今回は、2017年6月に発売されたHG 1/144 ガンダムダンタリオンのレビューをご紹介します!
HG ガンダムダンタリオンは、外伝『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場するMS『ガンダムダンタリオン』の1/144スケールモデルキットです。特徴的な機体デザインを新規パーツを用いて再現。Tブースター装備からハーフカウルT装備状態への換装が可能なユニットの他、ライフルモードからソードモードへの変形が可能なソードライフルが付属するキットになっています。価格は1,760円(税込み)です。
ザザ・フォッシルことザディエル・ザルムフォートのザルムフォート家の象徴搭乗機で、厄祭戦時に開発されたガンダム・フレーム採用機72体の1機『ガンダムダンタリオン』がHGでキット化。内部にHGガンダムバルバトス第6形態などと同じガンダムフレーム4を使用しつつ、特徴的な外装や背部Tブースターなどが新規造形で再現されています。
成型色はダンタリオン本体(ネイキッド)がホワイトとブルーを基調とし、各部にダークグレーやイエロー、グレーを配色。背部のTブースターがダークグレーやレッド、ライトグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部や各部ダクト、モールドなどを補いますが、それほど多くはありません。膝周りのダクトなど細部に塗り分けが必要ですが、素組みでも十分な色分けが再現されています。
ダークグレー成型色の外装やグレー成型色の関節や内部ガンダムフレームはKPSで構成されています。
ポリキャップはPC-002を肩部や股間部、足首などに使用しますが少なめ。関節強度はまずまず高めですが、背部のTブースターにかなりの重量があるため、そのままでは自立できず。付属の台座を使ってTブースターを支える必要があります。
ベイオネット・ソード、ベイオネット・ライフル用のグリップパーツ、ベイオネット・ソード保持用のジョイントパーツが付属。
ガンダムフレームの一部パーツが余剰で付属します。
初回限定生産のものはトレーディングカードアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』用のガンダムダンタリオンカードが付属していました。
外装やTブースターを外した内部フレーム状態で。
上半身内部フレーム。胸部にはガンダムフレーム定番のエイハブ・リアクターが造形。肘関節はダンタリオン用に新造され、前腕は外装パーツで構成されています。腰部は新造された腰アーマーでフレームを固定します。
脚部内部フレーム。見慣れたフレーム構造ですが、膝から下は外装で足首のポリキャップを挟むようになっています。ソール部形状は特殊。
背部Tブースターを外したネイキッド状態で。骸骨のような独特のデザイン。
頭部。髑髏(しゃれこうべ)をイメージしたような特殊でヒール感あるデザイン。V字型アンテナは健在ですが、ガンダムと言うにはかなり異質のスタイルになっています。頬のオレンジと額のセンサー、ツインアイはシールでの色分けです。
基部がモナカ割なので後頭部に合わせ目ができます。
胸部・腹部。全体を装甲で覆うようなかたちで、エアインテークや中央の装甲、肩部など各部ともパーツで色分けされています。腹部はガンダムフレームのシリンダーシャフトが露出。
背部は2基のジョイント穴を交わすように簡易的な装甲が組み付いています。
腰部。軽装ながらも特殊な装甲が造形されています。リアアーマーはガンダムフレームがそのままむき出しの状態。フロントのモールドはオレンジ、側面の装甲は青いシールでの色分けです。
腕部はかなり細身。ですが新規外装パーツによってメカニカルに造形されています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要そう。
ショルダーアーマーも一部装甲がパーツでの色分けとなっています。前後のモールドは黒く塗り分けが必要。前後の組み合わせで上部から側面にかけて合わせ目ができます。消す場合はグレーの装甲の後ハメが必要。
脚部は程よい肉付きでメカニカルに造形されています。膝の装甲はオレンジのシールでの色分け。大腿部の一部装甲は白に、スネ左右のダクトは黒に塗り分けが必要です。
