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HG スコープドッグ レビュー

今回は、HG ATM-09-ST スコープドッグのレビューをご紹介します!

HG スコープドッグは、『装甲騎兵ボトムズ』に登場するAT『ATM-09-ST スコープドッグ』のHGキットです。特徴的な機体形状を新規造形で再現。脚部可動による降着機構、スライドや回転が可能なターレットレンズなど、スコープドッグの特徴的なギミックが再現されたキットになっています。前腕の伸縮ギミックによる「アームパンチ」、ヘビィマシンガンといった武装も再現。価格は2,750円(税込み)です。

ボトムズシリーズの代表的な機体で、主人公キリコ・キュービィーも搭乗。背部ミッションパックなどの装備交換により、地上や宇宙等、多彩な戦場で活動できる汎用性を持つギルガメス軍主力AT『ATM-09-ST スコープドッグ』がHGでキット化。グリーンを基調としたミリタリー調の機体形状が再現されています。

成型色はマットな質感のグリーン、ライトグリーンをベースに、頭部や腰部にブルーグレーを配色。その他、頭部ターレットレンズはパープルグレー、ヘビィマシンガンはダークブルー成型色での再現となっています。

厚みのあるプラスチックシールが付属。頭部ターレットレンズを補いますが、3枚ずつ予備があります。少々ピンセットで掴んでも折り目が付かず、プラ材のように取り扱うことができます。

ほぼすべてのパーツがKPSで構成されています。ABSは不使用。

部分的にパーツに厚みのある肉厚整形パーツが使用され、裏側のモールドも再現されています。パーツ数を抑えることで、組立てやすさと見た目の重厚感を両立しているとのこと。

肉厚整形パーツは1個パーツ構成で強度があり、破損を気にせず取り扱えるのがメリット。ただし一部のパーツはゲートが太いものがあるので、切り出す際は二度切りしたほうが良さそうです。

ポリキャップは不使用。肘膝関節はKPSパーツによるヒンジ接続ですが、片側からカバーパーツを被せる構造で関節強度はまずまず高め。特別負荷のかかる装備はなく、足底も平らでしっかりと接地できるため、自立は安定しています。

ヘヴィマシンガン、平手(左)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。

頭部。ドッグ系特有のドーム状装甲で、表面にはシンプルなモールドのみが造形。ですがチープさはなく、デザイン的にもしっかりとまとめられています。前面のターレットレンズも、標準ズーム、精密照準、広角それぞれがデザインされていて確かな存在感がありますね。

メット部は上下の組み合わせですが、合わせ目は段差モールド化。その他の箇所も合わせ目はなくモールド化されています。前面にはパイロットが顔を覗かせるための穴は開口されていません。

ターレットレンズは左右にスライド可能。ただし横長ダボ接続でカチッとはまっていますが、たまに外れることがありました。レンズごとにグリーンとレッドのプラスチックシールで色分けし、モールドも細かく造形されています。

ターレットレンズはロール可能。細かなギミックで、適度に表情を変化させることができます。バイザーは固定式で展開ギミックはありません。

胴体部。肉厚で重機的な容姿になっています。エッジの効いた装甲でモールドも適度に造形。手前のフックも別パーツ化されています。

内部にコックピットの造形はなし。再現したい場合はHG スコープドッグ用拡張パーツセット1(別売り)のコクピット再現ボディを組み合わせる必要があります。背部には設定に準じたフックが造形。また別途オプション武装が発売されそうですね。

首は固定式ボールジョイントで可動ギミックはなし。肩は前方に展開できる他、上下へも可動するようになっています。

胸部装甲はボールジョイント接続で、背部を適度に反らすことができます。腰部にも可動ギミックがあり、上半身を前屈させることができます。

腰部。各面とも重機的なプレート状の装甲が造形。サイドアーマーには適度な点モールドがデザインされ、アームパンチ用のカートリッジも別パーツで細かく造形されています。右のフロントアーマーにも、手や足をかけるためのフックが造形。

腰アーマーはそれぞれ肉厚成形パーツが使用されていて、裏面には細かくメカニカルなモールドがデザインされています。色チラ見すると萌えそうですね。

股間部は上下にスイング可能。脚部左右の高さに差が出せるので、ローラーダッシュのポーズを再現する際に自然な動きが出来そうですね。

腕部。上腕以下はエッジの効いた重機的な装甲が造形。ショルダーアーマーはシンプルな球状装甲になります。

上腕、前腕ともにほぼ合わせ目の出来ないパーツ構成。モールドは多くはないですが、寂しくない程度に造形されています。

肘関節はヒンジ接続ですが、片側からカバーパーツを被せるためチープな部分が露出しないようになっています。ただし肩の内側はガッツリ肉抜き穴で、腕を上げると丸見えに。気になる場合は埋めるなど処理する必要がありそうです。

