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HGUC AMX-001ザクIII改 レビュー

今回は、1999年8月に発売されたHGUC 1/144 AMX-001ザクIII改のレビューをご紹介します!

HGUC AMX-001ザクIII改は、『機動戦士ガンダムZZ』に登場するMS「AMX-001ザクIII改」の1/144スケールモデルキットです。マシュマー機の特別仕様を精密且つ忠実に再現。ビーム・ライフルによる攻撃態勢やビーム・キャノンの発射状態など、劇中の印象さながらのポージングが可能なキットになっています。オプションラックシールドやビームサーベルも付属。価格は1,650円(税込み)です。

ザクIIIをマシュマー・セロ専用に改修した機体で、劇中ではプルツーのクィン・マンサ、ラカン・ダカラン率いるスペースウルフ隊と交戦。ドーベン・ウルフを道連れに爆散した「AMX-001ザクIII改」がHGUCでキット化。

特に他キットからの流用はなく、重厚な機体形状、メカニカルなビームライフルやビームキャノン、プロペラントタンクを持つバックパックなどが新規造形で再現されています。

成形色はダークグリーンとグリーンを基調に、胸部や膝部にレッドを配色。その他動力パイプや膝装甲、内部・関節パーツなどがブルーグレー成形色での再現となっています。

ホイルシールは頭部モノアイとつま先のモールドを補うだけでわずか。各部のバーニア内部やモールド、ビームサーベル刃などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けは再現されています。

KPSやABSは不使用。殆どのパーツはPS素材なため、塗装やスミ入れする場合もあまり破損を気にせずに済みそうです。HG初期のキットだからか、全体的なエッジやモールドはたるめ。

ポリキャップはPC-111を使用し、全身各部の関節やバックパックなどに組み込みます。肘や膝はポリキャップとPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。多少後方に負荷がかかるのと、脚甲が干渉で突っ張る感じがありますが、接地面が広いのでしっかりと自立してくれます。

■付属品

ビーム・ライフル、ビームサーベル、武器持ち手(左右)が付属。

■各部形状

■頭部

頭部。ザク系定番の口ダクトや動力パイプはそのままに、ザクⅢ特有のモールドがメカニカルに造形されています。こめかみのバルカンと後部ダクトが潰れているのは少し気になりますが、厳つい感じが出ていて格好良いですね。

頭部は左右の組み合わせで口元の中央に合わせ目ができます。口内にスリットモールドが造形されているので合わせ目消しはなかなか高度な技術が必要そう。

モノアイはパーツに黒いシールを貼り、その上からモノアイのシールを貼っての再現です。可動はシール位置の貼り替えによって表現します。モノアイのモールドは造形されていません。

■胴体部

胸部・腹部。全体的にモールドはあっさりめですが、厚みがあって凹凸の深い装甲が造形されています。赤い装甲部分はパーツによる色分け。

首はボールジョイント、肩は1軸ですがどちらも固定式。特に可動ギミックはありません。バックパックは簡単な縦型の2ダボ接続。他のキットとは規格が異なるので、ザクⅢ系(HGUCザクⅢ、Twilight AXIS Ver.など)とだけバックパックの交換が可能です。

腰部は幅のある装甲が造形。腰部には動力パイプが別パーツで造形されています。中央部分は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。上部の装甲はブルーグレーですがグリーンに塗り分けが必要。下部のスラスター口も周りをグレーに塗り分けが必要です。

フロントアーマーは上部に展開し、グリップを展開することでビームキャノンとして使用することができます。手前のビーム口はイエローに塗り分けが必要。

リアアーマーには長いスカート状のアーマーが造形。中央の角型ダクトはふちをグレーに、内部をレッドに塗り分けが必要です。別パーツ化されているので塗り分けはラクそう。下部のエンブレムもイエローに塗り分けが必要です。

フロントアーマーとリアアーマー裏はメカニカルなモールドが造形。どちらもビームキャノン展開や大きさから見えやすいのできっちりと造形されていますね。側面のバーニアは浅めに組み付いているため、外側から手で押すと外れやすいので注意です。

■腕部

右腕部。上腕以下はエッジが効いた重機的な装甲、肩部にはザクⅡのL字シールドを想起させるオプションラックシールドを装備。

上腕は筒型で合わせ目はなし。肩部と前腕は2枚パーツの組み合わせで合わせ目ができます。各部とも分離しますし、モールドも殆どないので合わせ目消しはラクそう。

オプションラックシールド。シールド上部は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。下部シールドの内側にはビームサーベルやクラッカーのモールドが造形。特に武装類の脱着ギミックなどはありません。

シールドの接続部や上部はそれぞれ左右に可動。

接続部は1軸とポリキャップ接続なのでロールも可能です。

左肩には特徴的なスパイクアーマーを装備。スパイクはかなり長く存在感あるものになっています。下部にはオプションユニット「ハイドポンプレイヤー」の散布口が造形。

スパイクアーマーも簡単な左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。肩とは1軸とポリキャップ接続で分離するので合わせ目消しはラクそう。ハイドポンプレイヤーの散布口にモールドはありません。内部は赤く塗り分けが必要。

■脚部

脚部。大腿部はザク系らしいシンプルな曲状装甲ですが、膝から下はトゲ感のあるスカートアーマーを装備。重厚な雰囲気を醸し出しています。膝周りはパーツで色分けされていますが、後部と側面の姿勢制御用バーニアは内部を赤く塗り分けが必要です。

大腿部、膝関節、膝から下各部とも左右の簡単な組み合わせで合わせ目ができます。膝から個別に分解できるので合わせ目消しはラクそう。側面の姿勢制御用バーニアは簡単な組み合わせで、外側から手で押さえると外れやすいので注意です。

ソール部。シンプルなデザインですがボリューム感があります。こちらも脚甲部分は左右の簡単な組み合わせで中央に合わせ目ができる構造。つま先のモールドは黄色いシールでの色分けですが、シールを貼ると内側のモールドが隠れて見えなくなります。

足裏は全体が裏打ちパーツできっちりと蓋されているため、肉抜き穴などはありません。表面にはメカニカルなモールドもデザインされています。脚部内部は特に蓋などはなく抜けた状態。

かかとはヒールクローが差し替え無しで展開可能。かかと部分を反転させて展開します。おそらく劇中では使用していない武装ですがキットでは再現されています。

■バックパック

背部にはプロペラントタンクやフィン、バーニアを持つバックパックを装備。メカニカルな複合装備ユニットになっています。

バックパック本体には3枚のフィンが造形。他ではあまり見ない作りなので新鮮味があります。本体は簡単な前後の組み合わせなので側面に合わせ目ができますが、特に後ハメなどの加工は不要なので合わせ目消しはラクかと。側面のダクトもモールドなどはなく作りがあっさりめ。スリットプラ板などをカットして貼り付けると良さそうですね。

プロペラントタンクも簡単なモナカ割で合わせ目ができます。

プロペラントタンクと下部バーニアはポリキャップと1軸接続で上下にスイング可能。少し表情を変化させることができます。

■他キットとの比較

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGとしてはそこそこ大きめ。高さはそんなにないですが、装甲にボリュームがあるので大柄に見えます。ザクⅢ改の全高は25.3m。

劇中で共闘したHGUCリゲルグと並べて。発売時期には差がありますが、リゲルグは元が古いゲルググなので並べてもそこまで違和感はないですね。ちなみにベースのHGUCシャア専用ゲルググが発売されたのはザクⅢ改の7年後。

劇中で交戦したHGUCドーベン・ウルフと並べて。ドーベン・ウルフは比較的近年(2014年2月)発売されたキットなので作りがきめ細かいです。ですがザクⅢ改も情報量は多めなので組み合わせてもそんなに違和感はない感じ。

リメイク版のHGUCザクⅡ(241)と並べて。同じザク系なのにどうしてこんなに差が出るのか・・・・;

■各部可動域

頭部はわずかに上下する程度。左右へはあまり干渉することなくスムーズにスイングさせることができます。

腕はショルダーアーマーの可動に関係なく45度程度までしか上がりません。肘は90度程度曲がるくらい。肩の前後スイングギミックはありません。

胸の付け根のポリキャップによって上半身を少し前後させることができます。

腰はわずかにひねる程度。股間部に3.0mm穴などはなく、コの字パーツを浅めに組み付けられるくらい。一応アクションベースやスタンドで浮かせてディスプレイできますが不安定ではありますね。

前後開脚は腰アーマーを交わすようにすればある程度前後に展開させることができます。

外装が干渉するため、膝は45度程度までしか曲がりません。膝装甲裏は抜けた状態。

足首は前後左右ともまずまず可動します。

股間部がボールジョイントなので、左右への開脚はハの字程度ですがやや狭め。

立膝はほぼできないようだったので画像は省きました。可動域の総括としては、HG初期のキットということもあって全体的な可動域は狭め。重厚なキットなので簡単なポーズとその容姿を楽しむのが良いかもですね。

■武装類

ビーム・ライフル。ザクⅢ用に開発されていたオプションの一つで、長射程、大出力の高性能ビーム・ライフルになります。先だって開発された試作型ビーム・ライフルの完成版とのこと。近未来的なデザインで特徴的。

本体部分は簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。

センサーはピンクに塗り分けが必要。中央に合わせ目ができるので処理が少し難しそうですね。

■ポージング

ビーム・ライフルを装備して。

脚部スカートと脚甲が干渉するので少し前傾姿勢が取りづらいかも。なのでそのあたりを踏まえつつポーズを取らせると良さそうです。

ビーム・ライフルは付属の持ち手でグリップを挟んで保持します。あまり隙間はないので、ふらつくことなく安定した保持が可能。トリガーに指がかかっているのも良いですね。

脚底が広く、脚も太いので片足立ちもラクに再現することができます。可動域が狭いのでどうかと思いましたが、思ったよりもポーズが取らせやすいですし、ポーズを取らせるとよりザクらしさが出て格好良いですね。

説明書に記載はないですが、股間部とリアアーマーの隙間にコの字パーツを挟むことで、それなりに浮かせてディスプレイできるようでした。ただしコの字パーツの先端を少しカットする必要がありそうです。

ビーム・ライフルの両手持ちは一応可能ですが、肩にスイングギミックがないので少し突っ張る感じがあります。ですがフォアグリップが長いので構えさせることは可能です。

ビームサーベルはビーム刃と柄が一体型。なのでビーム刃をイエローに塗り分けが必要です。

柄が細身でハンドパーツとの間に少し隙間ができますが、角形なので引っかかって抜けにくくなっています。なのでポージング時もそんなに不自由な感じはないですね。

左の武器持ち手も付属するので、左手でのビーム・ライフル射撃ポーズも再現可能。ハンドパーツ各種は手甲パーツのダボが浅いので、経年で劣化するとポロリしやすくなるかもですね。

フロントアーマーを展開してビームキャノン射撃体勢に。しっかりと肘を曲げて脇を閉めれば、グリップを比較的ラクに握らせることができます。グリップが細身で抜けやすいのが少し気になるかなというくらい。

腰を握るだけなのであまり格好良いポーズが取れないのが欠点といえば欠点かも;上向きに射撃するポーズだと少しはマシな感じ・・・・?

適当に何枚かどうぞ。

以上です。古いキットなので構造が単調で可動域も狭めですが、ザクⅢ改特有の重厚さとメカニカルさは十分に表現されています。ディスプレイさせると存在感が凄いですし、簡単なポーズでも十分な迫力がありますね。

気になる点は、HGの初期のキットということもあってモールドが甘く、潰れていたり、あっさりとした作りの箇所が多いです。表面もヒケが多いので、きれいに塗装・製作する場合はなかなかな手間が必要そう。逆にモデラーとしてはやりがいがありそうですね。

何気にポーズが付けやすく、意外と射撃ポーズやサーベルで斬りかかるようなポーズも格好良く演出可能。バックパックやリアアーマーなどの背部装甲も見応えがありますし、武装類にもインパクトがあります。古いキットながらもあらゆる面で侮れない、玄人好みなキットになっているのが良いですね。

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1件のコメントがあります。

  1. ぬぬ茶

    on 2024年9月5日 at 09:14 - 返信

    なんの光ィ!?

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