ガンプラを数多く組み立てていくと、そのガンプラに改修したりメタルパーツを埋め込んだりしてオリジナリティを出したくなってきます。
改修として手を加えることは多いですが、その中でも比較的カンタンで多く行われているのが、メタルパーツの埋め込み、肉抜き穴埋め、スジボリなどです。
もちろんガンプラの種類や形状によって改修する内容は違ってきますが、今回はその中でも基本的な改修の方法をご紹介していきます。
■改修
まず改修のタイミングについてですが、一番いいのは仮組み後、ガンプラを分解した後が好ましいかと思われます。
なぜ改修がこのタイミングなのかというと、製作・塗装工程ではガンプラを分解した後に、パーツに付いている機械油や手脂、ヤスリかすなどをきれいに洗い流して塗料の食いつきを良くするための『パーツ洗浄』を行います。
改修時には多くのパーツを削ったり触ったりするので、ヤスリかすや手脂がたくさんつきます。これでは塗装に影響が出るので、パーツ洗浄の前に改修をしておこうというわけです。
ですが、改修はガンプラの製作・塗装の工程では必ずしも必要な作業ではありません。なので、もし改修が難しかったり、特にガンプラを改修する必要がないという場合には、改修作業は飛ばして、次の工程『ヤスリがけ・パーツ洗浄』の工程に移ります。
改修を施す場合は、仮組みをしている時にガンプラの特徴を掴み、少し形を変えたいところや気になるところ、手を加えたいところをイメージしておきます。そしてより良く見せるために、パーツを分解した後で改修作業をしていきます。
それではいくつか改修方法をご紹介していきます。
ガンプラの中で最も人気のあるガンダム系のキットには、もはやシンボル的な存在のV字アンテナが付いています。ですが最近のガンプラには、このV時アンテナで怪我をしないよう、先端を少し太めに加工してあるものが多いです。
HGシリーズでは特によく見られる加工ですが、このアンテナを鋭くしたほうが、ガンプラのかっこよさは増します。なので、アンテナを加工して、鋭くしてやります。
ガンプラの種類によってアンテナの形状は違いますが、基本的に成形の仕方は同じです。(画像のアンテナはHGガンダムアスタロトのアンテナです。)
まず、アンテナの不要な部分をニッパーでカットします。右のアンテナの黒く透けているところが切り取る箇所です。
HGガンダムアスタロトのアンテナは、赤◯のように切り取りやすいよう形どられたアンテナになっています。カットするときは切り取り過ぎないよう、少し余裕を残してカットしておきましょう。
先端をカットしたら、紙やすりでお好みの形に成形していきます。横だけでなく、裏表もよく確認して、何処から見てもキレイに見えるように削っていきます。
ガンプラには、パーツ同士を組合せた時にできる合わせ目があります。合わせ目が見えていると、いかにもプラモデルっぽく、完成した時のリアリティが薄まってしまいます。なので、できるだけ実物感を出すために、この『合わせ目を消す』という改修を行います。
まず、組み合わせた時に何処が合わさる部分なのかを確認しておきます。
この時、黄色の挿し込み棒のところを少しだけ短くしておくと、パーツ同士を噛みあわせた時に隙間がなくなり、深めにしっかりと組み合わさるようになります。(切り過ぎには注意です)
確認したら、プラモデル用の接着剤をたっぷりと塗っていきます。このMGフリーダムガンダムVer.2.0用の台座だと、画像の黄色いラインの部分にしっかりと接着剤を塗ります。反対側にもたっぷりと塗っておきます。
たっぷりと接着剤を塗ったら、パーツ同士を組み合わせます。この時、手に接着剤がつかないよう注意して組み合わせます。手についたまま作業を行っていると、他の箇所にも接着剤がついてしまい、さらにヤスリがけしたりしてキレイにしなければいけなくなり、手間がかかります。
この状態で乾かしておきます。1~2日程度置くという人もいますが、自分は数時間程度放置してヤスリがけをしています。(本当はもっと置いた方がいいかも^_^;)
洗濯バサミなどでしっかりと挟んでおくと、さらに組み合わせが深くなり、ヤスリがけした後キレイに仕上がります。もし組み合わせた時に接着剤が付いていないようなら、組み合わせた上からさらに接着剤を塗っておきます。
乾いたら紙やすり400番あたりでしっかりと表面を慣らし、仕上げに紙やすり1000番あたりで表面を滑らかにしておきます。ヤスリがけしてまだ溝が消えていないようなら、ポリパテなどで隙間を埋めてまた乾かします。
この時、まだ溝が残っているからといって、ムリに溝を消そうとヤスリがけしまくらないようにします。あまりヤスリがけし過ぎると部品の形が変わってしまいます。なので、ヤスリがけして溝が残っていたらパテで埋め、乾いてから紙やすりで表面をきれいにしてやりましょう。
最新ガンプラやMGといった少しお値段が高めのガンプラは、比較的合わせ目が出ないような組み立て方になっていることが多いですが、それでも中には合わせ目が目立つキットもあります。なので、少し気になるようなら、合わせ目を消しておきましょう。
サイズの小さいHGシリーズなどのガンプラの場合、パーツの裏側や側面などに大きく繰り抜かれたような穴があることがあります。この穴を通称『肉抜き穴』といい、ガンプラのランナーを製造する時に、パーツをかたどるため、仕方なくできる穴のことです。
このままでは見た目がブサイクな場合があるので、パテで埋めてこの穴を塞いでおきます。
使用するパテはエポキシパテという比較的粘土っぽいパテを使用します。色違いのパテを同量練り合わせることで徐々に硬化していきます。手に水をつけながら作業すると手につきにくく成形しやすいので、比較的取り扱いやすいパテです。
プラモデル用のヘラなどに水をつけながら、パテを隙間なくしっかりと埋めておきます。画像右下のように、少し中心が盛り上がるように塗っておくと、ヤスリがけした後に凹みのない綺麗な表面に仕上がります。
こちらも数時間ほどで固まりますが、念のため1~2日程度置いて乾燥させておきます。乾いたらヤスリや紙やすりで表面をキレイに慣らしていきます。
最近のガンプラではボディの各箇所に細かく凹みやラインなどのモールドが入っていて、特に加工しなくてもすごく見栄えの良い完成度をしています。
ですが中には、表面に特にモールドがなく、ディティールが物足りないというガンプラもいくつかあります。少し物足りないというときには、スジボリをしてガンプラにラインを入れると、見た目が良くなることがあります。
スジボリにはBMCタガネとスジボリ用ガイドテープを使用します。BMCタガネは少しお値段が高めですが、スジボリをするには絶大の効果があります。
価格が高い分、それ相応の働きはしてくれます。品数が少ないので早めに入手しておくことと、刃先が欠けることが多いので数本まとめて購入しておいたほうがいいです。サイズは様々ですが、一般的なラインを引くなら0.2mmサイズのものでいいかと思います。
スジボリの方法は、まずスジボリしたい箇所に剥がれないよう、スジボリ用ガイドテープをしっかりと貼り付けます。そしてそのガイドテープに沿って力を入れずにうすーいラインを入れておきます。
この時、ラインが少しでもずれてしまうと、後で深く引くラインが全てずれてしまうので、最初のラインはずれないよう確実に真っ直ぐな線を入れていきます。
そして最初のラインを入れたら、そのラインに沿って力を入れずに何度もラインを引いていきます。
何度も繰り返すことで、深めのライン(スジ)になっていきます。もしラインがずれて汚くなったら、薄いラインのうちに紙やすりで削り、あとが残らないようにして再びスジボリをしていきます。
曲線の場合は、ガイドテープを曲線状にカットして貼り付け、スジボリをしていきます。
BMCタガネでラインを引いたら、スジボリをした箇所を紙やすりでキレイにしておきます。スジの溝に挟まった削りかすは、パーツ洗浄時にいらない歯ブラシなどできれいにしたり、綿棒で溝を掃除したりしておきます。
スジボリは自分の好みのラインを引いていく作業なので、どのようなラインを引いたらいいか想像できないという方もいらっしゃると思います。そういう時は、ヤフオクに出品されている作品を真似してみたり、スジボリ前に自分でガンプラに線を引いてラインを確認してみます。
ラインを引くのはシャーペンやコピックモデラーなど、簡単にラインを消すことができるペンを使います。指で拭き取ったりするとカンタンに消えるので、何度も消してラインを書きなおすことができて便利です。
メタルパーツをガンプラの各部に埋め込むと、精巧できらびやかなガンプラに仕上げることができます。それほど手間がかかる改修ではないので、比較的メタルパーツを埋め込んでいる方も多いです。
