクⅡF型ソラリ機とほとんど変わらず。
各部の履帯も特に可動の妨げにはならないようでした。

■ポージング

一通り武装して。

キットを掴んで弄る際、接着した各部の履帯や前腕のミサイルポッドなどがポロリする可能性があるので注意です。
接着状態次第とは思いますが、取り扱いには少し気を使うようになりそうですね。

右肩の二重装甲シールドは肩の動力パイプと溝で固定させますが、ボールジョイント接続でもあるので溝固定を外すことで向きが変えられます。向きを変えることで腕部との干渉も避けられ、可動の妨げにもなりません。

左肩のネットも特に動きの邪魔にはならないですね。

腰も履帯が多くポロリが気になるところですが、ゼリー状の接着剤で接着後、1日乾燥させたのでガッチリ固定されていました。
フロントアーマーが展開するぶん、接着した履帯との干渉も避けられますし、腰を捻っても履帯が邪魔になることはなかったです。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。別途通常版のソラリ機が必要ですが、各部に履帯や破損状態の装甲、二重装甲シールドを組み付けた無識別型ザクⅡは良い味を出していますね。キットが醸し出す泥臭さや即席感など、戦地のリアルな雰囲気がうまく表現されていますし、ポーズを取らせることで臨場感が伝わって来るようです。

気になる点は、前腕のミサイル・ポッドがダボ固定ではないため、キットを弄るとどうしても手が当たって接着が取れてしまうことがありました。キットにポーズを付けるのを躊躇ったり妨げになるので、可能であれば真鍮で固定するなど手を施したほうが良いかも。

各部パーツの接着には手間がかかりますし、多数のパーツがあって制作に時間がかかるなどハードルが高いですが、完成させると他にはない独特のザクⅡを再現することができます。
無識別型ザクⅡルショーン機と組み合わせることで更に雰囲気が増しますし、ネットパーツや格子状のモノアイカバーによる個性的なディテールが味わえるなど、ガンプラの新たな素材、魅力を体感するにも良いキットですね。