今回は、2004年2月に発売されたHGUC 1/144 RX-77D ガンキャノン量産型のレビューをご紹介します!
HGUC ガンキャノン量産型は、『機動戦士ガンダム0080』に登場するMS『ガンキャノン量産型』の1/144スケールモデルキットです。量産型特有の機体形状を再現。特徴である両肩の240mmキャノン砲はバックパック内に収納可能。砲身の伸縮ギミックも再現されたキットになっています。マシンガンも付属。価格は1,100円(税込み)です。
一年戦争末期に配備された中距離支援用MS『ガンキャノン量産型』がHGUCでキット化。ガンキャノン特有の赤い機体色や厚みのある装甲を持つ特徴的な機体形状が再現されています。別名は『量産型ガンキャノン』。
成型色は外装の大部分がレッド。頭部のみホワイト、エアインテークやバックパック後部の丸いエネルギーパックらしきパーツがイエロー成型色での再現となります。その他は肩の240mmキャノンやソール部がダークグレー、関節や腹部、内部パーツなどがダークブラウンと、色数自体は多くはありません。
頭部バイザーや各部のエンブレムなどをシールで補いますが全体的に少なめ。素組みでもいいくらいの色分けが再現されていますが、バックパックのバーニア内部などに塗装が必要です。
ポリキャップはPC-123プラスを関節各部に使用します。肘や膝もすべてポリキャップ仕様。キットの関節強度が高く、自立は安定しています。ABSは不使用。
キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)⇒ヌルっと切れる片刃ニッパー
90mmマシンガン、武器持ち手(左)が付属。
頭部。厚みのあるバイザーや顎のヘッドギアなど、RX-77-2ガンキャノンとは異なる重機感、メカニカル感のある作りになっています。バイザーの連邦エンブレムはモールドにシールを貼っての色分け。バイザーは白いパーツにグリーンのシールを貼っての色分けです。
メット部は左右挟み込みタイプで上部から後頭部にかけて合わせ目ができます。消す場合は後ハメ加工が必要。
胸部。モールドは少なめですが、全体的にマッシブ感のあるデザインになっています。
腰部はフロント下部にタンク型のマルイチ装甲、リアアーマー下部にスタビライズド・ギア※が造形されるなど個性的な造りになっています。スタビライズド・ギアの伸縮ギミックはありません。バーニア内部は黄色や黒に塗り分けが必要。※スタビライズド・ギア・・・・射撃時に接地させることで、機体の安定性を向上させより精密な砲撃を可能とする。
フロントやリアアーマーのマルイチモールドは別パーツ化されているので塗装がしやすいかと。フロントアーマー一部は黄色いシールでの色分けです。
腰アーマー裏にモールドは造形されていません。股間部はボールジョイント接続です。フロント、リアアーマーともにサイドアーマーと一体。
腕部。丸みのあるガンキャノンらしいデザインになっています。部分的にモールドが造形されるなど、ガンキャノンに比べて少しメカニカルで重厚感があります。
二の腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は左右挟み込みタイプで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目を消すのはラクそう。手首のポリキャップは組み方を間違えると手首が長くなってしまうので注意が必要です。
ショルダーアーマーは挟み込みタイプで上部に合わせ目ができます。内部は2段で挟み込み構成になっているので、合わせ目を消すのは後ハメやマスキング塗装などがなかなか大変そう。あまり目立たないので、そのままにしておいてもいいかも。前後の丸モールドはグレーに塗り分けが必要です。
右肩にはスカーレット隊のエンブレム※、左肩には6機編成であること(おそらく)のナンバー『6』のシールを貼るようになっています。※スカーレット隊の母艦である『グレイファントム』の旧名が『トロイホース(Trojan Horse)』であったため、『TH』がそのまま部隊マークとして残っているとのこと。諸説あるようです。
脚部はRX-77-2ガンキャノンに近い造りですが、膝下の左右には重機のようなモールドが造形されています。スネの縦ラインモールドはグレーに塗り分けが必要。
大腿部、膝から下共に左右挟み込みタイプで前後に合わせ目ができます。大腿部、膝、膝から下それぞれ分離しますが、膝から下の合わせ目を消す場合は後部バーニアや足首内部パーツの後ハメ加工が必要そうです。
ソール部も重機感のある作りになっています。組み合わせパーツ数が多めで色分け再現度も高め。後部は左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。バラせるので合わせ目を消すのはラクかと。
足裏はモールドが造形。つま先側は裏打ちパーツによる造形で肉抜き穴はありません。
バックパックも複数パーツの組み合わせで細かく造形されています。各部のバーニアもすべて別パーツ化。バーニア内部やスラスター内部などはグレーやイエローに塗り分けが必要です。左右にはナンバー『6』のシールを貼るようになっています。
