今回は、2011年11月に発売されたHG 1/144 RGE-B790CW ジェノアスカスタムのレビューをご紹介します!
HG ジェノアスカスタムは、『機動戦士ガンダムAGE』に登場するMS『ジェノアスカスタム』の1/144スケールモデルキットです。ウルフ専用機の特徴である白いカラーリングを成型色で再現。ビームスプレーガンⅢBといった武装が付属する他、特徴的な頭部や肩部が新規造形で再現されたキットになっています。価格は1,320円(税込み)です。
マッドーナ工房に依頼して製造、完成したウルフ・エニアクル専用カスタム機『ジェノアスカスタム』がHGでキット化。2011年10月に発売されたHG ジェノアスをベースに、特徴的な頭部、肩部、ビームスプレーガンⅢBが新規造形で再現されています。
成型色はウルフ機の特徴である全身ホワイト。頭部バイザーがクリアーグリーン、ヒートスティックがライトグレーで再現されていますが、その他は関節や内部パーツにグレー成型色が使用されているくらいで少なめです。
シールは頭部センサーとバイザー内部の装甲を少し補うくらいでわずか。塗装も銃剣のグリップを塗り分けるくらいでわずかです。
ポリキャップはPC-001をほとんどの関節に使用します。関節強度は高めで大柄な背負いものはなく、自立は安定しています。関節にポリキャップを多く使用し、経年でも劣化しにくい仕様になっているのがいいですね。
シールド(ヒートスティック装備)、ビームスプレーガンⅢB(銃剣付き)、マーカーショット、ビームサーベル刃が付属。ビームサーベル刃は1本余剰です。ベースのHGジェノアスでは平手(左)が付属していましたが、このジェノアスカスタムでは付属していません。
ウルフ・エニアクルのパーソナルマークが収録されたマーキングシールが付属します。
ジェノアスカスタムで新造された箇所のみ、HGジェノアス(以下、ジェノアス)と比較しながら見ていきます。
頭部をジェノアスと比較して。全体が新造されていますが、ジェノアスカスタムはバイザーを囲うようなフレームや頭頂部のブレードアンテナが印象的で指揮官機のようなスタイルになっています。アンテナの付け根や後頭部のセンサーはグリーンのシールでの色分け。
クリアーグリーンのバイザー内部もジェノアスとは異なります。一部のモールドをグレーのシールで色分けするようになっています。
胴体部はジェノアスと同じ。ですが各部が白一色になったことで、清潔感が感じられるようになっています。腰はフレキシブルに可動するフレームがそのまま露出。
腰アーマーはサイドと後部に少しあるくらい。サイドアーマー裏にモールドはありません。
腕部をジェノアスと比較して。二の腕以下は同じ形状ですが、ショルダーアーマーが小型でシンプルなものに変更されています。
二の腕、前腕共に左右の組み合わせですが、合わせ目は端にくるようになっています。二の腕は単体分離しますが、前腕は肘から分離しないので合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要になってきます。手首は可動式。スナップを効かせることができます。
ショルダーアーマーは挟み込みタイプで上部に合わせ目ができます。単体にできるので、合わせ目を消すのはラクかと。側面のスラスターは別パーツによる色分けを再現。
脚部もジェノアスと同じ。程よい肉付きで造形されています。
大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下も合わせ目は段落ちなどでモールド化されるなど、完成度の高い作りになっています。
ソール部は簡易的ながらもメカらしく味のあるデザインになっています。ジェノアスのような色分けはなく白一色。足裏はつま先側にガッツリ肉抜き穴があります。埋めてモールドを造形するとなると結構手間そうですね。
背部をジェノアスと比較して。ジェノアスカスタムでは角型のバックパックを装備。バックパック本体は2個パーツ構成で簡易的な作りですが、表面にはパネルラインなどが造形されています。
バックパックは2ダボ接続ですが間隔はやや広め。他キットとの交換はできないようです。バーニアは1個パーツの簡易的な作りながら、内部は二重に造形されています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジム程度の小柄なキットになります。ジェノアスカスタムの全高は18.0m。
HGジェノアスと並べて。大部分は同じ(下半身は丸々同じ)ですが、カラーリングや頭部、肩部形状が違っているのでワンランク上の機体のような雰囲気がありますね。
