今回は、HG 1/144 RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)のレビューをご紹介します!
HG RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)は、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場するMS「RX-78-02 ガンダム」の1/144スケールモデルキットです。ジ・オリジン版ガンダムの特徴的な機体形状を新規パーツを交えて再現。パーツの組み換えにより、前期型と中期型が選択可能なキットになっています。背部ショルダーキャノンや前期型・中期型のビームライフルも付属。価格は2,530円(税込み)です。
サイド7をジオン軍が急襲した際、民間人の少年「アムロ・レイ」が偶然パイロットして乗り込むことになった地球連邦軍試作MS『RX-78-2 ガンダム』がHG THE ORIGINシリーズでキット化。
HG局地型ガンダムやHGヘビーガンダムなどに使用されている内部・関節パーツを流用しつつ、RX-78-2 ガンダムの各部外装やハイパー・バズーカ、前期型と中期型のビームライフルなどが新規造形で再現されています。
成型色はホワイトを基調に、胴体部にブルーやレッド、イエローを配色したガンダムタイプ定番のトリコロールカラー。ですがGUNDAM THE ORIGIN版ということで、若干淡めのカラーリングになっています。
ホイルシールが付属。頭部や肘、膝関節の丸モールド、腰部V字などを補うくらいで少なめ。塗装は一部ダクトなど細部を塗り分けるくらいで殆ど必要がなく、素組みで十分な色分けが再現されています。
内部・関節や武装類に使用されているグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。
ポリキャップはPC-001を全身各部に組み込みます。肘や膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかるような装備はなく、自立も安定しています。
■付属品
シールド、ハイパー・バズーカ、ハイパー・バズーカマウントパーツ、ビーム・ライフル(前期型、中期型)、胸部ガトリングガンの組み換え用パーツ、ビーム・サーベル刃✕2、平手(左右)、武器持ち手(左右)が付属。
中期型への組み換え用パーツが付属。
HGヘビーガンダムの流用ランナーからの余剰パーツがいくつか付属します。
専用のマーキングシールが付属します。
まずは前期型の状態で各部を見ていきます。中期型をご覧になりたい場合は以下のリンクから、記事後半の後期型に移動してください。
前期型は、胸部左上にショルダーマグナム、左前腕にガトリングガン、バックパック左にショルダーキャノンを装備するなど、各部形状が左右非対称になっているのが特徴です。
■前期型 頭部
頭部はこめかみのバルカンがパーツで色分けされるなど精密感な作り。メット部はパーツの分割により、合わせ目が2ラインでモールド化されています。アンテナ中央の赤いパーツは徐々にポロリしやすくなるので注意。
メット部は左右の組み合わせですが、後部中央の合わせ目は段落ちモールド化。とさか前面のセンサーは赤いパーツにシールを貼りますが、後部センサーは白いパーツに赤いシールを貼っての色分けします。
■前期型 胴体部
前期型胴体部。適度にエッジが効いた重機感のあるフォルムになっています。各部に程よくモールドが入るなどデザイン性も高め。襟や胸部エアインテーク、腰部ヘリウムコアなどはパーツでの色分けですが、腰部中央のV字マークはモールドにシールを貼って色分けします。
右のガトリングはパーツ組み換え式で展開状態が再現可能。左肩には前期型の特徴であるショルダーマグナムが造形されています。
腰アーマー裏は各部ともモールドなどは造形されていません。
股間部にはスライドギミックがあり、スライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。
■前期型 腕部
腕部。各部ともシンプルで起伏などもありませんが、エッジが効いていますし、モールドがメカニカルにデザインされています。どことなくレトロな雰囲気も。
上腕は左右、前腕は前後の組み合わせですが、どちらも合わせ目は段落ちモールド化されています。肘側面の丸モールド内部はグレーのシールでの色分け。
左前腕には前期型特有のガトリングガンを搭載。簡単な1個パーツ構成ですが、銃口もきっちりとモールド化されています。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせですが、上部の合わせ目は段差モールド化。側面のダクト内部はグレーに塗り分けが必要です。前期型なので上部はフラットな状態。
■前期型 脚部
脚部。人体らしい丸みのあるデザインで、各部にTHE ORIGIN版特有のメカニカルなモールドが造形されています。膝のモールドやダクトはパーツによる細かい色分けを再現。膝の左右の丸モールド内部はグレーのシールでの色分けです。
脚部内部構造。膝を曲げると膝の装甲がスライドするようになっています。
大腿部は前後、膝から下は左右の組み合わせですが、合わせ目は各部とも段落ちモールド化。グレーの膝関節も中央の合わせ目は段落ちモールド化されるなど、各部合わせ目が徹底してモールド化されています。
ふくらはぎ後部のスラスターカバーが展開し、内部のバーニアが露出。バーニアのデザインはシンプルですが、別パーツ化されているので塗り分けると見栄えがしそうです。
ソール部は薄型タイプ。アンクルアーマー側面の丸モールド内部はグレーのシールでの色分けです。足裏にはメカニカルなモールドが造形。肉抜き穴はありません。つま先は適度に反らすことができます。
■前期型 バックパック
バックパックは少ないパーツ数でメカニカルに造形されています。右側にサーベルホルダー、左側に前期型の特徴であるショルダーキャノンを装備するなど、左右非対称なスタイルになっています。
バックパックは2ダボ接続。
なので、HGUC RX-78-2ガンダム(REVIVE)やHGUC陸戦型ジムなどのバックパックを装備させることも可能でした。
ショルダーキャノンは左右挟み込みタイプで上下に部分的に合わせ目ができます。一部は段落ちモールド化。
HG局地型ガンダムやHGガンダムFSDに付属のショルダーキャノン(画像右)と並べて。ほぼ同じ形状ですが、砲口が深めになっているので新造されているようです。
ショルダーキャノンは付け根が2箇所で可動し、広範囲に展開が可能です。
下部のバーニアはボールジョイント型のポリキャップでフレキシブルに可動。サーベルホルダーも適度に可動します。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。ORIGIN版ガンダムの頭頂高は18.0m。比較的小型なタイプです。陸ジムなどと並べてもそれほど違和感がないような気も・・・。
HGUC RX-78-2ガンダム(REVIVE)と並べて。REVIVE版は今風のスタイリッシュさがあり、ORIGIN版はレトロで硬派な印象。好みは分かれそうですが、ORIGIN版ガンダムは局地型ガンダムのようなクセが少なくなっているので、1stファンはこちらがが好みかも。白成型色もピュアな感じが出ていていいですね。
HGヘビーガンダム、HG局地型ガンダム(北米戦仕様)と並べて。どれも各部の形状やカラーリングが違っていて個性的。HGヘビーガンダムは経年で各部が緩くなってきているので、このORIGIN版ガンダムもヘタれてくる可能性はありますね。
HGシャア専用ザクⅡ(THE ORIGIN版)とも並べて。
■各部可動域
頭部は広めに上下可動させることが可能。左右へも干渉なく柔軟に可動します。
肩は上部と前方に可動する最新フォーマット。首はポリキャップではなくパーツによる接続となっています。
腕は水平以上に上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩はボールジョイント接続で少し前後にスイングします。前方へはポリキャップの展開ギミックによって広めにスイングが可能。
腹部の可動ギミックにより、上半身を幅広く前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転が可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するため、前方へは広く展開させることができます。後方はリアアーマーが可動しませんが、股間部を可動させることで適度に展開することができます。
膝は二重関節で深くまで曲げることが可能。膝装甲の裏打ちパーツもきれいに造形されています。
足首は前後左右ともまずまず広めに可動します。
左右への開脚は水平まで幅広く展開が可能。
脚の付け根がロールするので、内股、ガニ股共に広く可動させることができます。
立膝もきれいな姿勢でこなすことができました。
可動域の総括としては、HG THE ORIGIN版シリーズの最新フォーマットによって各部が幅広く可動します。全体的に細身で干渉もないため取り扱いやすく、ポージングの自由度も高そうですね。
■武装類
シールド。表面に十字のあるオーソドックスなタイプですが、裏面の基部周りは細かく可動するようになっています。
基部は上下にスライドし、下部のグリップも引き起こしが可能。
さらに接続部も回転など柔軟に可動します。
シールドは組み換えることで、上下どちらの向きにすることもできます。
