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HG カオスガンダム レビュー

今回は、2004年12月に発売されたHG 1/144 ZGMF-X24S カオスガンダムのレビューをご紹介します!

HG カオスガンダムは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するMS「ZGMF-X24S カオスガンダム」の1/144スケールモデルキットです。背部に機動兵装ポッドを持つ特徴的な機体形状を再現。可変ギミックにより、高速移動形態(MA形態)への変形も可能なキットになっています。高エネルギーライフルや巡航機動防盾も付属。価格は1,650円(税込み)です。

ザフトがユニウス条約締結後に開発した「セカンドステージシリーズ」の試作型MSで、劇中ではスティング・オークレーが搭乗。軍事工廠アーモリーワンで強奪された3体のうちの1機で、インパルスガンダムやセイバーガンダムなどと戦闘を繰り広げた機体「ZGMF-X24S カオスガンダム」がHG SEEDでキット化。

特に他キットからの流用はなく、MA形態への変形機構を持つ特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。

成型色は淡めのグリーンとダークブルーを基調に、胴体部や背部機動兵装ポッドにレッド、頭部や上腕、大腿部などにホワイトを配色。その他、頭部アンテナがイエロー、内部・関節、機動兵装ポッドのバーニアなどがグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールは頭部や胸元の装甲、リアアーマーの白いラインを補うくらいでわずか。機動兵装ポッドのミサイルやカリドゥス改 複相ビーム砲、高エネルギービームライフルなど各部を細かく塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けは再現されています。

内装、外装ともにPS素材のパーツで構成されています。KPSは不使用。ABSは使用されていないので、塗装、スミ入れをする場合でも破損を気にすることなく取り組めそうです。

ポリキャップはPC-123プラスを使用し、関節各部に組み込みます。関節強度はまずまず高め。背部に機動兵装ポッドやMA形態用の機首を装備していますが、あまり後方に負荷はかからず、安定した自立が可能です。

■武装類

MMI-RG330巡航機動防盾、MA-BAR721高エネルギービームライフルが付属します。

■各部形状

HGカオスガンダムの各部を見ていきます。

■頭部

頭部。左右の頬に2本のスリットを持つ特徴的なフェイスが再現されています。アンテナも屈折した仕様でヒール感あるデザインに。アンテナ中央部は赤いシールでの色分け。こめかみや左右の12.5mmCIWSはグレーに塗り分けが必要です。※CIWS(シーウス)・・・・近接防御火器

メット部は前後の組み合わせで上部から側面にかけて合わせ目ができます。とさか前後のセンサーはグリーンに塗り分けが必要。

■胴体部

胴体部。ガンダムタイプらしいベーシックなデザインですが、胸板には特徴的な20mmCIWSが造形。エアインテークなどはパーツできっちりと色分けされています。胸元の赤いラインはシールでの色分け。エアインテーク内部や胸板左右のMMI-GAU25A 20mmCIWSは砲口をグレーに、胸部中央の角型モールドはイエローに塗り分けが必要です。

背部の装甲はバックパックから長く伸びたものが造形。左右のラインは白いシールでの色分けとなっています。サイドアーマーには大型のプロペラントタンクを装備。

プロペラントタンクはモナカ割で側面に合わせ目ができます。上部にはヴァジュラ ビームサーベルのサーベル柄を装備。サーベル柄は脱着が可能。ビーム刃は付属していないので他キットから拝借する必要があります。

サーベル柄は自然に外れることはないですが、キットを弄る際に手が当たったりすると外れることもあるので注意です。サーベル柄のマウント基部(プロペラントタンク側)は赤く塗り分けが必要です。

腰アーマー裏は各部とも特にモールドなどは造形されていません。

■腕部

腕部。シンプルなデザインですが、エッジが効いていて多少の重厚感があります。前腕などはパーツできっちりと色分けされているので物足りなさはないですね。

上腕は筒型パーツで合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。

ショルダーアーマーも簡単な前後の組み合わせで上部に合わせ目ができます。肩内部パーツにも合わせ目ができるので、綺麗に製作したい場合は後ハメなどの加工が必要。

■脚部

脚部。膝から下は適度にボリューム感がありますし、膝とつま先の白い装甲が印象的に造形されています。どことなくヒール感あるデザイン。

大腿部は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目消しはラクかと。膝から下は左右の組み合わせですが、スラスターや膝装甲など細かくパーツを組み合わせていく構造で合わせ目は殆どありません。下部のスラスター内部にスリットは造形されておらず、特に可動ギミックもありません。

膝の白い装甲はMA形態への変形用に広く展開させることができます。

つま先の白い装甲も適度に展開させることができます。

スネの装甲もMA形態への変形用に幅広く展開可能。

足裏はモールド入りの蓋パーツが造形されているため肉抜き穴などはありません。造りがしっかりとしています。(ホコリが・・・・;)

■バックパック

背部には左右にEQFU-5X 機動兵装ポッド2基、中央に高速移動形態(MA形態)時の機首を持つ特徴的なバックパックを装備。後部から見ると戦闘機らしいシルエットで造形されています。

カオスガンダム本体とバックパックとは3本の細身ダボ接続。なので特に他のキットとバックパックを交換したりすることはできません。背部はバックパックから伸びる縦型装甲のみで、特にリアアーマーは造形されていません。

機動兵装ポッドはアーム(画像右)のT字部分に上から差し込んで固定するようになっています。(変形時に取り外しが可能。)固定強度はまずまずありますが、塗装やつや消しをすると外れにくくなる可能性があるので少し調整が必要ですね。

EQFU-5X 機動兵装ポッドは後部のバーニアを押し込むと先端のMA-81Rビーム突撃砲が露出。

バーニア周りは赤いパーツでの色分けで、3基のウイングは白いパーツできっちりと色分けされています。グリーンの本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

前面のハッチは組み替えることで内部のAGM141ファイヤーフライ誘導ミサイルが露出。ミサイルの弾頭は赤いパーツで適度に色分けされていますが、ふちはグレーに塗り分けが必要です。ハッチ裏などもグレーで塗り分けが必要。

背部中央の機首部分はメカニカルなモールドが造形。上部の翼は白いパーツでの色分けとなっています。モノアイレールのようなモールド(センサー)はグレーに塗り分けが必要です。

センサー部分のパーツを外すとMGX-2235Bカリドゥス改 複相ビーム砲が露出。ビーム砲は赤く塗り分けが必要です。

機首の裏面は可動式アームとポリキャップでの接続で展開可能。展開することで内部が露出しますが、先端裏はモールドの入ったパーツできっちりと蓋がされています。下部のバーニア内部にはメカニカルなモールドが造形。

機首部分はアームによって適度に可動します。

■他キットとの比較

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。HGとしてはやや小柄。ですが背部に機動兵装ポッドなどのユニットを装備している分、少し大きさがありますね。

同じエクステンデット(アウル、ステラ)搭乗機であるHGアビスガンダムHGガイアガンダムと並べて。カラーリングや形状だけでなく、それぞれが陸海空に特化した機体になっているのが良いですね。

■各部可動域

頭部の可動は、顎引きは干渉するため殆どできず、見上げる動きも少し上げられる程度です。左右へは干渉なくラクにスイング可能。

腕は水平まで上げることが可能。肘は1重関節で90度程度まで曲がります。肩は胸部からの1軸固定なので、特に前後へのスイングギミックはありません。

腰も背部装甲が干渉するため、ほとんどひねることができません。股間部にジョイント穴が造形されておらず、アクションベースへのディスプレイも考慮されていないようです。なので浮かせてディスプレイさせる場合は、股間部にアクションベースなどに付属しているコの字パーツをはめ込んでのディスプレイとなります。

フロントアーマーが広く展開するので、前方への開脚は割と広めに展開が可能です。後方へは背部の装甲を交わすように展開するので、多少コの字パーツと干渉して展開しにくかったりします。

膝は2重関節でコの字のように曲げることが可能。膝裏に裏打ちパーツなく、多少の肉抜き穴があります。

足首は広めに前後可動します。左右へもまずまず可動。

股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度までとやや制限されます。

内股、がに股は共に45度程度まで可動。

立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、全体的に装備が派手なので、そのぶん他のキットに比べて干渉箇所が多め。なので通常のHG SEEDシリーズキット以上に可動が制限されている感じはありますね。ただ、部分的に広く可動する箇所はあるので、そのあたりを上手く利用すればある程度のポージングは楽しめそうですね。

■武装類

MA-BAR721高エネルギービームライフル。インパルスガンダムのビームライフルを高速戦闘にも耐え得るよう、改良したマティウスアーセナリー製のビームライフルになります。表面に適度にモールドが入っていて造りは良いですね。成型色がグレー1色なので、部分的にブルーグレーやホワイトで細かく塗り分ける必要があります。

モナカ割のシンプルな作りで上下に合わせ目ができます。

センサーなども特にシールでの色分けはありません。細部も細かく塗装する必要があります。

MMI-RG330巡航機動防盾。対ビームコーティング仕様の盾になります。表面中央のイエローラインや左右の機関砲先端(グレー)などは塗り分けが必要です。

グレーのピクウス 76mm近接防御機関砲がパーツできっちりと色分けされていますし、裏面もモールド入りのパーツで蓋がされているため完成度は高いです。

■ポージング

巡航機動防盾と高エネルギービームライフルを装備して。

高エネルギービームライフルはグリップが細身でハンドパーツとの間に隙間ができるため、ややふらつきやすいです。抜け落ちることはないですが、砲口が色んな方向に向いてしまうので注意が必要。トリガー部分が少し太いので、そこを握らせるとある程度安定します。

巡航機動防盾は前腕にダボを差し込むだけで保持が可能。固定強度も高めです。ただ、背部の機動兵装ポッドと干渉しやすいため、腕を動かすのが少し難しくなるのでその点だけ注意です。

可動域があまり広くないのでポージングの幅はやや制限されます。ですが割とディスプレイしやすいですし、造形が良いので簡単なポーズでも十分様になりますね。

機動兵装ポッドは特にディスプレイできるようになっていないので、コの字パーツなどを使って簡単にディスプレイさせてみました。飛行シーンが演出できればかっこよくディスプレイできそうです。

■高速移動形態(MA形態)

高速移動形態(MA形態)への変形は、まず頭部を外します。そして後部の機首部分を、首パーツを隠すように展開します。

脚部は膝とつま先の爪を伸ばし、膝装甲を展開させてクロー型にしておきます。

股間部と膝を曲げ、上半身を前倒しにしたら高速移動形態(MA形態)への変形完了です。

高速移動形態(MA形態)をいろんな角度から。少し前傾姿勢になったくらいの簡単な変形ですが、それでも十分に戦闘機らしいシルエットになっているのが良いですね。

各部に特にロック機構はなく、股間部のボールジョイントがヘタれて弱くなるときれいな姿勢でのポーズが難しくなって来そうなのでその点は少し注意が必要かもです。ヘタれた場合はパーマネントマットバーニッシュなどで補強すると良さそう。

四肢はMS形態と同様に動かせるので、高エネルギービームライフルで射撃したり、腕部のクローで挟むような演出をしたりすることもできます。

ちなみに両膝、両爪先にあるのはバインド式の大型クロー兵装で、高速運動から目標を捕獲し、先端からのビームクロウで引き裂くとのこと。

アイデア性がありますし造形的にも面白いと思います。どこかしらバルキリーのガウォークっぽい感じもあって格好良いですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。背部に装備したユニット、サイドアーマーのプロペラントタンク、やや肉太な脚部など、造形や全体的なプロポーションバランスは良いキットだと思います。個人的にも好みなシルエットですし、機動兵装ポッドがファンネル的に使えるのでその辺りも魅力を感じるところです。

気になる点は装備が大柄なこともあって干渉が多く、派手なポーズを取るのが少し難しいところがあります。あと、サーベル柄が付属していながらサーベル刃がないのもちょっともったいない気がしますね。ですが普通にディスプレイさせるだけでも十分によく見えますし、ムリにポーズを決めなくてもかっこよく決まるのがいいですね。

なかなかレトロなキットですが、変形もカンタンでガウォークに似た造形が楽しめるなど、どこかしら男心をくすぐるようなところがあります。REVIVEの可能性が低い1/144サイズのSEED DESTINY登場機なので、HG SEEDとしての価値を存分に楽しんでみるのもいいですね。

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2 件のコメントがあります。

  1. 匿名

    on 2020年1月4日 at 19:35 - 返信

    ビームライフルの会わせ目がよく目立ちますね

  2. アナベル・サトー

    on 2024年3月23日 at 22:57 - 返信

    カオスガンダム好きな機体なので
    この記事見た後に自転車で買いに行ってしまいましたw
    簡単に変形できるのに印象が全く違くて可変機ならではの
    一石二鳥みたいなのを良く感じれました!

    これからも購入時の参考にさせてもらいます!
    プラモ作るのって時間かかってしまうけど
    モデラー同士頑張りましょう!応援してます!
    長くなってしまってすみません。

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