今回は、2012年9月に発売されたHG 1/144 RGE-G2100 クランシェのレビューをご紹介します!
HG クランシェは、『機動戦士ガンダムAGE』に登場するMS『RGE-G2100 クランシェ』の1/144スケールモデルキットです。変形機構を持つ特徴的な機体形状を新規造形で再現。飛行形態への変形が再現可能なキットになっています。MS形態、飛行形態どちらでもディスプレイ可能な専用台座、ドッズライフル、ビームサーベル、シールドといった武装類が付属。価格は1,430円(税込み)です。
ガンダムAGE-2のデータを基に、飛行形態への可変機構を簡略化した上で採用された可変MS『クランシェ』がHGでキット化。簡易的な変形機構を持ちつつも、近未来的で特徴的な機体デザインが再現されています。
成型色はジェノアスやジェノアスⅡなどと同じ赤と白のツートンカラー。頭部はバイザーはクリアブルー、関節や内部はグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部センサーや各部ダクト内部を補いますが、あまり多くはありません。塗装も殆ど必要なし。素組みで十分な色分けが再現されています。
ABSやKPSは不使用。すべてPS素材で構成されています。
ポリキャップはPC-001Aを使用し、関節強度は高め。ソールがハイヒール状で接地面が狭いですが、負荷のかかる装備はなく関節に強度もあるので自立は安定します。
ドッズライフル、シールド、ビームサーベル刃×2、自然な表情の手(左)、握り手(左右)、専用台座、ランディングギア3種が付属します。
頭部。前面がクリアブルー成型色パーツで覆われた球状の個性的で近未来的なデザインになっています。側面もパーツによる色分けを再現。上部の前後センサーはグリーンのシールでの色分けです。
クリアパーツを外すとフラットなモールドが造形。モールドの表面はシールでの色分けです。
胴体部。こちらも未来的で無駄のない、シャープなデザインで造形されています。エアインテークは白い装甲で覆われていますが、内部はグレーのシールでの色分けです。
エアインテークなど、シールで色分けする各部ダクトにはスリットモールドが造形されています。
背部。バックパックなどの装備はなく、1枚装甲が組み付いているだけのシンプルなデザインになっています。
背部装甲を外すことで、変形用に頭部を押し込むことができます。
腰部。フロントアーマーはなく、軽装且つ身動きのし易いスタイルで造形。
リアアーマーは角型スラスターで上下にスイングします。スラスター内部はグレーのシールでの色分けで、内部にはスリットモールドも造形されています。
サイドアーマー裏にモールドはなく簡易的。
腕部。こちらも近未来メカらしく、エッジの効いたシャープなデザインで造形されています。後部の縦長装甲やショルダーアーマーの形状も特徴的。
前腕の縦長装甲を外した状態で。二の腕(グレー成型色)、前腕共に左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要。ハンドパーツは左右とも穴なしのものが付属しています。
縦長装甲は2枚パーツ構成でモールド入りの裏打ちパーツが造形されています。
ショルダーアーマーはメカニカルに造形。側面上下のダクトはグレーのシールでの色分けで、内部にはスリットモールドが造形されています。合わせ目の出来ないパーツ構成。
側面の装甲は変形用に上下にスライド、左右にスイングが可能。
脚部もシンプルながら近未来的なデザインで造形。大腿部が太く、裾が狭く造形されています。
大腿部、膝関節、膝から下各部とも左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなど細かい作業が必要。大腿部裏の一部装甲はパーツでの色分けとなっています。
足首左右の装甲は展開する可動ギミックがありますが、説明書に可動の記載はないようでした。
このパーツは外側から差し込んでから(画像左)、ボールジョイントを窪みに差し込むようになっていますが(画像右)、どの程度押さえればハマるのか分からず、力を入れすぎて軸が折れてしまいました;先に内側を確認しながらはめ込み、そして脚部を組んだほうが良さそうです。
ソール部は簡易的なハイヒールタイプ。合わせ目の出来ないパーツ構成です。
裏面もモールドはなくシンプル。つま先は変形用に折りたたみが可能です。赤◯の突起が展開時のストッパーになっているので、ゲートと間違えてカットしないように注意します。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。特別大きくはなく、陸ジムよりもわずかに大きいくらい。クランシェの全高は17.6mなのでオーバースケール気味。
第3部初期のヴェイガン襲撃時、共に戦闘を繰り広げたHGガンダムAGE-3ノーマル、HGダナジンと並べて。
頭部の可動は、顎引きはある程度可能ですが、見上げる動きはわずか。左右ヘは干渉なくスムーズにスイング可能です。
ショルダーアーマーと頭部が干渉しやすいですが、腕は水平程度まで上げることができます。肘は90度程度まで。
肩はわずかに前後する程度。
腹部が可動し、変形用に後部装甲が外れるので、上半身は広めに前後スイングさせることができます。背部装甲を組み付けていると可動が制限されます。
腰は360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
画像を撮影し忘れましたが、大腿部が大柄で腰部と干渉してしまうため、前後開脚は僅かです。
膝は90度程度曲げることが可能。膝関節には合わせ目ができます。
足首は前後左右ともそれなりです。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開が可能。
内股は大腿部と股間部が干渉するのでわずか。がに股も大腿部後部が干渉しやすいですが、幅広く展開させることができます。
立膝はきれいな姿勢で再現するのは難しいですが、接地は安定します。
可動域の総括としては、腕や前後開脚など、多少干渉で不十分な箇所はありますが、上半身の前後スイングや腰の回転、左右への開脚など全体的には幅広く可動させることができます。制限されるポーズはありそうですが、ある程度思ったポーズを取らせることはできそうです。
ドッズライフル。クランシェの主武装で、銃身が二枚板バレルのものが新造されています。飛行形態時は機首として使用。
複数パーツの組み合わせで合わせ目はありません。
後部の装甲は保持用に展開可能。銃口は角型。バレルの内側にはスリットモールドが造形されています。
背部装甲に組み付けることで、ドッズライフルをクランシェの背部にマウントさせることができます。背部装甲の固定強度はあまり高くないようです。
シールド。小型ですが、3枚パーツ構成でしっかりとした作りになっています。(サーベル柄を含めると4個パーツ構成。)特に可動ギミックはなし。飛行形態ではスタビライザーとして使用します。
裏面のサーベル柄は脱着可能。ビーム刃を組み付けることで武器として使用可能です。
ハンドパーツは人差し指と中指を伸ばした自然な表情のものが付属。
専用台座。3個パーツ構成で簡易的。
支柱が二股になっているので、ディスプレイ時にキットの角度を変更してディスプレイさせることができます。
後部に3.0mm穴があるので、AGE-3などをディスプレイさせる場合は股間部のカバーパーツを組み付けたりしておけます。台座裏面には使用していないハンドパーツを組付けて保管しておくことも可能。パーツの紛失を防ぐことができます。
一通り武装して。
ドッズライフルはグリップをハンドパーツにしっかりと差し込むので、遊びや抜け落ちるなどがありません。ストレスがないので安定したポージングが可能です。
シールドは固定強度があまり高くはないので、少し角度が変わったりすることがあるので注意です。
造形がいいのか、見た目によらずポージングが映えますね。素立ちよりもポーズを取らせたほうが格好良く見えます。
一般的な平手とは違った表情のハンドパーツが付属するので、他のキットとは違った表情のポーズが出来るのがいいですね。
ビームサーベル刃はクリアピンク成型色で、AGEシリーズ特有の平型タイプ。柄はハンドパーツにしっかりと収まるので、抜け落ちることもなく保持がし易いです。
手首パーツにビーム刃を組み付けることで、ビームトンファーっぽく使用することができます。
飛行形態への変形は、手首パーツとハンドパーツを組み換えて角度を変更。背部装甲パーツを外して頭部を押し込み、背部装甲パーツにシールドを組み付けて再度取り付けます。
二の腕を回転させて腕の角度を変更し、後方に展開。前腕を内側に収納します。
腹部を後方に展開してつま先を伸ばします。
胸部にドッズライフルを組み付けたら飛行形態への変形完了です。
飛行形態をいろんな角度から。
ロック機構などはありませんが、簡易的な変形なので多少形状が崩れてもすぐになおすことができます。背部装甲パーツ(シールドマウントパーツ)が外れやすいのは少し気になりました。
MS形態と同じく、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。脚部を閉じた状態なため、細身のジョイントパーツや支柱スタンドを使用しないと干渉して脚が開くので注意です。
先端から空気抵抗を考えたようなシャープなデザインになっているのでスピート感がありますね。
腰部とスネの装甲パーツを外し、付属のランディングギアを組み付けて取り付けることで、駐機状態も再現可能です。駐機状態はバランスが悪いと左右に傾いて倒れることがあるので注意が必要。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。近未来的マシンのような容姿で個性的ですし、量産機っぽくないデザインなのがいいですね。素立ちよりも自然なポーズを取らせたほうが様になってかっこいいですし、動きをつけることでもグッと引き立つキットになっています。
気になる点は、比較的完成度の高いHG AGEシリーズですが、四肢の合わせ目が目立ちやすいのと、背部装甲の組み合わせ構造が簡易的でポロリしやすいのはちょっと雑な感じがありますね。足首左右の装甲も破損を招きやすい構造なのかなと思います。
飛行形態は簡易的で変形させやすく取り扱いもラク。ランディングギアを装着することで駐機状態が再現できるなど、ちょっとした演出があるのもいいですね。ダナジンと組み合わせることで高いシーン演出が出来るなど劇中再現度も高いので、数体集めて部隊を編成してみても面白そうですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら