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HG ガンダムルブリス レビュー

今回は、HG 1/144 XGF-02 ガンダムルブリスのレビューをご紹介します!

HG ガンダムルブリスは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の前日譚「PROLOGUE」に登場するMS『ガンダムルブリス』の1/144スケールモデルキットです。試作MSの近未来的容姿を新規造形で再現。クリア成型色やインモールド成形、ダブルサイドシールといった技術を凝縮し、作りやすさにもこだわったキットになっています。シールドは7個のビットステイヴに分離し、バックパックへの接続やダイナミックなガンビット展開が可能。価格は1,760円(税込み)です。

オックス・アース・コーポレーションが開発し、ヴァナディース機関のエルノラ・サマヤがテストパイロットを務める「GUND-ARM」試作型MS『ガンダムルブリス』がHGでキット化。近未来的な機体形状と、ホワイトとピンクのカラーリングが印象的なキットになっています。

成型色はホワイトをベースに、各部にピンクを配色。その他、額のシェルユニットはクリアブラック成型色パーツでの再現です。

シールは特徴的な発光表現が再現されたダブルサイドシールが付属。頭部や胸部シェルユニットの発光状態と非発光状態、腹部丸モールド、膝装甲の一部などを補いますが多くはありません。

ダブルサイドシールは表面印刷と裏面印刷の両方を含んだシールで、透明感と奥行きを演出してくれます。細部に塗装が必要ですが、大部分はパーツで色分けされているため、素組みでも十分な仕上がりになっています。少し剥がしにくいので注意。

胸部シェルユニットの発光状態を再現するクリアパーツ(インモールド成形パーツ)が付属。インモールド成形とは、フィルムに印刷された模様を、金型内に挟み込んで樹脂を射出し、絵柄を転写する成形方法です。表面は綺羅びやかな発光状態、裏面はシンプルに真っ黒な状態です。

パーツ一つ一つのプレス精度が高く、あり得ないような形状のパーツが多数付属しています。

ポリキャップは不使用。関節や内部パーツ、バックパック、武装類などは(パープル)グレー成型色のKPSで構成されています。シェルユニットパーツ(Eランナー)のみABS。関節強度はまずまず高めです。背部に大柄なバックパックを装備していますが、軽量なので後方に負荷はかからず、自立は安定しています。

コンポガンビットシールド 、レシーバーガン、ビームサーベル刃✕2、ビームブレイド用エフェクトパーツ、シールド用ジョイントパーツ、シェルユニットの選択式クリアパーツが付属。

頭部。左右2本のアンテナが特徴的。額にV字アンテナはなく、これまでのガンダムタイプとは異なる近未来的マシンのようなデザインで造形されています。額のシェルユニットは発光状態の再現はなく、シンプルなクリアブラック成型色パーツでの再現。こめかみのバルカンは赤く塗り分けが必要です。

合わせ目ができないパーツ構成。とさか前面のセンサーはグリーンのシールでの色分けです。

とさか前面のセンサーやツインアイはグリーン成型色パーツで色分けされ、センサー、ツインアイ共にその上からシールを貼るようになっています。

胸部、腹部。胸部はメカニカルなパーツ構成ながらも曲状で柔らかみのあるデザイン。胸上部のシェルユニットが特徴的に造形されています。左右の丸モールドによって目を光らせた表情ぽさがあるのも印象的。

胸部内部フレーム。肩部はボールジョイント接続で適度に可動します。

シェルユニットはインモールド成形パーツをそのまま使用した発光状態と、クリアパーツにダブルサイドシールを貼っての発光状態、非発光状態がチョイス可能です。首は前後などにスイング可能。

インモールド成形パーツは発光が綺羅びやかですが、ダブルサイドシールの場合は発光表現がやや弱め。ですがその分、少し奥で輝いているような表現になります。

腰部。複数の細かい装甲を組み合わせたような形状で、緻密さがありますが、フロントやリアアーマーのない軽装スタイル。リアアーマーはフレーム状の薄型装甲になっています。

股間部は特徴的な円形モールドが造形されています。特に可動ギミックはなし。リアアーマー裏には肉抜き穴です。肩部と股間部の接続穴はベギルベウとも幅が同じなので、関節を組み替えたりしてカスタマイズできるようです。脚の付け根は球状で、側面には色分けされた装甲が造形。