ハンドパーツ表面の装甲は肉厚成形パーツで、裏面には簡単なモールドがデザインされています。ヒンジ接続で適度に展開可能。

前腕を引き伸ばすことでアームパンチを再現することができます。内部にはシリンダーシャフトのモールドが造形。チラ見するので塗り分けると雰囲気が出そうですね。

球状のショルダーアーマーは点モールドが造形。側面のフックは別パーツで見栄え良く造形されています。しっかりと固定されていてポロリなどの心配はなし。

簡単なボールジョイント接続ですが、適度に可動し、表情を変化させることができます。

脚部。腕部と同様、程よい厚みがあり、エッジも効いていて重機的。モールドは少なめですが、こちらも物足りなさを感じない程度にデザインされています。

大腿部は左右の組み合わせで側面に合わせ目ができます。膝から下は合わせ目が出来ないパーツ構成。脚の付け根は1個パーツ構成で、内側はガッツリ肉抜き穴。もう少しこだわりがあっても良い気がしますが、そんなに見えない箇所なのでここはそのままでも良いのかなと。

膝関節、降着状態の可動ギミック箇所共々ヒンジ接続パーツで構成されています。大腿部と膝から下を組み立てた後で接続するので、組み立てに迷いがなくラクに組み立てることができます。

脹脛や裾の装甲は広く展開可能。膝には搭乗時に脚をかけるためのフレームが造形されています。

スネの可動ギミックにより、大腿部を前方に展開させることで降着状態を再現することができます。

ソール部はエッジが効いていて肉厚。重厚な作りになっています。左右のライトグレーの装甲は左右の組み合わせで脚甲の端に合わせ目ができる構造。消す場合は後ハメなどの処理が必要です。

足裏は適度なモールドが造形され、ローラーダッシュ用のローラーも簡単ですがモールドが造形されています。側面のターンピックはモールドのみでピックの展開ギミックはありません。

脚底には肉厚成形パーツが使用されています。この形状で肉抜き穴がないのは、塗装製作する側としてはありがたいですね。

HG陸戦型ジムと並べて。1/144サイズのガンプラとそれほど大きさに違いはなく、若干小柄な程度。手のひらに収まりやすく、取り扱いやすいサイズになっています。

waveの1/35スケール スコープドッグ・ターボカスタム(PS版)と並べて。大きさはほとんど同じで、HGのほうが若干大きいくらいです。HGも1/35スケールで再現されているようですね。

プロポーションと成型色が少し違っていますが、モールドの量にそこまでの差はありません。waveのほうが少しだけモールドが多くきめ細かい感じ。関節強度はそれほど変わらずです。

ちなみに背部ジョイントの形状は同じですが、waveのバックパックは微妙に幅が違うのでHGに組み付けることは出来ないようでした。※waveのスコープドッグはバックパックを外しています。

HG バーグラリードッグと並べて。バーグラリードッグは各部に多数の武装を装備していますが、スコープドッグはシンプルな軽装スタイル。フロントアーマーなど一部の形状も違っています。

首がボールジョイント接続ですが、頭部は少し上下する程度。干渉物がないので、左右へはスムーズにスイングします。

ショルダーアーマーが干渉するので、腕は45度程度までしか上がりません。ただし肩部に可動ギミックがあるので、角度を変えれば画像程度までは上げることができます。肘は1重関節で90度程度まで曲げることが可能。

肩の前後スイングは、後方への可動はわずか。肩の可動ギミックによって前方へは幅広くスイングします。

上半身の前後スイングは、背部や腰部の可動によって前方へは広くスイングします。後方へのスイングはありません。

腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースはスタンドへは、股間部後部に付属のジョイントパーツを組み付けてのディスプレイです。

腰アーマーが広く展開するので、前後開脚も干渉なく水平まで展開させることができます。

膝は2重関節でコの字型に曲げることができます。

足首は前後左右とも幅広く展開させることが可能。

股間部がボールジョイントなので、左右への開脚はハの字程度まで。

足の付根がロールするので、内股、がに股は幅広く展開させることができます。

意外にも立膝はきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、肩の可動が制限されるのは気になりますが、全体的にまずまず動く印象。干渉でぎこちない感じにはなるものの、それが逆にスコープドッグらしいロボット的な動きになって味が出ます。下半身の可動が比較的柔軟なので、ローラーダッシュなどのポーズ再現度は高そうですね。

ヘヴィマシンガン。ATM-09系の標準火器になります。30mm口径。砲口がパーツできっちりと色分けされているため、塗装は必要ありません。モールドも多くはないですが、物足りなくない程度にデザインされています。

本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

フォアグリップは左右にスイング可能。側面の予備マガジンは肉厚成形パーツで、ぶっといながらも1個パーツ構成で合わせ目はありません。肉抜き穴などの処理が不要なので今後のキットでも肉厚成形パーツが増えると良いですね。ただしマガジン下部のゲートがかなり太かったです。

銃口は別パーツ化。

ヘヴィマシンガンを装備して。

ヘヴィマシンガンは通常の握り手にグリップ差し込むだけで保持が可能。専用の持ち手に交換する必要はありません。トリガーに指をかけるようなリアルさはないですが、簡単に保持、非保持ができるのはメリット。

股間部や足首など、下半身の関節が比較的柔軟に動くので、脚部の表情が付けやすく、自然な感じになって良いですね。

ヘヴィマシンガンを両手持ちさせる場合は平手に組み換え、フォアグリップに手を添えるようにします。握り手でフォアグリップを掴ませることは出来ないようでした。

胴体が肉厚なため、肩に可動ギミックがあっても両手持ちでは少し干渉する部分も。ですがポーズにこだわらなければゆったりと両手持ちすることも可能です。

フォアグリップを握らせなくても、自然な表情の平手としても使用することができます。

ローラーダッシュで滑走するポーズで足裏が見えたとしても、ディテールがしっかりとしているので見栄えがして良いですね。

前腕を伸ばしてアームパンチを展開。

肩がもう少し抜けにくく、ショルダーアーマーが干渉しない構造であればもっとパンチのポーズに柔軟性が出たでしょうね。まぁ価格を考えると致し方無いところかと。

続いて脚部を変形して降着状態に。

waveのスコープドッグ・ターボカスタムの降着状態と並べて。バランスよく造形されていますし、後部の装甲も足首をうまく隠すようにデザインされています。

多少脚部のスネから展開する部分が大味な感じがありますが、目立たないので問題はないかと。waveのほうはシャフトなどで緻密に造形されています。

シュールな格好ではありますが、コックピットハッチが開けばガラッと雰囲気が変わってくると思います。コックピットが再現されている拡張パーツセットとの組み合わせが楽しみですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。公式ホームページの画像ではモールドが少なく物足りなさがあるかと思いましたが、実際のキットはそんなことはなく、適度にディテールが再現されていて良いですね。ミリタリー調のグリーンカラーも重機的で、KPSのマットな質感と共にいい味を出しています。ターレットレンズもプラスチックシールで目立ちやすいですし、レンズのモールドも細かく、なかなかのイケメンフェイスに仕上がっていると思います。

気になる点は、肩や脚の付け根に肉抜き穴があって構造が簡易的なのと、その影響もあってか、ボールジョイントもたまに抜けることがあるので、もう少ししっかりとした構造になっていれば良かったかと。

肩など干渉で可動が制限される箇所はありますが、逆にそれによって重機感のあるメカメカしい表情やポーズを演出する要因になっています。一方、腰や脚部の展開ギミック、足首の可動など、ローラーダッシュをイメージした可動を再現するための要所はしっかりと押さえてありますし、安価でこのクォリティであれば十分。思った以上に満足度の高いキットに仕上がっているのが良いですね。

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4 件のコメントがあります。

  1. Gガンダム

    on 2023年10月22日 at 20:33 - 返信

    ウェイブのスコープドッグとの比較は有り難かったです。スケールが約1/35と分かりましたから。
    今後の展開が楽しみですね。

    • nori

      on 2023年10月23日 at 00:38 - 返信

      コメントありがとうございます!
      レビューをご参考いただき感謝ですm(_ _)m
      意図的にサイズを合わせてきたのか、それともこのサイズが一番いいと思ったのか・・・。
      どちらにせよ、丁度良い大きさで満足です!
      今後の展開にも注目ですね!

  2. スコープドッグ

    on 2024年2月24日 at 18:22 - 返信

    今後タートルシリーズ等のhg化もまちどうしいですね。

    • nori

      on 2024年3月11日 at 19:09 - 返信

      コメントありがとうございます!
      期待してますよ~、バンダイさんっ!!

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