同じウルフ隊長機であるGエグゼス、Gバウンサーと並べて。すべてパーソナルカラーであるホワイトでまとめられていますが、機体は乗り換えるごとにヒロイックでスタイリッシュになっていきます。
頭部の可動はジェノアスとあまり変わらない印象。上下の可動域はまずまずです。左右へは顎と襟が干渉して浮いてしまいますが、水平程度にスイングが可能です。
ショルダーアーマーが新造されていますが、腕を上げる角度もジェノアスとほとんど変わらず。肘は1重関節で90度まで曲げることができます。腰は360度回転が可能。
肩の前後スイングはわずか。
上半身は適度に前後スイングします。
左右へは、他のキットではありえないくらい、深くまでスイングさせることができます。
膝は二重関節で深くまで曲げることができますが、関節位置などの関係から、立膝をきれいに再現するのは難しいようでした。
左右への開脚は水平まで幅広く展開させることができます。足首は45度程度までスイングが可能。
可動域の総括としては、造形的に可動域が物足りない箇所はあるものの、腰部や股間部は幅広く可動するなど柔軟さを持ったキットになっています。AGE初期の機体で縦横無尽に動き回るというシーンも少ないので、シーン演出などをするには十分なのではないかと。
シールド。ジェノアスに付属しているものと同じで、厚みがあって強度を感じるデザインになっています。裏面にはヒートスティックを格納。ヒートスティックは上から差し込んで裏面にマウントするようになっていますが、硬いので下から差し込んだほうが良いかも。
ヒートスティック。こちらもジェノアスに付属しているものと同じです。2個パーツ構成の簡易的な作り。
ビームスプレーガンⅢB。ジェノアスカスタムの主兵装で、銃口下部には銃剣(コンバットナイフ)を装備しています。
コンバットナイフは脱着可能。単体としても使用可能です。ナイフのグリップはダークグレーに塗り分けが必要。
ビームスプレーガンⅢB本体は基部がモナカ割で上下に合わせ目ができます。
マーカーショット。フリットのガンダムAGE-1ノーマルとの模擬戦で使用した演習用装備で、小型で簡易的な武装になっています。全体をブラウン(イエロー?)に塗装する必要があります。
モナカ割で上下に合わせ目ができます。
一通り武装して。
ウルフ登場機はどれも白一色で清潔感があってかっこいいですね。キット本体はポロリなどないですし、軽装なので取り扱いやすいです。わずかに気になるのは、腹部ボールジョイントが若干抜けやすいくらいかと。
ビームスプレーガンⅢBは頻繁に抜け落ちるわけではないですが、グリップとハンドパーツとに少し余裕があって外れやすいので注意が必要です。あと、後部が少し長いので、肘を曲げすぎると二の腕と干渉しやすいです。脇に抱えるようなポーズも難しいので、うまく突き出して射撃ポーズを取る感じですね。
ですがその分、銃身下部のコンバットナイフで切り裂くようなポーズが取れるのはいいですね。
コンバットナイフは単体でも保持が可能。ハンドパーツから抜け落ちることはないですが、グリップとの間の隙間があってふらつきやすいところがあります。不自由さはないものの、配置に少し気をつける必要があるかもです。
ヒートスティックはハンドパーツにしっかりと収まるので保持しやすいです。
ヒートスティックは先端をビーム刃と組み替えることでビームサーベルとして使用可能。ビーム刃もしっかりと固定されるので、ポージング時の不自由さはありません。振り下ろすシーンもラクに再現可能。
適当に何枚かどうぞ。
マーカーショットもビームスプレーガンⅢBと同じく少し保持に遊びがありますが、小型なのでそれほど不自由なく保持させることができます。
以上です。ジェノアスベースで作業マシンのようなレトロなデザインになっているのが可愛らしく、親しみやすい感じがしていいですね。見た目的にも性能や機動性は劣りそうですが、その分初期型機ならではの味が感じられるキットになっていると思います。
気になる点はそれほどないですが、ビームスプレーガンⅢBが少し保持で遊びや支える(つっかえる)感じがありました。ですが人によっては気にならないレベルかと。それと、ジェノアスに付属していた左の平手が付属していると良かったですね。
ジェノアスカスタム本体はかっちりとしたキットで取り扱いやすいですし、可動も比較的柔軟でポーズは取りやすいです。武装類も何気に豊富なので、劇中ではいまいち物足りなかったバトルシーンを再現して楽しむのもいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら