今回は、HG 1/144 V03-0907 オルトリンデのレビューをご紹介します!
HG オルトリンデは、外伝『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場するMS『V03-0907 オルトリンデ』の1/144スケールモデルキットです。ヴァルキュリア・フレームに装着された各外装を新規造形で再現。連結状態と双剣状態のヴァルキュリアダブルブレードの他、左肩部に装備可能なシールドバインダーといった武装が再現されたキットになっています。価格は2,200円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
厄祭戦末期に開発されたヴァルキュリア・フレーム採用機で、厄祭戦時にナディラ家のガンダム・グレモリーと共闘したとされる機体であり、ジジル・ジジン搭乗機『V03-0907 オルトリンデ』がHGでキット化。
2016年2月に発売されたHGグリムゲルデのヴァルキュリア・フレームを流用しつつ、羽飾りを持つ狩人帽のような頭部やマントのような左肩シールドバインダーなど、騎士をイメージした特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。
「オルトリンデ」は歌劇『ニーベルングの指環』に登場するワルキューレの1人に由来。「剣の切っ先」という意味。
成型色はホワイトをベースに、上腕やスネ、ソールなどにシーグリーン、頭部や左肩の十字、ヴァルキュリアダブルブレードなどにイエローを配色。その他、内部・関節、ヴァルキュリアダブルブレードの一部などはダークグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部センサーを補うくらいでわずか。前腕のモールドや脹脛の動力パイプなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
ダークグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。左右非対称の容姿が印象的。これはダインスレイヴ運用機として設計されたMSであることに由来するとのこと。
ポリキャップはPC-002を肩、足の付根、足首などに使用しますが多くはありません。脚部が細身でハイヒール状のソールの接地面は小さいですが、負荷のかかるような装備は少く、関節強度も高いため自立は安定します。
ヴァルキュリアダブルブレード2本、ヴァルキュリアダブルブレード(連結状態)、平手(左)が付属。
HGグリムゲルデ用の余剰パーツがいくつか付属します。
説明書は白黒ですが、一般発売と同じく表紙と機体解説、武器解説などが掲載されていました。ありがたい配慮ですね。
内部ヴァルキュリア・フレームを全身から。頭部以外の内部フレームはグリムゲルデとほぼ同じ。全体的に細身でスタイリッシュなデザインになっています。
内部フレーム頭部。頭部はオルトリンデ用にすべて新造。バイザーはクリアブルー成型色での再現です。
内部フレーム胴体部。簡易的ですが、グレイズに通ずる腹部動力パイプや肩部構造などが印象的に造形。
腕部内部フレーム。細身で無駄のない作り。前腕はフレームがないので外装パーツを組み付けています。
脚部内部フレーム。こちらも細身でフレームらしいコンパクトなデザイン。
続いて外装パーツを組み付けた状態をHGグリムゲルデと比較しながら各部を見ていきます。
頭部。狩人のトンガリ帽子のようなデザインで、左側頭部の長いアンテナが印象的。フェイスも全体を覆う頭巾のようなマスクなど、各部にセンスを感じさせるデザインになっています。マスクのスリットは開口されていないので、黒く塗るなどする必要があります。
メット部は合わせ目が出来ないパーツ構成。表面には適度にモールドが造形されていてメカニカルです。
HGグリムゲルデの頭部と並べて。全くの別物。シルエットも大きく変化しています。
胸部・腹部。胸部にはシャープな装甲が造形。腹部はグリムゲルデと同様、ヴァルキュリア・フレームがそのまま露出した状態になります。首周りは全体を包むような襟装甲がデザインされていて特徴的。
首はポリキャップ接続でフレキシブルに可動。肩もポリキャップで上下へのスイング機構があります。
背部は左右に尖った装甲を装備。中央はヴァルキュリア・フレームのリアクターが露出した状態になります。
腰部は軽装ですが、サイドアーマーには長くシャープな装甲を装備。リアアーマーはグリムゲルデに似た縦長の装甲になります。部分的に丸モールドが造形されるなどデザインの質も高め。
腰アーマー裏は各面ともフレームのようなモールドが造形。内側を塗り分けたりすると雰囲気が出そうです。
右腕部。肩には平ら型のアーマーを装備。上腕以下はグリムゲルデに似たデザインで軽装です。前腕にはヴァルキュリアフレームの動力パイプが露出。動力パイプは白く塗り分けが必要です。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕はグリムゲルデは端に合わせ目ができる構造でしたが、このオルトリンデでは左右の組み合わせですが合わせ目は段差などでモールド化されています。
右肩のショルダーアーマーも合わせ目が出来ないパーツ構成。裏面は適度なモールドがデザインされています。
左腕部。大部分は右腕部と同じですが、前腕には厚みのある装甲を装備しています。
左肩部にはシャープで特徴的なシールドバインダーを装備。上腕以下は右腕部と同じです。シールドバインダーは微弱なエイハブ・ウェーブを感知するレーダーの役割を果たしたとのこと。
シールドバインダーは同型の尖ったアーマーを3枚ほど組み合わせた構造になっています。裏面にはダインスレイヴを使用していたとされる名残のようなジョイント穴が造形されています。ジョイントパーツは中央の少し太めのボールジョイント穴に接続するので、他のジョイント穴と組み替えることはできません。
左肩は右肩とは異なり、前後の十字マークがパーツで色分けされるなど特殊なデザインで造形されています。白い装甲は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。
シールドバインダーのジョイントパーツは多数パーツの組み合わせでロールや上下などフレキシブルに可動します。こちらも3.0mmのジョイント穴あり。
バインダー自体も多数の可動軸によって各部がフレキシブルに可動。表情を変化させることができます。
脚部。騎士の甲冑を思わせる造りで、メカニカルな膝装甲やシンプルな大腿部、スネ装甲など、ホワイトとシーグリーンのセンスあるデザインになっています。
大腿部は前面から外装を被せるタイプで裏面はかなり開いた状態。そのぶんフレームが目立つ構造になっています。膝から下も前面から外装を被せる構造で裏面はフレームの動力パイプが露出。動力パイプは白く塗り分けが必要です。
ソール部はハイヒール状で、つま先は上向きの尖った装甲が造形。つま先の装甲裏は肉抜き穴です。少し簡素な感じがなくもない・・・;
足裏は接地面が小さいながらも適度なモールドが造形。つま先は角度変更が可能です。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ルプスレクスと同サイズ程度で少し大きめ。頭部アンテナや肩のシールドバインダーがあるのでそのぶん大きく見えます。オルトリンデの全高は18.8m。
同フレーム機であるHGグリムゲルデと並べて。同フレームですが、ソールがハイヒール型なのでその分オルトリンデのほうが大きめ。それと外装全体が異なるため、かなり違って見えます。成型色が違うので雰囲気もだいぶ違っていますね。
劇中で交戦したHGガンダムアスタロトリナシメントと並べて。
頭部は適度に上下に可動。襟が干渉するので、見上げる動きはやや制限されます。左右へも顎が干渉しますが、少し浮かせることで水平にまでスイング可能。
腕は両肩とも同じでY字程度まで上げることが可能。肘は1重関節ですが、V字くらいに深くまで曲げることができます。
肩はボールジョイント接続で前後とも適度にスイング可能。
胸部のフレーム可動ギミックや腰のボールジョイントにより、上半身を適度に前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、腰回りが軽装なので前方へは干渉なく幅広く展開させることができます。後方はリアアーマーが干渉するのでやや制限されます。
膝は2重関節でコの字型に深く曲げることが出来ます。
足首は適度に前後スイングが可能。左右へは深くまで曲げることができます。
腰アーマーが干渉するので、左右への開脚はハの字程度までとやや制限されます。
大腿部と股間部が干渉するため、内股はわずかに可動する程度。ガニ股は幅広く展開させることができます。