バックパックを外すと内部の240mmキャノンが確認できます。240mmキャノンは付け根がポリキャップ接続で適度な強度があります。
240mmキャノンは各部とも筒状で合わせ目は出来ない作りになっています。前方に展開が可能。
伸縮も可能で、砲口を伸ばすことでメカニカルなフレームが露出します。内筒はゲートをキレイにカットしないと引っかかって伸縮が難しくなる場合があるので注意です。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。肉厚なので単体だと少し大きく見えますが、陸ジムとほとんど変わりません。ガンキャノン量産型の全高は18.1m。
HG RX-77-2 ガンキャノン(REVIVE)と並べて比較。並べると形状の違いがよくわかりますね。成型色はほとんど同じですが、ガンキャノン量産型のほうが微妙に赤みが強いかなという印象。
機動戦士ガンダム0080登場機(HGUC ガンダム NT-1、HGUCズゴックE)と並べて。ケンプファーが手持ちにないのでこの2体にしました。どれも古いキットですが、色褪せず、それぞれに味があっていいですね。
首が短いので、頭部はわずかに上下する程度。左右への可動も干渉しやすいですが、顎を上げることで水平程度にまでスイングが可能です。首パーツはポリキャップです。
腕は水平まで上げることができ、肘は90度曲げることができます。肩は胸部から伸びる軸接続で、前後へのスイングはできないようになっています。画像も省きました。
腹部に可動箇所がないので、上半身の前後スイングもできません。画像を省きました。腰は360度干渉なく回転が可能です。股間部にコの字パーツを挟んでのディスプレイとなりそうですが、幅が狭く、やや開脚してしまいます。大腿部が干渉して抜けやすくもなるので、浮かせたディスプレイは難しいかも。コの字パーツ組付けの際、スタビライズド・ギアパーツが干渉ではずれる場合があるので注意です。
フロントアーマーと膝装甲が干渉しやすいですが、適度に前後開脚は可能です。
膝は装甲の干渉により、くの字程度まで。膝関節は筒状のパーツで合わせ目はありません。膝装甲裏に裏打ちパーツはなく空洞。
足首は前後、左右ともまずまず可動します。
左右への開脚は少し狭めのハの字程度。
内股、ガニ股は共に45度程度まで。
立膝もきれいな姿勢にはなりません。
可動域の総括としては、昔のキットということもあって全体的に可動域は狭めで、躍動感あるポーズを取るのは難しいようです。ですが各部ともそれなりには動きますし、派手に動き回る機体でもないのでこれくらいでも問題はないかと。むしろぎこちない重機感が表現できていいのかも。
90mmマシンガン。一年戦争末期、一部の量産機に配備された武装で、ジム・スナイパーⅡも装備する定番のマシンガンになります。別名ブルパップ・マシンガン、ジム・マシンガン。
本体部分は最中割りの簡単な造りで、上下に合わせ目ができます。
マガジンの脱着ギミックなどはなし。センサーの色分けなどもありません。
90mmマシンガンを装備して。
付属の武器持ち手でしっかりと挟み込め、遊びもないのでポーズは取りやすいです。
可動域があまり広くないのでどうしても派手なポーズを取れないところがありますが、重厚感あるボディで下からのビューにはなかなかの迫力があります。平手があれば、キャノンに添えるようなポーズが取れるので良かったかも。
浮かせてディスプレイさせ、グレイファントムからの出撃シーンっぽく。
コの字パーツを奥まで差し込むと大腿部が外れてしまうので、乗せるだけの形でディスプレイさせています。この時期のキットは浮かせた状態でのディスプレイが考慮されていないようなので、別売りでも旧キット用のジョイントパーツなどがあればいいですね。
しっかりと固定されるわけではないですが、膝を支え、グリップを握らせることで、HGライトライナーを装備することもできました。ただ、股間部のコの字パーツや3.0mm穴を使ってのディスプレイが難しいので、アームで支えたりする必要がありそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。昔のキットなので不自由さ、動かしにくさはあるものの、それがむしろ不器用さや無骨感を表現しているようで、重機のような重厚感を感じさせるキットになっていると思います。全身の赤い成型色もガンキャノンらしさが前面に出ていていいですね。
気になる点としては、付属品が少ないので、せめて平手などが付属するともう少しポージングの幅が広がって良かったかと。浮かせた状態でのディスプレイも難しいので、それ用のジョイントパーツなどがあるとありがたいところです。
240mmキャノンの伸縮ギミックもメカニカルさが出ていて味がありますし、バックパックの作りもなかなか。残念ながら劇中では全く活躍できませんでしたが、このキットによって独自の活躍シーンを演出するなどして楽しみたいですね。
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