HG ジョーハウンド レビュー

今回は、2022年4月に発売されたHG 1/72 NA10/3 ジョーハウンドのレビューをご紹介します!

HG ジョーハウンドは、アニメ『境界戦機』に登場するAMAIM(アメイン)「NA10/3 ジョーハウンド」の1/72スケールモデルキットです。海老川兼武氏デザインの特徴的な機体形状を再現。頭部シャッターの開閉ギミック、グレネードやマガジンが着脱可能な専用ライフルが付属し、印象的なポージングが可能となっています。価格は2,640円(税込)です。

現用主力機のブレイディハウンドに比べて出力や機動力は劣るものの、頑強で高い耐久性を持つのが特徴。バランスに優れた汎用機で、長く主力機として運用され、多くのバリエーションが存在する北米同盟軍の旧式AMAIM「NA10/3 ジョーハウンド」がHGでキット化。

2022年1月に発売されたHG ブレイディハウンドからフレームや内部・関節パーツ、武装類を流用しつつ、ジョーハウンドの特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。

成型色はブラウンやサンドブラウンを基調に、内部フレームや関節、武装類にダークブラウンを配色。わずか3色で再現された、量産機らしいシンプルなカラーリングになっています。

ダークブラウンのフレームや関節パーツはKPS素材を採用。塗装時にクラックを起こす可能性のあるABSは使用されていないため、ラッカー系やエナメル系でも比較的安心して塗装できます。

ホイルシールが付属しますが、頭部の角型センサーとライフルのセンサーのみを補うようになっています。一部モールドを塗装する必要がありますが、素組みでもかなり設定に近いカラーリングに仕上がります。

ポリキャップは不使用。肘、膝ともにKPSとPSパーツによる構成で、関節強度はまずまず高めです。トップヘビーな機体デザインですが、特に負荷のかかる装備はありませんし、脚底もつま先と踵がしっかりと接地できるため、自立は安定しています。

■付属品

ライフル、握り手✕2が付属します。

■各部形状

HG ブレイディハウンドと比較しながら各部を見ていきます。

■頭部

頭部をブレイディハウンドと並べて比較。どちらも角型で頑強な造りですが、ブレイディハウンドが球型のセンサーを備えるのに対し、ジョーハウンドは角型センサーを備えるなど無骨さが強調されています。

メット部は前後の組み合わせですが、中央側面などの合わせ目はモールドとしておいても良さそうです。頭頂部の丸モールドにもマシン味が感じられて良いですね。

頭部底面にはセンサー可動用の2軸のスライドレバーがあり、中央で揃えることで角型センサーを中央に配置することができます。

また、2軸を揃えた状態で左右に可動させることで、角型センサーも左右に振ることが可能。細かな表情付けにも対応しています。ちなみに、角型センサーは2軸とは逆方向にスイングします。

さらに、2軸を外側に向けて個別に展開することで、センサーを閉じた駐機状態も再現可能。組み換えなしで細かな動きを表現できる、このギミックはかなり新鮮です。

頭部の付け根はロール可能。

■胴体部

胸部・腹部をブレイディハウンドと並べて比較。ブレイディハウンドが細身でスタイリッシュな印象なのに対し、ジョーハウンドはフレームが剥き出しで厚みがあり、重厚かつ無骨な雰囲気が強調されています。外装も最小限に抑えられており、旧式らしい印象を感じさせます。

両肩にはブレイディハウンドと同様、厚みのある装甲が造形。前面上部には牽引フックのようなモールドが造形され、下部には機銃を装備。ブラウンの外装は前後の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。内部フレームを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。

両肩装甲は胴体との接続部に可動ギミックがあり、前後や上下にスイングさせることができます。

腰部はブレイディハウンド以上に重機らしさが強く、工事車両を思わせる荒々しく無骨なデザインになっています。

フロントアーマーはヒンジ接続で適度に上下可動します。

リアアーマーはブレイディハウンドと同様、少し引き出すことで水平程度まで展開することができます。ヒンジ接続でいじっていると強度が弱まり、若干垂れやすくなるので注意です。

腰アーマー裏は各面にモールド入りの裏打ちパーツが造形されています。造形の質も高く、チラ見えした際にも見栄えするようデザインされています。

腰にはロールギミックがあり、展開することで脚部の可動域を広げることができます。やや簡易的でやっつけ感のあるギミックですが、それがかえって旧式機らしい雰囲気を感じさせて良いかも。

■腕部

腕部をブレイディハウンドと比較して。デザインはブレイディハウンドと似ていますが、肩部や前腕部などがやや太めに造形。重厚感を醸し出しています。

腕部は肩部と上腕部にのみ、簡単な内部フレームが造形されています。

上腕部は前後の組み合わせで、裏面の合わせ目はモールドっぽく造形。前腕は左右の組み合わせ箇所は合わせ目が段差モールド化。その他の箇所も合わせ目はありません。平手は独特の5本指ですが、人差し指と薬指で開き具合が異なるため、向きを間違えないように注意です。

ショルダーアーマーも合わせ目ができないパーツ構成。派手さはありませんが、厚みのある装甲が重厚感を醸し出しています。

■脚部

脚部をブレイディハウンドと並べて比較。フレーム、外装ともによく似ていますが、ジョーハウンドのほうがやや重厚。ブレイディハウンドのようなイエローの装甲はなく、ダークグレーのフレームのみで構成されています。後部アーマーもブレイディハウンドに比べ大型で、無骨さが強調されています。

脚部内部フレーム。

全体的に合わせ目は出来ないパーツ構成。膝から下のフレームが左右の組み合わせですが、後部中央の合わせ目はモールドっぽいですし、殆ど装甲で隠れるので目立ちません。

後部装甲は上下に可動。表情を変化させることができます。

膝は深くまで曲げることが可能。駐機状態で支えになる膝の装甲は適度に可動し、接地を安定させることができます。

ソール部をブレイディハウンドと比較して。こちらもデザインは似ていますが、ブレイディハウンドのつま先がクロー型なのに対し、ジョーハウンドは角型で重厚感があります。

足裏はスリットモールドのみのシンプルなデザイン。裏打ちパーツで蓋がされているため、肉抜きなどはありません。踵は可動式。足首は幅広く展開し、左右にロールが可能です。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2 ガンダム(リバイブ版)、HGUC νガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを比較。ジョーハウンドは1/72スケール、ガンダム2機は1/144スケールで単純な比較はできませんが、HGのキットの中では中間程度の大きさです。ちなみに、ジョーハウンドの全高は9.2m。

HG ブレイディハウンドHG ブレイディハウンド(ブラッド専用機)と並べて比較。成型色は通常のブレイディハウンドと同じですが、ブレイディハウンドはイエローの差し色がアクセントになっています。一方のジョーハウンドにイエローはなく、比較的地味なカラーリングで泥臭い雰囲気が強く感じられます。

HGメイレスケンブ斬、HGニュウレン、HGバンイップブーメランとも並べて比較。所属が異なるため、デザインやフォーマット、カラーリングにもそれぞれ違いがあります。ジョーハウンドは北米同盟の機体ということもあり、特に機械的な要素が強く、メカニカルな雰囲気が際立っています。

■各部可動域

頭部はボールジョイントで少し上下します。左右へは肩部装甲との隙間内で適度にスイング可能。

肩の可動ギミックも合わせることで、腕は水平以上に上げることができます。肘は1重関節で90度程度しか曲がらず。

肩は僅かにスイングする程度。前方へは少し広めにスイングします。

腹部可動ギミックにより、上半身は幅広く前後します。

腰は干渉なく360度回転可能。浮かせてディスプレイさせる場合は一般的なHGと同様、股間部に3.0mm軸を差し込みます。アクションベースやグッスマのスタンドなどに対応。

前後開脚は、前方は大腿部と腰部が干渉するため、少しだけ制限されますが、股間部やリアアーマーの展開ギミックによって広めに展開することができます。

膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。膝を曲げると外装の内側の抜けが見えるのはちょっと気になるところです。

足首は歪なほど広く前後します。左右へも広くスイング可能。

左右への開脚は水平まで幅広く展開可能。サイドアーマーが干渉しなければもっと広く展開します。

足の付け根がロールするので、内股、ガニ股共に幅広く可動します。

立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、重厚な機体形状なため、部分的に干渉して可動が制限される箇所はあるものの、股間軸の展開や腹部、肩部などの可動ギミックによって各部が幅広く可動するようになっています。なので、構造上少しクセはありますが、躍動感あるポーズも十分に再現できそうですね。

■武装類

ライフル。北米同盟軍で正式採用されているAMAIM用のアサルトライフルです。汎用のため、北米同盟軍以外でも使用可能で、大型機関砲をAMAIMの手持ち武器として設計・製造したもので、軽量で取り回しの良さが利点となっているとのこと。ミリタリー調でデザイン性の高いライフルになっています。

砲身部分は左右の組み合わせですが、大部分の合わせ目は段落ちなどでモールド化。

銃口と銃身下部のグレネードランチャー口はしっかりと開口されています。グリップ上部の2口センサーはグリーンのシールでの色分けです。手前のトリガーガードに可動ギミックはありません。

下部のマガジンは脱着が可能。マガジンも簡単なモナカ割ながら、合わせ目は段落ちなどでモールド化されていて造りが良いです。

■ポージング

ライフルを装備して。

ライフルは握り手(ナックルモード)の手甲をスライドさせて穴を広げ、グリップを差し込んで保持します。

ややグリップが細身でハンドパーツから落としやすいので、手甲のスライドを戻しつつ、グリップを挟むようにして握らせると抜け落ちなくなって良さそうです。

重厚な割に腰はしっかりとロールしますし、腕も割と高く上げることができるので、そこそこ動きのある射撃ポーズが再現できます。頭部があまり左右に振れないので、その辺りは角型センサーの向きで照準を合わせる必要がありそうです。

独特なデザインの平手が付属するので、ライフルの銃身に手を添えるポーズも個性的な雰囲気が出て良いですね。

ライフルは銃身下部のグレネードランチャーは脱着が可能。軽装のライフルとしても使用することができます。下半身も割と柔軟に動くので、立膝をついての射撃ポーズも様になります。

うまくバランスを調整すれば、片足立ちも可能でした。走りながらの射撃するという躍動感あるポーズも十分に再現できます。

浮かせてディスプレイ。たしか劇中にはこのカラーリングのジョーハウンドは登場していないと思われるので、その分キットでしっかりと遊び、ジョーハウンドの魅力を体感してみるのも良いかと。

握り手(ナックルガード)のみでポーズを取らせれば、パンチを繰り出すなどの格闘ポーズも再現できそうです。

■駐機状態

駐機状態の再現は、頭部の角型センサーを閉じ、肘の角度を付けて少し前方に配置。膝は後方に深く曲げて膝をついておきます。

足首はしっかりと角度を付け、足の裏を接地して安定させます。これで駐機状態の完成です。

膝の装甲と脚底の接地によって、駐機状態でもバランスよく飾ることができます。正直あまり派手さはないですが、この地味で無骨さの塊のような佇まいが旧型機らしくて良いですね。

■ジョーハウンド(レジスタンスカスタム)

成形色は異なりますが、ショルダーアーマーと腰部のフロントアーマーを外せばジョーハウンド(レジスタンスカスタム)も再現できます。

レジスタンスカスタムは第4話で登場。回想シーンでは鉄塚ガシンの父「鉄塚イッシン」が搭乗し、アメインゴーストとの戦闘であえなく撃墜されています。HG アメインゴーストと組み合わせれば、無念の劇中シーンも再現することができます。

■アメインゴーストの腕部と比較

アメインゴーストの右腕部と並べて比較。ジョーハウンドを倒して腕部を奪ったという設定なだけに、カラーリングが異なるだけで腕部形状は全く同じ。

ストーリー上、レジスタンスカスタムが撃墜されているだけに切なさを感じますが、他機の腕部を奪って自分のものにするという設定には、カスタマイズ性の高さとともに熱さを感じます。なんとも不思議な感情に見舞われますね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。設定的にブレイディハウンドよりも出力や機動力で劣る旧式機ですが、長く主力機として運用された機体らしい、重厚かつ無骨な機体形状が魅力的で良いですね。ブラウンやサンドブラウンを基調とした地味なカラーリングにも渋みがありますし、フレームが剥き出しになったメカニカルなデザインがよくマッチしています。工事車両や重機を思わせる荒々しい造形もならではの格好良さがあります。

気になる点は殆どないですが、ブレイディハウンドなどと同様、ライフルのグリップがやや細身で保持がふらつきやすいです。なので手甲をストッパーにして支えるなど、きっちりと持たせたい場合はちょっとした工夫が必要です。

角型センサーもジョーハウンド独自の可動ギミックで表現性が高いですし、見た目によらずしっかりと動くので動きのあるポーズも十分に再現できます。武装類は少ないですが、一部装甲を外すことでレジスタンスカスタム仕様も再現できますし、意外にも遊べる、面白さ、魅力の詰まったキットになっているのが良いですね。

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執筆者:nori
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