今回は、1997年7月に発売された1/144 ガンダムアスクレプオス HGのレビューをご紹介します!
1/144 ガンダムアスクレプオス HGは、コミック『新機動戦記ガンダムW DUEL STORY G-UNIT』に登場するMS『ガンダムアスクレプオス』の1/144スケールモデルキットです。パープルを基調としたカラーリングを成型色で、特徴的な機体形状を新規造形で再現。パーツの差替えなしでズゴックのようなシルエットの接近戦仕様への変形が再現可能なキットになっています。ビーム・ソード2本が付属。価格は880円(税込み)です。
OZプライズが捕獲したジェミナス02を高機動強襲用モビルスーツとして改修した機体『ガンダムアスクレプオス』が1/144シリーズでキット化。一部に1/144ガンダムジェミナス01(以下、1/144ジェミナス01)のパーツを流用しつつ、背部にレドームを装備した特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。
機体名の『アスクレプオス』は「蛇遣い座」の人物とされる「医神アスクレピオス」に由来。パイロットはシルヴァ・クラウン、ロッシェ・ナトゥーノ。
成型色はパープルとホワイトをベースに、二の腕や腰部、大腿部などにグレー、腹部やソール部などにダークブルーを配色。各部ダクトなど、部分的にグレーで塗り分ける必要があります。
シールは肩部(腕部)のパイソンクローやエアインテーク、膝部モールドなどをメタリックオレンジで色分けしますが、大味なものが多いのでそこまで面倒ではありません。
ポリキャップはPC-115を関節やハンドパーツに使用します。関節強度はあまり高くなく、全体的に弱さを感じますね。背部にレドームを装備していますが自立に影響はありません。
ビーム・ソード✕2が付属。
1/144ガンダムジェミナス01用の余剰パーツがいくつか付属します。
専用のマーキングシールが付属。
頭部。シャープなイケメンフェイスながら、どことなく蛇のような雰囲気になっているのが印象的。ツインアイや顎、とさかセンサーはシールでの色分けですが、アンテナや頬の装甲はゴールドに塗り分けが必要です。
間隔の狭いV字や前方に長いとさかなどが特徴的に造形。メット部は左右の組み合わせで後頭部などに合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどが必要そう。
胴体部は1/144ジェミナス01のパーツを流用しつつ、胸板の装甲など特徴的な形状が再現されています。エアインテークや腰部中央下部の装甲はメタリックオレンジのシールでの色分け。
腰アーマー裏は簡易的な作り。背部も1/144ジェミナス01と変わらずです。
腕部。二の腕以下は1/144ジェミナス01からの流用で細身ですが、肩部には近接戦モード用のパイソンクローやラピッドショットを持つユニットが造形されるなどダイナミックなスタイルになっています。
肩部にはスライド式の装甲が造形されています。肩の軸が短めで腕が抜けやすいので注意が必要。装甲は1個パーツ構成で、裏面の作りは簡易的です。
二の腕は前後のモナカ割、前腕は左右挟み込みタイプでそれぞれ合わせ目ができます。個々に分割できるので合わせ目を消すのはラクそう。肘関節の一部がくり抜き状態なのは気になるところです。ハンドパーツはポリキャップ。
肩ユニットは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。ユニットがショルダーアーマーから分離するので、合わせ目を消すのはラクそう。パイソンクローはメタリックオレンジのシールでの色分けです。一部ラインモールドをゴールドに、側面装甲の一部は白に塗り分ける必要があります。
肩ユニットはアームによって展開可能。
肩ユニットの内部にはバーニアが造形され、装甲裏にはビームソード柄を装備しています。バーニア内部は赤、外部はグレーに塗り分けが必要。バーニア周りの肉抜き穴は黒く塗り分けが必要です。
側面装甲を内側に可動させることでパイソンクローとして使用可能。内部には白い装甲のラビットショットが造形されています。パイソンクローのシールは細かい造形に沿って貼り付けるようになっています。(雑でスイマセン;)
アームは1個パーツ構成の節状で特徴的。両側ポリキャプでフレキシブルに可動します。側面の丸穴はグレーに塗り分けが必要。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上下に合わせ目ができます。二の腕を挟み込むので、合わせ目を消す場合は後ハメやマスキング塗装などが必要そう。
脚部。ジェミナスの形状を基礎としつつ、アスクレプオス特有の肉厚な装甲(プロペラントレッグタンク)を装備。ジェミナスの脚部を格納しているように見えますが、四方からパーツを組み合わせる構成で作りは簡易的です。膝の台形モールドやスネのラインモールドはメタリックオレンジのシールでの色分け。膝下のモールドはグレーに塗り分けが必要です。
大腿部、膝から下共に左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。大腿部前側は段落ちモールド化。膝から分離するので、合わせ目を消す場合はそれほど難しくないかと。
ソール部は1/144ジェミナス01と同じでモナカ割の簡易的な作り。中央に合わせ目ができます。脚甲は白く塗り分けが必要。この部分が色分けされていないだけでだいぶ雰囲気が違ってきます。
脚裏の作りも簡易的。
背部には接近戦モード用のレドーム(全方位アクティブスキャナ)を装備。
下部のバーニアは内部を赤に、外部をグレーに塗り分けが必要です。内部にはラインモールドが造形。
レドーム裏面の作りは簡易的。
アームによってアスクレプオス本体上部に覆いかぶせることができます。(頭部は外します。)レドーム上部の装甲は白、センサー?は赤、エアインテークはメタリックオレンジのシールでの色分けです。マルイチモールドなど一部をグレーに塗り分けが必要。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。新機動戦記ガンダムW系列の機体なのでやや小柄。ガンダムアスクレプオスの全高は18.2mです。(頭頂高は不明)
同シリーズの1/144 ガンダムL.O.ブースター HGと並べて。フォーマットなどがほぼ同じなので、プロポーションやシルエットなども近いものがあります。
HGガンダムジェミナス01、HGガンダムジェミナス02陸戦重装ユニットとも並べて。1/144シリーズも悪くはないですが、HGはプロポーションが良くスタイリッシュ。今度HGでキット化されるHGガンダムアスクレプオスも楽しみですね。
頭部は装甲の干渉などでほとんど上下せず。左右へも干渉して45度程度までの可動となります。
腕は45度程度しか上がりません。肘も90度いかないくらい。肩の前後スイングはできないので画像は省きました。
腰が軸接続で上半身の前後スイングはなし。腰は少し浮かせることで360度回転させることができます。股間部に3.0mm穴はなく、股間隔が小さいのでコの字パーツも差し込みにくかったです。
前後開脚は前方に水平程度展開可能。後方はリアアーマーが可動しないのでそれなりです。膝も干渉して少し曲がる程度。
足首の可動も前後左右ともわずかです。
股間部がボールジョイント接続で内股、ガニ股の可動は共に45度程度まで。
可動域の総括としては、各部とも可動域が狭く、ポージングさせるには難しいものがありますね。ただ、武装が特殊で派手さがあるので、それを生かしてダイナミックにポーズを取らせたいところです。
ビーム・ソード。クリアオレンジ成型色のみでの再現で、柄をグレーに塗り分ける必要があります。
刃の部分はギザ状に造形。画像は用意していませんが、ブラックライトで照らすと発光します。
ビーム・ソードはハンドパーツに隙間なくしっかりと差し込め、保持させることができます。
可動が不十分ながら、肩ユニットなどの造形が派手なので簡単なポーズでも十分な迫力がありますね。
大柄な肩部ユニットや背部装甲が干渉しやすく、少し動かすだけでも肩が抜けてしまいます。腕もほとんど上がらないのでポージングでは少し不自由さを感じるところがありますね。大腿部に埋め込んであるポリキャップも外れやすく、股間部がふらつく場合があるので注意が必要です。
接近戦モードへの変形は、①肩ユニットを展開して②腕を格納します。肩から腕を外して格納するとラク。③頭部を外して上部のレドームを展開。④肩の装甲はスライドさせて上部に展開します。これで接近戦モードへの変形完了です。
接近戦モード。上部をレドームで覆われた個性的なシルエットになっています。
接近戦モードをいろんな角度から。
両腕がクロー状になり、人型頭部はオミット。ズゴックのような容姿に変化しました。
HGズゴックが手元にないので、RGシャア専用ズゴックと並べて比較。特別似ているというわけでもないですが、ガンダムタイプでここまで寄せたのはなかなか秀逸かと。シルエットが近く、愛嬌のあるデザインになっているのもいいですね。
腕は通常の高機動モードでは干渉して高くまで上げることはできませんでしたが、接近戦モードではロールこそできないものの、前方に高くまで上げることができます。
肩が抜けやすいのは変わりませんが、干渉しなくなったぶん、腕をスムーズに動かすことができます。パイソンクローも腕を包み込むように配置されているので、抜けたり外れたりすることなくポージングを楽しむことができます。
ただ、可動域が広くないので躍動感あるポーズを取るのは難しいようです。パイソンクローも展開するようになっているともっと表現力が高まったかと。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。肩部ユニット(パイソンクロー)やレドーム、脚部プロペラントレッグタンクなど、各部が肉厚で重厚。造形的な魅力も十分で、迫力のあるポージングができるかっこいいキットになっていますね。
気になる点は、肩がひ弱で抜けやすかったり、股間部のポリキャップが外れやすかったりと、全体的に弱々しさを感じるところが多々あります。ローコストな古いキットで致し方ない部分もありますが、高機動モード時にもう少し取り扱いやすさがあると良かったですね。
接近戦モードは特徴的な容姿で高機動モードとは違った面白さや愛嬌を感じますし、腕部のパイソンクローやラビットショットも印象的に造形されています。古いキットながらもその特徴や良さはしっかりと味わえる、色褪せないキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら