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HGUC ヅダ レビュー

今回は、2006年6月に発売されたHGUC 1/144 EMS-10 ヅダのレビューをご紹介します!

HGUC ヅダは、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO-1年戦争秘録-』に登場するMS『EMS-10 ヅダ』の1/144スケールモデルキットです。腕部伸縮ギミックなど、異質で個性的な機体形状を新規造形で再現。頭部パーツやマーキングが付属し、1、2、3番機と予備機がコンパーチブルで再現可能なキットになっています。格闘クロー付きシールド、シュツルムファウスト、135mm対艦ライフルなど豊富な武装類が付属。価格は1,540円(税込み)です。

1~3番機と予備機の全4機がヨーツンヘイムへ配備され、ジャン・リュック・デュバル少佐やヒデト・ワシヤ中尉他が搭乗。ゴーストファイターとも呼ばれたツィマット社製の試作MS『EMS-10 ヅダ』がHGUCでキット化。正式採用されたザクなどとは異なり、ガイコツのような独特の無骨さを持った機体形状が再現されています。

成型色はくすみのあるライトブルーをベースに、各部にダークグレーを配色。その他、135mm対艦ライフルがブラック、背部バーニアやシュツルム・ファウストの先端が銅(メタリックオレンジ:カッパー)成型色での再現となっています。

シールはモノアイと、135mm対艦ライフル、ザクマシンガンのセンサー用のみが付属。腹部をブルー、135mm対艦ライフルをグレー、ヒートホークをグリーンなどに塗り分ける必要がありますが、素組みでも大部分の色分けが再現されていて違和感はありません。

関節や內部パーツの一部など、強度が必要な箇所にはダークグレー成型色のABSが使用されています。135mm対艦ライフルはKPSっぽい素材。

ポリキャップはPC-123プラスを全身各部に使用し、関節強度はまずまず高め。背部に1基の大型スラスターを持つバックパックを装備していますが、特に負荷はかからず自立は安定しています。

135mm対艦ライフル、120mmザク・マシンガン、シュツルム・ファウスト、シュツルム・ファウスト用ジョイントパーツ、ヒートホーク、ヒートホーク用ジョイントパーツ、予備マガジン、武器持ち手(右)、2・3番機用頭部パーツ、予備機用頭部パーツが付属。

ヨーツンヘイムやジオンマーク、1~4番機までのナンバーなどが収録された専用のマーキングシールが付属します。

頭部はドクロっぽさを感じさせる独特のデザイン。前面のバイザー中央の1本アンテナが印象的に造形されています。バイザーはクリアパーツでの再現。

頭部自体は合わせ目が出来ないパーツ構成ですが、首と內部が前後の組み合わせで首側面に合わせ目ができます。

モノアイはクリアパーツにピンクのシールを貼っての色分けです。內部にはメカニカルに造形。

モノアイは上部のレバーを動かすことで左右にスイングさせることができます。レバーが少し硬めなので、可動させる際は破損などに注意します。

2・3番機、予備機用の頭部パーツが付属。

1番機からメット部とアンテナパーツを外して組み替えることで2・3番機の頭部を再現することができます。2・3番機はアンテナのないシンプルなデザイン。

1番機からアンテナパーツを組み替えることで予備機の頭部が再現可能。メット部は1番機と同じものを使用します。予備機は1番機のアンテナが突き抜けないタイプ。

首は筒状にデザインされ、內部をボールジョイント型ポリキャップで接続します。適度に可動し、ポージング時に表情を付けることができます。

胸部はエッジの効いたデザインで、部分的に細かなモールドが造形されるなど緻密。全身各部のスリットフィンやスリットモールドがガイコツ感を強調させています。腹部はブルーに塗り分けが必要。

腰部は各面に装甲が配置されたまとまりのあるデザイン。装甲には『R1~R4』、『L1~L4』のナンバリングモールドが造形されるなど、他では見ない演出が施されています。

腰アーマー裏にモールドはなく簡易的。股間部はシンプルなボールジョイント接続です。

腕部。細身ですが、こちらも肩や二の腕のスリットモールドが印象的に造形。

二の腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので、合わせ目消しはラクそう。

肘関節はポリキャップ接続でロールが可能。ポリキャップが露出しないよう、カバーパーツも造形されています。

肩內部が特殊な構造で、肩上部のの円筒を押し込むことで二の腕を延長させることができます。

肩は前後の組み合わせで上部や側面に合わせ目ができます。上部の筒状パーツは脱着ができるので、そのまま合わせ目を消すだけでよく、マスキング塗装も必要なさそう。ただし起伏が激しいので合わせ目消しは少し手間取りそうですね。

左肩には特徴的なシールドを装備。

左肩には可動式のレールが内蔵され、シールドを前後にスイングさせることができます。

シールド。シンプルな縦長タイプですが、裏面には白兵戦用ピック、裏面にはグリップや細かなモールドがデザインされています。

表面の白兵戦用ピック、裏面のグリップそれぞれ展開可能。

グリップを握らせて白兵戦用ピックを展開することで、劇中でジムを貫いたような攻撃シーンを演出することができます。特に二の腕を伸縮させることなくラクに保持することができました。

シールド基部は前後へのスイングやのロールなどフレキシブルに可動します。

脚部は細身でモールドも少なめですが、ふくらはぎ後部には2基の小型バーニアが別パーツ造形されています。側面には武器マウント用のハードポイントも造形。

大腿部は前後の組み合わせで側面などに合わせ目ができますが、そのままモールドとしておいたもいいようなデザインになっています。膝から下は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要そう。

ソール部は曲状ですが、踵側がスリットモールドで印象的に造形。各部ともパーツ分割されていて合わせ目などはありません。

足裏もモールド入りの裏打ちパーツが造形。見栄えのするデザインになっています。足首はポリキャップにポリキャップを差し込む構造で特殊。その分可動箇所が多く、柔軟に可動します。

バックパックはエッジの効いたボックスタイプ。表面には適度なモールド、四方には小型のバーニアが別パーツ造形されています。中央には土星エンジン特有の大型のスラスターが造形されるなど個性的なデザインになっています。

1基のスラスターは基部がカッパー(メタリックオレンジ)成型色の独特のカラーリングで表現。バーニアは外側に多数のスリット、內部にはファン状のモールドも細かく造形されるなどリアルなデザインになっています。カッパーの部分はバックパックにボールジョイント接続でフレキシブルに可動。

バックパックは角型2ダボ接続で、他キットのバックパックとの交換はできません。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGとしては中間程度のサイズで特別大きくも小さくもありません。ヅダの全高は17.3mで陸ジムよりも小型に設定されていますが、ガンプラはややオーバースケールで立体化されているようです。

HGUC ジムとも並べて。ノーマルジムよりも大柄。MSイグルー劇中に登場したジムは胸部などが異なる後期生産型ですが、組み合わせて劇中のスピードで上回るシーンを再現してみるのも良さそうですね。

頭部の可動は、上下への可動はわずか。左右へは多少顎が干渉しますが、真横にまでスイングさせることができます。

腕は水平よりも少し下程度まで上がります。肘は1重関節で90度程度まで。

肩は適度に前後スイングが可能。前方に引き出しギミックがあるので広めに展開させることができます。

腰が軸接続で胸部・腹部にも可動ギミックが無いため、上半身の前後スイングはありません。画像は省きました。

腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、股間部のカバーパーツを外し、縦長ダボのジョイントパーツを組み付けてのディスプレイとなります。

前後開脚は、フロントアーマーも広く展開するなど、水平まで広く展開させることができます。

膝は2重関節である程度深くまで曲げることが可能。膝は左右の簡易的な組み合わせで中央に合わせ目ができます。

足首は特殊な組み合わせで前後左右とも広めに可動させることができます。

股間部がボールジョイントで干渉するため、左右への開脚はハの字程度までとなります。

内股は殆どできませんが、がに股は45度程度まで角度変更が可能です。

立膝は多少不安定ですが、まずまずな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、全体的に特別広いわけではないですが、各部とも適度な可動域があって不自由さもなく、安定したポージングが楽しめそうです。可動が狭く感じるのは頭部の上下と肩部の可動が少し制限されるくらいかと。

135mm対艦ライフル。対艦攻撃を目的としたライフルで、艦艇の装甲を撃ち抜く程の威力を誇る試験兵器になります。OVA『MS IGLOO』には登場していない武装ですが、ゲームなどでは装備されています。側面には予備マガジンも収納。

表面には細かなレトロなモールドが造形。メカニカルさやミリタリー感が強調されています。ブラック成型色での再現で、説明書ではグレーに塗装してあります。

本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。各部に上部や側面にマウントしているマガジンもモナカ割で各面に合わせ目あり。

砲口は特徴的なマズルブレーキタイプ。上下2枚パーツ構成です。センサーはピンクのシールでの色分け。

中間部のバイポッドは可動式。前後にスイングが可能で、ハの字に展開することで安定して接地させることができます。これによって特徴的な射撃シーンを再現することが可能。

側面のフォアグリップも前後にスイングさせることができます。

更に保持用のグリップは上部から側面にかけて90度角度変更が可能。

マガジンは一応脱着が可能ですが、上部と側面で入れ替えることは出来ないようでした。

ザク・マシンガン。ドラムマガジン式の口径120mmマシンガンになります。ザク用の武装ですが、ヅダも標準装備となっています。特に他キットからの流用ではなく、ヅダ用に新造されています。

本体部分は簡易的なモナカ割で上下に合わせ目ができます。上部ドラムマガジンは脱着が可能。

センサーは上下に、フォアグリップは左右に可動します。センサーはピンクのシールでの色分け。

ザク・マシンガンはふくらはぎ側面のハードポイントにマウント可能。固定強度はまずまずで簡単に外れることはなさそうです。予備マガジンはサイドアーマーにマウント可能。ザク・マシンガンのドラムマガジンをサイドアーマーにマウントすることはできません。

シュツルム・ファウスト。使い捨てのロケットランチャーで、自動追尾装置などはなし。移動する標的に命中させるのは難しいながら、携行用の武装としては強力とのことです。ダークグレーとカッパーの2個パーツ構成でシンプル。先端のカッパーが目を引きます。

シュツルム・ファウストは付属のジョイントパーツを使用することでシールド裏にマウント可能。固定強度がまずまずあるので、簡単に落下するようなことはなさそうです。

ヒート・ホーク。手斧型の格闘戦闘用兵器になります。簡易的な1個パーツ構成。ダークグレー成型色のみで構成されているため、ブレード部分はシルバーに、柄の部分はグリーンに塗り分けが必要です。

付属のジョイントパーツを使用することでふくらはぎのハードポイントにマウント可能。こちらも固定強度がまずまずあるのでストレスなく装備させることができそうです。

一通り武装して。

ザク・マシンガンは付属の武器持ち手で保持します。トリガーに指を添える使用で見た目はいいですね。特にダボ固定ではないため少しふらつきがありますが、微動なので特にストレスや不自由さはなさそうです。

ザク・マシンガンのフォアグリップが可動するのと、肩もそれなりにスイングするので両手持ちはラク。

シールドや脚部にマウントしているシュツルム・ファウストやヒートホークは、干渉などで比較的角度が変わりやすいです。ですがポロリするほどではないのでポロリやストレスなどはないようでした。

ヒートホークは握らせてもハンドパーツとの間にかなりの隙間ができるので、簡単に抜け落ちたり角度が変わったりします。保持が難しいので、ハンドパーツに詰め物をしたりして動かないようにポーズを取らせたほうが良さそうです。

シュツルム・ファウストもハンドパーツとの間に少し隙間がありますが、柄に凹凸があるのでうまく引っ掛けることで抜け落ちることなく保持することは可能です。

対艦ライフルは武器持ち手で保持。大柄でそれなりに重量もありますが、特に腕が垂れることなく保持させることができました。

フォアグリップを握らせての保持も問題なく可能。

多少肩の可動にぎこちなさがあったりしますが、うまく可動のコツをつかめば対艦ライフルを構えるようなポーズもラクに再現することができます。

上部にグリップがあるので、対艦ライフルを立てた状態でも保持させることができます。グリップとハンドパーツとの間に隙間があって角度が変わりやすいので、うまく接地させて引っ掛けるようにディスプレイさせています。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。このゴーストファイターらしい独特のレトロ感や闇感のある容姿がうまく再現されていますし、それによって何とも言えない味を感じることができます。設定背景も手伝ってか、どこか哀愁を感じますし、ヅダにしか出せない魅力を持ったキットになっていますね。

気になる点は、ヒートホークなど武器の柄とハンドパーツとの間に差があり、武装類がクルッと回転したりスルッと移動したりしやすいので注意が必要です。あと頭部モノアイの可動用レバーが少し動かしにくいので注意。

可動に少しぎこちなさは感じるものの、それによって試作機らしい動きを表現することができますし、武装類が豊富に付属しているのでポージングバリエーションも多彩。劇中では使用しませんでしたが、対艦ライフルによるダイナミックな射撃シーンや、劇中でジムにスピードで競り勝った感慨深いシーンを再現するなど、作品を見直しながら楽しむのもいいキットですね。

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