シールドはバックパックにマウント可能。ただし左側のショルダーキャノンが干渉しやすいので、うまく交わすように配置する必要がありそうです。
ハイパー・バズーカ。ブラッシュ社が開発した肩掛け式の携帯対艦火器になります。複数パーツの組み合わせでなかなかしっかりとした作りになっています。
グレーの後部マガジン部分はモナカ割ですが、合わせ目はモールド化されています。砲身の白い部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要そう。
センサーは左右にスイング可能。後部の白いフックも引き起こしが可能です。センサーは黄色いシールでの色分け。
グリップもわずかながら可動します。
付属のジョイントパーツを使用することで、ハイパー・バズーカをリアアーマーにマウントさせることができます。固定強度はまずまず高め。
前期型のビーム・ライフル。メカニカルで特徴的な左右非対称の形状になっています。
左右の組み合わせでで部分的に合わせ目が出来ます。一部の合わせ目は段落ちモールド化。
センサーは左右に可動し、左側面のフォアグリップは広く展開が可能。センサーの表面はイエローパーツでの色分けで、一旦組み込むと外れにくいので仮組み時は注意が必要です。
手前の角型センサーはグリーンのシールでの色分け。フォアグリップの反対面にあるマウント用リブも引き起こしが可能です。
マウント用のリブを展開することで、前期型ビームライフルをリアアーマーに直接マウントさせることができます。
説明書に記載はありませんが、前期型のビーム・ライフルはシールド裏にマウント可能でした。
■前期型でのポージング
一通り武装して。公式ホームページと同様、シールドは逆向きに装備しています。
後部にマウントしたハイパー・バズーカがややシールドと干渉しやすいですが、シールドはグリップを握らせて保持しているので柔軟性があり、干渉を避けることができます。
足首が左右に広く可動するので接地性が高く、自立した状態でも安定したポージングが可能です。武器持ち手がバラけやすいのでその点は注意が必要です。
シールドは前腕に固定し、グリップもハンドパーツで握らせるので保持力は高め。ですがこちらもグリグリ動かしていると手甲パーツが外れたりするので注意です。
肩があまり広く前後しないので、ビーム・ライフルの両手持ちはなんとか再現できるかなという程度でした。
背部のショルダーキャノンを前方に向ければ、より重厚な攻撃ポーズを演出することができます。このあたりは前期型ならではの仕様で格好良いですね。
ハイパー・バズーカはグリップが可動するので、肩に担いだり脇に抱えたりすることができます。平手が付属するので、砲身を支えるなど自然なポーズを取らせられるのが良いですね。
ビーム・サーベルはスルッと抜けない程度に保持してくれます。ビーム刃はクリアピンク成形色での再現ですが、ブラックライトで照らしても発光はしませんでした。
続いて中期型の各部を見ていきます。
各部を組み換えて中期型に。中期型は比較的オーソドックスな形状の左右対称型。肩に牽引用のフックのような装備を持つ仕様になっています。
前期型から中期型に組み換える場合、胸部や肩部など分解が必要な箇所があるので破損させないように注意が必要です。金銭的に余裕があるなら、2体購入して組み分けておくのもありですね。
中期型を色んな角度から。1stに登場したRX-78-2ガンダムっぽくていいですね。
■前期型と中期型を比較
各部を前期型と比較しながら見ていきます。
■中期型の胴体部
胸部は左肩のショルダーマグナムがオミットされ、胸板のモールドも左右が同じものに変更されています。
ですが前期型と同じく装甲パーツがバラせるので、組み換えて前期型のようにガトリングとショルダーマグナムを展開することができます。
■中期型の腕部
中期型は右前腕が左前腕と同じものに変更され、ガトリングガンマウント用のフレームが造形されています。
左前腕もガトリングガンがオミットされています。
ですが前腕にはガトリングガンマウント用のフレームがあり、予備パーツもあるので両前腕にガトリングガンを取り付けることもできます。
ショルダーアーマーは前期型がフラットな装甲なのに対し、中期型は上部に牽引フックのような装甲が造形されています。前期型と同じく側面のダクト内部はグレーに塗り分けが必要。
■中期型のバックパック
バックパックは前期型が左にショルダーキャノンを装備しているのに対し、中期型は両側面ともサーベルホルダーのベーシックなスタイルなっています。
HGUCガンキャノン(REVIVE)とHGUCガンタンクを並べて。組み合わせても特に違和感はなさそうですが、できればORIGIN版のガンキャノンやガンタンクのキット化も期待したいところです。