大腿部のヒザ下の長さのバランスが良く、立膝はきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、特徴的な容姿をしていることもあり、多少干渉し易い箇所はあります。ですが全体的に可動域は広めなので、躍動感あるポーズも十分に再現出来そうです。
ヴァルキュリアダブルブレード(短剣)。程よく厚みのあるブレードで、内側には裏打ちパーツがきっちりと造形。シンプルながらも味のあるデザインになっています。2本とも形状は同じですが、刃の色味がイエローとホワイトで異なります。
内側の峰部分は展開可能。ヴァルキュリアダブルブレードはダインスレイヴの射出装置の一部を転用した武装とのことで、その名残を感じさせる作りになっています。
2本が連結した形のヴァルキュリアダブルブレード。短剣を組み合わせるのではなく、予め連結されたものが別途付属しています。造形や可動ギミックは短剣と同じ。
ヴァルキュリアダブルブレード(短剣)を装備して。
ヴァルキュリアダブルブレード(短剣)は柄をハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。特にダボなどの固定はないですが、柄がハンドパーツ穴と大きさが合っているので、スルッと移動することなく保持させることができます。
ヴァルキュリアダブルブレード(短剣)は軽装なので、特に腕への負荷はかかりません。取り回しがラクなので斬るようなポーズもラクに表現することができます。
ショルダーアーマーのヒンジ接続部など、肩周りが比較的外れやすいので注意です。
多少大腿部裏の隙間が気になりますが、背面のデザインもなかなか良いですね。
平手が付属するので、ポーズに柔らかい表情が付きます。ブレードに手を添えるようにしても良いですね。長めのサイドアーマーが干渉でポロリし易いので注意。
左肩のシールドバインダーがフレキシブルに可動するので、オルトリンデ本体を覆うようなポーズもできますし、ちらして華やかなポーズを取らせることもできます。自由な表情付けができるのが良いですね。
ヴァルキュリアダブルブレードを連結させて薙刀風に。両刃なので、短剣に比べてポーズにダイナミックさが出ます。
連結状態のヴァルキュリアダブルブレードも軽量なので、片手でもラクに保持することが可能。こちらもグリップが特に移動することはなく、クルッと反転することもなく保持することができました。
両手持ちは結構厳しめ。無理に持たせようとすると腰部や肩部などポロリが多くなるので注意です。片手で保持し、平手を添えるようにしたほうが自然な表情になるので良さそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。狩人のような容姿が個性的。それでいて白騎士のような雰囲気もありますし、独特で味のある機体形状がリアルに再現されています。どことなく月光仮面的な雰囲気があるのも面白いですね。可動も柔軟で躍動感あるポーズは十分に表現できますし、身軽なポーズを演出することができます。肩のシールドバインダーも刺々しく存在感があって格好良いですね。
気になる点はあまりないですが、ポーズをつけると腰回りや肩周りが干渉しやすく、ショルダーアーマーやサイドアーマーが外れやすいので注意です。それとヴァルキュリアダブルブレードが両手持ちできるくらい、肩に余裕があると良かったですね。
できれば厄祭戦時に使用されていたダインスレイヴもギミックなどがあると良かったですが、そのあたりはストーリーが進むに連れて違った別仕様が発表されることもあるかもです。がそれがなくても、ヴァルキュリアダブルブレードでも十分に迫力のあるポーズは再現できますし、表情付けは十分。劇中ではそんなに活躍シーンがなかったっぽいですが、それを払拭するぐらいのポージングを楽しむのも良いのではないでしょうか。
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3 件のコメントがあります。
774
on 2023年9月17日 at 01:20 -
マスクのスリットは開口されていないんですね。
ここは墨入れペン辺りで塗った方が良さそうです
nori
on 2023年9月17日 at 01:41 -
コメントありがとうございます!
仰るとおり、スリットは開口されていません。
なので塗装などが必要ですね;
アドバイス感謝ですm(_ _)m、記事にも追記しておきました!
匿名
on 2023年9月18日 at 14:42 -
オルトリンデかっこよすぎて終わったわ