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HGUC ジョニー・ライデン専用ザク レビュー

今回は、 2013年11月に発売されたHGUC 1/144 MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザクのレビューをご紹介します!

HGUC ジョニー・ライデン専用ザクは、『機動戦士ガンダム MSV』より、MS「MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザク」の1/144スケールモデルキットです。ジョニー・ライデン専用ザクを印象付ける真紅のカラーリング、特徴的なマーキング、こだわりの各所形状を再現。ジャイアントバズやザク・マシンガンといった各種武装が付属するキットになっています。価格は1,980円(税込み)です。

ジオン突撃機動軍の第2方面特務中隊に所属するジョニー・ライデン少佐専用の高機動型ザクⅡ(R-2型)で、『機動戦士ガンダムMSV』にて出典。『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』にも登場し、ア・バオア・クー防衛戦でも活躍を見せた機体「MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザク」がHGUCでキット化。

2013年2月に発売されたHGUC黒い三連星ザクの内外パーツを流用しつつ、ジョニー・ライデン専用ザク特有の真紅のカラーリングを成形色で、左肩のスパイクアーマーや脚部スラスターカバー、バックパックパーツなどが新規造形で再現されています。

成形色はレッドを基調に、胸部や脚甲、バックパックなど各部にブラック(ダークグレー)を配色。その他、左からのスパイクがイエロー成形色での再現となっています。

ホイルシールは頭部モノアイや前腕の丸モールド、バックパックモールド、ジャイアントバズのセンサーを補うくらいでわずか。アンテナ基部やバックパックのスラスター内部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。

殆どのパーツがPS素材。KPSは不使用です。ABSは使用されていないので、塗装、スミ入れする場合も破損やひび割れなどを気にする必要がなく、安心して取り組めそうです。

ポリキャップはPC-001を使用し、全身各部に組み込みます。肘や膝関節はポリキャップとPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。バックパック(ランドセル)はコンパクトで後方への負荷のかからないため、自立は安定しています。

■付属品

ジャイアント・バズ、ザク・バズーカ、ザク・マシンガン、ヒート・ホーク、予備のドラムマガジン、武器マウントラッチ、ハンドパーツ各種(武器持ち手:左右、穴なし握り手:左)が付属。

HGUC黒い三連星ザク用のパーツがいくつか余剰で付属します。脚部パーツがないので、R-1型として組むことはできません。

専用のマーキングシールが付属。ジオンのエンブレムやジョニー・ライデンの特徴である「RB」のマーキングも収録されています。ちなみに「RB」の意味は不明ですが、「真紅の稲妻(Red Blitz)」という説あり。

■各部形状

手持ちのHGUCシン・マツナガ専用ザク(R-1型)(以下、シン・マツナガ機)と一部形状を比較しながらHGUCジョニー・ライデン専用ザクの各部を見ていきます。

■頭部

頭部。ザク特有のヒトツメモノアイと動力パイプ、額の指揮官機用アンテナを持つシンプルなデザインで造形されています。メット部は特にモールドなどはなくフラットな状態。

アンテナにはモールドがデザインされていてメカニカルな雰囲気がありますが、余剰のアンテナと交換して違いを楽しんでみても良さそう。アンテナの付け根はグレーに塗り分けが必要です。

頭部裏にはレバーがあり、左右に動かすことでモノアイを左右に可動させることができます。メット部をバラすことなくモノアイが動かせるのは手間がなくて良いですね。

モノアイはモールドにピンクのシールを貼っての色分けです。

■胴体部

胴体部をシン・マツナガ機と並べて比較。ジョニー・ライデン専用ザクの形状自体は黒い三連星ザクと同じ。各部ともフラットな装甲で構成されています。一方のシン・マツナガ機はフロントアーマーにモールドが造形。

リアアーマーの形状は同じ。

首はボールジョイント型ポリキャップで柔軟に可動。肩もポリキャップにパーツを被せる構造で前方に展開します。オリジン版ザクのような胸部可動ギミックはありません。腰アーマー裏は各部ともフラットな状態でモールドはなし。動力パイプの干渉であまり展開ができないのはちょっと残念かも。

■腕部

腕部をシン・マツナガ機と並べて比較。こちらも形状自体は黒い三連星ザクと同じ。肩にLシールドを装備したタイプです。一方のシン・マツナガ機は肩にスリット入りのモールドがあります。

上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。前腕は赤い装甲、黒い装甲ともに左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。個体差かもですが、黒い装甲は裾の部分に組み合わせダボがなく、隙間が開きやすいので注意です。側面の丸モールドは赤いシールでの色分け。

L字シールドは1軸とボールジョイント型ポリキャップ接続で適度に可動。シールドは2枚パーツ構成で裏面はモールド入り。塗り分けると良い感じになりそうですね。

左肩のスパイクアーマーをシン・マツナガ機と比較。ジョニー・ライデン専用ザクはスパイクアーマーが新造。スパイクも長めのものが新造され、黄色く色分けされているのでインパクトがあります。

一方のシン・マツナガ機は黒い三連星ザクと同じ。スパイクが短く色分けもありません。

スパイクアーマーは、肩とは1軸とポリキャップ接続で幅広く展開させることができます。ロールも可能。可動が柔軟です。

■脚部

脚部をシン・マツナガ機と並べて比較。ジョニー・ライデン専用ザクは幅のあるスラスターカバーが新造。R-2型特有の形状で、脚部ユニットがカバーで覆い隠されています。一方のシン・マツナガ機も黒い三連星ザクとは異なり、後部タンクが円筒状ではなくボックスタイプに変更されています。

脚部は全体に簡単な内部フレームが造形。

スラスターカバーを外した状態。カバー内部には高機動型ザク特有の脚部ユニットがそのまま再現されています。ダボやダボ穴はあるものの、うまく利用すればカバーが破損して中身が見える状態も再現できそうですね。

大腿部は前後の組み合わせ、膝から下も前後の組み合わせ箇所があり、側面(膝から下は内側のみ)に合わせ目ができます。膝から分離しますが、合わせ目を消す場合は部分的に後ハメ加工は必要そうですね。

ソール部はザク特有の丸みのあるデザイン。脚甲にモールドなどはありません。足首は左右の組み合わせで合わせ目ができる仕様。上下への可動ギミックがあります。

スカートの内側には3基のバーニアが造形。内部は赤く塗り分ける必要があります。簡単な1軸接続なので1箇所が折れてしまい、接着剤で固定しました;脚裏はメカニカルなモールドが造形。肉抜き穴などもなく造りが丁寧です。中央のスラスター周りはグレーに塗り分けが必要。

■バックパック(ランドセル)

背部バックパック(ランドセル)をシン・マツナガ機と並べて比較。ジョニー・ライデン専用ザクのものはシン・マツナガ機、黒い三連星ザクとは少し形状が異なり、左右の装甲が新造されています。その他、ジョニー・ライデン専用ザクは角型スラスターふちのシールによる色分けがありません。各種とも角型スラスター内部は赤く塗り分けが必要。

高機動型ザク特有のメカニカルなバックパックで各部に細かなモールドが造形されています。下部のバーニアはボールジョイント型ポリキャップでフレキシブルに可動。

バックパックと本体とは2ダボ接続ですが、動力パイプで固定されていますし、中央のダボが干渉するので他のキットと交換することはできないようでした。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて比較。大きさはRX-78-2とほぼ同じ。HGとしては特別大きくはありません。通常サイズです。ジョニー・ライデン専用ザクの頭頂高は18.0m (17.5m説あり)です。

HGUCシン・マツナガ専用ザクと並べて比較。カラーリングが対象的な上、肩部や脚部の形状なども違っていてどちらにも個性があります。どちらも完成度が高いので特にリメイクの必要もなさそうですね。

HGUCシャア専用ザクⅡ(032)、リメイク版のHGUCシャア専用ザクと並べて比較。左から発売日順に並んでいますが、後発に従ってプロポーションがスタイリッシュになっていっている感じですね。

RGジョニー・ライデン専用ザクⅡと並べて比較。RGのほうが赤みが強く、各部にメカニカルなモールドが加えられています。ただしRGは内部フレームがアドバンスド・MS・ジョイントなので関節強度がかなり弱いです。飾るならRG、ポージングを楽しむならHGUCがおすすめ。

それとバックパック上部のフックがHGUCは中央、RGは左側となっています。設定ではフックは左側に配置されているのでRGが正しいです。

■各部可動域

ベースの黒い三連星ザクⅡとフォーマットは同じ。なので各部可動域もほぼ同じです。(ここでは同フォーマットであるHGUCシン・マツナガ専用ザクと比較しています。)

頭部は少し上下する程度。上半身は腰部の可動によって少し反らすことができます。右肩はシールドの関係で45度程度までしか上がりませんが、左肩はスパイクアーマーが可動するので水平程度まで上げることが可能。肘は1重関節で90度程度まで曲げられます。

腰は干渉や腹部動力パイプの影響で殆ど曲がりません。膝も1重関節で30度程度までしか曲がらず。なので立膝もきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。

左右への開脚は割と幅広く展開させることができます。足首は45度いかないくらい。

可動域の総括としては、左右への開脚幅が広いくらいで他は特別広くはありません。近年のキットと比べるとどうしても不十分に感じてしまうところもありますが、そんなに動かないわけでもないですし、適度にポージングは楽しめるかと。

■武装類

ジャイアント・バズ。一年戦争時に使用されたMSの携行用武装としては最大級の実体弾砲になります。一般的にドムやリックドムの代名詞になっていますが、口径や弾頭にいくつかのバリエーションがあり、他の機体も対艦戦闘などに多用したとのこと。

砲身部分は簡単な左右の組み合わせで上下や後部マガジン部に合わせ目ができます。

砲口下部のフックや側面のフォアグリップは可動式。表情を変化させたり、両手持ちする際に握らせやすくなっています。センサーは固定式で可動ギミックはありません。

センサーは内側に円筒パーツを埋め込むようになっているので、シールを貼らずに塗装しても良さそう。円筒パーツは一旦はめ込むとバラしにくいので仮組み時は注意です。

グリップは前後に可動。

RGのジャイアント・バズと並べて比較。RGは筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。その他、センサーがハッチ付きだったりと各部の造りが細かいです。

ザク・バズーカ。各種弾頭を射出する携行用のキャノン砲になります。基本的には対艦用だが、対MS兵器としても十分な攻撃力を発揮するとのこと。

こちらも砲身部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

フォアグリップは上下にスイング可能。こちらはセンサーも上下にスイングします。センサーに色分けシールはないので、塗装などで塗り分ける必要がありそうです。

グリップは前後にスイングします。

ザク・バズーカもRGのものと並べて。RGも一部に合わせ目ができますが、砲身には合わせ目がありません。HGUCも造りとしては十分。チープな感じはありません。

ザク・マシンガン。一年戦争初期から多用されたMS用のマシンガンになります。120mmの実体弾が射出可能。上部にはドラムマガジンを装備するなど、ミリタリー感あるデザインで造形されています。

砲身部分は左右の組み合わせ。上下に合わせ目ができますがあまり目立ちません。

フォアグリップは左右にスイング可能。センサーもヒンジ接続で上下に可動します。センサーは空洞なので、メタルパーツを埋め込むなどしてディテールアップしても面白そうですね。

RGのザク・マシンガンと並べて比較。RGのほうが若干小柄。保持した時の存在感はHGUCのほうがありそうです。

ヒート・ホーク。近接戦闘用の斬撃装備になります。使用時はブレード部分が赤熱化し、敵の装甲などが溶断可能。グレー成型色のみで構成されているので、柄の部分をパープル、刃の部分をイエローに塗り分けが必要です。

