今回は、2009年5月に発売されたHG 1/144 GNW-20000 アルケーガンダムのレビューをご紹介します!
HG アルケーガンダムは、『機動戦士ガンダム00 』に登場するMS「GNW-20000 アルケーガンダム」の1/144スケールモデルキットです。 スローネツヴァイの特長を引き継ぐ特徴的な機体形状を再現。ウイングや脚部脛アーマーのスライド展開ギミックにより、GN粒子散布形態が可能となっています。ライフルモードに変形可能なGNバスターソードも付属。価格は1,760円(税込み)です。
スローネツヴァイの設計データを基に開発した実戦配備最終形態で、劇中ではアリー・アル・サーシェスが搭乗。ソレスタルビーング各機と激しい戦闘を行い、最後はケルディムガンダムによって破壊された機体「GNW-20000 アルケーガンダム」がHGでキット化。
スローネシリーズの系譜を汲みつつ、長大化した四肢を持つ独特の機体形状が新規造形で再現されています。名称の「アルケー」は天使の階級の1つ「権天使」に由来。
成形色は若干くすみのあるレッドを基調に、頭部や膝部、シールドなどにホワイトを配色。その他、胴体部や両脚部のGNドライヴやサーベル刃はクリア、内部・関節、腹部などは淡めのブラウン成形色での再現となっています。
シールは頭部センサー、ウイングやつま先、胴体部や脚部のGNドライヴなどを補います。シールだけでは補い切れず、GNバスターソードのモールドなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けは再現されています。
ABSやKPSは不使用。殆どのパーツはPS素材となっています。なので塗装する場合もさほど破損を気にする必要はなさそうです。
ポリキャップはPC-001を使用し、ほぼすべての関節部分に組み込みます。関節強度はまずまず。背部に脱出用のコアファイターを装備していますが、軽量なので後方への負荷はほぼありません。脚底の接地面は小さいですが、2本脚であればしっかりと自立させることができます。
■付属品
GNシールド、GNバスターソード、GNビームサーベル刃✕2、コックピットブロック用ジョイントパーツ、ライフルモード用のグリップパーツが付属。余剰パーツはありません。
■各部形状
■頭部
頭部。ガンダムタイプ特有のアンテナこそありますが、細眼でヒール感が強く、個性的なデザインになっています。額のセンサーはピンクのシールでの色分け。
メット部は左右の組み合わせで頭頂部に合わせ目ができます。フェイスや後頭部パーツを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要そう。
ツインアイはシールなどでの色分けがないため、赤く塗り分ける必要があります。左右のスリットダクトはイエローに塗り分けが必要。
■胴体部
胴体部。胸部表面にはメカニカルなモールドが造形。エアインテークはパーツできっちりと色分けされています。腹部中央には円筒状のGNドライヴを装備。GNドライヴは内部にパープルのシールを貼り、その上からドーム状のクリアパーツを被せての再現です。
脇には背部コアファイターからシャープな装甲が伸びるなど、スローネツヴァイと似た禍々しいデザインになっています。
肩はGNドライヴを基部に、簡単なフレーム軸のみで構成されています。肩のフレーム軸は前後や上下へのスイングが可能。何気に可動箇所は多めです。
腰部は前後とも軽装。三角型の装甲がシャープに造形されています。
腰アーマー裏にモールドはなし。至ってシンプルです。リアアーマーはボールジョイント型ポリキャップで適度に展開可能。股間部は前後にスイングさせることができます。
股間部は左右にもスイング可能。柔軟に可動します。
腰部側面には幅のあるバインダーを装備。脚部の大部分を多い隠すほどの大型ユニットになっています。表面、裏面ともにメカニカルなモールドが造形。一部をメタリック調に塗り分けたりすると映えそうです。
バインダー下部の左右装甲はボールジョイント接続で展開可能。
内部にはGNファングのモールドが造形されています。内側はホワイトや淡めのブラウンで塗り分けが必要。GNファングの脱着ギミックなどはありません。
展開する装甲裏にもモールドがデザインされています。あまり見えない箇所もしっかりと作り込まれていますね。
バインダーは大腿部にボールジョイントで接続されており、前後など各方向に広く展開させることができます。
■腕部
腕部は全体的に細身で、前腕がかなり長く異質。どことなく禍々しい雰囲気も持ったデザインになっています。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。各部に細かなモールドがデザインされているため、チープな感じは全くなし。完成度が高いです。