腰部のパーツ構成。

腕部。比較的ベーシックなデザインですが、要所要所に台形型モールドが造形されるなど、近未来的な印象も感じさせるデザインになっています。

二の腕はパーツによる色分けで合わせ目ができないパーツ構成。前腕もパーツが重なるように組み合わさるため、合わせ目はありません。

ショルダアーマーは軽装。前後の組み合わせですが、上部の合わせ目は段差モールド化されています。上部センサーはグリーンに塗り分けが必要。

ショルダーアーマーは上下し、側面の装甲も少し上下に可動します。

脚部は人体らしい、大腿部が太く裾が細身なタイプ。表面にはメカニカルなモールドが造形されています。膝の装甲の一部モールドはピンクのシールでの色分け。

脚部は簡易的な内部フレームが造形。大腿部のフレームは1個パーツ構成で形状がかなり緻密です。動力パイプなどもプレスで造形されているのが見事。

膝はENTRY GRADEなどで見られるヒンジ接続。

大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。内部フレームに外装を被せる仕様なので、合わせ目を消す場合は緻密な作業が必要。段落ちモールドを掘ったほうが良さそうです。膝から下は左右の組み合わせですが、後部の合わせ目は段落ちモールド化。膝関節の一部が肉抜きっぽいですね。

大腿部裏や膝にはバーニアが造形。膝の装甲は適度に可動します。

ソール部は軽装スタイル。鉄血のオルフェンズシリーズで見られるようなデザインになっています。足首関節はヒンジの受け口ですが、特殊で肉抜きっぽいデザインになっています。ヒンジ接続なので、足首のロール可動はありません。

足裏は肉抜き穴があります。つま先がボールジョイント接続、かかとがダボ接続で、つま先を反らせたり、ロールさせたりと各部が柔軟に可動します。

バックパックはガンビットやレシーバーガンマウント用のホルダーとして使用するため、一部が欠けたようなフレーム状のデザインになっています。

背部とは2ダボ接続。陸ジムのバックパックが取り付け出来たので、HGUCなどとも共通かと。裏面の一部は肉抜きっぽい作り。

上部のホルダーは左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化。側面のサーベルホルダーもボールジョイントでフレキシブルに可動。

下部のホルダーは1個パーツ構成で合わせ目はなし。

上部のホルダーは接続部がボールジョイントで適度に可動します。

下部のホルダーもアームや基部のボールジョイントによって適度に可動します。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムよりも若干大きめでHGとしては中間くらいのサイズ。ガンダムルブリスの頭頂高は18.0mです。

ガンダムシリーズの主なガンダム(HG RX-78-2ガンダムHG ZGMF-X10Aフリーダムガンダム)と並べて。かなり近未来的で丸みのあるデザインで、情報量も多く、歴代ガンダムの面影は全くないと言っていいくらいに違っています。

頭部の可動は、首が可動するので、顎引き、見上げる動きは共にある程度再現可能です。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。

頭部とショルダーアーマーが干渉しますが、腕はY字程度まで上げることができます。肘は1重関節でV字程度まで曲げることが可能。

肩は適度に前後スイングが可能。引き出しギミックにより、前方へは広めにスイングさせることができます。

胸部の付け根はボールジョイント接続ですが、上半身の前後スイングはあまり広くはないようです。

腰は干渉なく360度回転可能。バックパックを装備しても(少し干渉しますが)同じです。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。

腰アーマーがなく軽装なので、前後開脚はかなり幅広く展開させることができます。リアアーマーもほぼ干渉しません。

膝はヒンジ型の2重関節で深くまで曲げることが可能。

足首の前後可動はヒンジ接続で幅広く可動します。左右へも適度に可動。つま先自体はボールジョイントで可動域自体は広いですが、アンクルアーマーと干渉するのでこの程度。

大腿部のアーマーが干渉しますが、左右への開脚はある程度広めに展開します。

内股は幅広く可動しますが、がに股は大腿部が干渉するので45度程度まで。

立膝はかなりきれいな姿勢で再現することができます。

可動域の総括としては、各部とも最大限に可動するというわけではないですが、十分な可動域があるのでどんなポーズにも柔軟に対応してくれそうです。ぎこちなさもないのでポージングしやすそうですね。

レシーバーガン。ガンダムルブリスの遂行火器になります。連射性の高いビーム射撃が可能な他、巨大なビーム刃(ブレイドオン)、ビームブレイドとしての運用も可能とのこと。

左右と上下装甲パーツの組み合わせで、一部の合わせ目も段落ちモールド化。

センサーはグリーンのシールでの色分けです。

クリアブルー成型色のビームブレイド用のエフェクトパーツが付属。

エフェクトパーツはレシーバーガンに組み付け可能です。レシーバーガンへの組み付けは、上下の装甲を少し引き出して隙間を作り、砲口部分に差し込みます。差し込んだら上下の装甲を閉じます。