■中期型のビームライフル
続いて中期型のビーム・ライフルです。こちらは重厚な前期型のビームライフルとは異なり、比較的ベーシックなスタイルで形状はほぼ左右対称。1stのRX-78-2ガンダムが持つものに近いデザインになっています。
こちらも左右の組み合わせですが、大部分の合わせ目はモールド化。一部にのみ合わせ目ができる仕様で、そのままでも十分なくらいの完成度になっています。
センサーやフォアグリップは左右に可動。センサーはイエロー成型色パーツでの色分けとなっています。一旦組み込むと外しにくいので、仮組み時は注意が必要。マウント用のリブは引き起こし可能です。
マウント用のリブを引き起こすことで、中期型のビーム・ライフルもリアアーマーにマウントさせることができます。
中期型のビームライフルも前期型と同様、シールド裏にマウントさせることができます。
■中期型でポージング
シールドと中期型のビーム・ライフルを装備して。
中期型は背部にショルダーキャノンがなく、肩の武装もオミットされているため、前期型よりも更にクセのないベーシックなRX-78-2になっていますね。
中期型ビーム・ライフルの両手持ちも前期型と同様、少しぎこちないところがあります。ですがそんなに姿勢が崩れる感じでもないので、うまくポーズを取らせてリアルな射撃ポーズを演出したいですね。
前期型と中期型の画像を交えて適当に何枚かどうぞ。
以上です。プロポーションがこれまでのTHE ORIGINシリーズのガンダムタイプよりもベーシックな感じにまとまっていて、万人に受け入れられそうですし、前期型や中期型も再現できるのでファンの満足度も高そうです。可動もヘビーガンダムなどに採用されているフォーマットで柔軟に可動するなど、ポージングの自由度も高くて良いですね。
気になる点は、手甲パーツがかなり外れやすいので武器の両手持ちなどは少し難しさがあるかもです。内部や関節がKPSパーツ構成なので、ヘビーガンダムのようにヘタれてゆるくなってくる場合も。もしヘタれてくるようであれば、補強も考える必要があるかと思います。
HGUC系のガンダムタイプらしいレトロ感やTHE ORIGIN版の特有のクセもあり、組み換え式の肩部武装や各部のモールド類にはメカニカルさも感じます。オーソドックスな武装類も付属するというすべてを兼ね備えた感のあるガンダムがTHE ORIGIN仕様で楽しめるのは嬉しいですね。
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9 件のコメントがあります。
匿名
on 2020年3月14日 at 07:46 -
MGでは盾の裏にライフルをマウントできましたが、このHGでも可能でしょうか?
盾の裏にそれっぽい穴があるので、可能だと思うのですが…
nori
on 2020年3月14日 at 13:27 -
コメントありがとうございます!
説明書には記載されていませんが、ビーム・ライフルは前期型、中期型共にシールドにマウントできるようですね。
画像を追加しておきます^_^
匿名
on 2020年3月14日 at 12:44 -
なんか顔がコレじゃない感がする。(個人の感想デス…)
旧キット1/100パーフェクトガンダムを思い出させる顔立ちです。(いわゆる大仏顔)
nori
on 2020年3月14日 at 13:28 -
コメントありがとうございます!
顔はTHE ORIGIN版特有のクセがあるかもですね;
匿名
on 2020年3月14日 at 13:11 -
いやぁプロポーション抜群ですね
今までは胴短足長の、要はヒーロー体型でそうなると頭も小さくしないとバランスが取れなかった
やっと気づいてくれたかって感じ
あとは足首をもう少し小さくして欲しいな
足首がデカいのはHGに多い傾向なので物理的な安定感とかの問題な気もするけど
サイズ的に倒れても大したダメージ無いので気にしなくてもいい気がする
nori
on 2020年3月14日 at 13:30 -
コメントありがとうございます!
1stの印象を崩すことなく、重機感なども表現されたいいプロポーション、造形になっていると思います。
あとの細かい部分は個人の好みの問題ですかね~^_^
shio
on 2020年3月23日 at 11:25 -
ズバリの”こういうのでいいんだよ”って造形ですよね
匿名
on 2020年3月14日 at 14:37 -
レビューお疲れさまです
なんか目のシール(の黒い部分)がおかしい…と思ったら
オリガンって元々そういう造形だったんですね
目の下の隈取りが黒でぶったぎられてるデザイン
nori
on 2020年3月17日 at 22:12 -
コメントありがとうございます!
ねぎらいのお言葉感謝ですm(_ _)m
オリジン版のガンダムは頭部形状に少しクセがありますね;