簡単な1個パーツ構成なので合わせ目はありません。肉抜き穴などもほぼなし。

ヒート・ホークは側面のリブによってサイドアーマーにマウントすることができます。固定強度はまずまずありますが、干渉などでたまに外れることがあるので注意です。ドラムマガジンもサイドアーマーにマウント可能。左右どちらでもマウントできます。

付属のマウントラッチをL字シールドに組み付けることで、ジャイアントバズ、ザク・バズーカ、ザク・マシンガン、ヒート・ホークをまとめてL字シールドにマウントさせることができます。

武装類はラッチに固定する際、フォアグリップなどを収納して干渉を避けるようにします。各武装ともしっかりと固定されるので簡単にはバラけません。まとめて装備できるので何かと便利。

一通り武装して。

右肩にすべての装備を組み付けるため、それなりに重量がかかりますが、肩が垂れたりすることはなかったです。肩関節のゆるいRGとは異なり、装備していてもしっかりと腕を上げることができます。

ジャイアント・バズやザク・マシンガンなど、武装各種は付属の武器持ち手を使用して保持します。グリップの左右両側ににダボがあるので、右手と左手、どちらの腕部でもしっかりとした保持が可能です。

手首ボールジョイントがやや抜けやすいので注意です。特にザク・マシンガンは後部ストックが前腕と干渉しやすく、手首が頻繁に抜けることがあるので注意です。

浮かせてディスプレイさせる場合は他のHGと同様、股間部に3.0mm軸を差し込んでディスプレイさせます。穴のサイズもちょうど良く、しっかりと固定できるのでキットがクルッと反転したりすることはありません。ディスプレイしやすいです。

平手が付属しないため、ジャイアント・バズの砲身などに手が添えられないのはちょっと残念かも。

ジャイアント・バズの両手持ちは問題なく再現できました。突っ張る感じもなく、割とゆったりと構えられます。ハンドパーツもフォアグリップに差し込むだけなので両手持ちポーズを取らせるのはラク。

ザク・バズーカも他と同僚、武器持ち手でグリップを挟んで保持します。手のひらとグリップはダボ固定なのでしっかりと保持させることができます。リアアーマーへのマウントギミックはありません。

ザク・バズーカは担ぐだけでなく脇に抱えることもできます。両手持ちももちろん可能。可動域はそんなに広くはないですが、まったくポーズが取らせられないわけでもなく、格好良いポーズも色々と再現できるのでポージングを楽しむには十分ですね。

ヒート・ホークは太い部分を握らせればスルッと抜けることはないですし、回転して角度が変わることもありません。ただ、ハンドパーツの組み付けが甘いと隙間ができ、たまに抜けることがあるので注意です。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。ジョニー・ライデン専用機らしい真紅のカラーリングがとても良いですね。存在感があってとても格好良いですし、スラスターカバーのレトロ加減がとても良く、ポージングさせることで素朴さ、メカニカルさ、重厚さ、懐かしさなどいろんな感情を思い起こさせてくれます。このHGUCでは割とスタイリッシュなプロポーションで造形されていますが、それでも十分にMSVの名残を感じることができますね。

気になる点はそんなにないですが、脚部のバーニアが簡単な1軸接続なので、力を加えると折れてしまう場合があるので注意です。(自分のは1箇所折れました;)各部の合わせ目や色分けは価格を考えると致し方ないところかと。

武装類も流用ではあるものの、多数付属しているのでポージングバリエーションが多く演出できますし、可動域もそこまで広くはないですが十分に動きのあるポーズが再現できます。これをベースにした高機動型ザクバリエーション機がキット化されないのが残念ですが、HGUC唯一のR-2型として、その容姿をしっかりと目に焼き付けておきたいですね。

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