メタルパーツを埋め込むにはまず、メタルパーツが入るくらいの穴を開けておく必要があります。穴を開けたあとは、メタルパーツを埋め込む前に塗装やトップコートをする必要があるので、ここでは穴開け作業だけご紹介しておきます。
・マイナスモールドメタルパーツ埋め込み用の穴あけ
まず肩部や胸部などに埋め込むマイナスモールドですが、これを埋め込むために、ピンバイスで穴を開けておきます。大きさはマイナスのモールドメタルパーツのサイズに合わせて開けておきます。
画像上は、マイナスモールドを埋め込むため、ピンバイスで穴を開けた状態です。ピンバイスで穴がずれないよう、まっすぐ穴を開けていきます。
次に、これはお好みですが、ピンバイスで穴を開けたあと、表面が刺々しいようなら丸ビットで表面をクルッととなぞり、滑らかにしておきます。表面をなぞることで、メタルパーツを取り付けた時のディティールが少し良くなります。
・バーニア(ノズル)型メタルパーツの取り付け
バーニア(ノズル)型のメタルパーツにも種類がたくさんあり、取り付けるものによって取り付け方が違ってきます。一般的によく行われるのは、バーニアの内部に真鍮(しんちゅう)を挿し込み、その真鍮ごとバックパックなどの取り付け位置に接着するという方法です。
ヤフオクやネットの改修ページでも、比較的真鍮を使ったバーニア型メタルパーツの取り付けが多いので、その取付方法をご紹介しておきます。
まず、バーニアのメタルパーツを取り付ける位置を確認しておきます。(画像左上)本来バーニアパーツを取り付けるための突起を切り取り、ピンバイスでちょうどいい大きさの穴を開けておきます。(画像右上と画像左下)
メタルパーツのバーニアを接着剤で取り付けて固定させます。(画像右下)メタルバーニアと真鍮は接着しておき、真鍮の長さが長い場合はペンチでカットして長さを調整しておきます。
メタルパーツにはこれらの他にも、動力パイプ型のものやアンテナシャフト型のもの、メタルボールといったメタルパーツがありますが、取り付け方も似たようなものです。お好みのアレンジで、メタルパーツによるディティールアップをしてみてくださいね。
以上です。改修はムリにする必要はない作業ですが、よりリアルで美しく仕上げたいならいろいろをチャレンジしてみるのもガンプラの楽しみのひとつです。
はじめは難しく、大変だと感じることも多いですが、少しずつ上達して、自分だけの素晴らしいガンプラに仕上げていきましょう。
■ガンプラの製作・塗装工程
ガンプラ製作・塗装方法 TOP
①箱の中身・ランナー・説明書などの確認
②素組み(パチ組み)・分解
③改修(メタルパーツ用の穴あけ・スジボリ・合せ目消し・肉抜き穴埋めなど)
④ヤスリがけ・パーツ洗浄
⑤マスキング・塗装
⑥スミ入れ・デカール貼り
⑦トップコート・仕上げ
⑧メタルパーツの取り付け
⑨組み立て
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ガンプラの製作・塗装工程④ ヤスリがけ・パーツ洗浄>>
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積みプラは罪 管理人様、いつも記事を楽しく読ませて頂いております!レビューを見て満足してしまい自身の積みが消化出来ません笑 オデッセイの制作をされるどの事でしたが、実車用のタッチアップペンで塗装などされて見ては如何でしょうか?これからもガンプラレビューや制作など楽しみながら見させて頂きますので、管理人様も楽しみながら制作&記事更新をお願い致します!
長太郎様 ガンダムブログ、とても参考にさせていただいております!MGEX ユニコーン、自分も楽しんで製作しようと思います(^^♪
おっさn様 いつも参考にさせていただいております
tak様 たくさんの画像ありがとうございます。ターンA,ターンXのブログともによかったです。
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長谷川 亮様 いつもサイトを楽しく読ませていただいております。これからも頑張ってください。
y nose様 分かりやすい記事をいつもありがとうございます。製作、購入時の参考にさせて頂いております。
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