ショルダーアーマーには横幅があり、上部には薄型の1枚羽が造形。羽の先端は白いシールで、前面のラインモールドはピンクのシールでの色分けとなっています。
こちらも前腕と同様、合わせ目が出来ないパーツ構成。
上部の1枚羽は左右にスイング可能。
■脚部
脚部はスローネツヴァイを思わせる薄型で歪なデザイン。ふくらはぎにある円筒状のGNドライヴも印象的に造形されています。
膝から下は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。後面各部はモールドがメカニカルにデザインされています。膝関節も左右からマルイチパーツを組み合わせる構造でチープな感じはありません。
大腿部は側面に合わせ目ができますが、膝が分離するので処理はラク。
右側面の一部にのみGNドライヴが露出。GNドライヴは胴体部と同様、パープルのシールの上からドーム状のクリアパーツを被せての再現です。
膝から下の前面装甲はスライド展開が可能。内部からスリットダクト状のGN粒子噴射口が露出します。
ソール部もスローネ系と同じハイヒール型。合わせ目はなく作りがしっかりとしています。つま先の一部モールドは白いシールで色分けしますが、最先端のビーム口は白く塗り分けが必要です。
足裏もモールドがデザインされていて抜かりがありません。
■背部(コアファイター)
背部には脱出用のコアファイターを装備。縦に長い独特の形状をしたユニットになっています。
アルケーガンダム本体とは1軸とポリキャップ接続。「ー」のロック機構があるため、自然に角度が変わったりということはありません。
本体部分は簡単な左右の組み合わせですが、中央の合わせ目はモールド化。この状態だとどことなくエビのような雰囲気もあって面白いですね。
コアファイターへの変形は、テール部分を外して左右のウイングを展開。下部の尖った装甲を後方に向けます。そして頭部を本体から取り外し、付属のジョイントパーツと組み合わせて固定。これでコアファイターへの変形完了です。
コアファイター。左右のウイングを展開したことで、戦闘機らしいシルエットに変化。少し禍々しい雰囲気を持ちつつも、シャープでスピード感ある機体形状が再現されています。ウイングの白い部分はシールでの色分けです。
下部の3.0mmポリキャップ穴を使用すれば、コアファイターを浮かせてディスプレイさせることも可能。ただし太い支柱だと頭部が干渉して外れることがあるので、ジョイントパーツなどでうまく交わすようにします。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGUCνガンダムと並べてサイズを比較。アルケーガンダムはHGの中でもかなり大きめ。陸ジムとはかなりの差がありますし、νガンダムとは同等かそれ以上の大きさになっています。アルケーガンダムの頭頂高は20.9m。
設計データの基となっているHGスローネツヴァイと並べて。大きさには差がありますが、シルエットや機体のデザインはよく似ています。
HGガンダムデュナメス、劇中で戦闘を繰り広げたHGケルディムガンダムGNHW/Rと並べて。デュナメスとはかなりのサイズ差があります。因縁浅からぬところがあるので、組み合わせて最終決戦シーンを再現しても面白そうですね。
■可動域
頭部は少し深い位置にありますが、適度に上下させることができます。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。
腕は水平程度で上げることが可能。肘は1重関節ですが、V字程度まで深く曲げることができます。
肩は少し前後する程度。
腰部ボールジョイントによって上半身を少し前後させることができます。
腰は360度回転可能。コアファイターのテールが腰バインダーと干渉しないように動かします。股間部のカバーパーツを外して3.0mm軸を差し込むことで、アルケーガンダムをアクションベースやスタンドで浮かせてディスプレイさせることができます。
腰アーマーが前後とも可動するので、前後開脚は幅広く展開させることができます。
膝は1重関節ですが、大腿部が細身で殆ど干渉しないため、深くまで曲げることができます。膝の内側も作りがしっかりとしていますね。
足首は前後左右ともまずまず可動します。
股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度までと制限されます。
内股、ガニ股はともに45度程度まで展開。
立膝をきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
可動域の総括としては、多少干渉で制限される箇所はあるものの、全体的に可動域が広く柔軟。躍動感あるポーズが再現できそうですし、手足が長いこともあってよりダイナミックなポージングが演出できそうです。
■武装
GNバスターソード。GN粒子を使用した専用の大型実体剣になります。スローネツヴァイものを強化した武装で、実体剣とビームサーベル両方の特性を併せ持つとのこと。刀身部分には厚みがあり、強度を感じさせる武装になっています。表面には適度なモールドが造形。モールドは淡めのブラウンで塗り分ける必要があります。
刀身部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
刀身部分の装甲をスライド展開させることで、内部から銃身が露出。銃口こそ開口されていませんが、銃身部はメカニカルにデザインされています。
GNシールド。専用の実体盾になります。通常のシールド効果に加え、GNフィールドを形成するビームシールドとしても使用可能。アルケーガンダムの形状に合わせた細身の武装になっています。
白いパーツの2枚重ねですが、側面の合わせ目はあまり目立ちません。
左右の赤い装甲は展開可能。展開させることでGNフィールドを形成するビームシールドにもなるとのこと。特にビームシールドのエフェクトなどは付属していません。
一通り武装して。
GNバスターソードは前腕に組み付け可能。スライドロック式で固定されるため、特に外れたりということはありません。
デザイン的にヒトクセありますが、ポーズを付けるとなぜか格好よくなりますね。
GNバスターソードをハンドパーツで握らせる場合は、一旦手甲パーツをバラし、グリップをハンドパーツで挟みます。若干柄が細身なため、ハンドパーツとの間に隙間ができますが、手甲でしっかりと挟めば固定されます。
大剣なので、シンプルに保持するだけもかなりの迫力。振りかぶるだけで圧巻の攻撃シーンを演出することができます。ただしGNバスターソードには重量があるため、構え方によっては腕が垂れる場合があるので注意です。
腕が長いため、リーチを生かした躍動感のある攻撃ポーズを演出することができます。
両手持ちは一応可能ですが、腕を揃えるのが難しいのと、手首や手甲パーツが外れやすいです。予め強度を上げてからのほうがラクに構えられそうですね。
ボリューム感のあるキットなので、簡単なポーズでも重厚感が出るのが良いですね。
ハンドパーツにグリップを組み付け、前腕に装着したGNバスターソードに組み付けることでライフルモードとして使用することができます。
GNバスターソードが前腕にしっかりと組み付いていますし、それにグリップや手首などでしっかりと固定されるため、ライフルモードでのポージングはかなりラク。ストレスはほぼありません。
GNシールドも前腕にスライドロック式で固定するため、簡単には外れないようになっています。
つま先にはビームサーベル刃が装着可能。ビーム刃はクリア成形色なのでピンクに塗り分ける必要があります。
支柱の短いスタンドだとサーベル刃が接地してしまうため、自由にポーズを付けたい場合は支柱の長いスタンドを使った方が良いかもです。
細身で干渉が避けられるため、GNビームサーベルを展開して脚を振り回すようなポーズも再現可能。
腰部のバインダーを前方に向けてGNファング射出シーンを再現。GNファングが別途付属していないのは残念ですが、これだけボリュームのあるキットが2,000円以内というのはかなりのお得感がありますね。
以上です。禍々しいクセの強いデザインなため好みは分かれそうですが、ポーズを取らせると格好良いですね。おそらく造形美が感じられるようにデザインされていると思いますし、その中になんとも言えないヒール感が漂う、魅力的なキットになっています。コアファイターもクセが強いですがどこか惹かれるものがありますね。
気になる点は、関節強度があまり高くないので、GNバスターソードを保持するとたまに肩が垂れたり、脚が垂れたりすることがあります。関節をしっかりと押し込んでいると強度を保ってくれますが、経年で保持が出来なくなる可能性はありそうですね。それとできればGNファング単体が1基でも付属していると良かったかなと。
一方、GNバスターソードはライフルモードもきっちりと再現されていますし、脚部ビームサーベルもクリア成形色ながらしっかりと再現されており、劇中の脚でぶん回すような演出も十分に再現することができます。そして何より、このボリュームで1,760円とコストパフォーマンスに優れているので、劇中の印象的なシーンを再現するためにもぜひ入手しておきたいキットの一つですね。
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3 件のコメントがあります。
匿名
on 2024年4月20日 at 19:58 -
いつ見ても何度見てもカッコ悪い
匿名
on 2024年4月21日 at 01:09 -
劇中のプロポーションが再現されていない気がします
フルメカかMGでリベンジして欲しいです
Mr.8
on 2024年11月12日 at 00:13 -
そういえば劇中では一回しかコアファイター使ってないし、最終決戦時に使わなかったのは不思議