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HG ドラッツェ(ユニコーンVer.) レビュー

今回は、HG 1/144 ドラッツェ(ユニコーンVer.)のレビューをご紹介します!

HG ドラッツェ(ユニコーンVer.)は、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS「MS-21C ドラッツェ(ユニコーンVer.)」の1/144スケールモデルキットです。「袖付き」の特徴を新規パーツと成形色で忠実に再現。右腕と一体化装着のガトリングやマークが刻まれた胸部・袖部など、機動戦士ガンダムUCの設定を完全再現したキットになっています。価格は2,200円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。

ネオジオンのエングレービングが施された胸部や腕部装甲に加え、右腕がガトリングガンに換装されたパープルカラーの機体で、劇中では袖付き兵が搭乗。パラオ攻防戦でガザCなどとともにエコーズらと激しい戦闘を繰り広げた「MS-21C ドラッツェ(ユニコーンVer.)」がHGUCでキット化。

2011年11月に発売されたHGUCドラッツェをベースに、UC登場時のパープルカラーが成形色で、特徴的な胸部と腕部のエングレービング、右腕のガトリングが新規パーツを用いて再現されています。

成形色はピンクに近いパープルを基調に、胸部にパープル、腰部動力パイプにイエローを配色。その他、内部や関節、ガトリング、バーニアなどがグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールが付属し、頭部モノアイレールやエングレービング、肩部スラスター・ポッドのスラスター口、ガトリングのセンサーなどを補いますが多くはありません。一部モールドやバーニア内部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。

クリア成形色の専用台座はABS素材ですが、ドラッツェ本体にABSは使用されていません。KPSも不使用。ほぼPS素材で構成されているため、塗装する場合も破損をあまり気にする必要はなさそうです。

台座の組み立てにはビスとナットを使用するため、精密なプラスドライバーが必要です。

ポリキャップはPC-001を使用し、各部に組み込みます。関節はポリキャップとPSパーツ構成でまずまずの強度があります。脚部はプロペラントタンク兼用のスラスターユニットになっているため自立はできません。付属の専用台座を使ってのディスプレイとなります。

■付属品

ビームサーベル刃、シールドが付属。

余剰パーツがいくつか付属します。

専用のマーキングシールが付属。ジオンのエンブレムや階級(大佐と軍曹)、形式番号、ナンバーマーキングなどが収録されているので、ドラッツェをうまく彩れそうです。

■各部形状

HGUCドラッツェ(ユニコーンVer.)の各部を見ていきます。

■頭部

頭部。他ではあまり見ないような独特のシルエットで個性的。高速機動に対応したとされる形状で、モノアイレールが後部にまで配置されています。

モノアイはモノアイレールと黄色いモノアイが一体になったものと、黒いモノアイレールのシールを貼り、その上から黄色いモノアイシールを貼る方法をお好みで選択することができます。少し立体的になるので後者のほうが良いかも。

メット部は基部が左右の組み合わせで顎や後頭部などに合わせ目ができます。特に後ハメなどは必要なく、そのまま合わせ目を消すだけで良さそうです。

■胴体部

胴体部はザク系を思わせるゴツゴツとした機体形状が再現されています。破損したり製造が間に合わなかったザクIIF2型の胴体が核になっているとのこと。胸元のエングレービングはモールドの上からシールを貼っての色分けです。パーツ分割されていないので、塗装する場合は細かな作業が必要そう。

口、肩ともにポリキャップ構造。首は前後などに適度に可動します。肩は前方にスイング可能。

腰アーマーはリアアーマーのみが造形。裏面はフラットな状態でモールドはありません。底面にはバックパックと同型のバーニアを装備。内部を赤く塗り分ける必要があります。

■腕部

右腕部。球状の肩部スラスター・ポッドが特徴的に造形。腕部にはガトリングガンを装備するなど、どことなく即席感も感じられる機体形状になっています。ちなみに通常のドラッツェは前腕部が3連40mmバルカン砲になっています。

上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕のガトリング・ガンは肘関節に固定されているため、特に脱着などのギミックはありません。

ガトリング・ガン。通常版に付属しているものはグリップがあり、ハンドパーツで保持するタイプでしたが、こちらは通常版のパーツを流用しつつ前腕に固定。フレーム付きのカバーパーツが新造されるなどメカニカルさが強調されています。

砲身は左右の組み合わせで合わせ目ができます。センサーはグリーンのシールでの色分け。

砲口は別パーツ化されているため、合わせ目などはありません。モールドは白いシールでの色分け。

左腕部。こちらは通常のマニピュレータータイプでハンドパーツは平手が標準となっています。ただしUC版仕様ということで、手首には袖付き特有のエングレービングが造形。モールドの上からシールを貼るようになっています。

球状の肩部スラスターポッド。ポリキャップを組み込んでの2個パーツ構成で造りは簡易的。ですが表面にはモールドが入っていますし、4基のスラスター口も適度に造形されていて造りは悪くないですね。合わせ目も段落ちモールド化されているようです。

スラスター口はグレーのシールで色分けしますが、輪型に貼り付けるため、少しズレたりするので注意です。

■脚部(プロペラントタンク/スラスターユニット)

脚部は通常の人型タイプではなく、縦長のプロペラントタンク兼用スラスターユニットを装備。色気はないですが、シンプルながらも巨大で存在感あるユニットになっています。ガトルの武器ユニット内部パーツを組み替えて一体化したとのこと。ジオンの台所事情が伺えるような設定ですね。

プロペラントタンク部分は簡単な左右の組み合わせで上下などに合わせ目ができます。後部スラスターを挟み込むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。

後部スラスター部分にはメカニカルなスリットモールドが造形。メタリック調に塗り分けるとかなり映えそうです。股間部への接続部はパーツ形状が上下で違っているので組み間違えないように注意します。

■バックパック

後部にはウイングバインダーやアンテナを持つバックパックを装備。こちらもジオンの内情が伺える設定で、ガトル戦闘機のメインエンジンをユニットごと背部に装備したものとのこと。左右には長いスタビライザーを装備しています。

バックパック本体。円筒のタンク型でシンプルながらも味があるデザイン。前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。中央の3基スラスターはグレーに塗り分けが必要。別パーツ化されているので塗り分けはしやすそうです。左右のアポジもグレーに塗り分けが必要。上部アンテナは長く細いので、引っ掛けて折ったりしないように注意です。

上部にも姿勢制御用?のスラスターが造形。内部をグレーに塗り分ける必要があります。下部のバーニアはボールジョイント型のポリキャップ接続ですが、可動範囲はあまり広くないようでした。内部は赤く塗り分けが必要。

バックパックは他ではあまり見ない固定方式なのと、動力パイプを挟むため、他キットと交換するなど無改造でカスタマイズを施すのは難しいようです。

スタビライザーは簡単な1個パーツ構成。先端は細いアンテナ状なので引っ掛けて折らないように注意です。

ボールジョイント型ポリキャップ接続でで幅広く上下に可動。受け口(バックパック側)の造りが簡素ですが、特に強度などに不備はないようでした。

左右にも適度に展開可能。表情を変化させることができます。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダムと並べて比較。脚部がプロペラントタンクになっているため、全高がかなり大きくなっています。ドラッツェの全高は29.8m。ディスプレイスペースは一般的なHG2個分程度かなと。

劇中のパラオ攻防戦で戦闘を繰り広げたHGUCロトHGUCスタークジェガンと並べて比較。劇中ではあまり気になりませんでしたが、ドラッツェはなかなかの大型機ですね。

■各部可動域

頭部は適度に上下させることができます。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。

腕は肩部のフレームが頭部と干渉するため、腕を上げる角度が制限されます。肘は1重関節で90度程度曲げることが可能。

肩はボールジョイント接続で広めにスイングが可能。前方へはポリキャップが引き出せるため、より幅広くスイングさせることができます。

腰は固定式なため、ロールや上半身の前後スイングなどはありません。

プロペラントタンクは前方への展開はあまりできませんが、後方へはかなり高くまで上げることができます。

左右へも適度に展開させることが可能。

可動域の総括としては、ほぼ上半身のみの可動となりますが、各部とも可動は柔軟。なのである程度のポージングには対応可能です。脚部がないぶんポージングの幅は制限されるものの、上半身に注目してポーズを取らせれば十分に格好良いポーズが再現できます。

■武装類

シールド。戦艦の装甲板を流用したシールドプレートに、小型ジェネレーターとエネルギーCAPシステム、冷却ユニットを組み込んだシールドユニットです。簡単な3個パーツ構成ですが、裏面にはメカニカルなモールドが造形。ビームサーベル発振器(柄)も装備しています。

付属のビーム刃は組み付けが可能。

専用台座。クリア成形色での再現で、底板には厚みがあり、接地もしっかりとしていて安定しています。少し黄色みがありますが、これはデフォルトかそれとも経年の影響か・・・・?ABS素材です。

支柱と台座との接続部は後部からのスライド式でしっかりと固定。ふらつきなどはありません。

キットとの接続部はナットとビスを組み合わせる構造。組み立てに少し手間がかかりますが、そのぶん緩んだらネジを締めるだけで良いので常に固定強度を維持することができます。

2箇所に可動部があり、左右や前後に柔軟に可動させることができます。

■ポージング

簡単に武装してディスプレイ。

宇宙用の機体なので、飛行するポーズがなかなか様になって良いですね。

アクションベースに付属のパーツを使用すれば、他社製のスタンドやアクションベースなどでもディスプレイが可能です。

シールドは前腕にダボで固定することで装備可能。ある程度しっかりと組み付くので、ポーズを取らせても外れるようなことはありませんでした。平手が標準なのでポーズに自然な表情が付きますが、平手だけなのも物足りない感じがあるので握り手があると良かったかも。

シールドにビームサーベル刃を組み付けて。ビーム刃はクリアピンク成形色での再現。シールドの固定強度が高いので、ビーム刃を組み付けた状態でもしっかりとポーズを取らせることができます。発振器(柄)もしっかりと組み付いていて外れません。

肩の可動が柔軟なので、腕を振るようなポーズも問題なく再現可能。サーベルを使うときは握り手のほうが様になりやすいので、他キットから拝借すると良いかも。

発振器(柄)は取り外してビームサーベル単体としても使用することができました。握り手は付属しないのでHGUCギラズールから拝借しています。ジオン系の機体なので、ザク系やズール系のハンドパーツの相性も良いですね。

股間部ボールジョイントが小さいため、ギラズールの脚部を組み付けることはできないようでした。ちょっと残念。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。なかなかクセがあり、好みの分かれるデザインではありますが、ポーズを取らせると割と格好良く様になりますね。特に飛行ポーズで全身を写すと造形バランスが良く、造形美を感じさせるところがあります。格好良く撮影するポイントは脚部であるプロペラントタンクをどう配置するかかなと。

気になる点は特にないですが、ハンドパーツの種類が少なくやや物足りないのと、アンテナやスタビライザーなど細長い箇所がいくつかあるので、引っ掛けて折ったりしないように注意が必要です。

各部がザクやガトルの一部を流用しているという即席設定もジオンの内情を反映しているようで面白いですね。こういった機体があることでその場の雰囲気も奥深いのものになりますし、リアルな表現ができるのもこういった雑魚キャラのおかげかも。そういった意味では、ガンダムタイプにはない泥臭さ、脇役ならではの良さを持ったキットになっているのが良いですね。

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1件のコメントがあります。

  1. ななし

    on 2024年12月13日 at 01:08 - 返信

    台座の黄ばみはほぼデフォルトですね~
    再販時に購入して最短で届けて貰ってすぐに確認しましたがもうエッジが黄ばんでいました。
    どうもクリアのABSは黄ばみやすい傾向があるようです。

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