後部は内部フレームと外装を織り交ぜた構造で内部フレームが適度に露出。各部とも細かくパーツを被せていく構造で合わせ目はありません。青いアンクルアーマーがやや外れやすいので注意が必要です。(個体差があるかも。)
ソール部もどことなく骸骨をイメージしたようなデザインになっています。合わせ目が出来ないパーツ構成。足裏はつま先側がほぼ肉抜き穴です。かかとはフレームが露出。
つま先は全く逆の位置にまで曲げることができます。
Tブースター。機動性を大幅に向上させる推進ユニットです。変形機構を持ち、ネイキッドと組み合わせることでハーフカウルTが再現可能。重厚感あるユニットになっています。
Tブースターをいろんな角度から。ハーフカウルTへの換装用に一部装甲が欠けているのは気になりますが、メカニカルに造形され、見た目もよく存在感があります。
左右にはハーフカウルT用の巨腕(ギガンティックアーム)が造形されていますが、中央でのロック機構がないのでユニット単体だと少しふらつきがあります。
バックパックからアームが左右に伸び、アームを軸として巨腕が反転可能。
反転後のアームは伸縮可能。伸縮どちらもカチッとロックがかかってしっかりと固定されます。アームはKPSで細身なので、伸縮の際に折ったり白化させたりしないように注意が必要です。
巨腕は接続部がロールし、回転させることができます。
巨腕はメカニカルに造形。前面や側面のモールドなど赤い部分はシールでの色分けです。
引き伸ばすことで二の腕と肘関節が露出。装甲が前腕になり、より腕部らしい形状に変化します。
二の腕箇所と側面の装甲は展開可能。二の腕は筒型で合わせ目はありませんが、前腕部は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。
先端のクローは幅広く展開可能。クロー先端もヒンジ接続で折りたたみが可能です。内側は肉抜き穴が多数。ヒンジ部分はグレーに塗り分けが必要です。
クローも引き出し可能。接続部が上下にスイングしますし、回転させることも可能です。
ネイキッドがTブースターを装備する際は付属の台座で支えるようになります。台座の支柱は組み替えによって高さ調整が可能。
Tブースターはジョイントパーツを組み付けて固定するため配置が安定しますが、ジョイントパーツ自体は外れやすいので注意が必要です。ジョイントパーツと支柱はは3.0mm穴接続で、アクションベースやスタンドでもディスプレイが可能です。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGルプスレクスと同じくらいでHGとしては少し大きめ。ダンタリオンの全高は18.0mですが、少しオーバースケールなようです。ルプスレクスもガンダムフレーム4が採用されていますが、外見からは共通部分殆ど確認できません。腹部や脚部背面に見られる程度です。
手持ちなところで、同じガンダムフレーム4のHGガンダムバルバトス第6形態、HGガンダムアスタロトリナシメントと並べて。
頭部は適度に上下スイングが可能。左右へも干渉なくスムーズにスイングします。
腕は水平より少し上まで上げることが可能。肘は二重関節で深くまで曲げることができます。
肩の前後スイングも45度程度まで可能。
上半身も適度に前後します。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
フロントアーマーがないので、前方へは葉が広く展開可能。後方はリアアーマーが干渉するのでそれなりです。
膝も二重関節で、コの字型に深くまで曲げることが可能。膝関節もメカニカルです。
足首は前後へは広く可動しませんが、左右へは90度まで深く曲げることができます。
左右への開脚は水平まで幅広く展開可能。
内股は大腿部と股間部が干渉して45度程度までですが、がに股は水平以上に展開させることができます。
立膝はまずまずきれいな姿勢で再現可能。
可動域の総括としては、細身で各部とも広めに可動するので、ポージングの自由度は高そうです。また、初期のHG鉄血のオルフェンズシリーズキットよりも関節が固めなので取り扱いもラクです。
ベイオネット・ソード。切れ味よりも威力を重視した折り畳み式の実体剣になります。肉厚な打撃刃形状が再現されています。
