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HGUC ギャン レビュー

今回は、2016年5月に発売されたHGUC 1/144 YMS-15 ギャンのレビューをご紹介します!

HGUC ギャンは、『機動戦士ガンダム』に登場するMS「YMS-15 ギャン」の1/144スケールモデルキットです。”新生‐REVIVE‐”による洗練されたプロポーションに加え、2重関節による可動範囲の向上を実現。手首可動式の武器持ち手によるビームサーベル突き出しポーズなど、劇中さながらの大胆なアクションポーズが可能なキットになっています。価格は1,320円(税込み)です。

ジオン軍が実施した「第2期主力MS開発計画」においてツィマッド社が開発した白兵戦用MSで、劇中ではマ・クベ大佐が搭乗。テキサスコロニーにてRX-78-2ガンダムと交戦するなど活躍を見せた機体「YMS-15 ギャン」がHGUCのREVIVEでキット化。

西洋騎士の甲冑のようなフォルムを持つ機体形状が新規造形で再現されています。ギャンは1999年7月に一度HGUCでキット化されていますが、それから17年後、REVIVE版として新たなプロポーション、フォーマットでのキット化となりました。

成型色はブルーやライトブルーといった青を基調としたカラーリング。関節やバックパックなどはグレーとシンプルですが、武器類がイエローやレッドでカラフルに色分けされています。

ホイルシールが付属し、頭部モノアイと腹部を補いますが量としては少なめ。塗装による塗り分けはほとんど必要がなく、組み立てるだけで設定通りの色分けが再現されるようになっています。

グレー成型色の内部・関節パーツにはKPS素材が使用されています。外装のブルーやライトブルーもマットな質感でKPSっぽいですね。ABSは使用されていないので、塗装やスミ入れをする場合もさほど破損を気にすることなく安心して取り組めそうですね。

ポリキャップはPC-002Aを使用し、肩や腹部、手首、足の付根、膝、足首など各部に組み込みます。肘はKPS、膝はポリキャップとKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。バックパックは比較的小型で負荷はかからず、脚底もしっかりと接地できるため、自立は安定しています。

■付属品

ミサイルシールド、試作ビームサーベル、手首が可動式の握り手(右)が付属。

■各部形状

HGUCギャン(REVIVE)の各部を見ていきます。

■頭部

頭部。ギャン特有のひし形シルエットで、表面には十字のモノアイスリットが印象的に造形されています。スリットは後面にも続いていて、スリットから下は前後挟み込みタイプで側面に合わせ目ができるようになっています。合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。

スリットより上の部分はメット型で被せるタイプ。頭頂部アンテナは先端に安全加工が施されています。

モノアイに可動ギミックなどはなく、シールの位置を貼り換えることでモノアイの動きを表現します。メット部を外すことで簡単にシールの貼り替えが可能。

モノアイ用のシールは大小2枚が付属。画像右は小さいモノアイシールを貼った状態になります。ギャンの頭部は全体的に素朴な感じがするので、モノアイだけでも大きめのものを貼ったほうが格好良く見えそうですね。

■胴体部

胴体部。程よいモールドが造形され、形状もバランスの良いものになっています。シンプルながらも洗練された作りに。腹部の装甲はライトブルーのシールでの色分けです。胸部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。

肩は前方に引出しが可能。ポリキャップにカバーパーツを被せてあるため、ポリキャップが露出するようなチープな感じは全くありません。腰アーマー裏はフロントとリアアーマーにメカニカルな裏打ちパーツが造形されています。このあたりの作りもいいですね。

腰は中央のフレームが展開可能。上半身を大きく傾けることができます。

■腕部

腕部。程よい肉付きで無駄のない作りになっています。球状のショルダーアーマーが印象的。モールドもうまく配置されるなど、わずかながらメカニカルさも表現されているようです。

上腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は前後の組み合わせで、手首側にのみ合わせ目ができる状態。他は段落ちモールド化されています。膝から分離できないので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要そうです。そのまま段落ちモールドを掘っても良さそう。

肩部はシンプルな球状型。簡単な前後の組み合わせですが、上部などにできる合わせ目は段落ちモールド化されています。こちらも作りが丁寧。

側面のカバーパーツを外すことでジョイント穴が露出。HGBFギャンスロットなどへの流用を意識した作りになっています。この穴は3.0mmになっているので、好みでカスタマイズできたりします。

■脚部

脚部。こちらも西洋騎士の甲冑のようなデザインで、裾広がりの特徴的なシルエットで造形されています。膝の青い装甲もパーツできっちりと色分けされていました。

大腿部は付け根が広くカットされるなど、干渉を避けつつ幅広い可動を意識した作りになっています。前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドっぽく造形。膝から下は左右の組み合わせで、後部の裾に合わせ目ができます。それ以外の部分は段落ちモールド化。膝周りも複数パーツの組み合わせでしっかりとした作りになっています。

ソール部。こちらも西洋騎士風のデザインで造形。構造自体はシンプルですが、段差モールドでなかなかのインパクトがありますね。

脚部は裾が広いですが、内側はパーツで覆われているため、内部が見えないように配慮がされています。足裏はモールド入りの蓋パーツが造形され、肉抜き穴がない作りに。これら各部もしっかりとした作りになっていて完成度が高いです。あえていうなら足裏の円形スラスターがやや簡素;

つま先は角度変更が可能です。

■バックパック

バックパックはスリットダクトが入った筒型タイプ。左右に1基ずつ、合計2基造形されています。いくつかのパーツを組み合わせますが、合わせ目は出来ない構造になっています。

バックパックとギャン本体とはシンプルな2ダボ接続。

一部のHGUCやHG 水星の魔女、HG SEED FREEDOMシリーズなどと共通なので、他キットのバックパックを取り付けてカスタマイズすることもできます。下部のスラスターも別パーツ化されているようなリアルな作り。

■他キットとの比較

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。一年戦争時の機体としては比較大きめ。HG陸戦型ジムに比べて頭ひとつ分以上大きくなっています。ギャンの全高は19.9m。

HGUC RX-78-2 ガンダム(REVIVE)と並べて。だいぶ大きさに差がありますね。どちらも造形やプロポーションがアップデートされたREVIVE版なので、組み合わせても全く違和感はなさそうです。

旧HGUCギャンが手元にないので比較ができず申し訳ないですが、せめてHGUC ギャン・クリーガーと並べて。ギャン・クリーガーはこのREVIVEギャンをベースにしたキットですが、大部分の形状がかなり違っています。

SEED FREEDOMに登場するHGCE ギャンシュトローム(アグネス・ギーベンラート専用機)と並べて比較。デザイン似ていますが、細部を見るとかなり別物。ギャンは形状がシンプルですが、ギャンシュトロームはメカニカルで緻密です。

HGBF はいぱーギャン子とも並べて比較。各部にギャンの意匠を交えつつ、女性らしいキャラクターに仕上げてあるのが面白いですね。それにしてもギャン子、デカい・・・・;

■各部可動域

続いてHGUCギャンの各部可動域を見ていきます。

頭部はわずかに上下する程度。左右へは干渉なくスムーズに可動させることができます。前後の形状にあまり差がないので、どちらを向いているのかわかりにくいのがちょっと面白いですね;

腕は水平以上に上げることができます。肘は2重関節で深くまで曲げることが可能。肘の曲げ方は少し歪;

肩はボールジョイントでわずかにスイングする程度。ただし前方へは肩の可動ギミックによって広めにスイングさせることができます。

腰部に展開ギミック、腹部にボールジョイント接続部があるため、上半身は広く前後させることができます。

腰(股間部)の可動ギミックも含め、左右へも広くスイングさせることができます。

腰は干渉なく360度回転が可能。アクションベースやスタンドへは、他のHGUCと同様、股間部に3.0mmジョイントを差し込んでのディスプレイとなります。

前方への開脚は前後とも水平まで幅広く展開が可能。後方もリアアーマーが可動するので広く展開することができます。

膝も2重関節によって深くまで曲げることができます。膝装甲裏は合わせ目こそありますが、きっちりと覆われているので内部は見えないようになっています。膝関節の合わせ目は段落ちモールド化。

足首は前後へは広めに可動しますが、左右への可動はやや制限されます。

左右への開脚は水平にまで展開が可能。柔軟です。

内股は大腿部が干渉するのでわずかに可動する程度。がに股は水平にまで広く展開させることができます。

立膝はきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、現代の最新キットと比べるとやや劣る部分はあるかもですが、全体的にかなり広い可動を実現したキットになっていると思います。立膝の姿勢は美しく、肘や膝もしっかりと曲がってくれるので楽しくポージングができそうですね。

■武装類

ミサイル・シールド。ギャン特有の円形型のシールドになります。別名「ギャンシールド」。ふちのニードル・ミサイル発射口や中央のハイド・ボンブ(宇宙機雷)射出口などがリアルに造形。表裏各部ともパーツできっちりと色分けされています。

ミサイル・シールドはグリップを握らせ、前腕に引っ掛けるだけで保持が可能です。ガッチリと前腕に固定されるわけではないですが、うまく引っかかっていて保持力はそこそこ高め。塗装しても多少擦れるくらいで済みそう。サフを吹くと厚みが増すので厳しいかもです。

シールドは基部の引き起こしが可能。

さらに上部にスライド展開させ、角度を変更することもできます。

なのでこれらの動きによってミサイル・シールドを前方に向け、ニードル・ミサイルやハイド・ボンブの発射態勢を取ることが出来ます。

わかりやすいように前腕に取り付けた状態での展開図も。

ビーム・サーベル。ギャンの主兵装になります。刺突に特化した仕様でレイピアに近く、手首部の幅広い可動による連続した刺突攻撃で威力を発揮するとのこと。ビーム刃はクリアイエロー成形色での再現で、ブラックライトで照らしても発光しませんでした。

円形の鍔が特徴的ですが、比較的簡単な作りになっています。鍔のモールドはゲートと間違えてカットしないように注意です。

■ポージング

ビーム・サーベルとミサイル・シールドを装備して。

ビーム・サーベルはハンドパーツで挟み込むだけで保持が可能です。スルッと抜けることもなく、遊びもないのでポージングしやすいですね。ハンドパーツもバラけることなく保持してくれます。

ミサイル・シールドを前面に展開し、ニードル・ミサイルやハイド・ボンブ発射態勢に。シールドが前方に突き出るぶん、少し自立が難しいところがあります。なので画像のようにスタンドを使って支えたほうが安心ではありますね。

手首が可動する武器持ち手(右)が付属。ビーム・サーベルで突き刺すような動きが表現できます。

手首に返しを利かせることができるので、より人間らしい突きのポーズも再現することができます。劇中でもなんととなくRX-78-2を突き刺そうとする動きを見せましたが、殆ど交わされていたのが印象的でした。

適当に何枚かどうぞ。

HGUC RX-78-2 ガンダムと組み合わせてテキサスコロニーでの戦闘シーンっぽく再現。「ウラガン!あのツボをキシリア様に届けてくれよっ!!」「あれは・・・いいものだっ!!」

以上です。懐かしの機体ですが、REVIVEされたことでスタイリッシュな今風のフォルムになってかっこよく進化していますね。最新のフォーマットによって可動域も広がり、ポージングも柔軟になっていますし、手首可動式のハンドパーツによって突きなどのポーズもラクにできるようになっています。

特に不満もないですが、頭部はモノアイの可動がシール貼り換え式なので、その点は気になるところかなと。できれば可動式だと嬉しかったですが、このサイズだと十字の可動ギミックは難しいのかもしれませんね。

REVIVEされたガンダムと組み合わせても全く違和感なく劇中シーンが再現できますし、ミサイルシールドが可動式でニードル・ミサイル発射体制が取れるなど、遊びの幅も広く、楽しみがいのあるキットになっているのが良いですね。

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1件のコメントがあります。

  1. ken

    on 2020年3月5日 at 11:24 - 返信

    ギャン大好だ

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