今回は、PG 1/60 パーフェクトストライクガンダムのレビューをご紹介します!
PG パーフェクトストライクガンダムは、『機動戦士ガンダムSEED』より、MS「GAT-X105+AQM/E-YM1 パーフェクトストライクガンダム」の1/60スケールモデルキットです。特徴的な機体形状を最新フォーマットで再現。内部フレームにガンメタル、メッキ部にクロム表現、新規装甲の各所にエクストラフィニッシュパーツを採用するなど、洗練されたデザインで再現されたキットになっています。価格は27,500円(税込み)です。
※PGパーフェクトストライクガンダムは2記事に分けてレビューしていきます。今回はマルチプルアサルトストライカー装備状態を全身からと、ストライクガンダムの各部詳細、エールストライカーなどのレビューです。
『機動戦士ガンダムSEED(HDリマスター版)』にて、オーブ開放作戦時にムウ・ラ・フラガが搭乗し、M1アストレイやバスターガンダムと連携しつつ多数のストライクダガーを撃破した機体「GAT-X105+AQM/E-YM1 パーフェクトストライクガンダム」がパーフェクトグレードでキット化。
2004年11月に発売されたPGストライクガンダム(以下、旧キット※)、2005年6月に発売されたPGスカイグラスパー+エールストライカーをベースに、ストライクガンダムの頭部や各部装甲、エールストライカーの一部を新造。
更にソードストライカーやランチャーストライカーを新造し、エール、ソード、ランチャーの特性を併せ持つ試作型ストライカーパック「マルチプルアサルトストライカー」を装備したストライクガンダムになっています。
※PGパーフェクトストライクガンダムとPGストライクガンダムで異なりますが、ここでは分類しやすいよう、旧キットと呼称しています。
ストライクガンダム本体の成型色はホワイト、ブルー、レッドといったガンダムタイプ特有のカラーリングですが、関節などにメタリックグレー成形色、可動部のシャフトにメッキクロムパーツ、外装一部にエクストラフィニッシュのシルバーパーツが採用されるなど、全体的に上品な仕上がりになっています。
マルチプルアサルトストライカーもソードストライカーがブルー系、ランチャーストライカーがダークグリーン系で配色がカラフル。ホイルシールで色を補う箇所はなく、全てパーツによる細かな色分けが再現されています。
腰部や膝部にはダイカストパーツを組み込むようになっている他、ツインアイ発光用のLEDパーツ、電池金具といった特殊なパーツが付属しています。LEDユニットにボタン電池を組み込むため、組み立てにはプラスドライバーが必要です。
ポリキャップはランナーナンバーの「S」と「T」2枚を使用し、関節など各部に多数のポリキャップを内蔵します。関節強度は高め。パーフェクトストライクガンダムで追加されたランナーはタグに「P(PAなど)」が入っているので、説明書の組み立て方を見ればどこが新規パーツなのか分かります。
背部のマルチプルアサルトストライカーに重量があるため、後方にかなりの負荷がかかります。少し前傾姿勢にすることで自立は可能ですが、倒れやすいので台座を使ってディスプレイしたほうが良さそうです。付属の台座を使えば浮かせた状態や斜めの飛行状態でのディスプレイが可能です。
■付属品
ソードストライカーパック(バックパックと対艦刀、マイダスメッサー含む肩部装甲パーツ、パンツァーアイゼン)、ビームエフェクトパーツ各種(対艦刀用2種、マイダスメッサー用)、パンツァーアイゼン用ケーブルパーツ、パンツァーアイゼン組み換え用パーツが付属。
ランチャーストライカーパック(バックパックとアグニ、コンボウェポンポッド)が付属。
57mm高エネルギービームライフル、対ビームシールド、ビーム・サーベル刃✕2、バッテリーパック、握り手(左右)、アーマーシュナイダー✕2、ムウ・ラ・フラガフィギュアが付属。
ジョイントパーツ(ソードストライカー用、ランチャーストライカー用)、PGスカイグラスパー(別売り)用の各ストライカーパック接続用パーツ、腰の反り防止用パーツ(画像右下)が付属。
支柱の角度変更ができる台座が付属します。支柱の根元を外し、3箇所(赤矢印)のいずれかに差し替えることで角度調整が可能です。
その他、旧キットやPGスカイグラスパー用の余剰パーツが多数付属します。おそらく武装以外の内外パーツが一通り揃っているので、組み換えれば旧キットとして組むこともできそうですね。
専用のマーキングシールが付属します。
■各部形状
PGストライクガンダムの各部を見ていきます。
まずはマルチプルアサルトストライカーを外し、ストライクガンダム本体のみで全身から。
HGやMGよりも若干マッシブ感が強い気がしますが、全体的にバランスの良いプロポーションで造形されています。ストライクガンダム単体のみだとラクに自立が可能です。
■頭部
頭部は旧キットからV字の白いアンテナと外装各部が新造。新規外装パーツは各部に細かいモールドが入っているため、全体的にメカニカルさが際立つようになっています。左右のイーゲルシュテルン(自動バルカン砲)はエクストラフィニッシュパーツでリアルに再現。
頭部内部にはメカニカルな内部フレームが再現されています。
頭部内部にはLEDユニットが収納可能。スイッチのON、OFFによってツインアイを点灯させることができます。
LEDユニットは完成品ではなく、金具パーツやLEDパーツ(黄)を交えて組み立てるタイプ。点灯させるには別途ボタン電池CR1220(別売り)一個が必要です。後頭部のレバーを横にスライドさせて点灯させます。
LEDユニットを点灯させた状態。ツインアイやとさかセンサーにはモールドが入っているので、発光させることでアニメ劇中のアップシーンのようなメカニカルな表情を演出することができます。
■胴体部
胸部・腹部。大部分は旧キットと同じですが、胸板の装甲がモールド入りのものに変更され、一部がエクストラフィニッシュパーツで構成されています。
胸部内部フレーム。こちらもシルバーメッキのシャフトやメカニカルな内部フレームが造形されています。
胸板の装甲は手前にスライド可能。一部の内部フレームが露出します。スライドが固めなので可動時の破損には注意が必要です。(個体差があるかも。)腹部コックピットハッチは上下に開閉可能。
内部のモニターも上下に細かく可動するようになっています。
コックピットにはムウ・ラ・フラガのパイロットスーツ姿のフィギュアが内蔵されています。
脇や腹部側面にシリンダーシャフトが造形され、腕上げや腹部を反らせることで伸縮します。
腰部。フロントアーマーの一部にエクストラフィニッシュパーツが採用され、外装パーツもモールド入りのパーツが新造されています。サイドアーマーの装甲もモールド入りパーツが新造。
腰アーマーは左右の内部フレームが柔軟に可動します。
腰アーマー裏は各部ともメカニカルな裏打ちパーツが造形。各部を塗り分けたりするともっと見栄えが良くなりそうですね。
股間部には脚部の可動域を広げるためのスライドギミックが内蔵されています。下部のストッパーを展開し、股間部のダイカストパーツを前方にスライド。ストッパーを元に戻して固定します。
その他、リアアーマーのジョイント基部なども展開可能。
サイドアーマーは装甲が展開可能。内部にはアーマーシュナイダーが内蔵されています。フロントアーマーの付け根も細かく可動します。
アーマーシュナイダー。多重構造ランナーによる1個パーツ構成なので組み立ては不要です。刃の部分は折りたたみが可能。
その他、ハンドパーツ(エモーションマニピュレーター)やツインアイパーツも多重構造になっています。
■腕部
腕部。外装各部のパーツ分割が細かいですし、部分的に内部フレームが露出するなど情報量は多め。旧キットから上腕や前腕の外装がエクストラフィニッシュパーツを交えて新造されています。
腕部全体に内部フレームが造形。
内外ともに細かくパーツ分けされているので、合わせ目などはありません。ハンドパーツは5指第3関節まで可動するリアルなエモーションマニピュレーターが採用されています。
腕部は肘を深く曲げることができ、可動に合わせて上腕の外装がスライドします。前腕はエクストラフィニッシュパーツが追加されたことで、旧キットに比べてやや可動が制限されてしまっている印象も。
肘はマウントラッチを展開させることで、シールドやパンツァーアイゼンが装備可能。
肘は少しロールします。
ショルダーアーマーは前後のラインモールドパーツ(表面装甲の裏打ちパーツ)がエクストラフィニッシュパーツに変更されています。それ以外は旧キットと同じ。
側面の白い装甲をスライドさせることで上部のフレーム(マウントラッチ)が展開可能です。内部はカバーを外すことでジョイントパーツ接続穴が露出。
前後の装甲を展開させることで内部フレームが露出します。側面の装甲も展開可能など、各部に細かいギミックが搭載されています。
■脚部
脚部。ややマッシブ感あるデザインで、複数パーツによるメカニカルな脚部形状が再現されています。旧キットから大腿部後部や膝周りの外装が新造されています。
脚部内部フレーム。多数パーツの組み合わせで、PGならではの可動ギミックやメカニカルなフレーム構造が再現されています。内部フレームも旧キットから大腿部内部と膝のシルバー部分が新規パーツに変更。膝関節には金属のダイカストパーツを組み込むようになっています。
足首や膝は深く曲げることが可能。大腿部も内部フレームがスライドする構造になっています。
足首を左右に傾けることで、スネ左右のフレームも合わせて上下にスライドします。
ふくらはぎ左右の装甲は展開可能。後部の小型スラスターなど各部装甲も展開させることができます。細かなギミックが多数。
ソール部。こちらは旧キットから変わらず。モールドは比較的少なめのシンプルなデザインになっています。アンクルアーマーだけエクストラフィニッシュパーツを使ったものに変更。足裏のモールドは内部フレームとの兼ね合いで細かく色分けされています。つま先は上下に可動。
足首も前面のシャフトが伸縮し、後部アキレスも複数パーツで伸縮の動きに対応する構造になっています。
マルチプルアサルトストライカーは背部の角型ハッチを開き、エールストライカーのダボを差し込んで固定します。ダボが長めなので抜け落ちることなくしっかりと装備させることができます。
背部のフレームも展開が可能。
■他キットとの比較
PGガンダムエクシア、PGフェネクス、HG陸戦型ジムと並べて。フェネクスは頭一つ抜けていますが、エクシアなど他のPGに比べてそんなに差はないですね。全高はHGの2.5倍程度です。
■各部可動域
頭部の可動は、顎を引く動きは干渉で制限されますが、上向きには広く可動します。左右へは干渉なくスムーズに可動。
腕もY字程度にまで高く上げることが可能。肘も2重関節で深くまで曲げることができます。
肩はわずかに前後する程度。
上半身は適度に前後スイングが可能。左右へもスイングさせることができます。
アーマー類が干渉するため、腰はわずかにひねる程度。股間部のカバーをスライドさせることで台座接続用の角穴が露出。付属台座の支柱を組み付けることで、キットを浮かせてディスプレイさせることができます。
脚部は幅広く前後開脚させることができます。腰アーマー類も可動範囲が広いのであまり干渉しません。
足首は前後、左右ともそれなりといった感じ。
左右への開脚は水平程度にまで広く展開させることができます。サイドアーマーも干渉なく展開可能。
内股は45度程度までと制限されます。がに股は大腿部が干渉しやすいですが、避けるようにすれば水平程度まで展開が可能です。
股間部の可動ギミックにより、立膝は深くきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、肩の前後スイングや足首の可動など、部分的に可動が制限されるところもありますが、全体的には複数パーツの組み合わせギミックによって幅広く可動するようになっています。立膝や躍動感あるポーズも再現できるのでアクション性は高そう。重量がありますが、取り扱いに注意すればある程度幅のあるポージングが再現できそうです。
■エールストライカー
エールストライカー。大型可変翼と4基の高出力スラスターを持つ高機動戦闘用ストライカーパックです。(アクションベースのコの字パーツで挟んで単体ディスプレイさせています。)
前面のダクトや後部のスラスター口は赤いパーツでの色分け。サーベルホルダーは付け根ボールジョイントで前後などに可動します。
大翼はブラックとレッド成型色パーツで構成されています。表面にはスリットモールドが入っていてメカニカル感が強め。
大翼のフラップは上下に可動します。
先端はナビゲーションライトがクリアパーツで再現されています。左右をクリアグリーン、クリアレッドなどに塗り分けても面白そうですね。
下部の高出力スラスターもパーツによって細かく造形されています。中間部(赤矢印部分)は内部フレームが露出した状態ですが、その付け根が外れやすいので注意です。スラスターの角度を変えていると外れるかも。
後部のスラスターは内部がメカニカルに造形され、手前の3枚フィンも可動します。
下部のスラスターも内部構造がリアルに造形。上下の小翼は内部が別パーツで色分けされています。
ウイングは上下にスイング可能。
ウイングは付け根を引き出すことでロックが解除されます。
ロックを解除することで上下や回転など幅広く可動させることができます。
エールストライカーの基部は少し上下スイングが可能。
下部スラスターの付け根も可動し、スラスターを上下に可動させることができます。
■武装類
対ビームシールド。肉厚で存在感のあるシールドになっています。各部ともパーツで色分けされるなどリアルに造形。特に新造箇所はありません。旧キットに付属するものと同じです。裏面も細かく造形されています。
グリップの付け根は上下にスライド可能。グリップ自体も展開が可能です。
前腕へのジョイントパーツは展開可能。付け根もロールします。ジョイントパーツはパンツァーアイゼンとの組み換え式なので、パンツァーアイゼンかシールドかどちらかを選択することができます。
のぞき窓はクリアーパーツでの再現で、レバーを上下にスライドさせることで開閉を再現することができます。
シールドは肘のマウントラッチを展開して取り付け、
マウントラッチを閉じたあとでシールドを閉じて固定します。マウントラッチとシールド基部によってガッチリと固定されるのがいいですね。
57mm高エネルギービームライフル。複数パーツの組み合わせですが、比較的シンプルな作りになっています。
左右挟み込み箇所があり、上下に部分的に合わせ目ができます。
センサーはクリアーブルーパーツでの色分け。フォアグリップは左右に可動します。
側面のジョイントを展開することで、ビームライフルをリアアーマーにマウントさせることができます。
手のひらダボとエモーションマニピュレーターで掴んで保持させます。多少手のひらタボが浅めで抜けやすいですが、保持も難しくなく、適度に握らせることができます。ライフルの重量でやや手首が垂れることがあるので注意です。(個体差あり。)
■ポージング
57mm高エネルギービームライフルと対ビームシールド、エールストライカーを装備してエールストライクガンダムに。エールストライカーに重量があるため、少し前傾姿勢にはなりますが自立は可能です。
1/60サイズの大型キットなので、シンプルな装備でもかなりの存在感や重量感を味わうことができます。各部モールドのシャープさもHGなどとは違っていてかなりリアルです。
股間部のストッパーが外れやすく、股間部ダイキャストの位置がスライドしやすいので注意です。脚を動かすときは股のストッパーを押さえながら動かしたほうが良さそうです。
支柱角度が変えられるので、フライトポーズなど、割と躍動感ある演出ができるようになっています。
ビーム・ライフルの両手持ちも特に難しくはなかったです。
ビームサーベルも手のひらダボで固定するので、ぽろりなどもなく保持がし易いです。特にポージングに影響はないですね。ビーム刃はクリアピンク成形色での再現。
無装備のストライクガンダムだと外装のぽろりや関節が抜けることもなく、ラクにポーズさせることができます。アーマーシュナイダーもエモーションマニピュレーターで握らせることでラクに保持できました。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。PGならではの細かいパーツ構成でリアルに造形されていると思います。可動箇所も多くギミックも豊富で、各部を組んだり見たりするだけで十分に楽しめるくらいの規模を持ったキットになっていますね。いつものことながら、PGを組んだ後はそのサイズ感や造形の質の高さ、スゴさに圧倒されました。
外装のぽろりもほとんどないので割とガシガシ動かせるのも魅力的。ただ、股間部のストッパーがやや弱いので、脚を動かしているとストッパーが外れて脚の角度が変わることがあるので注意です。場合によってはストッパーを抑えながら脚を動かす必要があるかも。
可動域はHGやMG以上のものがあり、人体に近いポーズが再現できますし、プロポーションもPGならではのバランスの良さがあります。新造された外装は情報量が多い作りになっていたりと、PGでしか味わえない魅力が詰まっているのがいいですね。
続きマルチプルアサルトストライカー他(ソードストライクガンダム、ランチャーストライクガンダム、パーフェクトストライクガンダムなど)のレビューは以下のリンクからどうぞ。
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2 件のコメントがあります。
ヒオス
on 2020年2月27日 at 21:14 -
はじめまして
私もパーフェクトストライク買いましたよ。
残念ポイントはエールストライカーの主翼がMGみたいにスライドしてランチャー・ソードの接続部が隠せないこと。
それ以外は完璧ですね。
nori
on 2020年3月7日 at 10:01 -
コメントありがとうございます!
さすがのPGってところで、やっぱりスゴイキットですね^_^
個人的にも大満足でした!