各部とも左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。実体刃はシルバーに塗り分けが必要。
先端は口径100mmライフル用に銃口が造形。開口されています。
付属のグリップを組み付け、刀身を折りたたむことでベイオネット・ライフルに。
ベイオネット・ライフル。専用の射撃兵装で、通常時は短銃身のサブマシンガンとして機能し、検診を延伸することで100mmライフルとして使用可能。
折りたたみ箇所はコンパクトな銃口が造形されています。
ベイオネット・ライフルを装備して。背部にTブースターを装備しているので、ポージングが特殊で背部になかなかの重量感があります。
浮かせてディスプレイさせる場合は背部Tブースターを支柱で支える方法と股間部に差し込んでのディスプレイさせる方法がありますが、Tブースターのジョイントパーツは外れやすいので、どちらかというと股間部に差し込んでのほうがディスプレイさせやすいです。
ただし股間部に差し込んでも、背部Tブースターに重量があるので、キットの角度によっては腰がクルッと回転して上半身ごと外れ落ちてしまったりするので注意が必要です。難しい場合はTブースターと股間部両方とも支えてやるといいかもですね。
ライフルで射撃するだけの簡単なポーズだとシンプルに取れますし、それだけでも十分に様になります。
ベイオネット・ライフルは刀身を伸ばした状態だと重量がかかりますが、片手でもなんとか保持が可能。たまに垂れることもありますが、それなりにでもポーズを取らせることができます。
ベイオネット・ソードも同様。片手でもある程度の保持が可能です。
ハーフカウルTへの換装は、まず背部Tブースターの巨腕と基部を分解します。
背部のアームを収納し、肘を曲げて折りたたみます。そして折りたたんだ腕包むように巨腕の基部装甲を被せ、バックパックのアームに接続して組み合わせます。
巨腕の肘と手首を引き伸ばして展開して肩に組み付けたら、ハーフカウルTへの換装完了です。
ハーフカウルTをいろんな角度から。Tブースターの装甲が腕部にガッチリと組み付いているので、巨腕を装備してもキットへの負荷は少ないです。
肩にユニットを装備したことで、細身のネイキッドがマッチョ感のある姿に変化。ユニット基部の前面スラスター口は黒いシールでの色分けです。
巨腕にはかなりの存在感があります。
背部バックパックとユニット基部の組み合わせは背筋をイメージしたようなデザインになっています。
巨腕は水平程度まで上げることができますし、肘も深くまで曲がります。肩の前後スイングはなし。
巨腕は可動箇所が多く、柔軟で自然な動きを表現することができます。大型ユニットなので、クローで挟み込んだりするようなポーズにも迫力が出ます。
巨腕のクローにジョイントパーツを組み付けることで、ベイオネット・ソードが保持可能。ベイオネット・ライフルでも保持はできますが、後部のストックが前腕と干渉するため難しいので諦めました。
ハーフカウルTの場合は浮かせたディスプレイでもネイキッドの関節にあまり負荷がかからず、ポージングがし易いです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。骸骨のような独特のネイキッドに加え、TブースターやハーフカウルTといった個性的な武装によって表現豊かなキットになっています。Tブースターの重厚感、ハーフカウルTのマッチョ感といった具合に大きく変化するのは面白いですね。換装ギミックも秀逸。
気になる点は、Tブースターを装備した場合、ユニットに重量があるため浮かせた状態でのディスプレイが難しいところがあります。腰が回転したりジョイントパーツが外れたりする場合は股間部と背部の2箇所をスタンドで支えると良さそうです。
ハーフカウルの場合はポージングもしやすく、巨腕の取り扱いもラク。挟み込むポーズや付属のベイオネットソードの保持もしやすいため、ダイナミックなポーズが良く決まります。HG鉄血のオルフェンズシリーズの中でも特に特殊性が強いので、他のガンダムタイプとは異なる容姿やギミックを持つキットとして楽しめるのではないでしょうか。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら