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HG ザウォート レビュー

今回は、HG 1/144 F/D-19 ザウォートのレビューをご紹介します!

HG ザウォートは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『F/D-19 ザウォート』の1/144スケールモデルキットです。ペイル社製MSの特徴的な機体形状を新規造形で再現。後ハメ構造により組立てやすさが考慮されたキットになっています。ボールジョイント接続による頭部腰部可動ギミックの他、ビームサーベルのグリップ格納ギミックも搭載。価格は1,760円(税込み)です。

主に中~長距離範囲を想定して作られたペイル社製の汎用量産機で、劇中では地球寮に数機が提供。シャディク・ゼネリ率いるグラスレー寮の面々と決闘を繰り広げたMS『ザウォート』がHGでキット化。厚みのある胸部装甲や航続距離の増加を重視した背部ベクタードブースターなど、印象的な装備を持つキットになっています。

成型色は淡めのグリーンをベースに、腰部や膝部、ソールなどにダークブルー、頭部や肩部、肘膝関節などにグレーを配色したミリタリー調の量産機カラー。その他、頭部バイザーはクリアオレンジ、ビームガンはダークグレー成型色での再現です。

シールは付属せず。ベクタードブースターの噴射口などを塗り分ける必要がありますが、ほぼパーツで色分けされているので素組みするだけで設定通りの色分けに仕上がります。

内外パーツそれぞれにKPSっぽいマットな質感の素材が使用されています。ABSは不使用。

ポリキャップは不使用。関節もKPSパーツ構成で強度が高め。背部にベクタードブースターを装備していますが、軽量なので負荷はかからず、自立は安定しています。

ビームガン、ビームサーベル刃✕2が付属。

頭部はクリアオレンジのバイザーと額の一本ツノが印象的。軽装ながらも多数パーツの組み合わせで造りが細かく、合わせ目も出来ない構造になっています。クリアオレンジパーツはブラックライトで照らしても発光はせず。

クリアパーツ内部にはモノアイのようなモールドが造形。

胸部は厚みのある装甲でボリューム感があります。内部フレームに外装を被せていく構造でHGらしからぬ緻密さがありますね。量産機ながらも作りに落ち度は見られません。

腰部は小型で胸部とは対象的。前後アーマーも小型で軽装ですが、そのぶん股間部が柔軟に可動するようになっています。

胴体部は胸部と腰部に内部フレームが造形。

肩部は左右に展開可能。首もボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。

腹部がボールジョイント軸接続なのと、腰部側に前後スイングギミックがあるので上半身を幅広く前後させることができます。

フロントアーマーはヒンジ接続で上下にスイング可能。ただし腹部を反らせて干渉を避けています。

腰アーマー裏は簡易的な作り。

腕部は全体的に細身で軽装。肘関節も円形状で印象的にデザインされています。

前腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も簡単なフレームに外装を組み付けていく構造で合わせ目は肘関節側に少しできるかなという程度です。モールドとしておいても良さそうですね。

肘関節はヒンジ接続。組み立て直後の関節強度は高めですが、経年でヘタれる可能性はあります。ただ、最近はそういった部分もしっかりと考慮されているようなのでそこまでのヘタレはないのかなと。

前腕後部のサーベル柄は脱着可能。付属のビームサーベル刃を組み付けることで武器として使用することができます。接続箇所に可動ギミックはないので、無理やり取り外してダボを折ってしまわないように注意です。

肩部に防御用の装甲はなく軽装。合わせ目の出来ないパーツ構成で落ち度は見られません。

脚部は派手さはないですが適度にゴツみがあります。膝の装甲やスネのトリゴナルスラスターなどもパーツできっちりと色分けされています。

脚部には簡単な内部フレームが構成されています。ただし膝関節は簡単な組み合わせで固定されてはいないので注意。

大腿部は内部フレームに左右と前面から外装を被せる構造で後部の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下もパーツを細かく組み合わせる構造で合わせ目はモールド化されています。

後部のトリゴナルスラスター内部にはメカニカルなモールドが造形。足首は前後スイングやボールジョイントで広めに可動するようになっています。

ソールはシャープでシンプルなハイヒール型。ですが足裏もパーツで色分けされていますし、肉抜き穴などもなく安定した作りになっています。つま先は角度変更が可能。

足首は前後にスイング可能。アンクルアーマーは少し外れやすいので注意です。

背部には重機的で厚みのあるバックパックが造形。左右には縦長のベクタードブースターを装備しています。

バックパック下部は曲状の装甲や三角型トリゴナルスラスターが別パーツでの色分けとなっています。

ベクタードブースターは簡単な3個パーツ構成。基部は2枚重ねですが、側面の合わせ目はきっちりと段落ちモールド化されています。

噴射口内部はグレーに塗り分けが必要。

5つダボ接続で胸部と一体になっているため、バックパックの脱着は不可となっています。ベクタードブースターは簡単な1ダボ接続ですが、干渉がないので幅広く上下させることができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムよりもわずかに大きいかなという程度で特別大きくはありません。ザウォートの全高は18.2m。

HGガンダムファラクトと並べて。同じペイル社製MSなので四肢や腰部などの装甲形状は似ていますが、背部のシルエットなどはかなり違っています。特に流用パーツなどもありません。

劇中でチーム編成を組んだHGガンダムエアリアルHGデミトレーナー チュチュ専用機とも並べて。

頭部は胴体部に埋め込まれたような構造ですが、以外にも適度に上下させることができますし、左右への可動も干渉なくスムーズにスイングします。

腕は水平程度まで上げることが可能。肘は1重関節でV字程度まで曲がります。

肩は胴体側の可動ギミックによって適度に前後スイングが可能。特に前方へは引き出しギミックでより幅広くスイングさせることができます。

上半身は腰部ボールジョイントや腰の可動で広めに前後させることができます。

左右へも適度にスイング可能。

腰は干渉なく360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイ。

腰部が軽装なので、前後開脚は干渉なく幅広く展開させることができます。

膝は1重関節でくの字程度まで曲がります。膝装甲裏に裏打ちパーツはなし。

足首はボールジョイントやスイング機構によってかなり幅広く前後させることができます。左右へも広めに前後させることが可能。

左右への開脚は水平まではいきませんが広めに展開させることができます。

内股は大腿部が干渉するので45度程度まで。がに股は水平以上に幅広く可動させることができます。

立膝もきれいな姿勢でしかも干渉なくスムーズに再現することができました。

可動域の総括としては、飛び抜けて広く可動するわけではないですが、全体的に柔軟に可動するのでポージングの自由度は高そうです。胸部などは厚みがありながらも、各部とも動く構造になっているので安心して取り扱うことができます。

ビームガン。標準的な携行火器になります。短銃身構造ながらもビーム収束効力に優れ、長距離射撃にも対応。特徴的なデザインは飛行時の空力を考慮し、流線型状が採用されているとのことです。

銃身部は左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。後部のマガジンは脱着が可能。

マガジンの内側には何気に弾頭(薬莢?)のモールドも造形されるなど作りが細かいです。

グリップの付け根部分は展開可能。なので手甲パーツを外すことなく保持させることができます。

ビームガンを装備して。

ビームガンはグリップ部分が可動するので抜けることなく保持させることができます。ふらつきもなく、構えるポーズもラクに再現可能。手甲パーツも特に分解することはありませんでした。

第5話冒頭ではエラン・ケレスが搭乗。3対1という不利な条件ながらも、このザウォートで危なげなく勝利しています。パイロットの技量もありますが、ザウォート自体の性能も高いようですね。

背部のベクタードブースターが上下に可動するので、劇中のようにフル活用して激しく移動するポーズも再現することができます。

ビームサーベルを装備して。柄に凹凸がないぶん上下に移動しやすいので注意です。ハンドパーツとの隙間がないので握らせたい位置で固定できますが、手甲が浮いたりすると移動しやすくなってビーム刃部分で止まることも。

ビームサーベル刃は蛍光のクリアグリーン成型色。ブラックライトで照らすと発光します。光の吸収力が高く鮮やかに発光してくれるのがいいですね。

グリグリ動かしても不自由な箇所がなく、固定強度も適度にあるのでサクサクっとポーズを取らせることができます。多少大腿部と腰部との干渉でぎこちなさがあるのと、それによって脚部たまに抜けるくらい。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。ミリタリー風のカラーリングとマットな質感の外装がとても良く、素組みするだけで十分な実機感を味わえるのがいいですね。効率的なパーツ構成で組み立てもカンタン。短時間でサクッと組み立てることができますし、間違えて組んでも分解がし易いです。それでいてポロリもなく関節強度もしっかりとある、ユーザビリティの高いキットになっているのがいいですね。

気になる点はあまりないですが、アンクルアーマーが少し外れやすいかなというのと、サーベル柄に凹凸がないのでハンドパーツから少し移動し易いですね。それと大腿部が腰部と干渉しやすく、グリグリ弄っていると上半身が抜けることがあるので注意です。

四肢などに余計な装甲がないので動かしやすく取り扱いやすいですし、可動箇所も多く柔軟に可動するのでそのぶんポージングの自由度も高いです。背部ベクタードブースターも背面や前方に展開することで表情もかなり変わってきますし、量産機にしておくにはもったいないくらいの魅力を持った侮れないキットになっているのがいいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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2 件のコメントがあります。

  1. 通りすがりのモデラー

    on 2023年2月17日 at 01:16 - 返信

    twfmの量産機キットって本当に傑作が多いよな…この前購入したデミトレの出来も文句なく素敵だが、今回のザウォートもまた一層進化したなっと、そう感じるね!

    • nori

      on 2023年2月21日 at 14:14 - 返信

      コメントありがとうございます!
      水星の魔女シリーズはどれもかなり完成度が高いですね!
      鉄血のオルフェンズシリーズは同じKPSでも関節が緩かったりと不満な箇所がありましたが、ガンプラ自体が近年一気に向上した感じがありますね!
      最近のキットは欠点を探すのが難しいくらいです!

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