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HG ガンダムマルコシアス レビュー

今回は、HG 1/144 ガンダムマルコシアスのレビューをご紹介します!

HG ガンダムマルコシアスは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント』に登場するMS「ASW-G-35 ガンダムマルコシアス」の1/144スケールモデルキットです。背部と腰部にマルコシアス最大の特徴である4枚のバインダーを装備し、展開することでサブアームとして使用可能。バインダーに収納された短剣の他、メイスとして使用可能なバスタードメイスも付属します。価格は2,420円(税込み)です。

現存が確認されている26体のガンダムフレーム採用機に含まれない幻の機体で、劇中では第6話後半で登場。ガンダム端白星の姿を見たハラエルが、データベースの中から過去の戦闘データを閲覧した際に映像で登場した機体「ASW-G-35 ガンダムマルコシアス」がHGでキット化。

背部に翼を模したバインダーを装備するなど、独特のフォルムを持つキットになっています。「マルコシアス」はソロモン72柱の一体で、グリフォンの翼とヘビの尻尾を持ち、狼の姿をした悪魔のこと。

成型色はやや紫がかったホワイトを基調に、各部にオレンジがかったレッドを配色。その他、関節や内部フレーム、背部バインダーの付け根、武装類はダークグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールが付属し、頭部アンテナや各部装甲の一部、背部バインダーの一部、シールドの一部などを補います。ですが背部バインダーのモールドなどは塗り分けられていないので、部分的に塗装が必要です。

ダークグレー成形色の内部・関節、背部バインダーの基部、武装類のパーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。なので塗装やスミ入れをする場合もあまり破損を気にせずに取り組めるのが良いですね。

ポリキャップはPC-002Aを使用し、首や肩、腰、足首などの基本的な部分と、延長された前腕内などに使用します。

背部に大柄なバインダーを装備していますが自立は安定しています。ただ、ガンダムフレームやポリキャップの接続強度があまり高くないので若干体勢が崩れやすいところがあります。ヘタレてくるとさらに弱くなってきそうなので、ある程度補強を考慮しておいたほうがいいかもです。

■付属品

バスタードメイス、バスタードメイス用マウントパーツ、シールドが付属。

ガンダムフレームの肩装甲パーツが余剰で付属します。

■内部フレーム

外装を外し、内部フレームの状態で全身から。

内部フレーム用のランナータグには「ガンダムフレーム4」と印字。HGバルバトス第6形態やHGガンダムアスタロトリナシメント等に使用されているものと同じです。

ガンダムフレーム上半身(腰部含む)を簡単に。頭部はツインアイや額のセンサーにシールを貼るようになっています。ツインアイのシールが小さく貼りにくいところがあるので、紛失などさせないように注意です。

胸部にはガンダムフレーム特有のエイハブ・リアクターがメカニカルに造形。腰にはマルコシアス用の新規パーツが使用されています。腕部は他のキットと同じ。

脚部内部フレーム。足首は外装を用いて固定するようになっています。足首は外装を組み付けないとポリキャップが固定されない構造なので注意。この状態で足首をグリグリと動かすことはできません。

■各部形状

続いて外装をすべて取り付けた状態で各部を見ていきます。

■頭部

頭部。アンテナは大型に造形され、イエロー成型色パーツに先端のレッドや根元のホワイトをシールで色分けします。アンテナ中央はグレーに、ツインアイ左右の装甲部分はイエローに塗り分けが必要です。

メット部は左右挟み込みタイプで後頭部に合わせ目ができます。

■胴体部

胴体部。ガンダムフレームに厚みのある装甲を被せた状態です。胸部エアインテークはパーツで色分けされていますが、腰アーマーの電源マーク、フロントアーマー左右、腹部中央ラインのレッドはシールでの色分けとなっています。中央装甲左右やフロントアーマーの一部モールドはイエローに塗り分けが必要です。

腰アーマー裏にモールドは造形されていません。

サイドアーマーには特徴的なバインダーを装備。腰ボールジョイントと可動式のアームによってフレキシブルに可動します。

腰バインダーは合わせ目の出来ないパーツ構成。下部の赤い装甲部分はシールでの色分けで、前面のレールガン発射口はグレー成型色パーツでの色分けです。

レールガン発射口は組み換え式で展開状態が再現可能。かっちりと固定された感じではないので、開いても自然と閉じてしまう可能性も。

腰バインダーは画像のようにV字程度まで展開が可能。内部には短刀が格納されています。

バインダーの付け根(展開部分)は一応ボールジョイント接続っぽくなってはいますが、可動はそれほど柔軟ではありません。グリップは付け根がボールジョイント接続で、短刀の柄を挟んでの保持が可能です。

付け根を中心に、左右に可動します。

短刀はシンプルな1個パーツ構成。グリップのモールドはイエローに、先端の背側突起部分(赤◯)はレッドに塗り分けが必要です。

■腕部

腕部。ガンダムフレームに外装を被せたオーソドックスなスタイルですが、前腕にナックルガード、肩にはシャープに造形されたアーマーを装備しています。前腕はどこかしら、バルバトスルプスに似た形状。

二の腕は1個パーツ構成で合わせ目はなし。前腕はガンダムフレームを左右から挟み込むタイプで、前後とも一部に合わせ目ができます。肘から分離できないので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要そうです。前腕側面のモールドはグレーに塗り分けが必要で、シールドマウント用の3.0mmジョイント穴が造形されています。手甲パーツは赤いシールでの色分けです。

肘側にはナックルガードを装備。組み換えて反転させることで、クローとしても使用可能です。(画像上がクロー、下がナックルガードで、クローの爪はイエローに塗り分けが必要です。)

ショルダーアーマー。派手さのある作りになっています。前後挟み込みタイプで、合わせ目は端でモールド化。側面の赤い装甲部分はシールでの色分けです。前後のラインモールドはイエローに塗り分けが必要。

側面の装甲は内外共に適度に可動します。

■脚部

脚部。ソール部を含め、肉厚な形状を再現。ガンダムフレームが露出するなど、メカニカルな作りになっています。膝装甲の一部はグレーに、ふくらはぎ後部側面のラインモールドはイエローに塗り分けが必要です。

ふくらはぎの装甲は左右挟み込みタイプで後部に合わせ目ができます。こちらも膝から分離できないので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要そう。大腿部は前後挟み込みタイプで側面に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどが必要ですが、そのままモールドとしておいても良さそう。

ソール部。脚甲に特徴的な装甲を持つなど、特徴的な形状が再現されています。つま先や踵内側などに肉抜き穴があります。

つま先は折りたたむことができます。脚甲の装甲はパーツによる色分けで、側面のモールドはイエローに塗り分けが必要です。この装甲はポリキャップ接続ですが、特に可動はしないようです。

■バックパック(バインダーを含む)

バックパック、リアアーマーを含めた背部。共に1個パーツ構成で、リアアーマーのラインモールドはイエローに塗り分けが必要です。

バックパック自体はガンダムフレーム用の簡易的な2ダボ接続なので、他のHGIBOキットのバックパックを装備することができます。

大型バインダーを含む特徴的なマルコシアス専用バックパック。左右に展開した大柄なバインダーはかなり重量感と存在感があるユニットになっています。

専用のバックパックは簡易的なバックパックを介して背部に取り付けるようになっています。こちらも取り付けは2ダボ接続ですが、ガンダムフレームとはダボ幅が異なるので直接装備することはできません。HGUCのキットとも幅が異なります。

専用のバックパックはポリキャップと左右バインダーを挟んでの2個パーツ構成。上下に合わせ目ができます。

左右の大型バインダー。翼のような特徴的な形状になっています。赤い装甲部分はパーツによる色分けで、部分的なラインモールドはイエローに塗り分けが必要です。

バインダーは左右挟み込みタイプで上部に合わせ目ができます。下部は展開用の1個パーツ装甲なので合わせ目はありません。

下部の装甲は広く展開が可能。付け根は回転可動します。付け根が細いので、無理な可動で破損させないよう、注意が必要です。

バインダー内部には短刀を格納。短刀は腰バインダーに格納されているものと同じです。内部からはボールジョイント型のグリップが引き出せ、下部装甲の先端に取り付けることでアームとしても使用可能です。

バインダーの付け根は可動式。バックパックで挟み込んでいる付け根は固定強度が弱いので、バインダーがフラフラ移動する場合があるので注意です。(個体差があるかもです。)

バインダーは上下にも可動します。

■他キットとの比較

HG陸戦型ジムやHGルプスレクスと並べて。頭頂高はルプスレクスと同じですが、背部にバインダーを装備していることで大型キットっぽく見えています。カラーリングもパープル気味のホワイトや部分的なレッド配色が新鮮な感じ。ちなみにガンダムマルコシアスの全高は18.7m、ルプスレクスは19.0mです。

塗装、改修済みですが、バルバトスルプス、キマリストルーパーとも並べて。

後発のHGガンダム端白星と並べて。部分的な色味や形状は似ていますが、端白星が比較的オーソドックスなのに対し、マルコシアスは各部に大型バインダーを装備するなど派手な作りになっています。

原型機とされるHGガンダム端白星第2形態(画像左)と並べて。こちらもカラーリングは同じで雰囲気も似ていますが、背部バインダーなど各部形状がだいぶ違っています。

■各部可動域

頭部はポリキャップ接続で首周りに隙間もありますが、上下にはあまり広く動かないようです。左右へも顎が襟と干渉するため、45度程度までとなります。

肩の装甲を展開することで、腕を水平程度にまで上げることができます。肩のポリキャップが引き出せますが、装甲が肉厚で干渉するのであまり恩恵はないみたいですね。肘は1重関節でV字程度までの可動となります。

肩は付け根ボールジョイントにより、幅広い前後スイングが可能です。

胴体部の装甲が干渉しやすく、上半身の前方へのスイングはわずかになりますが、後方へは広く反らせることができます。

腰は360度回転が可能。アクションベースやスタンドを使ってのディスプレイは、通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。

干渉によってフロントアーマーがあまり広くまで可動せず、リアアーマーも動かないため、前後開脚は水平までは開脚できませんでした。

膝も「くの字」程度となります。膝関節パーツに合わせ目はないですが、膝装甲裏は簡易的な作りになっています。

足首は、前後へは適度に可動するのみですが、左右へは幅広く可動します。

腰バインダーを後方に移動させることで、左右への開脚が干渉なく、幅広く展開が可能です。

大腿部が干渉するため、内股はわずかに可動するのみです。がに股はふくらはぎ後部の装甲が干渉しますが、水平以上に可動させることができます。

立膝はほぼ出来ない状態でした。

可動域の総括としては、ガンダムフレームは幅広く可動するフォーマットですが、肉厚な外装によってある程度可動域が狭まっている印象でした。ただそれでも、腰や足首などは幅広く可動するので、ポージングの再現度は高そうです。

■武装類

バスタードメイス。重量感のある武器です。グリップのモールドはイエローに塗り分けが必要です。

HGルプスレクスの超大型メイス、HGバルバトスルプスのソードメイスと並べて。バルバトスルプスのソードメイスと同じくらいの大きさです。

メイス部分は2個パーツの左右組み合わせタイプなので合わせ目ができます。

内部には大太刀が格納され、メイス部分は鞘のようになっています。固定が甘く、鞘が外れやすいので、バスタードメイスとして使用する場合は注意が必要です。

大太刀は1個パーツ構成で、背の突起部分(赤◯)や電源マークは赤く塗り分けが必要です。

バスタードメイスはマウントパーツを取り付けることで、バックパックにマウント可能です。

少しスイングさせることができます。

シールド。1個パーツのシンプルな作りです。表面の赤い部分はシールでの色分け。

■ポージング

一通り武装して。シールドは1個パーツ構成で前腕に取り付けるだけなので、取り扱いはラク。左右の前腕に取り付けが可能です。

レールガン発射体勢など、一味違った攻撃態勢が演出可能です。

バインダーを展開することで、羽を広げたようなポーズも再現することができます。

バスタードメイスには重量があり、手首の固定も甘いので、補強なしだと手首が垂れたり外れたりしやすいので注意です。

両手持ちも可能ですが、肩や手首が外れやすいので少しストレスを感じるかも。両手持ちさせたい場合はある程度補強して、関節強度をあげておいたほうが良さそうです。

ナックルガードやクローによって、格闘系のポーズも再現できるのがいいですね。

バインダーが羽根もの機体っぽく演出され、バランスの良い造形になっているのでどんなポーズでもかっこよく決まります。

4本のバインダーを展開してサブアームとして攻撃的に振る舞うことで、その名の通り悪魔のような印象を感じさせるスタイルになります。

短刀は単体武器としての保持も可能です。苦無っぽくなりますし、バインダーを閉じれば忍者の軽快なポーズも再現できます。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。独特の形状で、各部を可動させることでフライトタイプや重MSといった様々な演出ができるのがいいですね。4枚バインダーのサブアームを展開すると、悪魔らしい印象が強調されますし、バスタードメイスや大太刀を使うことで迫力のあるポーズが楽しめます。

欠点的には、ガンダムフレームを使用したキットは可動が柔軟なだけに、どうしても関節各部が緩めなところがあります。ヘタれてくるとポージング時の姿勢維持が難しかったり、肩が外れやすくなったりするので、長期で楽しむ場合はある程度補強しつつということになるかもしれません。それと、構造や配色の都合上どうしてもシールや塗装で補う箇所が多くなっているので、塗装する場合はマスキングなどがやや大変そうです。

HGIBOの中でも特に派手な装甲を持っていますし、短刀は単体で保持することもできるなどバリエーションが豊か。幅広い演出が可能で造形的にも美しいキットなので、色々とポーズを取るなどして遊び倒してみるのもいいですね。

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12 件のコメントがあります。

  1. かき氷

    on 2020年3月7日 at 05:50 - 返信

    レビューお疲れ様です。 質問ですが、ガンダムマルコシアスの箱の大きさってどのくらいですか?
    体調崩さないように気をつけてくださいね!
    レビューいつも見てます‼︎

    • nori

      on 2020年3月7日 at 10:12 - 返信

      コメントありがとうございます!
      ねぎらいのお言葉感謝です!
      マルコシアスのパッケージに関しては本日記事を更新しますので、今しばらくお待ちをm(_ _)m

  2. ポリキャップ挟み忘れ

    on 2020年3月7日 at 10:42 - 返信

    いつもレビューありがとうございます。
    サブアームにメイスなどの丸軸の武器は保持できますか?

    • nori

      on 2020年3月9日 at 09:48 - 返信

      コメントありがとうございます!
      サブアームはマルコシアスのメイスなら保持ができるんですけど、重量に耐えられないので補強とかが必要になるようですね。
      バルバトスなどのメイスは丸軸グリップが太くて挟めないので、無改造だと保持は無理でした。
      参考になれば幸いですm(_ _)m

  3. かき氷

    on 2020年3月12日 at 23:16 - 返信

    noriさんガンダムマルコシアスのパッケージ・ランナーレビュー見ました。
    参考になりました。
    ありがとうございます‼︎

    • nori

      on 2020年3月14日 at 13:26 - 返信

      コメントありがとうございます!
      こちらこそ参考にしていただき感謝ですm(_ _)m

  4. 高井俊明

    on 2020年3月29日 at 07:05 - 返信

    もしテレビに登場していたらどうなっていたか気になります。見てみたかったです。

    • nori

      on 2020年4月1日 at 16:44 - 返信

      コメントありがとうございます!
      確かに映像化シーンを見てみたいですね!
      アプリのやつでもしかすると(回想シーンとして)登場する・・・かな?
      どうなんでしょう?

  5. たけし

    on 2020年5月6日 at 00:25 - 返信

    背部バインダーを閉じるときって、どうすればいいの?
    パーツが干渉するのだけど。

    • nori

      on 2020年5月8日 at 08:44 - 返信

      コメントありがとうございます!
      ご質問に対する答えになっているかわからないですけど、考えられる要因としては、
      「短刀の位置がずれている」、「向きが逆になっている」とかですかね。
      それが問題なければ、「バインダーの組み合わせ方が間違っている」とかですかね;
      なんとも言えないんですけど、参考になれば幸いですm(_ _)m

  6. 舞う火の粉、散る雪の粉

    on 2023年5月13日 at 11:56 - 返信

    いま正に、背中が重すぎて胴体と腰の支えが弱すぎてすぐ外れてしまい困っています。塗装後なのでへたに穴明け補強ができずどう支えるか悩んでいます。

    • nori

      on 2023年5月14日 at 01:59 - 返信

      コメントありがとうございます!
      腰の支えというのはボールジョイント部分で良かったですかね~。
      HG鉄血のオルフェンズシリーズは可動域は広いですが、関節強度が弱いのが難点の一つ。
      より安全に補強したい場合はリキテックスのパーマネントマットバーニッシュをボールジョイント部分に塗って強度を上げるのがいいかもですね。
      参考になれば幸いですm(_ _)m

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