コンポガンビットシールド。次世代群体遠隔操作兵器システム「ガンビット」で構成されたシールドになります。

付属のジョイントパーツを組み付けることで、コンボガンビットシールドを前腕にマウントさせることができます。ジョイントパーツはT型ダボで、はめ込んでスライドさせることでロックがかかります。

シールドは7つのビットステイヴに分離可能。

ビットステイヴは各種とも合わせ目が出来ないパーツ構成。シールドの中心パーツはすべて2枚パーツ構成で合わせ目は段落ちや段差モールド化されています。

シールドの上部左右のビットステイヴは2個パーツ構成。

シールドの左右下部のビットステイヴは繋ぎ目がグレー成型色で、組み合わせてシールド化すると隠れて全体がホワイトで統一されます。

ビットステイヴの1基はリアアーマーにマウント可能。

中央のビットステイヴはレシーバーガンの前後にマウント可能。組み合わせることでガンビットライフルを再現することができます。こちらもレシーバーガンの上下装甲を引き出して組み付けます。

残りのビットステイヴやレシーバーガンを背部にマウントさせ、ビットオンフォーム(ビットステイヴをバックパックに接続し、機動性を向上させた形態)で。スピードの強化だけでなく、姿勢においてMSの域を超えた加速と制動が可能な仕様になっています。

一通り武装して。

関節強度が高く、組み合わせが固くもゆるくもなく丁度いいですし、ポロリも無いので取り扱いやすいです。表面装甲がメカニカル且つ繊細。

レシーバーガンはハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持可能。多少手首がゆるいですが、抜けてしまうことはないようです。

コンポガンビットシールドはジョイントパーツとシールドとの固定強度はそれほど高くないようですが、T字ダボで引っかかっているので外れることなく装備させることができます。見た目ほど重くはないですし、腕部の関節強度も高いので保持はラクです。

足首が柔軟に可動するので、接地時の安定性も高いです。

ビームサーベル刃は珍しいクリアブルー成型色での再現。柄はハンドパーツに隙間なく差し込めますが、凹凸が少なくストップがかからないので、手甲の組み合わせがヘタると抜け落ちる可能性も。

コンポガンビットシールドを分解し、ビットステイヴとして各部に組み付け。各部ともポロリなくしっかりと固定されています。レシーバーガンもスタイルが変わって大型ライフルに変化するなど表現力が高いです。

リアアーマーにマウントするビットステイヴは小型シールドとしても使用可能。

ビットステイヴに3.0mm穴などはないので、ファンネルのように展開状態を再現する場合はスタンドに付属するアームで挟むなどする必要があります。何かしら専用のディスプレイスタンドが立体化されるといいですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。歴代ガンダムの中でも特に秀でた未来的デザインですが、それが緻密でリアルに再現されていてディテールの細かさ、リアルさに驚かされますね。インサート成形も美し仕上がっていますし、パーツ一つ一つが複雑な形状にプレス造形されているため、無駄な組み立てが省かれているので組み立てやすいです。弄ってもパーツが分解しにくいような組み合わせ構造になっているのもいいですね。

気になる点は殆どないですが、ポリキャップが不使用で関節にヒンジ接続の箇所が多いため、経年で劣化すると関節がゆるくなってくる可能性はありそうです。たまに足首のヒンジが外れることがありました。あと、平手が付属するともっと表情が付いて良かったかと。

欠点を探すのが難しいくらいの仕上がりで、関節強度も高くポージングもかなりし易いです。ガンビットの組み換えなどギミックも幅広く楽しめるなど、最新の技術によって、高いクォリティで十分な満足度が得られるキットになっているのがいいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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2 件のコメントがあります。

  1. 匿名

    on 2022年8月7日 at 22:19 - 返信

    拝見させていただきました、レビューご苦労さまです。

    ひとつ気になった部分がありまして、「ダブルサイドシールは表面印刷と裏面印刷の両方を含んだシールで、透明感と奥行きを演出してくれます」とありますが、ザックリ言うと「裏面印刷のあるシールをクリアパーツの裏から貼るからパーツ厚さ分奥まって見える」というもので合っているでしょうか?

    • nori

      on 2022年8月9日 at 00:18 - 返信

      コメントありがとうございます!
      ご質問頂いた通り、シールを貼ることで「パーツの厚みで奥まって見える」ということで合っています。
      記事が分かりにくかったですね。失礼しました;

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